第一條 執達吏ハ區裁判所ニ屬シ法律ニ從ヒ訴訟ニ關スル書類ヲ送達シ及裁判ヲ執行スルモノトス
第二條 執達吏ハ當事者ノ委任ニ依リ左ノ事務ヲ取扱フコトヲ得
第三條 執達吏ハ法律規則ニ定メタル職務ノ外裁判所及檢事局ノ命令ニ依リ其職務ニ應スル事務殊ニ左ノ事務ヲ取扱フノ義務アリ
第二 罰金科料過料ヲ徵收シ及沒收物品ヲ取上ケ若クハ賣却スルコト
第四條 執達吏ハ所屬區裁判所ノ一人ノ判事若クハ監督判事ノ監督ヲ受ク
他ノ判事又ハ檢事ニシテ職務上事務ヲ命シタルトキハ其事務ニ限リ執達吏ニ對シ監督權ヲ有ス
第五條 執達吏ハ所屬區裁判所所在地ニ住居ヲ定ムヘシ但地方裁判所長ノ許可ヲ得タルトキハ其區裁判所管轄內ニ限リ他ノ地ニ住居ヲ定ムルコトヲ得
第六條 執達吏ハ所屬區裁判所所在地ニ役場ヲ設クヘシ
第七條 一區裁判所ニ數名ノ執達吏アルトキハ裁判所及檢事局ノ命令ニ依ル事務ト裁判所書記ヲ經テ委任スヘキ事務トヲ各執達吏ニ分配スヘシ此分配ハ成ルヘク土地ノ區域ニ從フヘシ
事務分配ハ每司法年度ノ終ニ於テ區裁判所ノ一人ノ判事若クハ監督判事前以テ之ヲ定ム
執達吏ノ爲シタル事務ハ事務分配上其事務他ノ執達吏ニ屬シタリトノ事實ノミニ因リ其効力ヲ失フコトナシ
第八條 執達吏ハ左ノ場合ニ於テハ其職務ノ施行ヨリ除斥セラルヘシ
第一 自己又ハ其婦カ當事者若クハ被害者タルトキ又ハ當事者ノ一方若クハ雙方又ハ被害者ト共同權利者共同義務者若クハ償還義務者タルノ關係ヲ有スルトキ
第二 自己又ハ其婦カ當事者ノ一方若クハ雙方又ハ被害者又ハ其配偶者ト親族ナルトキ但姻族ニ付テハ婚姻ノ解除シタルトキト雖亦同シ
第三 自己カ同一ノ事件ニ付證人若クハ鑑定人ト爲リテ訊問ヲ受クルトキ又ハ法律上代理人ト爲ルノ權利ヲ有スルトキ若クハ之ヲ有シタルトキ
第九條 執達吏ハ民事訴訟ニ付テ其婦又ハ自己若クハ其婦ノ親族ノ爲ニノミ訴訟代理人及輔佐人トシテ法廷ニ出ルコトヲ得但姻族ニ付テハ婚姻ノ解除シタルトキト雖亦同シ
第十條 執達吏ハ其職務ヲ行フヘキ命令若クハ委任ヲ受クルトキハ正當ノ理由ナクシテ之ヲ拒ムコトヲ得ス
第十一條 執達吏ハ特別ノ命令若クハ委任ヲ受ケタル場合ノ外自己ノ責任ヲ以テ左ニ揭クル者ニ臨時其職務ノ執行ヲ委任スルコトヲ得
第二 執達吏ノ職務修習者ニシテ三箇月以上其職務ヲ修習シタル者
第四 區裁判所ノ一人ノ判事若クハ監督判事ニ於テ臨時執達吏ノ職務ヲ行フニ適當ト認メタル者
第十二條 執達吏正當ノ理由アリテ其職務ヲ行フコトヲ得サルトキ又ハ之ヲ委任スルコトヲ得サルトキハ命令ヲ爲シタル裁判所及檢事局又ハ委任ヲ爲シタル本人ニ速ニ其旨ヲ通知スヘシ
委任ヲ爲シタル本人ニ通知スルコト能ハサルトキ又ハ急速ノ處分ヲ要スルトキハ其旨ヲ區裁判所ノ一人ノ判事若クハ監督判事ニ申立ツヘシ
第十三條 前條ノ場合其他執達吏差支アルトキハ區裁判所ノ一人ノ判事若クハ監督判事ハ申立ニ因リ又ハ職權ヲ以テ第十一條ニ揭クル者ニ執達吏ノ職務ヲ行ハシムルコトヲ得
臨時職務執行ノ委任ヲ受ケタル者ハ區裁判所ヨリ交付スヘキ鑑札ヲ携帶スヘシ
第十五條 執達吏ハ裁判所書記ヲ經タルト否トヲ問ハス委任ヲ受ケ職務ヲ行フニ付テハ定規ノ手數料ヲ受ケ及立替金ノ辨濟ヲ受ク
執達吏ハ定規ノ手數料ヲ增減シ又ハ手數料及立替金ノ外報酬ヲ受クルコトヲ得ス
第十六條 執達吏第三條ニ揭クル職務ヲ行フニ付テハ立替金ノ外手數料ヲ受クルコトヲ得ス
第十七條 執達吏第十一條ノ場合ニ於テ臨時職務執行ノ委任ヲ爲シタルトキハ其委任ヲ受ケタル者ニ報酬トシテ手數料十分ノ三以上ヲ支給スヘシ
第十八條 第十三條ノ場合ニ於テ臨時執達吏ノ職務ヲ行ヒタル者ハ其職務ニ付定メタル手數料ヲ受ケ及立替金ノ辨濟ヲ受ク
第十九條 執達吏一年間ニ收入セシ手數料百八拾圓ニ充タサルトキハ國庫ヨリ其不足額ヲ支給ス
第二十條 執達吏死亡シタルトキ又ハ停職免職若クハ勾留セラレタルトキハ區裁判所ノ一人ノ判事若クハ監督判事ハ左ノ處分ヲ爲スヘシ
第一 官印帳簿其他職務ニ關スル書類ヲ區裁判所ニ差出サシムルコト
第二 執達吏職務上保管シタル物品及書類ノ保全ニ必要ノ手續ヲ爲スコト
第二十一條 執達吏ハ官吏恩給法ニ照シ恩給ヲ受ク其恩給年額ハ第十九條ニ定メタル金額ヲ俸給額ト看做シテ算定ス
第二十二條 執達吏ハ此規則ニ依ルノ外總テ一般官吏ノ例ニ依ル