第一条 公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)の一部を次のように改正する。
目次を次のように改める。
目次
第四章 |
公認会計士の義務(第二十四条―第二十八条の四) |
第五章 |
公認会計士の責任(第二十九条―第三十四条の二) |
第一節 |
通則(第三十四条の二の二―第三十四条の十) |
第二節 |
社員(第三十四条の十の二―第三十四条の十の十七) |
第三節 |
業務(第三十四条の十一―第三十四条の十四の三) |
第四節 |
会計帳簿等(第三十四条の十五―第三十四条の十六の三) |
第六節 |
解散及び合併(第三十四条の十八―第三十四条の二十の二) |
第七節 |
処分等(第三十四条の二十一・第三十四条の二十一の二) |
第八節 |
雑則(第三十四条の二十二・第三十四条の二十三) |
第五章の三 |
有限責任監査法人の登録に関する特則(第三十四条の二十四―第三十四条の三十四) |
第五章の四 |
外国監査法人等(第三十四条の三十五―第三十四条の三十九) |
第五章の五 |
審判手続等(第三十四条の四十―第三十四条の六十六) |
第六章 |
公認会計士・監査審査会(第三十五条―第四十二条) |
第六章の二 |
日本公認会計士協会(第四十三条―第四十六条の十四) |
附則
第一条の二中「努め、」の下に「独立した立場において」を加える。
第一条の三第一項中「この法律で」を「この法律において」に、「ものをいう」を「もので内閣府令で定めるものをいう。以下同じ」に改め、同条第二項中「この法律で」を「この法律において」に改め、同条第三項中「この法律で」を「この法律において」に、「の定めるところにより、公認会計士が共同して設立した」を「に基づき設立された」に改め、同条に次の四項を加える。
4 この法律において「有限責任監査法人」とは、その社員の全部を有限責任社員とする定款の定めのある監査法人をいう。
5 この法律において「無限責任監査法人」とは、その社員の全部を無限責任社員とする定款の定めのある監査法人をいう。
6 この法律において「特定社員」とは、監査法人の社員のうち、公認会計士及び外国公認会計士(第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)以外の者をいう。
7 この法律において「外国監査法人等」とは、第三十四条の三十五第一項の規定による届出をした者をいう。
第二条第二項中「業務の外」を「業務のほか」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
第四条第七号中「未だ」を「いまだ」に改め、同条第八号を同条第十号とし、同条第七号の次に次の二号を加える。
八 第三十四条の十の十七第二項の規定により特定社員の登録の抹消の処分を受け、当該処分の日から五年を経過しない者
九 第三十四条の十の十七第二項の規定により、監査法人の第三十四条の五各号に掲げる業務を執行し、監査法人の意思決定に関与し、又は補助者として監査法人の業務に従事することの禁止の処分を受け、当該禁止の期間を経過しない者
第十六条の二第六項中「第二十二条」の下に「、第二十四条」を、「外国公認会計士に」の下に「ついて」を加える。
第十七条中「登録」の下に「(以下この章において単に「登録」という。)」を加える。
第十九条第一項中「第十七条の」を削り、同条第三項中「第十七条の」を削り、「第四十六条の十一に規定する資格審査会」を「資格審査会(第四十六条の十一に規定する資格審査会をいう。第二十一条第二項、第三十四条の十の十一第二項及び第三十四条の十の十四第二項において同じ。)」に改める。
第二十四条の三中「会計期間のすべて」を「会計期間(当該連続する会計期間に準ずるものとして内閣府令で定める会計期間にあつては、当該会計期間。以下この項、第三十四条の十一の三及び第三十四条の十一の四第一項において「連続会計期間」という。)のすべて」に改め、「(第二条第一項の業務、監査法人の行う同項の業務にその社員として関与すること及びこれらに準ずる業務として内閣府令で定めるものをいう。以下この条及び第三十四条の十一の三において同じ。)」を削り、「当該政令で定める連続する会計期間」を「当該連続会計期間」に改め、同条に次の二項を加える。
2 金融商品取引所(金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所をいう。以下同じ。)にその発行する有価証券を上場しようとする者その他の政令で定める者(大会社等を除く。)の発行する当該有価証券が上場される日その他の政令で定める日の属する会計期間前の三会計期間の範囲内で内閣府令で定める会計期間に係るその者の財務書類について公認会計士が監査関連業務を行つた場合には、その者を大会社等とみなして、前項の規定を適用する。この場合において、同項中「公認会計士は」とあるのは、「次項の監査関連業務を行つた公認会計士は」とする。
3 第一項(前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)及び前項の監査関連業務とは、第二条第一項の業務、監査法人の行う同項の業務にその社員として関与すること及びこれらに準ずる業務として内閣府令で定めるものをいう。
第二十八条の二中「間は、当該会社その他の者」の下に「又はその連結会社等(当該会社その他の者と連結して財務書類を作成するものとされる者として内閣府令で定めるものをいう。以下この条及び第三十四条の十一第一項第三号において同じ。)」を加え、同条ただし書中「その他の者」の下に「又はその連結会社等」を加える。
第四章中第二十八条の三の次に次の一条を加える。
(業務の状況に関する説明書類の縦覧等)
第二十八条の四 公認会計士は、年度(毎年四月一日から翌年三月三十一日までをいい、大会社等の財務書類について第二条第一項の業務を行つたものに限る。)ごとに、業務の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを記載した説明書類を作成し、当該公認会計士の事務所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。
2 前項に規定する説明書類は、電磁的記録をもつて作成することができる。
3 第一項に規定する説明書類が電磁的記録をもつて作成されているときは、公認会計士の事務所において当該説明書類の内容である情報を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法であつて内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとることができる。この場合においては、同項の説明書類を、同項の規定により備え置き、公衆の縦覧に供したものとみなす。
4 前三項に定めるもののほか、第一項に規定する説明書類を公衆の縦覧に供する期間その他前三項の規定の適用に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
第三十条第一項中「二年以内の業務の停止又は登録の抹消」を「前条第二号又は第三号に掲げる懲戒」に改め、同条第二項中「戒告又は二年以内の業務の停止」を「前条第一号又は第二号に掲げる懲戒」に改める。
第三十一条中「とき、」を「場合」に、「ときは」を「場合には」に改め、同条に次の一項を加える。
2 公認会計士が、著しく不当と認められる業務の運営を行つた場合には、内閣総理大臣は、第二十九条第一号又は第二号に掲げる懲戒の処分をすることができる。
第三十一条の次に次の一条を加える。
(課徴金納付命令)
第三十一条の二 公認会計士が会社その他の者の財務書類について証明をした場合において、第三十条第一項又は第二項に規定する場合に該当する事実があるときは、内閣総理大臣は、第三十四条の四十から第三十四条の六十二までに定める手続に従い、当該公認会計士に対し、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。
一 当該証明について第三十条第一項に規定する場合に該当する事実がある場合 当該証明を受けた当該会社その他の者の財務書類に係る会計期間における報酬その他の対価として政令で定める額(次号において「監査報酬相当額」という。)の一・五倍に相当する額
二 当該証明について第三十条第二項に規定する場合に該当する事実がある場合 監査報酬相当額
2 前項の規定にかかわらず、内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、同項の公認会計士に対して、同項の課徴金を納付させることを命じないことができる。
一 第三十条第一項に規定する場合に該当する事実がある場合において、当該公認会計士に対して同項の処分をする場合(同項の財務書類に係る虚偽、錯誤又は脱漏が当該財務書類全体の信頼性に与える影響が比較的軽微であると認められる場合として内閣府令で定める場合に限る。)
二 第三十条第二項に規定する場合に該当する事実がある場合において、当該公認会計士に対して同項の処分をする場合(同項の相当の注意を著しく怠つた場合として内閣府令で定める場合を除く。)
三 当該公認会計士に対して第二十九条第二号に掲げる処分をする場合(第三十四条の十の四第四項に規定する被監査会社等との間で既に締結されている契約に基づく第二条第一項の業務として内閣府令で定めるものの停止を命ずる場合に限る。)
四 当該公認会計士に対して第二十九条第三号に掲げる処分をする場合
3 第一項の規定により計算した課徴金の額が一万円未満であるときは、課徴金の納付を命ずることができない。
4 第一項の規定により計算した課徴金の額に一万円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
5 第一項の規定による命令を受けた者は、同項の規定による課徴金を納付しなければならない。
第三十二条の見出しを「(処分の手続)」に改め、同条第一項及び第三項中「前二条」を「第三十条又は第三十一条に規定する場合」に改め、同条第四項中「前二条」を「第三十条又は第三十一条」に、「戒告又は二年以内の業務の停止」を「第二十九条第一号又は第二号に掲げる懲戒」に改め、同条第五項中「前二条の」を「第三十条又は第三十一条の」に、「により前二条」を「により第三十条又は第三十一条に規定する場合」に、「認めた場合」を「認めたとき」に改める。
第三十三条第一項中「をして左の各号に掲げる」を「に次に掲げる」に改める。
第三十四条第二項ただし書中「がなされ、又は懲戒処分をしない旨の」を「若しくは第三十四条の五十三第一項から第三項までの規定による決定がされ、又は懲戒処分をしない旨の決定若しくは同条第六項の規定による」に、「同項」を「前項」に改める。
第三十四条の二中「又は」を「若しくは」に改め、「違反したとき」の下に「、又は公認会計士が行う第二条第一項の業務が著しく不当と認められる場合において、当該公認会計士が行う同項の業務の適正な運営を確保するために必要であると認められるとき」を加える。
第三十四条の二の二第一項中「以下この章」の下に「、次章」を、「同じ。)」の下に「及び第三十四条の十の八の登録を受けた者」を加え、同条第二項中「第一条」の下に「及び第一条の二」を加え、第五章の二中同条の前に次の節名を付する。
第三十四条の三に次の一項を加える。
2 有限責任監査法人は、その名称中に社員の全部が有限責任社員であることを示す文字として内閣府令で定めるものを使用しなければならない。
第三十四条の四の見出しを「(社員)」に改め、同条第一項中「公認会計士」の下に「又は第三十四条の十の八の登録を受けた者」を加え、同条第二項中「社員と」を「監査法人の社員と」に改め、同項第二号中「第三十四条の二十一の規定により」を「第三十四条の二十一第二項の規定により他の」に、「その社員」を「当該他の監査法人の社員」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 他の監査法人において、第三十四条の十の十七第二項の規定により、監査法人の次条各号に掲げる業務を執行し、監査法人の意思決定に関与し、又は補助者として監査法人の業務に従事することの禁止の処分を受け、当該禁止の期間を経過しない者
第三十四条の四に次の一項を加える。
3 監査法人の社員のうちに公認会計士である社員の占める割合は、百分の五十を下らない内閣府令で定める割合以上でなければならない。
第三十四条の七第一項中「公認会計士」を「者」に改め、「五人以上」を削り、同項に後段として次のように加える。
この場合において、その社員になろうとする者のうちには、五人以上の公認会計士である者を含まなければならない。
第三十四条の七第三項第六号を同項第七号とし、同項第五号中「に関する事項」を「の目的(有限責任社員にあつては、金銭その他の財産に限る。)及びその価額又は評価の標準」に改め、同号を同項第六号とし、同項第四号の次に次の一号を加える。
五 社員の全部が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別
第三十四条の七に次の二項を加える。
4 無限責任監査法人を設立しようとする場合には、前項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を記載しなければならない。
5 有限責任監査法人を設立しようとする場合には、第三項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を記載しなければならない。
第三十四条の十の二を次のように改める。
(業務の執行等)
第三十四条の十の二 監査法人の行う第二条第一項の業務については、公認会計士である社員のみが業務を執行する権利を有し、義務を負う。
2 監査法人の行う業務であつて第三十四条の五各号に掲げるものについては、監査法人のすべての社員が業務を執行する権利を有し、義務を負う。
3 前二項に規定するもののほか、公認会計士である社員は、定款の定めにより監査法人の意思決定に関与し、又は補助者として監査法人の業務に従事することができる。
4 第二項に規定するもののほか、特定社員は、定款の定めにより監査法人の意思決定に関与し、又は補助者として監査法人の業務に従事することができる。
第三十四条の十の三第一項及び第二項を次のように改める。
第二条第一項の業務については、公認会計士である社員のみが各自監査法人を代表する。ただし、公認会計士である社員の全員の同意によつて、公認会計士である社員のうち同項の業務について特に監査法人を代表すべき社員を定めることを妨げない。
2 第三十四条の五各号に掲げる業務については、監査法人のすべての社員が、各自監査法人を代表する。ただし、定款又は総社員の同意によつて、社員のうち当該各号に掲げる業務について特に監査法人を代表すべき社員を定めることを妨げない。
第三十四条の十の三第三項中「業務」の下に「(特定社員にあつては、第二条第一項の業務を除く。)」を加える。
第三十四条の十の四第一項中「監査法人」を「無限責任監査法人」に改め、「社員」の下に「(特定社員を除く。次項及び第六項において同じ。)」を加え、同条第二項中「次条」を「第三十四条の十の六」に改め、同条第三項中「監査法人」を「無限責任監査法人」に改め、同条第四項中「監査法人」を「無限責任監査法人」に、「次条」を「第三十四条の十の六」に改め、同条第五項及び第六項中「監査法人」を「無限責任監査法人」に改める。
第三十四条の十の六中「社員」を「無限責任監査法人の社員」に、「監査法人」を「無限責任監査法人」に改め、同条に次の二項を加える。
2 有限責任監査法人の社員でない者が自己を有限責任監査法人の社員であると誤認させる行為をしたときは、当該有限責任監査法人の社員でない者は、その誤認に基づいて有限責任監査法人と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該有限責任監査法人の債務を弁済する責任を負う。
3 有限責任監査法人の社員がその責任の限度を誤認させる行為をしたときは、当該有限責任監査法人の社員は、その誤認に基づいて有限責任監査法人と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該有限責任監査法人の債務を弁済する責任を負う。
第三十四条の十の六を第三十四条の十の七とし、同条の次に次の十条を加える。
(特定社員の登録義務)
第三十四条の十の八 特定社員となろうとする者は、特定社員の名簿(以下この節において「特定社員名簿」という。)に、氏名、生年月日、所属する監査法人その他の内閣府令で定める事項の登録(以下この節(第三十四条の十の十第七号及び第八号を除く。)において単に「登録」という。)を受けなければならない。
(特定社員名簿)
第三十四条の十の九 特定社員名簿は、日本公認会計士協会に、これを備える。
(登録拒否の事由)
第三十四条の十の十 次の各号のいずれかに該当する者は、特定社員の登録を受けることができない。
三 この法律若しくは金融商品取引法第百九十七条から第百九十八条までの規定に違反し、又は投資信託及び投資法人に関する法律第二百三十三条第一項(第三号に係る部分に限る。)の罪、保険業法第三百二十八条第一項(第三号に係る部分に限る。)の罪、資産の流動化に関する法律第三百八条第一項(第三号に係る部分に限る。)の罪若しくは会社法第九百六十七条第一項(第三号に係る部分に限る。)の罪を犯し、禁錮以上の刑に処せられた者であつて、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつてから五年を経過しないもの
四 禁錮以上の刑に処せられた者であつて、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつてから三年を経過しないもの
六 国家公務員法、国会職員法又は地方公務員法の規定により懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から三年を経過しない者
七 第三十条又は第三十一条の規定により公認会計士の登録の抹消の処分を受け、当該処分の日から五年を経過しない者
八 第三十条又は第三十一条の規定により業務の停止の処分を受け、当該業務の停止の期間中に公認会計士の登録が抹消され、いまだ当該期間を経過しない者
九 第三十四条の十の十七第二項の規定により登録の抹消の処分を受け、当該処分の日から五年を経過しない者
十 第三十四条の十の十七第二項の規定により、監査法人の第三十四条の五各号に掲げる業務を執行し、監査法人の意思決定に関与し、又は補助者として監査法人の業務に従事することの禁止の処分を受け、当該禁止の期間中に第三十四条の十の十四第一項(第一号又は第三号に係る部分に限る。)の規定により特定社員の登録が抹消され、いまだ当該期間を経過しない者
十一 税理士法、弁護士法若しくは外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法又は弁理士法により業務の禁止又は除名の処分を受けた者。ただし、これらの法律により再び業務を営むことができるようになつた者を除く。
十二 心身の故障により監査法人の業務の執行に支障があり、又はこれに堪えない者
(登録の手続)
第三十四条の十の十一 登録を受けようとする者は、登録申請書を日本公認会計士協会に提出しなければならない。
2 日本公認会計士協会は、前項の規定により登録申請書の提出があつた場合において、登録を受けようとする者が登録を受けることができる者であると認めたときは、遅滞なく登録を行い、登録を受けようとする者が登録を受けることができない者であると認めたときは、資格審査会の議決に基づいて登録を拒否しなければならない。
3 日本公認会計士協会は、前項の規定により登録を拒否するときは、その理由を付記した書面によりその旨を当該申請者に通知しなければならない。
(登録を拒否された場合の審査請求)
第三十四条の十の十二 前条第二項の規定により登録を拒否された者は、当該処分に不服があるときは、内閣総理大臣に対して、行政不服審査法による審査請求をすることができる。
2 前条第一項の規定により登録申請書を提出した者は、当該申請書を提出した日から三月を経過しても当該申請に対して何らの処分がされない場合には、当該登録を拒否されたものとして、内閣総理大臣に対して、前項の審査請求をすることができる。
3 前二項の規定による審査請求が理由があるときは、内閣総理大臣は、日本公認会計士協会に対し、相当の処分をすべき旨を命じなければならない。
(変更登録)
第三十四条の十の十三 登録を受けた者は、登録を受けた事項に変更を生じたときは、直ちに変更の登録を申請しなければならない。
(登録の抹消)
第三十四条の十の十四 次の各号のいずれかに該当する場合には、日本公認会計士協会は、登録を抹消しなければならない。
三 特定社員が第三十四条の十の十各号に掲げる者のいずれかに該当するに至つたとき。
2 日本公認会計士協会は、前項第三号の規定により登録の抹消(第三十四条の十の十第十二号に掲げる者に該当する場合における登録の抹消に限る。次項において同じ。)をするときは、資格審査会の議決に基づいて行わなければならない。
3 第三十四条の十の十一第三項並びに第三十四条の十の十二第一項及び第三項の規定は、前項の規定による登録の抹消について準用する。
4 日本公認会計士協会は、特定社員が第三十四条の十の十七第二項の処分の手続に付された場合においては、その手続が結了するまでは、第一項第一号の規定による当該特定社員の登録の抹消をすることができない。
(登録の細目)
第三十四条の十の十五 この節に定めるもののほか、登録の手続、登録の抹消、特定社員名簿その他登録に関して必要な事項は、内閣府令で定める。
(秘密を守る義務)
第三十四条の十の十六 特定社員は、正当な理由がなく、その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。特定社員でなくなつた後であつても、同様とする。
(特定社員に対する処分)
第三十四条の十の十七 特定社員に対する処分は、次の三種とする。
二 監査法人の第三十四条の五各号に掲げる業務を執行し、監査法人の意思決定に関与し、又は補助者として監査法人の業務に従事することの二年以内の禁止
2 特定社員がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反した場合には、内閣総理大臣は、前項各号に掲げる処分をすることができる。
3 第三十二条から第三十四条までの規定は、前項の処分について準用する。
第三十四条の十の五第一項中「責めに任ずる」を「責任を負う」に改め、同条第四項中「前条第一項」を「第三十四条の十の四第一項」に、「監査法人」を「無限責任監査法人」に、「責めに任ずる」を「責任を負う」に改め、同条第五項中「前条第一項」を「第三十四条の十の四第一項」に、「監査法人」を「無限責任監査法人」に改め、同条第六項中「前条第一項」を「第三十四条の十の四第一項」に、「監査法人」を「無限責任監査法人」に、「同様」を「、同様」に改め、同条第七項ただし書中「第四項」の下に「又は第八項」を加え、「監査法人の債務」を「無限責任監査法人の債務又は特定証明に関し負担することとなつた有限責任監査法人の債務」に改め、同項を同条第十一項とし、同条第六項の次に次の四項を加える。
7 有限責任監査法人の社員は、その出資の価額(既に有限責任監査法人に対し履行した出資の価額を除く。)を限度として、有限責任監査法人の債務を弁済する責任を負う。
8 前項の規定にかかわらず、前条第一項の規定による指定がされ、同条第四項の規定による通知がされている場合(同条第五項又は第六項の規定により指定したものとみなされる場合を含む。次項及び第十項において同じ。)において、特定証明に関して負担することとなつた有限責任監査法人の債務をその有限責任監査法人の財産をもつて完済することができないときは、指定有限責任社員(指定有限責任社員であつた者を含む。以下この条において同じ。)が、連帯してその弁済の責任を負う。ただし、脱退した指定有限責任社員が脱退後の事由により生じた債務であることを証明した場合は、この限りでない。
9 前条第一項の規定による指定がされ、同条第四項の規定による通知がされている場合において、特定証明に関し生じた債権に基づく有限責任監査法人の財産に対する強制執行がその効を奏しなかつたときは、指定有限責任社員が、有限責任監査法人に資力があり、かつ、執行が容易であることを証明した場合を除き、前項と同様とする。
10 前条第一項の規定による指定がされ、同条第四項の規定による通知がされている場合において、指定を受けていない社員が指定の前後を問わず特定証明に係る業務に関与したときは、当該社員は、その関与に当たり注意を怠らなかつたことを証明した場合を除き、指定有限責任社員が前二項の規定により負う責任と同一の責任を負う。有限責任監査法人を脱退した後も、同様とする。
第三十四条の十の四の次に次の一条を加える。
(指定有限責任社員)
第三十四条の十の五 有限責任監査法人は、当該有限責任監査法人の行うすべての証明について、各証明ごとに一人又は数人の業務を担当する社員(特定社員を除く。次項、第五項及び第六項において同じ。)を指定しなければならない。
2 前項の規定による指定がされた証明(以下この条及び次条において「特定証明」という。)については、指定を受けた社員(以下この条及び次条において「指定有限責任社員」という。)のみが業務を執行する権利を有し、義務を負う。
3 特定証明については、第三十四条の十の三の規定にかかわらず、指定有限責任社員のみが有限責任監査法人を代表する。
4 有限責任監査法人は、第一項の規定による指定をしたときは、証明を受けようとする者に対し、その旨を書面その他の内閣府令で定める方法により通知しなければならない。
5 第一項の規定による指定がされない証明があつたときは、当該証明については、全社員を指定したものとみなす。
6 特定証明について、当該証明に係る業務の結了前に指定有限責任社員が欠けたときは、有限責任監査法人は、新たな指定をしなければならない。その指定がされなかつたときは、全社員を指定したものとみなす。
第三十四条の十一第一項第三号中「当該会社その他の者」の下に「又はその連結会社等」を加え、同条の前に次の節名を付する。
第三十四条の十一の二を次のように改める。
(大会社等に係る業務の制限の特例)
第三十四条の十一の二 監査法人は、当該監査法人又は当該監査法人が実質的に支配していると認められるものとして内閣府令で定める関係を有する法人その他の団体が、大会社等から第二条第二項の業務(財務書類の調製に関する業務その他の内閣府令で定めるものに限る。次項において同じ。)により継続的な報酬を受けている場合には、当該大会社等の財務書類について、同条第一項の業務を行つてはならない。
2 監査法人は、その社員が大会社等から第二条第二項の業務により、継続的な報酬を受けている場合には、当該大会社等の財務書類について、同条第一項の業務を行つてはならない。
第三十四条の十一の三中「連続する会計期間」を「連続会計期間」に、「監査関連業務を行つた」を「当該社員が監査関連業務(第二十四条の三第三項に規定する監査関連業務をいう。以下この条から第三十四条の十一の五までにおいて同じ。)を行つた」に改め、同条の次に次の二条を加える。
(大規模監査法人の業務の制限の特例)
第三十四条の十一の四 大規模監査法人は、金融商品取引所に上場されている有価証券の発行者その他の政令で定める者(以下この項において「上場有価証券発行者等」という。)の財務書類について第二条第一項の業務を行う場合において、当該業務を執行する社員のうちその事務を統括する者その他の内閣府令で定める者(以下この項において「筆頭業務執行社員等」という。)が上場有価証券発行者等の五会計期間の範囲内で政令で定める連続会計期間のすべての会計期間に係る財務書類について監査関連業務を行つた場合には、当該政令で定める連続会計期間の翌会計期間以後の政令で定める会計期間に係る当該上場有価証券発行者等の財務書類について当該筆頭業務執行社員等に監査関連業務を行わせてはならない。
2 前項(次条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の大規模監査法人とは、その規模が大きい監査法人として内閣府令で定めるものをいう。
(新規上場企業等に係る業務の制限)
第三十四条の十一の五 金融商品取引所にその発行する有価証券を上場しようとする者その他の政令で定める者(大会社等を除く。)の発行する当該有価証券が上場される日その他の政令で定める日の属する会計期間前の三会計期間の範囲内で内閣府令で定める会計期間に係る財務書類について監査法人が監査関連業務を行つた場合には、その者を大会社等とみなして、第三十四条の十一の三の規定を適用する。この場合において、同条中「監査法人は」とあるのは、「第三十四条の十一の五第一項の監査関連業務を行つた監査法人は」とする。
2 金融商品取引所にその発行する有価証券を上場しようとする者その他の政令で定める者の発行する有価証券が上場される日その他の政令で定める日の属する会計期間前の三会計期間の範囲内で内閣府令で定める会計期間に係る財務書類について前条第二項に規定する大規模監査法人が監査関連業務を行つた場合には、その者を同条第一項に規定する上場有価証券発行者等とみなして、同項の規定を適用する。この場合において、同項中「大規模監査法人」とあるのは、「次条第二項の監査関連業務を行つた大規模監査法人」とする。
第三十四条の十二第一項中「社員」を「公認会計士である社員」に、「監査又は証明の業務を行なわせて」を「第二条第一項の業務を行わせて」に改める。
第三十四条の十三に次の四項を加える。
2 前項に規定する業務管理体制は、次に掲げる事項(第四十四条第一項第十二号、第四十六条の九の二第一項及び第四十九条の四第二項第二号において「業務の運営の状況」という。)を含むものでなければならない。
三 公認会計士である社員以外の者が公認会計士である社員の第二条第一項の業務の執行に不当な影響を及ぼすことを排除するための措置
3 前項第二号の業務の品質の管理とは、業務に係る契約の締結及び更新、業務を担当する社員その他の者の選任、業務の実施及びその審査その他の内閣府令で定める業務の遂行に関する事項について、それぞれの性質に応じて業務の妥当性、適正性又は信頼性を損なう事態の発生を防止するために必要な措置を講ずることをいう。
4 監査法人がその活動に係る重要な事項として内閣府令で定めるものに関する意思決定をその社員の一部をもつて構成される合議体で行う場合には、当該合議体を構成する社員のうちに公認会計士である社員の占める割合は、百分の五十を下らない内閣府令で定める割合以上でなければならない。
5 監査法人又はその特定社員は、監査法人に対する国民の信頼を失墜させる行為をしてはならない。
第三十四条の十四第一項中「自己若しくは第三者のためにその監査法人の業務の範囲に属する業務を行い、又は」を削り、同条第二項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 監査法人の社員は、自己又は第三者のためにその監査法人の業務の範囲に属する業務を行つてはならない。ただし、当該範囲に属する業務が第二条第二項の業務である場合において、当該範囲に属する業務を行うことにつき、当該社員以外の社員の全員の承認を受けたときは、この限りでない。
第三十四条の十四の三の見出しを「(使用人等に対する監督義務の規定の準用)」に改める。
第三十四条の十六の見出しを「(計算書類の作成等)」に改め、同条第二項中「貸借対照表及び損益計算書並びに」を「計算書類(貸借対照表、損益計算書その他監査法人の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当な書類として内閣府令で定めるものをいう。次条及び第三十四条の三十二第一項において同じ。)及び」に改め、同条第三項中「(内閣府令で定めるものに限る。)」を削る。
第三十四条の十六の二中「前条第二項の書類(業務報告書を除く。)」を「計算書類」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等)
第三十四条の十六の三 監査法人は、会計年度ごとに、業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを記載した説明書類を作成し、当該監査法人の事務所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。
2 前項に規定する説明書類は、電磁的記録をもつて作成することができる。
3 第一項に規定する説明書類が電磁的記録をもつて作成されているときは、監査法人の事務所において当該説明書類の内容である情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとることができる。この場合においては、同項の説明書類を、同項の規定により備え置き、公衆の縦覧に供したものとみなす。
4 前三項に定めるもののほか、第一項に規定する説明書類を公衆の縦覧に供する期間その他前三項の規定の適用に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
第三十四条の十七の見出しを削り、同条第一号を次のように改める。
一 公認会計士である社員にあつては、公認会計士の登録の抹消
第三十四条の十七中第四号を第五号とし、第三号を第四号とし、第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。
第三十四条の十八第一項第三号を次のように改める。
三 合併(合併により当該監査法人が消滅する場合に限る。)
第三十四条の十八第二項中「社員」を「公認会計士である社員」に改め、同条の前に次の節名を付する。
第三十四条の二十第三項に次のただし書を加える。
ただし、合併後存続する監査法人又は合併により設立する監査法人が有限責任監査法人である場合において、合併により消滅する監査法人が無限責任監査法人であるときにおける当該消滅する無限責任監査法人については、この限りでない。
第三十四条の二十一第一項中「がこの法律」の下に「(第三十四条の十の五及び次章を除く。以下この項及び次項第三号において同じ。)」を、「指示をすること」の下に「(同号に該当した場合において、次項の規定により業務管理体制の改善を命ずること及び第三項の規定により社員が監査法人の業務又は意思決定の全部又は一部に関与することを禁止することを除く。)」を加え、同条第二項中「若しくは二年以内」を「第三十四条の十三第一項に規定する業務管理体制の改善を命じ、二年以内」に改め、同条第五項中「第二項の規定は、同項」を「第二項及び第三項の規定は、これら」に改め、「監査法人の社員」の下に「である公認会計士」を加え、同項を同条第六項とし、同条第四項中「第二項」を「第二項及び第三項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 内閣総理大臣は、監査法人が前項各号のいずれかに該当するときは、その監査法人に対し、二年以内の期間を定めて、当該各号に該当することとなつたことに重大な責任を有すると認められる社員が当該監査法人の業務又は意思決定の全部又は一部に関与することを禁止することができる。
第三十四条の二十一に次の一項を加える。
7 第二項及び第三項の規定は、これらの規定により監査法人を処分する場合において、当該監査法人の特定社員につき第三十四条の十の十七第二項に該当する事実があるときは、当該特定社員に対し、同項の処分を併せて行うことを妨げるものと解してはならない。
第三十四条の二十一の次に次の一条を加える。
(課徴金納付命令)
第三十四条の二十一の二 監査法人が会社その他の者の財務書類について証明をした場合において、当該監査法人が前条第二項第一号又は第二号に該当する事実があるときは、内閣総理大臣は、第三十四条の四十から第三十四条の六十二までに定める手続に従い、当該監査法人に対し、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。
一 当該証明について監査法人が前条第二項第一号に該当する事実がある場合 当該証明を受けた当該会社その他の者の財務書類に係る会計期間における報酬その他の対価として政令で定める額(次号において「監査報酬相当額」という。)の一・五倍に相当する額
二 当該証明について監査法人が前条第二項第二号に該当する事実がある場合 監査報酬相当額
2 前項の規定にかかわらず、内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、同項の監査法人に対して、同項の課徴金を納付させることを命じないことができる。
一 前条第二項第一号に該当する事実がある場合において、当該監査法人に対して同項の処分をする場合(同号の財務書類に係る虚偽、錯誤又は脱漏が当該財務書類全体の信頼性に与える影響が比較的軽微であると認められる場合として内閣府令で定める場合に限る。)
二 前条第二項第二号に該当する事実がある場合において、当該監査法人に対して同項の処分をする場合(同号の相当の注意を著しく怠つた場合として内閣府令で定める場合を除く。)
三 第三十四条の十の四第四項に規定する被監査会社等との間で既に締結されている契約に基づく第二条第一項の業務として内閣府令で定めるものの停止を命ずる場合
3 第一項の規定により計算した課徴金の額が一万円未満であるときは、課徴金の納付を命ずることができない。
4 第一項の規定により計算した課徴金の額に一万円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
5 第一項の規定による命令を受けた者は、同項の規定による課徴金を納付しなければならない。
6 監査法人が合併により消滅したときは、当該監査法人がした行為は、合併後存続し、又は合併により設立された監査法人がした行為とみなして、この条の規定を適用する。
7 第三十二条第一項から第三項まで、第三十三条、第三十四条及び前条第五項から第七項までの規定は、第一項の規定による命令について準用する。この場合において、同条第五項から第七項までの規定中「第二項及び第三項」とあるのは、「次条第一項」と読み替えるものとする。
第三十四条の二十二の見出しを「(監査法人についての民法及び会社法の準用等)」に改め、同条第一項中「第六百条」の下に「、第六百四条第一項及び第二項」を加え、「及び第六百二十二条」を「、第六百二十二条並びに第六百二十四条」に改め、「第八百六十二条まで」の下に「及び第九百三十七条第一項(第一号ル及びヲに係る部分に限る。)」を、「第三十四条の十四第一項」の下に「又は第二項」と、同法第九百三十七条第一項中「本店(第一号トに規定する場合であって当該決議によって第九百三十条第二項各号に掲げる事項についての登記がされているときにあっては、本店及び当該登記に係る支店)」とあるのは「主たる事務所及び従たる事務所」を加え、同条第二項中「から第六百七十三条まで」を「、第六百六十七条、第六百七十二条、第六百七十三条」に、「第六百五十八条第一項及び第六百六十九条」を「第六百五十八条第一項」に改め、「、同法第六百六十八条第一項及び第六百六十九条中「第六百四十一条第一号から第三号まで」とあるのは「公認会計士法第三十四条の十八第一項第一号又は第二号」と、同法第六百七十条第三項中「第九百三十九条第一項」とあるのは「公認会計士法第三十四条の二十第六項において準用する第九百三十九条第一項」と」を削り、「第三十四条の十の五」を「第三十四条の十の六」に改め、同条第八項中「監査法人」を「無限責任監査法人」に改め、同項を同条第九項とし、同条第七項を同条第八項とし、同条第三項から第六項までを一項ずつ繰り下げ、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 会社法第六百六十八条から第六百七十一条までの規定は、無限責任監査法人の任意清算について準用する。この場合において、同法第六百六十八条第一項及び第六百六十九条中「第六百四十一条第一号から第三号まで」とあるのは「公認会計士法第三十四条の十八第一項第一号又は第二号」と、同条中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、同条第二項中「同項」とあるのは「前条第一項」と、同法第六百七十条第三項中「第九百三十九条第一項」とあるのは「公認会計士法第三十四条の二十第六項において準用する第九百三十九条第一項」と読み替えるものとする。
第三十四条の二十二に次の五項を加える。
10 無限責任監査法人は、その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更をすることにより、有限責任監査法人となる。
11 有限責任監査法人は、その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更をすることにより、無限責任監査法人となる。
12 監査法人は、前二項の定款の変更を行つたときは、その変更の日から二週間以内に、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
13 第十項の定款の変更をする場合において、当該定款の変更をする無限責任監査法人の社員が当該定款の変更後の有限責任監査法人に対する出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、当該定款の変更は、当該払込み及び給付が完了した日に、その効力を生ずる。
14 第三十四条の十四第一項、第三十四条の十七(第三号から第五号までに係る部分に限る。)、第一項において準用する会社法第六百四条第一項及び第二項、第六百六条、第六百九条第一項及び第二項、第六百二十一条、第六百二十二条並びに第六百二十四条並びに第十項の規定は、第二項において準用する同法第六百四十四条(第三号を除く。)の規定により清算をする監査法人については、適用しない。
第三十四条の二十二の次に次の一条及び三章を加える。
(有限責任監査法人についての会社法の準用等)
第三十四条の二十三 会社法第二百七条(第九項第一号を除く。)、第六百四条第三項、第六百二十条、第六百二十三条第一項、第六百二十五条から第六百三十六条まで、第六百六十条、第六百六十一条及び第六百六十五条の規定は、有限責任監査法人について準用する。この場合において、これらの規定中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、同法第二百七条第一項中「第百九十九条第一項第三号に掲げる事項を」とあるのは「金銭以外の財産を出資の目的として」と、「同号」とあるのは「当該金銭以外」と、同条第七項及び第九項第二号から第五号までの規定中「第百九十九条第一項第三号」とあるのは「金銭以外の財産」と、同条第八項中「募集株式の引受人」とあるのは「社員になろうとする者」と、「その募集株式の引受けの申込み又は第二百五条の契約に係る意思表示」とあるのは「出資の申込み」と、同条第十項第一号中「取締役、会計参与、監査役若しくは執行役」とあるのは「社員」と、「支配人その他の使用人」とあるのは「使用人」と、同項第二号中「募集株式の引受人」とあるのは「社員になろうとする者」と、同法第六百四条第三項中「前項」とあるのは「公認会計士法第三十四条の二十二第一項において準用する前項」と、同法第六百三十一条第一項中「事業年度」とあるのは「会計年度」と、同法第六百三十二条第一項中「第六百二十四条第一項」とあるのは「公認会計士法第三十四条の二十二第一項において準用する第六百二十四条第一項」と、同条第二項中「が、第六百二十四条第一項前段」とあるのは「が、公認会計士法第三十四条の二十二第一項において準用する第六百二十四条第一項前段」と、「は、第六百二十四条第一項前段」とあるのは「は、同法第三十四条の二十二第一項において準用する第六百二十四条第一項前段」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
2 会社法第三十三条(第十一項第二号を除く。)、第五十二条、第二百十二条(第一項第一号を除く。)及び第五百七十八条の規定は、有限責任監査法人の社員になろうとする者について準用する。この場合において、同法第三十三条第一項中「第二十八条各号に掲げる事項についての」とあるのは「金銭以外の財産を出資の目的とする」と、「第三十条第一項」とあるのは「公認会計士法第三十四条の七第二項において準用する第三十条第一項」と、同条第四項、第六項及び第十項第二号中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、同条第七項及び第八項中「第二十八条各号に掲げる事項」とあるのは「金銭以外の財産の価額」と、同条第十項第一号中「第二十八条第一号及び第二号」とあるのは「金銭以外」と、「同条第一号及び第二号に掲げる事項」とあるのは「当該金銭以外の財産の価額」と、同項第二号中「第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項」とあるのは「価額」と、同項第三号中「第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項」とあるのは「当該金銭以外の財産の価額」と、同条第十一項第一号中「発起人」とあるのは「有限責任監査法人の社員になろうとする者」と、同項第三号中「設立時取締役(第三十八条第一項に規定する設立時取締役をいう。)又は設立時監査役(同条第二項第二号に規定する設立時監査役をいう。)」とあるのは「有限責任監査法人の社員」と、同法第五十二条第一項中「現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等」とあるのは「出資の目的とされた金銭以外の財産の価額が当該金銭以外の財産」と、同項及び同条第二項中「設立時取締役」とあるのは「有限責任監査法人の社員」と、同項中「現物出資財産等」とあるのは「金銭以外の財産」と、同項第一号中「第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項」とあるのは「金銭以外の財産」と、同条第三項中「第三十三条第十項第三号」とあるのは「公認会計士法第三十四条の二十三第二項において準用する第三十三条第十項第三号」と、同法第二百十二条中「現物出資財産」とあるのは「金銭以外の財産」と、同条第一項第二号中「第二百九条の規定により募集株式の株主」とあるのは「社員」と、「第百九十九条第一項第三号」とあるのは「金銭以外の財産」と、同条第二項中「第百九十九条第一項第三号」とあるのは「金銭以外の財産」と、「募集株式の引受けの申込み又は第二百五条の契約に係る意思表示」とあるのは「出資」と、同法第五百七十八条中「設立しようとする持分会社が合同会社である場合」とあるのは「有限責任監査法人を設立しようとする場合」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3 会社法第二百十三条(第一項第二号及び第三号を除く。)、第五百八十三条(第二項を除く。)及び第五百九十七条の規定は、有限責任監査法人の社員について準用する。この場合において、同法第二百十三条第一項第一号中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、同条第二項第一号中「第二百七条第二項」とあるのは「公認会計士法第三十四条の二十三第一項において準用する第二百七条第二項」と、同項及び同条第四項中「現物出資財産」とあるのは「金銭以外の財産」と、同項第一号中「取締役等」とあるのは「有限責任監査法人の社員」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
4 会社法第九百三十九条第一項(第二号及び第三号に係る部分に限る。)及び第三項、第九百四十条第一項(第三号に係る部分に限る。)及び第三項、第九百四十一条、第九百四十六条、第九百四十七条、第九百五十一条第二項、第九百五十三条並びに第九百五十五条の規定は、有限責任監査法人が第一項において準用する同法第六百二十七条第三項又は第六百三十五条第三項の規定による公告をする場合について準用する。この場合において、同法第九百四十六条第三項中「商号」とあるのは、「名称」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
5 会社法第八百六十八条第一項、第八百六十九条、第八百七十条(第二号、第五号及び第七号に係る部分に限る。)、第八百七十一条、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)、第八百七十四条(第一号及び第四号に係る部分に限る。)、第八百七十五条及び第八百七十六条の規定は、第一項において準用する同法第二百七条又は第二項において準用する同法第三十三条の規定による検査役の選任及び有限責任監査法人が第一項において準用する同法第六百六十一条第二項の規定による許可の申立てをする場合について準用する。この場合において、同法第八百七十条第五号中「設立時取締役、第二十八条第一号の金銭以外の財産を出資する者及び同条第二号の譲渡人」とあるのは「有限責任監査法人の社員又は有限責任監査法人の社員になろうとする者」と、同条第七号中「第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号の規定により金銭以外の財産」とあるのは「金銭以外の財産」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
6 第一項において準用する会社法第六百二十条、第六百二十三条第一項、第六百二十六条及び第六百二十七条の規定は、前条第二項において準用する同法第六百四十四条(第三号を除く。)の規定により清算をする有限責任監査法人については、適用しない。
第五章の三 有限責任監査法人の登録に関する特則
(登録)
第三十四条の二十四 有限責任監査法人は、内閣総理大臣の登録(次条から第三十四条の三十一までにおいて単に「登録」という。)を受けなければ、第二条第一項の業務又は第三十四条の五各号に掲げる業務を行つてはならない。
(登録の申請)
第三十四条の二十五 登録を受けようとする有限責任監査法人(第三十四条の二十二第十項の規定による定款の変更をしようとする無限責任監査法人を含む。第三十四条の二十七第一項第二号ロにおいて同じ。)は、次に掲げる事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
2 前項の申請書には、定款その他の内閣府令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。
(登録の実施)
第三十四条の二十六 内閣総理大臣は、登録の申請があつた場合においては、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を有限責任監査法人登録簿に登録しなければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の規定により登録をした場合においては、遅滞なく、その旨を登録の申請者に通知しなければならない。
3 内閣総理大臣は、有限責任監査法人登録簿を公衆の縦覧に供しなければならない。
(登録の拒否)
第三十四条の二十七 内閣総理大臣は、登録の申請者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録を拒否しなければならない。
一 第三十四条の二十九第二項の規定により申請者が登録を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない場合
二 社員のうちに次のいずれかに該当する者がいる場合
イ 第三十四条の四第二項各号のいずれかに該当する者
ロ 第三十四条の二十九第二項の規定により他の登録を受けた有限責任監査法人(以下「登録有限責任監査法人」という。)が登録を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内に当該他の登録有限責任監査法人の社員であつた者でその処分の日から三年を経過しないもの
三 資本金の額が公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める金額に満たない場合
四 申請者の社員のうちに公認会計士である社員の占める割合が百分の五十を下らない内閣府令で定める割合を下回る場合
2 内閣総理大臣は、前項の規定により登録の拒否をした場合においては、遅滞なく、理由を付して、その旨を申請者に通知しなければならない。
(変更登録等)
第三十四条の二十八 登録有限責任監査法人は、登録を受けた事項に変更を生じたときは、直ちに変更の登録を申請しなければならない。
2 登録有限責任監査法人が、第三十四条の十八第一項若しくは第二項の規定により解散したとき、第三十四条の二十二第十項の規定による定款の変更をしようとする場合において、登録を受けた後、二週間以内に、その定款の変更の効力が生じないとき、又は同条第十一項に規定する定款の変更をしたときは、当該登録有限責任監査法人の登録は、その効力を失う。
(登録有限責任監査法人に対する処分等)
第三十四条の二十九 内閣総理大臣は、登録有限責任監査法人が第三十四条の十の五若しくはこの章の規定又はこれらの規定に基づく命令に違反したときは、当該登録有限責任監査法人に対し、必要な指示をすること(次項第三号に該当した場合において、同項の規定により業務管理体制の改善を命ずること及び第三項の規定により社員が監査法人の業務又は意思決定の全部又は一部に関与することを禁止することを除く。)ができる。
2 内閣総理大臣は、登録有限責任監査法人が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録有限責任監査法人に対し、戒告し、第三十四条の十三第一項に規定する業務管理体制の改善を命じ、二年以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は登録を取り消すことができる。
一 第三十四条の二十七第一項各号(第一号を除く。)のいずれかに該当することとなつたとき。
三 第三十四条の十の五若しくはこの章の規定又はこれらの規定に基づく命令に違反したとき。
3 内閣総理大臣は、登録有限責任監査法人が前項第三号又は第四号に該当するときは、その登録有限責任監査法人に対し、二年以内の期間を定めて、同項第三号又は第四号に該当することとなつたことに重大な責任を有すると認められる社員が当該登録有限責任監査法人の業務又は意思決定の全部又は一部に関与することを禁止することができる。
4 第三十二条から第三十四条までの規定は、前二項の処分について準用する。
5 第二項及び第三項の規定による処分の手続に付された登録有限責任監査法人は、清算が結了した後においても、この条の規定の適用については、当該手続が結了するまで、なお存続するものとみなす。
6 第二項及び第三項の規定は、これらの規定により登録有限責任監査法人を処分する場合において、当該監査法人の社員である公認会計士につき第三十条又は第三十一条に該当する事実があるときは、その社員である公認会計士に対し、懲戒の処分を併せて行うことを妨げるものと解してはならない。
7 第二項及び第三項の規定は、これらの規定により登録有限責任監査法人を処分する場合において、当該監査法人の特定社員につき第三十四条の十の十七第二項に該当する事実があるときは、当該特定社員に対し、同項の処分を併せて行うことを妨げるものと解してはならない。
(登録の抹消)
第三十四条の三十 内閣総理大臣は、第三十四条の二十八第二項の規定により登録がその効力を失つたとき、又は前条第二項の規定により登録を取り消したときは、当該登録を抹消しなければならない。
(登録の細目)
第三十四条の三十一 この章に定めるもののほか、登録の手続、登録の抹消、有限責任監査法人登録簿その他登録に関して必要な事項は、内閣府令で定める。
(計算書類の作成に関する特則)
第三十四条の三十二 登録有限責任監査法人は、その計算書類について、内閣府令で定めるところにより、当該登録有限責任監査法人と政令で定める特別の利害関係のない公認会計士又は監査法人の監査報告書を添付しなければならない。ただし、当該計算書類に係る会計年度における当該登録有限責任監査法人の収益の額その他の政令で定める勘定の額が政令で定める基準に達しない場合は、この限りでない。
2 前項の監査報告書については、これに記載すべき事項を記録した電磁的記録の添付をもつて、監査報告書の添付に代えることができる。
(供託に関する特則)
第三十四条の三十三 登録有限責任監査法人は、第三十四条の二十一第二項第一号又は第二号に該当することによつて生ずる損害の賠償を請求する権利(以下この条において「優先還付対象債権」という。)を有する者(以下この条及び次条において「優先還付対象債権者」という。)に対する債務の履行を確保するため必要かつ適当なものとして政令で定める額の金銭を、主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。
2 内閣総理大臣は、優先還付対象債権者に対する債務の履行を確保するため必要があると認めるときは、登録有限責任監査法人に対し、その業務を開始する前に、前項の政令で定める額のほか、相当と認める額の金銭の供託を命ずることができる。
3 登録有限責任監査法人は、政令で定めるところにより、当該登録有限責任監査法人のために所要の供託金が内閣総理大臣の命令に応じて供託される旨の契約を締結し、その旨を内閣総理大臣に届け出たときは、当該契約の効力の存する間、当該契約において供託されることとなつている金額(以下この条において「契約金額」という。)につき前二項の規定により供託する供託金の全部又は一部を供託しないことができる。
4 内閣総理大臣は、優先還付対象債権者に対する債務の履行を確保するため必要があると認めるときは、登録有限責任監査法人と前項の契約を締結した者又は当該登録有限責任監査法人に対し、契約金額に相当する金額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。
5 登録有限責任監査法人(第三十四条の二十二第十項の規定による定款の変更の効力が生じていないものを除く。)は、第一項の規定により供託する供託金(第二項の規定により同項の金銭の供託を命ぜられた場合には、その供託金を含む。)につき供託又は第三項の契約の締結を行い、その旨を内閣総理大臣に届け出た後でなければ、その業務を行つてはならない。
6 優先還付対象債権者は、優先還付対象債権に関し、当該登録有限責任監査法人に係る供託金について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
7 前項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。
8 登録有限責任監査法人は、第六項の権利の実行その他の理由により、供託金の額(契約金額を含む。)が第一項の政令で定める額に不足することとなつたときは、内閣府令で定める日から政令で定める期間以内にその不足額につき供託又は第三項の契約の締結(第五十二条の四において単に「供託」という。)を行い、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
9 第一項、第二項又は前項の規定により供託する供託金は、国債証券、地方債証券その他の内閣府令で定める有価証券をもつてこれに充てることができる。
10 第一項、第二項、第四項又は第八項の規定により供託した供託金は、次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、内閣総理大臣の承認を受けて、その全部又は一部を取り戻すことができる。
一 第三十四条の十八第一項各号のいずれかに該当することとなつたとき。
二 第三十四条の十八第二項に該当することとなつたとき。
三 第三十四条の二十二第十一項に規定する定款の変更を行い、同条第十二項の規定によりその旨を内閣総理大臣に届け出たとき。
四 業務の状況の変化その他の理由により供託金の額が第一項の政令で定める額を超えることとなつたとき。
11 内閣総理大臣は、前項の承認をするときは、優先還付対象債権の弁済を確保するために必要と認める限度において、取り戻すことができる時期及び取り戻すことができる供託金の額を指定することができる。
12 前各項に定めるもののほか、供託金に関し必要な事項は、内閣府令・法務省令で定める。
(有限責任監査法人責任保険契約に関する特則)
第三十四条の三十四 登録有限責任監査法人は、政令で定めるところにより、その業務を行うに当たり生ずる責任に関する保険契約(次項及び第三項において「有限責任監査法人責任保険契約」という。)を締結し、内閣総理大臣の承認を受けたときは、当該契約の効力の存する間、当該契約の保険金の額に応じて前条第一項、第二項若しくは第八項の規定により供託する供託金の全部若しくは一部の供託又は同条第三項の契約の締結をしないことができる。
2 内閣総理大臣は、優先還付対象債権者に対する債務の履行を確保するため必要があると認めるときは、有限責任監査法人責任保険契約を締結した登録有限責任監査法人に対し、前条第一項、第二項又は第八項の規定により供託する供託金につき供託又は同条第三項の契約の締結をしないことができるとされた金額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。
3 前二項に定めるもののほか、有限責任監査法人責任保険契約に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
第五章の四 外国監査法人等
(届出)
第三十四条の三十五 外国の法令に準拠し、外国において、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査又は証明をすることを業とする者は、金融商品取引法第二条第一項第十七号に掲げる有価証券で同項第九号に掲げる有価証券の性質を有するものその他の政令で定める有価証券の発行者その他内閣府令で定める者が同法の規定により提出する財務書類(以下「外国会社等財務書類」という。)について第二条第一項の業務に相当すると認められる業務を行うときは、あらかじめ、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に届け出なければならない。ただし、外国会社等財務書類について同項の業務に相当すると認められる業務を行う者に対する監督を行う外国の行政機関その他これに準ずるものの適切な監督を受けると認められる者として内閣府令で定めるものについては、この限りでない。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を官報で公示しなければならない。
(届出事項)
第三十四条の三十六 前条第一項の規定による届出を行う者は、次に掲げる事項を記載した届出書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
2 前項の規定による届出書には、定款その他の内閣府令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。
(届出事項の変更)
第三十四条の三十七 外国監査法人等は、前条第一項各号に掲げる事項について変更があつた場合においては、内閣府令で定めるところにより、二週間以内に、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を官報で公示しなければならない。
(外国監査法人等に対する指示等)
第三十四条の三十八 内閣総理大臣は、外国監査法人等がこの法律若しくはこの法律に基づく命令に違反したとき、又は外国監査法人等の行う外国会社等財務書類についての第二条第一項の業務に相当すると認められる業務の運営が著しく不当と認められる場合において、その業務の適正な運営を確保するために必要であると認めるときは、当該外国監査法人等に対し、必要な指示をすることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による指示をした場合において、その指示を受けた外国監査法人等が、その指示に従わないときは、その旨及びその指示の内容を公表することができる。
3 内閣総理大臣は、前項の規定による公表後、同項の外国監査法人等について、第一項の指示に係る事項につき是正が図られたと認める場合には、その旨その他の内閣府令で定める事項を公表しなければならない。
(廃業等の届出)
第三十四条の三十九 外国監査法人等は、次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 外国会社等財務書類についての第二条第一項の業務に相当すると認められる業務を廃止したとき。
二 主たる事務所の所在する国において当該国の法令に基づき、破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は清算開始と同種類の申立てを行つたとき。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公表しなければならない。
第五章の五 審判手続等
(審判手続開始の決定)
第三十四条の四十 内閣総理大臣は、第三十一条の二第一項に規定する事実があると認める場合(同条第二項の規定により課徴金を納付させることを命じない場合を除く。)又は第三十四条の二十一の二第一項に規定する事実があると認める場合(同条第二項の規定により課徴金を納付させることを命じない場合を除く。)には、当該事実に係る事件について審判手続開始の決定をしなければならない。
2 第三十条第一項若しくは第二項又は第三十四条の二十一第二項第一号若しくは第二号に規定する証明をした財務書類に係る会社その他の者の会計期間の末日から七年を経過したときは、内閣総理大臣は、当該証明に係る事件について審判手続開始の決定をすることができない。
(審判手続開始決定書)
第三十四条の四十一 審判手続開始の決定は、文書によつて行わなければならない。
2 審判手続開始の決定に係る決定書(次項及び第三十四条の四十五において「審判手続開始決定書」という。)には、審判の期日及び場所、課徴金に係る第三十一条の二第一項又は第三十四条の二十一の二第一項に規定する事実並びに納付すべき課徴金の額及びその計算の基礎を記載しなければならない。
3 審判手続は、課徴金の納付を命じようとする者(以下この章において「被審人」という。)に審判手続開始決定書の謄本を送達することにより、開始する。
4 被審人には、審判の期日に出頭すべき旨を命じなければならない。
(審判手続を行うべき者)
第三十四条の四十二 審判手続(審判手続開始の決定及び第三十四条の五十三第七項に規定する決定を除く。)は、三人の審判官をもつて構成する合議体が行う。ただし、簡易な事件については、一人の審判官が行う。
2 内閣総理大臣は、各審判事件について、前項本文の合議体を構成する審判官又は同項ただし書の一人の審判官を指定しなければならない。
3 内閣総理大臣は、合議体に審判手続を行わせることとしたときは、前項の規定により指定した審判官のうち一人を審判長として指定しなければならない。
4 内閣総理大臣は、当該事件について調査に関与したことのある者を審判官として指定することはできない。
(被審人の代理人及び指定職員)
第三十四条の四十三 被審人は、弁護士、弁護士法人又は内閣総理大臣の承認を得た適当な者を代理人とすることができる。
2 内閣総理大臣は、当該職員でその指定するもの(次項において「指定職員」という。)を審判手続に参加させることができる。
3 指定職員は、審判に立ち会い、証拠の申出その他必要な行為をすることができる。
(審判の公開)
第三十四条の四十四 審判は、公開して行う。ただし、公益上必要があると認めるときは、この限りでない。
(被審人による答弁書の提出)
第三十四条の四十五 被審人は、審判手続開始決定書の謄本の送達を受けたときは、これに対する答弁書を、遅滞なく、審判官に提出しなければならない。
2 被審人が、審判手続開始決定書に記載された審判の期日前に、課徴金に係る第三十一条の二第一項又は第三十四条の二十一の二第一項に規定する事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書を提出したときは、審判の期日を開くことを要しない。
(被審人の意見陳述)
第三十四条の四十六 被審人は、審判の期日に出頭して、意見を述べることができる。
2 審判官は、必要があると認めるときは、被審人に対して、意見の陳述を求めることができる。
(参考人に対する審問等)
第三十四条の四十七 審判官は、被審人の申立てにより又は職権で、参考人に出頭を求めて審問することができる。この場合においては、被審人も、その参考人に質問することができる。
2 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百九十条、第百九十一条、第百九十六条、第百九十七条及び第二百一条第一項から第四項までの規定は、前項の規定により参考人を審問する手続について準用する。
(被審人に対する審問)
第三十四条の四十八 審判官は、被審人の申立てにより又は職権で、被審人を審問することができる。
(証拠書類の提出等)
第三十四条の四十九 被審人は、審判に際し、証拠書類又は証拠物を提出することができる。ただし、審判官が証拠書類又は証拠物を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内に提出しなければならない。
2 審判官は、被審人の申立てにより又は職権で、書類その他の物件の所持人に対し、その物件の提出を求め、かつ、その提出された物件を留め置くことができる。
(学識経験者に対する鑑定命令)
第三十四条の五十 審判官は、被審人の申立てにより又は職権で、学識経験を有する者に鑑定を命ずることができる。
2 審判官が鑑定人に出頭を求めて審問する場合においては、被審人も、その鑑定人に質問することができる。
3 民事訴訟法第百九十一条、第百九十七条、第二百一条第一項及び第二百十二条の規定は、第一項の規定により鑑定人に鑑定を命ずる手続について準用する。
(立入検査)
第三十四条の五十一 審判官は、被審人の申立てにより又は職権で、事件関係人の事務所その他必要な場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査することができる。
2 前項の規定により立入検査をしようとする審判官は、その身分を示す証票を携帯し、事件関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(決定案の提出)
第三十四条の五十二 審判官は、審判手続を経た後、審判事件についての決定案を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
(審判手続終了後の決定等)
第三十四条の五十三 内閣総理大臣は、前条の規定による決定案の提出を受けた場合において、第三十一条の二第一項又は第三十四条の二十一の二第一項に規定する事実があると認めるときは、被審人に対し、第三十一条の二第一項又は第三十四条の二十一の二第一項の規定による課徴金を国庫に納付することを命ずる旨の決定をしなければならない。
2 内閣総理大臣は、会社その他の者の同一の会計期間に係る財務書類の二以上の証明について前項の決定(第三十一条の二第一項の規定に係るものに限る。以下この項において同じ。)をしなければならない場合には、同条第一項の規定による額に代えて、それぞれの決定に係る事実について同項の規定により計算した額(以下この項及び次項において「個別決定ごとの算出額」という。)のうち最も高い額を内閣府令で定めるところにより当該個別決定ごとの算出額に応じてあん分して得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命ずる旨の決定をしなければならない。
3 内閣総理大臣は、第一項の決定(第三十一条の二第一項の規定に係るものに限る。以下この項において同じ。)又は前項の決定をしなければならない場合において、既に第一項又は前項の規定によりされた一以上の決定(以下この項において「既決定」という。)に係る会社その他の者の財務書類の証明と同一の会計期間に係る当該会社その他の者の他の財務書類の証明について一以上の決定(以下この項において「新決定」という。)をしなければならないときは、当該新決定について、同条第一項又は前項の規定による額に代えて、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を控除した額を内閣府令で定めるところによりそれぞれの新決定に係る事実について個別決定ごとの算出額に応じてあん分して得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命ずる旨の決定をしなければならない。ただし、第一号に掲げる額が第二号に掲げる額を超えないときは、同条第一項又は前項の規定による課徴金の納付を命ずることができない。
一 新決定に係る個別決定ごとの算出額のうち最も高い額
二 既決定に係る第三十一条の二第一項又は前項の規定による課徴金の額を合計した額
4 内閣総理大臣は、会社その他の者の同一の会計期間に係る財務書類の二以上の証明について第一項の決定(第三十四条の二十一の二第一項の規定に係るものに限る。以下この項において同じ。)をしなければならない場合には、同条第一項の規定による額に代えて、それぞれの決定に係る事実について同項の規定により計算した額(以下この項及び次項において「個別決定ごとの算出額」という。)のうち最も高い額を内閣府令で定めるところにより当該個別決定ごとの算出額に応じてあん分して得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命ずる旨の決定をしなければならない。
5 内閣総理大臣は、第一項の決定(第三十四条の二十一の二第一項の規定に係るものに限る。以下この項において同じ。)又は前項の決定をしなければならない場合において、既に第一項又は前項の規定によりされた一以上の決定(以下この項において「既決定」という。)に係る会社その他の者の財務書類の証明と同一の会計期間に係る当該会社その他の者の他の財務書類の証明について一以上の決定(以下この項において「新決定」という。)をしなければならないときは、当該新決定について、同条第一項又は前項の規定による額に代えて、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を控除した額を内閣府令で定めるところによりそれぞれの新決定に係る事実について個別決定ごとの算出額に応じてあん分して得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命ずる旨の決定をしなければならない。ただし、第一号に掲げる額が第二号に掲げる額を超えないときは、同条第一項又は前項の規定による課徴金の納付を命ずることができない。
一 新決定に係る個別決定ごとの算出額のうち最も高い額
二 既決定に係る第三十四条の二十一の二第一項又は前項の規定による課徴金の額を合計した額
6 内閣総理大臣は、前条の規定による決定案の提出を受けた場合において、第三十一条の二第一項又は第三十四条の二十一の二第一項に規定する事実がないと認めるときは、その旨を明らかにする決定をしなければならない。
7 前各項の決定は、文書によつて、前条の規定により審判官が提出した決定案に基づいて行わなければならない。
8 前項に規定する決定に係る決定書には、内閣総理大臣が認定した事実及びこれに対する法令の適用(第一項から第五項までの決定にあつては、課徴金の計算の基礎及び納付期限を含む。)を記載しなければならない。
9 前項の納付期限は、同項に規定する決定書(第一項から第五項までの決定に係るものに限る。)の謄本を発した日から二月を経過した日とする。
10 第七項に規定する決定は、被審人に当該決定に係る決定書の謄本を送達することによつて、その効力を生ずる。
(送達書類)
第三十四条の五十四 送達すべき書類は、この法律に規定するもののほか、内閣府令で定める。
(民事訴訟法の準用)
第三十四条の五十五 書類の送達については、民事訴訟法第九十九条、第百一条から第百三条まで、第百五条、第百六条、第百七条第一項(第二号及び第三号を除く。)及び第三項、第百八条並びに第百九条の規定を準用する。この場合において、同法第九十九条第一項中「執行官」とあり、及び同法第百七条第一項中「裁判所書記官」とあるのは「金融庁の職員」と、同法第百八条中「裁判長」とあるのは「内閣総理大臣又は審判長(公認会計士法第三十四条の四十二第一項ただし書の場合にあっては、審判官)」と、同法第百九条中「裁判所」とあるのは「内閣総理大臣又は審判官」と読み替えるものとする。
(公示送達)
第三十四条の五十六 内閣総理大臣又は審判官は、次に掲げる場合には、公示送達をすることができる。
一 送達を受けるべき者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合
二 前条において準用する民事訴訟法第百七条第一項(第二号及び第三号を除く。)の規定により送達をすることができない場合
三 外国においてすべき送達について、前条において準用する民事訴訟法第百八条の規定によることができず、又はこれによつても送達をすることができないと認めるべき場合
四 前条において準用する民事訴訟法第百八条の規定により外国の管轄官庁に嘱託を発した後六月を経過してもその送達を証する書面の送付がない場合
2 公示送達は、送達すべき書類を送達を受けるべき者にいつでも交付すべき旨を金融庁の掲示場に掲示することにより行う。
3 公示送達は、前項の規定による掲示を始めた日から二週間を経過することによつて、その効力を生ずる。
4 外国においてすべき送達についてした公示送達にあつては、前項の期間は、六週間とする。
(処分通知等に係る電子情報処理組織の使用)
第三十四条の五十七 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第二条第七号に規定する処分通知等であつて、この章又は内閣府令の規定により書類の送達により行うこととしているものについては、同法第四条第一項の規定にかかわらず、当該処分通知等の相手方が送達を受ける旨の内閣府令で定める方式による表示をしないときは、電子情報処理組織を使用して行うことができない。
2 前項に規定する相手方が同項の表示をした場合において、金融庁の職員が同項の処分通知等を電子情報処理組織を使用して行つたときは、第三十四条の五十五において準用する民事訴訟法第百九条の規定にかかわらず、当該処分通知等の内容を電子情報処理組織を使用して金融庁の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。)に備えられたファイルに記録することをもつて、同条に規定する書面の作成及び提出に代えることができる。
(事件記録の閲覧等)
第三十四条の五十八 利害関係人は、内閣総理大臣に対し、審判手続開始の決定後、事件記録の閲覧若しくは謄写又は第三十四条の五十三第七項に規定する決定に係る決定書の謄本若しくは抄本の交付を求めることができる。
(納付の督促)
第三十四条の五十九 内閣総理大臣は、課徴金をその納付期限までに納付しない者があるときは、督促状により期限を指定してその納付を督促しなければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による督促をしたときは、同項の課徴金の額につき年十四・五パーセントの割合で、納付期限の翌日からその納付の日までの日数により計算した延滞金を徴収することができる。ただし、延滞金の額が千円未満であるときは、この限りでない。
3 前項の規定により計算した延滞金の額に百円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
(課徴金納付命令の執行)
第三十四条の六十 前条第一項の規定により督促を受けた者がその指定する期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、内閣総理大臣の命令で、第三十四条の五十三第一項から第五項までの決定(以下この条及び次条において「課徴金納付命令」という。)を執行する。この命令は、執行力のある債務名義と同一の効力を有する。
2 課徴金納付命令の執行は、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)その他強制執行の手続に関する法令の規定に従つてする。
3 内閣総理大臣は、課徴金納付命令の執行に関して必要があると認めるときは、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
(課徴金等の請求権)
第三十四条の六十一 破産法及び民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)の規定の適用については、課徴金納付命令に係る課徴金の請求権及び第三十四条の五十九第二項の規定による延滞金の請求権は、過料の請求権とみなす。
(内閣府令への委任)
第三十四条の六十二 この章に規定するもののほか、審判手続に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
(取消しの訴え)
第三十四条の六十三 第三十四条の五十三第一項から第五項までの決定の取消しの訴えは、決定がその効力を生じた日から三十日以内に提起しなければならない。
(参考人等の旅費等の請求)
第三十四条の六十四 第三十四条の四十七第一項又は第三十四条の五十第一項の規定により出頭又は鑑定を命ぜられた参考人又は鑑定人は、政令で定めるところにより、旅費及び手当を請求することができる。
(行政手続法の適用除外)
第三十四条の六十五 内閣総理大臣が第三十一条の二、第三十四条の二十一の二及び第三十四条の四十から第三十四条の六十二までの規定によつてする決定その他の処分(これらの規定によつて審判官がする処分を含む。)については、行政手続法第二章及び第三章の規定は、適用しない。ただし、第三十一条の二及び第三十四条の二十一の二の規定に係る同法第十二条の規定の適用については、この限りでない。
(不服申立て)
第三十四条の六十六 内閣総理大臣が第三十一条の二、第三十四条の二十一の二及び第三十四条の四十から第三十四条の六十二までの規定によつてした決定その他の処分(これらの規定によつて審判官がした処分を含む。)については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
第三十五条第二項第一号中「対する処分」の下に「(監査法人に対する第三十四条の二十一の二第一項の規定による命令を除く。)」を加え、同項第二号中「業務」の下に「、外国監査法人等の同項の業務に相当すると認められる業務」を加える。
第四十一条の二中「第四十九条の四第二項」の下に「又は第三項」を加え、「又は第四十九条の三第一項」を「、第四十九条の三第一項若しくは第二項又は第四十九条の三の二第一項」に改め、「業務」の下に「、外国監査法人等の同項の業務に相当すると認められる業務」を加える。
第四十三条第二項中「並びに公認会計士」の下に「及び特定社員」を加える。
第四十四条第一項第七号中「公認会計士」の下に「及び特定社員」を加え、同項第十二号中「業務」の下に「の運営」を加える。
第四十六条の二中「抹消された」を「抹消された」に改める。
第四十六条の九の二第一項中「業務」の下に「の運営」を、「状況」の下に「(当該会員が公認会計士である場合にあつては、第三十四条の十三第二項第一号及び第二号に掲げる事項に限る。第四十九条の四第二項第二号において同じ。)」を加える。
第四十六条の十第一項中「又は第三十四条の二十一」を「、第三十一条の二第一項、第三十四条の二十一第二項若しくは第三項、第三十四条の二十一の二第一項又は第三十四条の二十九第二項若しくは第三項」に改める。
第四十六条の十一第二項中「第十九条第三項」の下に「及び第三十四条の十の十一第二項」を加え、「及び第二十一条第一項第四号の規定による」を「並びに第二十一条第一項第四号の規定による登録の抹消及び第三十四条の十の十四第一項第三号の規定による同条第二項に規定する」に改める。
第四十七条及び第四十七条の二中「除く外」を「除くほか」に改める。
第四十八条の二第二項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 無限責任監査法人は、その名称中に有限責任監査法人又は有限責任監査法人と誤認させるような文字を使用してはならない。
第四十九条の三の見出しを「(公認会計士、外国公認会計士又は監査法人に対する報告徴収及び立入検査)」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(外国監査法人等に対する報告徴収及び立入検査)
第四十九条の三の二 内閣総理大臣は、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、外国監査法人等の行う外国会社等財務書類についての第二条第一項の業務に相当すると認められる業務に関し、外国監査法人等に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。
2 内閣総理大臣は、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、外国監査法人等の行う外国会社等財務書類についての第二条第一項の業務に相当すると認められる業務に関し、当該職員に外国監査法人等の事務所その他その業務に関係のある場所に立ち入り、その業務に関係のある帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 前条第三項及び第四項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。
第四十九条の四第二項中「前条第一項」を「第四十九条の三第一項」に、「第四十六条の九の二第二項の報告に関して行われる」を「次に掲げる」に改め、同項に次の各号を加える。
一 第四十六条の九の二第二項の報告に関して行われるもの
二 公認会計士、外国公認会計士又は監査法人(以下この号において「公認会計士等」という。)が、第四十六条の九の二第一項の調査を受けていないこと、同項の調査に協力することを拒否していることその他の内閣府令で定める事由があることにより日本公認会計士協会が当該公認会計士等に係る同条第二項の報告を行つていない場合において、当該公認会計士等の業務の運営の状況に関して行われるもの
第四十九条の四第四項を同条第五項とし、同条第三項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 金融庁長官は、政令で定めるところにより、第一項の規定により委任された権限のうち、前条第一項及び第二項の規定による権限を審査会に委任することができる。
第五十一条中「又は外国公認会計士」を「、外国公認会計士又は特定社員」に改める。
第五十二条第一項中「含む。)」の下に「、第三十四条の十の十六」を加え、同条の次に次の三条を加える。
第五十二条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 第二十八条の四第一項若しくは第三十四条の十六の三第一項の規定に違反して、これらの規定に規定する書類を公衆の縦覧に供せず、若しくは第二十八条の四第三項若しくは第三十四条の十六の三第三項の規定に違反して、第二十八条の四第二項若しくは第三十四条の十六の三第二項に規定する電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとらず、又はこれらの規定に違反して、これらの書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をして、公衆の縦覧に供し、若しくは電磁的記録に記録すべき事項を記録せず、若しくは虚偽の記録をして、電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとつた者
二 不正の手段により第三十四条の二十四の登録を受けた者
三 第三十四条の二十四又は第三十四条の三十三第五項の規定に違反して業務を行つた者
第五十二条の三 第三十四条の四十七第二項又は第三十四条の五十第三項において準用する民事訴訟法第二百一条第一項の規定により宣誓した参考人又は鑑定人が虚偽の陳述又は鑑定をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。
2 前項の罪を犯した者が、審判手続終了前であつて、かつ、犯罪の発覚する前に自白したときは、その刑を減軽又は免除することができる。
第五十二条の四 第三十四条の三十三第八項の規定に違反して、同項の不足額につき供託を行わなかつた者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第五十三条第一項第四号中「又は第二項の規定」を「から第三項までの規定のいずれか」に改め、同号を同項第五号とし、同項第三号を同項第四号とし、同項第二号中「第四十六条の十二第一項」を「第三十四条の五十一第一項、第四十六条の十二第一項」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号を同項第二号とし、同項に第一号として次の一号を加える。
一 第三十四条の二十五第一項の登録申請書又は同条第二項の書類に虚偽の記載をして提出した者
第五十三条第二項中「前項第三号」を「前項第四号」に改める。
第五十三条の二中「第三十四条の二十第六項」の下に「又は第三十四条の二十三第四項」を加える。
第五十三条の三中「、第五十三条第一項第一号、第二号若しくは第四号又は前条」を「、第五十二条の二、第五十二条の四、第五十三条第一項第一号から第三号まで若しくは第五号又は第五十三条の二」に改め、同条を第五十三条の四とする。
第五十三条の二の次に次の一条を加える。
第五十三条の三 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
一 第三十四条の四十七第一項の規定による参考人に対する処分に違反して出頭せず、陳述をせず、又は虚偽の陳述をした者
二 第三十四条の四十七第二項又は第三十四条の五十第三項において準用する民事訴訟法第二百一条第一項の規定による参考人又は鑑定人に対する命令に違反して宣誓をしない者
三 第三十四条の四十九第二項の規定による物件の所持人に対する処分に違反して物件を提出しない者
四 第三十四条の五十第一項の規定による鑑定人に対する処分に違反して鑑定をせず、又は虚偽の鑑定をした者
第五十五条各号中「及び第三十四条の二十一第三項」を「、第三十四条の十の十七第三項、第三十四条の二十一第四項、第三十四条の二十一の二第七項及び第三十四条の二十九第四項」に改める。
第五十五条の二各号中「第三十四条の二十第六項」の下に「又は第三十四条の二十三第四項」を加える。
第五十五条の三第五号中「第三十四条の二十第六項」の下に「又は第三十四条の二十三第四項」を加え、同条第八号を次のように改める。
八 第三十四条の二十二第三項において準用する会社法第六百七十条第二項若しくは第五項又は第三十四条の二十三第一項において準用する同法第六百二十七条第二項若しくは第五項、第六百三十五条第二項若しくは第五項若しくは第六百六十一条第一項の規定に違反して、財産の処分、資本金の額の減少、持分の払戻し又は債務の弁済をしたとき。
第五十五条の三に次の一号を加える。
九 第三十四条の二十八第一項の規定による申請をせず、又は虚偽の申請をしたとき。
第五十五条の二の次に次の一条を加える。
第五十五条の三 次の各号のいずれかに該当する場合には、監査法人の社員、監査法人と第三十四条の三十三第三項の契約を締結した者又は検査役は、百万円以下の過料に処する。
一 第三十四条の二十三第一項において準用する会社法第二百七条第四項又は第三十四条の二十三第二項において準用する同法第三十三条第四項に規定する報告について、裁判所に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたとき。
二 第三十四条の三十三第四項の規定による命令に違反したとき。