朕藥品營業竝藥品取扱規則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十二年三月十五日
內閣總理大臣 伯爵 黑田淸隆
內務大臣 伯爵 松方正義
法律第十號
藥品營業竝藥品取扱規則
第一章 藥劑師
第一條 藥劑師トハ藥局ヲ開設シ醫師ノ處方箋ニ據リ藥劑ヲ調合スル者ヲ云フ
藥劑師ハ藥品ノ製造及販賣ヲ爲スコトヲ得
第二條 藥劑師ハ其學術試驗ヲ受ケ年齡滿二十年以上ニシテ內務大臣ヨリ藥劑師免狀ヲ得タル者ニ限ル
第三條 藥劑師免狀ヲ得ントスル者ハ試驗及第證書ヲ以テ地方廳ヲ經由シ內務省ニ願出ヘシ
第四條 藥劑師免狀ヲ得ル者ハ免狀下付ノ節手數料金三圓ヲ納ムヘシ
第五條 藥劑師免狀ヲ得タル者ノ氏名本籍ハ內務省ノ藥劑師名簿ニ登錄シ之ヲ公吿スヘシ
第六條 藥劑師免狀ヲ毀損亡失シ又ハ氏名本籍ヲ變換スル等免狀面ニ異動ヲ生シタルトキハ其事由ヲ記シ地方廳ヲ經由シ免狀書換ヲ內務省ニ願出ヘシ
第七條 書換ノ免狀ヲ得ル者ハ免狀下付ノ節手數料金壹圓ヲ納ムヘシ
第八條 藥劑師廢業又ハ死亡シタルトキハ十日以內ニ地方廳ニ屆出ヘシ
第九條 藥劑師ニ非サレハ藥局ヲ開設スルコトヲ得ス
第十條 藥劑師藥局ヲ開設シ又ハ閉鎖シタルトキハ十日以內ニ地方廳ニ屆出ヘシ
第十一條 藥劑師一人ニシテ二箇所以上ノ藥局ヲ開設スルコトヲ得ス但支局ヲ設クルトキハ別ニ藥劑師ヲ置キ之ヲ管理セシムヘシ
第十二條 藥局ニハ日本藥局方第一表ノ藥品ヲ備フヘシ
第十三條 藥局ニ備付ノ秤量器ハ最モ精確ナルヲ要シ權衡ハ少クモ一「サンチグラム」ヲ定量シ得ルモノヲ備フヘシ
第十四條 藥劑師ハ患者ノ氏名、年齡、藥名、分量、用法、用量、處方ノ年月日及醫師ノ氏名ヲ自記シ又ハ調印シタル處方箋ニ據リ調劑スヘキモノトス但處方箋中疑ハシキ廉アルトキハ其醫師ニ質シ證明書ヲ得ルニ非サレハ調劑スルコトヲ得ス
藥劑師ハ調劑錄ヲ備ヘ處方箋ヲ謄寫シ置クヘシ
第十五條 處方箋ヲ受ケタルトキハ晝夜ヲ問ハス何時ニテモ調劑スヘキモノトス正當ノ事故ナクシテ之ヲ拒ムコトヲ得ス
第十六條 處方箋中ノ藥品ニ缺乏アルトキハ其醫師ニ通知シテ指揮ヲ乞フヘシ藥劑師隨意ニ之ヲ省略シ又ハ他藥ヲ代用スルコトヲ得ス
第十七條 毒藥劇藥ノ處方箋ハ藥劑師檢印シテ處方箋ノ日付ヨリ滿十年間之ヲ保存スヘシ
第十八條 毒藥劇藥ハ一囘使用セシ處方箋ニ據リ再ヒ調劑スルコトヲ得ス但特ニ醫師ノ通知アルモノハ此限ニアラス
第十九條 患者ニ與フル藥劑ノ容器又ハ包紙ニハ處方箋ニ據リ內外用ノ別、用法、用量、年月日、患者ノ氏名、藥局ノ地名及藥劑師ノ氏名ヲ記スヘシ
第二章 藥種商
第二十條 藥種商トハ藥品ノ販賣ヲ爲ス者ヲ云フ
第二十一條 藥種商ハ地方廳ノ免許鑑札ヲ受クヘシ
第二十二條 毒藥劇藥ハ衞生試驗所又ハ藥劑師製藥者ニ於テ封緘シタル容器ヲ開キテ零賣スルコトヲ得ス
第三章 製藥者
第二十三條 製藥者トハ單ニ藥品ヲ製造シ自製ノ藥品ヲ販賣スル者ヲ云フ
第二十四條 製藥者ハ地方廳ノ免許鑑札ヲ受クヘシ
第二十五條 毒藥劇藥ハ適當ノ容器ニ納メ之ヲ封緘スヘシ其容器ヲ開キテ零賣スルコトヲ得ス
第四章 藥品取扱
第二十六條 日本藥局方ニ記載スル所ノ藥品ハ其性狀、品質、該局方ノ所定ニ適合スルモノニ非サレハ販賣若クハ授與スルコトヲ得ス
第二十七條 日本藥局方ニ記載セサル藥品ハ其據ル所ノ外國藥局方名ヲ記スヘシ其性狀、品質、該局方ノ所定ニ適合シタルモノニ非サレハ販賣若クハ授與スルコトヲ得ス
何レノ藥局方ニモ記載セサル新規ノ藥品ハ衞生試驗所ノ檢査ヲ經其試驗成績ヲ記スルモノニ非サレハ販賣若クハ授與スルコトヲ得ス
第二十八條 藥局方中特ニ貯藏法ヲ示シタルモノハ其所定ニ從フヘシ
第二十九條 毒藥劇藥ハ他ノ藥品ト區別シ毒藥ハ鎖鑰ヲ備ヘタル場所ニ貯藏スヘシ
第三十條 毒藥劇藥ハ職業上必要ト認メタル者ヨリ其藥名、量數、使用ノ目的、年月日及住所、氏名、職業ヲ記シ且捺印シタル證書ヲ差出スニ非サレハ之ヲ販賣若クハ授與スルコトヲ得ス
前項ノ證書ハ其日付ヨリ滿十年間之ヲ保存スヘシ
第三十一條 毒藥劇藥ハ前條ニ記載シタル證書アルモ幼稚ノ者其他不安心ト認ムル者ニハ交付スヘカラス
第三十二條 毒藥劇藥ハ藥品ノ容器又ハ包紙ニ其名稱及販賣授與者ノ住所氏名ヲ記シ毒藥ハ毒字劇藥ハ劇字ヲ付記スヘシ
第三十三條 藥劑師ニ於テ醫師ノ處方箋ニ據リ患者ニ與フル藥劑ハ第三十條及第三十二條ノ手續ヲ爲スヲ要セス
第三十四條 藥劑師藥種商製藥者ノ間ニ於テハ第三十條及第三十二條ニ記載シタル手續ヲ要セス其藥劑師藥種商製藥者タルノ證明書ヲ以テ毒藥劇藥ヲ賣買スルコトヲ得
第三十五條 毒藥劇藥ノ品目ハ內務省令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十六條 藥品ノ容器又ハ包紙ニハ假名又ハ漢字ヲ以テ其藥名ヲ記スヘシ但羅甸語又ハ他ノ外國語ト倂記スルハ妨ケナシ
第三十七條 藥品ノ容器又ハ包紙ニハ製造者ノ住所氏名ヲ記スヘシ其外國製ニ係ルモノハ引取人ノ住所氏名ヲ記スヘシ但藥品製造會社ニ在テハ其所在地名及會社名ヲ記スルモ妨ケナシ
第三十八條 內務大臣ハ監視員ヲシテ藥局及藥品ヲ販賣又ハ製造スル場所ヲ巡視セシムルコトアルヘシ
監視員ハ巡視ノ際其證票ヲ携帶スヘシ
第五章 罰則
第三十九條 官許ヲ得スシテ藥劑師ノ業ヲ爲シタル者又ハ第十六條第十八條第二十二條第二十五條第二十六條第二十七條第三十條第一項ニ違背シタル者ハ十圓以上百圓以下ノ罰金ニ處ス
第四十條 第十一條第十四條第一項第十七條第十九條第二十九條第三十條第二項第三十一條第三十二條ニ違背シタル者ハ二圓以上二十圓以下ノ罰金ニ處ス
第四十一條 第六條第八條第十條第十二條第十三條第十四條第二項第十五條第二十一條第二十四條第二十八條第三十六條第三十七條ニ違背シタル者ハ一圓以上一圓九十五錢以下ノ科料ニ處ス
第四十二條 內務大臣ハ此規則實行ノ責ニ任シ之カ爲メ必要ナル命令及訓令ヲ發布スヘシ但藥種商製藥者取締ニ係ル細則ハ北海道廳長官府縣知事之ヲ定ムヘシ
附 則
第四十三條 醫師ハ自ラ診療スル患者ノ處方ニ限リ第二十六條第二十七條第二十九條ニ從ヒ自宅ニ於テ藥劑ヲ調合シ販賣授與スルコトヲ得此場合ニ於テハ第三十八條ノ監視ヲ受クヘシ
醫師ハ第三十四條ニ從ヒ醫師タルノ證明書ヲ以テ藥劑師藥種商製藥者ヨリ毒藥劇藥ヲ買取ルコトヲ得
第四十四條 此規則施行以前ニ於テ內務省ヨリ藥舖開業免狀ヲ受ケタル者ハ藥劑師タルノ効ヲ有ス
第四十五條 阿片賣買ニ關スル事項ハ明治十一年八月第二十一號布吿ニ據ル
第四十六條 醫科大學藥學科ノ卒業證書ヲ有シ年齡滿二十年以上ノ者ハ其證書ヲ以テ此規則第三條ニ據リ藥劑師免狀ノ下付ヲ願出ルコトヲ得此場合ニ於テハ內務大臣ハ試驗ヲ要セスシテ免狀ヲ授與スルコトアルヘシ
第四十七條 此規則ハ明治二十三年三月一日ヨリ施行ス
第四十八條 明治十三年一月第一號布吿藥品取扱規則ハ此規則施行ノ日ヨリ廢止ス
朕薬品営業並薬品取扱規則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十二年三月十五日
内閣総理大臣 伯爵 黒田清隆
内務大臣 伯爵 松方正義
法律第十号
薬品営業並薬品取扱規則
第一章 薬剤師
第一条 薬剤師トハ薬局ヲ開設シ医師ノ処方箋ニ拠リ薬剤ヲ調合スル者ヲ云フ
薬剤師ハ薬品ノ製造及販売ヲ為スコトヲ得
第二条 薬剤師ハ其学術試験ヲ受ケ年齢満二十年以上ニシテ内務大臣ヨリ薬剤師免状ヲ得タル者ニ限ル
第三条 薬剤師免状ヲ得ントスル者ハ試験及第証書ヲ以テ地方庁ヲ経由シ内務省ニ願出ヘシ
第四条 薬剤師免状ヲ得ル者ハ免状下付ノ節手数料金三円ヲ納ムヘシ
第五条 薬剤師免状ヲ得タル者ノ氏名本籍ハ内務省ノ薬剤師名簿ニ登録シ之ヲ公告スヘシ
第六条 薬剤師免状ヲ毀損亡失シ又ハ氏名本籍ヲ変換スル等免状面ニ異動ヲ生シタルトキハ其事由ヲ記シ地方庁ヲ経由シ免状書換ヲ内務省ニ願出ヘシ
第七条 書換ノ免状ヲ得ル者ハ免状下付ノ節手数料金壱円ヲ納ムヘシ
第八条 薬剤師廃業又ハ死亡シタルトキハ十日以内ニ地方庁ニ届出ヘシ
第九条 薬剤師ニ非サレハ薬局ヲ開設スルコトヲ得ス
第十条 薬剤師薬局ヲ開設シ又ハ閉鎖シタルトキハ十日以内ニ地方庁ニ届出ヘシ
第十一条 薬剤師一人ニシテ二箇所以上ノ薬局ヲ開設スルコトヲ得ス但支局ヲ設クルトキハ別ニ薬剤師ヲ置キ之ヲ管理セシムヘシ
第十二条 薬局ニハ日本薬局方第一表ノ薬品ヲ備フヘシ
第十三条 薬局ニ備付ノ秤量器ハ最モ精確ナルヲ要シ権衡ハ少クモ一「サンチグラム」ヲ定量シ得ルモノヲ備フヘシ
第十四条 薬剤師ハ患者ノ氏名、年齢、薬名、分量、用法、用量、処方ノ年月日及医師ノ氏名ヲ自記シ又ハ調印シタル処方箋ニ拠リ調剤スヘキモノトス但処方箋中疑ハシキ廉アルトキハ其医師ニ質シ証明書ヲ得ルニ非サレハ調剤スルコトヲ得ス
薬剤師ハ調剤録ヲ備ヘ処方箋ヲ謄写シ置クヘシ
第十五条 処方箋ヲ受ケタルトキハ昼夜ヲ問ハス何時ニテモ調剤スヘキモノトス正当ノ事故ナクシテ之ヲ拒ムコトヲ得ス
第十六条 処方箋中ノ薬品ニ欠乏アルトキハ其医師ニ通知シテ指揮ヲ乞フヘシ薬剤師随意ニ之ヲ省略シ又ハ他薬ヲ代用スルコトヲ得ス
第十七条 毒薬劇薬ノ処方箋ハ薬剤師検印シテ処方箋ノ日付ヨリ満十年間之ヲ保存スヘシ
第十八条 毒薬劇薬ハ一回使用セシ処方箋ニ拠リ再ヒ調剤スルコトヲ得ス但特ニ医師ノ通知アルモノハ此限ニアラス
第十九条 患者ニ与フル薬剤ノ容器又ハ包紙ニハ処方箋ニ拠リ内外用ノ別、用法、用量、年月日、患者ノ氏名、薬局ノ地名及薬剤師ノ氏名ヲ記スヘシ
第二章 薬種商
第二十条 薬種商トハ薬品ノ販売ヲ為ス者ヲ云フ
第二十一条 薬種商ハ地方庁ノ免許鑑札ヲ受クヘシ
第二十二条 毒薬劇薬ハ衛生試験所又ハ薬剤師製薬者ニ於テ封緘シタル容器ヲ開キテ零売スルコトヲ得ス
第三章 製薬者
第二十三条 製薬者トハ単ニ薬品ヲ製造シ自製ノ薬品ヲ販売スル者ヲ云フ
第二十四条 製薬者ハ地方庁ノ免許鑑札ヲ受クヘシ
第二十五条 毒薬劇薬ハ適当ノ容器ニ納メ之ヲ封緘スヘシ其容器ヲ開キテ零売スルコトヲ得ス
第四章 薬品取扱
第二十六条 日本薬局方ニ記載スル所ノ薬品ハ其性状、品質、該局方ノ所定ニ適合スルモノニ非サレハ販売若クハ授与スルコトヲ得ス
第二十七条 日本薬局方ニ記載セサル薬品ハ其拠ル所ノ外国薬局方名ヲ記スヘシ其性状、品質、該局方ノ所定ニ適合シタルモノニ非サレハ販売若クハ授与スルコトヲ得ス
何レノ薬局方ニモ記載セサル新規ノ薬品ハ衛生試験所ノ検査ヲ経其試験成績ヲ記スルモノニ非サレハ販売若クハ授与スルコトヲ得ス
第二十八条 薬局方中特ニ貯蔵法ヲ示シタルモノハ其所定ニ従フヘシ
第二十九条 毒薬劇薬ハ他ノ薬品ト区別シ毒薬ハ鎖鑰ヲ備ヘタル場所ニ貯蔵スヘシ
第三十条 毒薬劇薬ハ職業上必要ト認メタル者ヨリ其薬名、量数、使用ノ目的、年月日及住所、氏名、職業ヲ記シ且捺印シタル証書ヲ差出スニ非サレハ之ヲ販売若クハ授与スルコトヲ得ス
前項ノ証書ハ其日付ヨリ満十年間之ヲ保存スヘシ
第三十一条 毒薬劇薬ハ前条ニ記載シタル証書アルモ幼稚ノ者其他不安心ト認ムル者ニハ交付スヘカラス
第三十二条 毒薬劇薬ハ薬品ノ容器又ハ包紙ニ其名称及販売授与者ノ住所氏名ヲ記シ毒薬ハ毒字劇薬ハ劇字ヲ付記スヘシ
第三十三条 薬剤師ニ於テ医師ノ処方箋ニ拠リ患者ニ与フル薬剤ハ第三十条及第三十二条ノ手続ヲ為スヲ要セス
第三十四条 薬剤師薬種商製薬者ノ間ニ於テハ第三十条及第三十二条ニ記載シタル手続ヲ要セス其薬剤師薬種商製薬者タルノ証明書ヲ以テ毒薬劇薬ヲ売買スルコトヲ得
第三十五条 毒薬劇薬ノ品目ハ内務省令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十六条 薬品ノ容器又ハ包紙ニハ仮名又ハ漢字ヲ以テ其薬名ヲ記スヘシ但羅甸語又ハ他ノ外国語ト併記スルハ妨ケナシ
第三十七条 薬品ノ容器又ハ包紙ニハ製造者ノ住所氏名ヲ記スヘシ其外国製ニ係ルモノハ引取人ノ住所氏名ヲ記スヘシ但薬品製造会社ニ在テハ其所在地名及会社名ヲ記スルモ妨ケナシ
第三十八条 内務大臣ハ監視員ヲシテ薬局及薬品ヲ販売又ハ製造スル場所ヲ巡視セシムルコトアルヘシ
監視員ハ巡視ノ際其証票ヲ携帯スヘシ
第五章 罰則
第三十九条 官許ヲ得スシテ薬剤師ノ業ヲ為シタル者又ハ第十六条第十八条第二十二条第二十五条第二十六条第二十七条第三十条第一項ニ違背シタル者ハ十円以上百円以下ノ罰金ニ処ス
第四十条 第十一条第十四条第一項第十七条第十九条第二十九条第三十条第二項第三十一条第三十二条ニ違背シタル者ハ二円以上二十円以下ノ罰金ニ処ス
第四十一条 第六条第八条第十条第十二条第十三条第十四条第二項第十五条第二十一条第二十四条第二十八条第三十六条第三十七条ニ違背シタル者ハ一円以上一円九十五銭以下ノ科料ニ処ス
第四十二条 内務大臣ハ此規則実行ノ責ニ任シ之カ為メ必要ナル命令及訓令ヲ発布スヘシ但薬種商製薬者取締ニ係ル細則ハ北海道庁長官府県知事之ヲ定ムヘシ
附 則
第四十三条 医師ハ自ラ診療スル患者ノ処方ニ限リ第二十六条第二十七条第二十九条ニ従ヒ自宅ニ於テ薬剤ヲ調合シ販売授与スルコトヲ得此場合ニ於テハ第三十八条ノ監視ヲ受クヘシ
医師ハ第三十四条ニ従ヒ医師タルノ証明書ヲ以テ薬剤師薬種商製薬者ヨリ毒薬劇薬ヲ買取ルコトヲ得
第四十四条 此規則施行以前ニ於テ内務省ヨリ薬舗開業免状ヲ受ケタル者ハ薬剤師タルノ効ヲ有ス
第四十五条 阿片売買ニ関スル事項ハ明治十一年八月第二十一号布告ニ拠ル
第四十六条 医科大学薬学科ノ卒業証書ヲ有シ年齢満二十年以上ノ者ハ其証書ヲ以テ此規則第三条ニ拠リ薬剤師免状ノ下付ヲ願出ルコトヲ得此場合ニ於テハ内務大臣ハ試験ヲ要セスシテ免状ヲ授与スルコトアルヘシ
第四十七条 此規則ハ明治二十三年三月一日ヨリ施行ス
第四十八条 明治十三年一月第一号布告薬品取扱規則ハ此規則施行ノ日ヨリ廃止ス