第一條 藥劑師トハ醫師、齒科醫師又ハ獸醫ノ處方箋ニ依リ調劑ヲ爲ス者ヲ謂フ
第二條 藥劑師タラムトスル者ハ內務大臣ノ免許ヲ受ケ藥劑師名簿ニ登錄ヲ受クヘシ
前項ノ免許ヲ受クルニハ左ノ各號ノ一ニ該當スル資格ヲ有スルコトヲ要ス
一 大學令ニ依ル大學ニ於テ藥學ヲ修メ學士ト稱スルコトヲ得ル者、官立公立ノ藥學專門學校、醫科大學附屬藥學專門部若ハ醫學專門學校藥學科ヲ卒業シタル者又ハ文部大臣ニ於テ之ト同等以上ト認メ指定シタル學校ヲ卒業シタル者
三 外國ノ藥學校ヲ卒業シ又ハ外國ニ於テ藥劑師ノ免許ヲ受ケタル者ニシテ命令ノ規定ニ該當スルモノ
第一項ノ登錄及前項第二號ノ藥劑師試驗ニ關スル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三條 內務大臣ハ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ニ對シテハ藥劑師ノ免許ヲ爲スコトヲ得ス
第四條 內務大臣ハ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ニ對シテハ藥劑師ノ免許ヲ爲ササルコトヲ得
二 藥事ニ關シ罰金ノ刑ニ處セラレ又ハ不正ノ行爲アリタル者
第五條 藥劑師ニ非サレハ販賣又ハ授與ノ目的ヲ以テ調劑ヲ爲スコトヲ得ス
藥劑師販賣又ハ授與ノ目的ヲ以テ調劑ヲ爲ス場合ニ於テハ藥局ニ於テ之ヲ行フヘシ
第六條 藥劑師ニ非サレハ藥局ヲ開設スルコトヲ得ス但シ命令ヲ以テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラス
第七條 藥劑師ニ非サレハ藥局ヲ管理スルコトヲ得ス藥劑師ト雖二以上ノ藥局ヲ管理スルコトヲ得ス
第八條 藥劑師ハ調劑ノ需アル場合ニ於テハ晝夜ヲ問ハス正當ノ事由ナクシテ之ヲ拒ムコトヲ得ス
第九條 藥劑師ハ醫師、齒科醫師又ハ獸醫ノ氏名ヲ自記シ又ハ調印シタル處方箋ニ依リ調劑スヘキモノトス但シ處方箋中疑ハシキ廉アルトキハ其ノ醫師、齒科醫師又ハ獸醫ニ質シ證明ヲ得ルニ非サレハ調劑ヲ爲スコトヲ得ス
第十條 藥劑師ハ醫師、齒科醫師又ハ獸醫ノ處方箋ニ記載セラレタル藥品ニ付之ヲ省略シ又ハ他ノ藥品ヲ以テ之ニ代ヘ調劑ヲ爲スコトヲ得ス但シ藥品ニシテ缺乏セルモノアル場合ニ於テ其ノ醫師、齒科醫師又ハ獸醫ノ同意ヲ得タルトキハ此ノ限ニ在ラス
第十一條 藥劑師毒藥又ハ劇藥ヲ配伍シタル調劑ヲ爲シタルトキハ處方箋ニ檢印シ其ノ日附ヨリ三年間之ヲ保存スヘシ但シ處方箋ニ指定スル使用期間ニ對スル調劑ノ全部ヲ了ラサルトキハ此ノ限ニ在ラス
前項但書ノ場合ニ於テハ處方箋ニ調劑ノ年月日及調劑量ヲ記入シ記名捺印スヘシ
藥劑師調劑ヲ爲シタルトキハ直ニ調劑錄ニ調劑ニ關スル事項ヲ記載スヘシ
第十三條 藥劑師ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ道府縣藥劑師會ヲ設立スヘシ
道府縣藥劑師會及日本藥劑師會ハ法人トス勅令ノ定ムル所ニ依リ藥事衞生ノ改良發達ヲ圖ルヲ以テ目的トス
道府縣藥劑師會ハ道府縣ヲ、日本藥劑師會ハ內地ヲ區域トス
第十四條 道府縣藥劑師會及日本藥劑師會ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ會員ヨリ徵收スヘキ收入ニ關シ民事訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第十五條 本法ニ規定スルモノノ外道府縣藥劑師會及日本藥劑師會ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十六條 藥劑師第三條各號ノ一ニ該當スルトキハ內務大臣ハ其ノ免許ヲ取消スヘシ
藥劑師第四條各號ノ一ニ該當スルトキハ內務大臣ハ其ノ免許ヲ取消シ又ハ期間ヲ定メテ其ノ業務ヲ停止スルコトヲ得
前二項ノ取消處分ヲ受ケタル者ト雖第三條第二號又ハ第三號ノ原因止ミタルトキ又ハ改悛ノ情顯著ナルトキハ再免許ヲ爲スコトヲ得
內務大臣第二項ノ處分ヲ行フ場合及改悛ノ情顯著ナル者ニ對シ前項ノ再免許ヲ爲ス場合ニ於テハ中央衞生會ノ審議ヲ經ルコトヲ要ス
第十七條 第五條第一項、第六條第一項、第七條若ハ第九條ノ規定ニ違反シタル者又ハ業務停止中ノ藥劑師ニシテ其ノ業務ヲ爲シタルモノハ五百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
第十八條 第五條第二項、第八條若ハ第十條乃至第十二條ノ規定ニ違反シタル者又ハ誤リテ調劑ヲ爲シタル者ハ二百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス