農業経営の改善に必要な資金の融通の円滑化のための農業近代化資金助成法等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第五十一号
公布年月日: 平成14年5月29日
法令の形式: 法律
農業経営の改善に必要な資金の融通の円滑化のための農業近代化資金助成法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十四年五月二十九日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第五十一号
農業経営の改善に必要な資金の融通の円滑化のための農業近代化資金助成法等の一部を改正する法律
(農業近代化資金助成法の一部改正)
第一条 農業近代化資金助成法(昭和三十六年法律第二百二号)の一部を次のように改正する。
第一条中「行なう」を「行う」に改め、「農業者等の資本装備の高度化を図り、」を削る。
第二条第三項中「資本装備の高度化及び」を削り、「造成」の下に「、復旧」を加え、「及び乳牛」を「、乳牛」に改め、「購入又は育成に要するもの」の下に「及び農業経営の規模の拡大、生産方式の合理化、経営管理の合理化、農業従事の態様の改善その他の農業経営の改善に伴い要するもの」を加える。
(農林漁業金融公庫法の一部改正)
第二条 農林漁業金融公庫法(昭和二十七年法律第三百五十五号)の一部を次のように改正する。
第十八条第一項第一号の二中「。別表第二において「農業経営の改善のためにする農地等の取得」という」を削り、同項第一号の三中「第二号及び第六号」を「第一号及び第五号」に改め、同項第一号の四及び第一号の五中「第二号」を「第一号」に、「並びに」を「及び」に、「第三号及び第六号」を「第五号」に改め、同条第三項中「農業、」を削る。
別表第二の第一号を次のように改める。
一 効率的かつ安定的な農業経営を育成するため、その農業経営を一体として、総合的かつ計画的に農業経営の規模の拡大、生産方式の合理化、経営管理の合理化、農業従事の態様の改善その他の農業経営の改善を図るのに必要な資金であつて、第十八条第一項第一号から第一号の二の二まで、第一号の六、第一号の七若しくは第八号に掲げるもの又は果樹若しくは指定永年性植物の植栽若しくは育成若しくは家畜の購入若しくは育成に必要なもの
 (一) 当該資金に係る農業経営の改善が農業経営基盤強化促進法(昭和五十五年法律第六十五号)第十二条第一項の認定を受けた農業経営改善計画、酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律(昭和二十九年法律第百八十二号)第二条の五の認定を受けた経営改善計画又は果樹農業振興特別措置法(昭和三十六年法律第十五号)第三条第一項の認定を受けた果樹園経営計画に従つて図られるものである場合における当該資金
三分五厘
二十五年
十年
 (二) (一)に掲げる資金以外のものであつて主務大臣の指定するもの
五分
二十五年
三年(果樹の植栽又は育成に必要なものについては、十年)
(第十八条第一項第一号の二に掲げる資金については、年三分五厘)
別表第二の第一号の二及び第二号を削り、同表の第三号の貸付金の種類の欄中「農業、」を削り、「若しくは第八号」を「又は第八号」に、「又は果樹若しくは指定永年性植物の植栽若しくは家畜の購入に必要なもののうち、」を「のうち」に改め、同号(一)の償還期限の欄中「(果樹の植栽に必要なものについては、二十五年)」を削り、同号(一)の据置期間の欄中「(果樹の植栽に必要なものについては、十年)」を削り、同号(二)の償還期限の欄中「(果樹の植栽に必要なものについては、二十五年)」を削り、同号(二)の据置期間の欄中「(果樹の植栽に必要なものについては、十年)」を削り、同号を同表の第二号とし、同表中第四号を第三号とし、第五号を第四号とし、第六号を第五号とする。
(農業改良資金助成法の一部改正)
第三条 農業改良資金助成法(昭和三十一年法律第百二号)の一部を次のように改正する。
第一条中「又は農家生活」及び「自主的に能率的な農業技術の導入その他合理的な農業生産方式の導入を行い、特定の地域において」を削り、「の経営」の下に「若しくは農畜産物の加工の事業の経営」を加え、「農業経営の規模を拡大し、又は合理的な生活方式を導入することを促進し、及び青年農業者等が近代的な農業経営を担当するのにふさわしい者となることを助長する」を「又は農畜産物若しくはその加工品の新たな生産若しくは販売の方式を導入することを支援する」に、「生産方式改善資金、特定地域新部門導入資金」を「農業改良資金」に、「市町村」を「融資機関」に改め、「、経営規模拡大資金、農家生活改善資金又は青年農業者等育成確保資金」を削る。
第二条を次のように改める。
(定義)
第二条 この法律において「農業改良資金」とは、農業改良措置(農業経営の改善を目的として新たな農業部門の経営若しくは農畜産物の加工の事業の経営を開始し、又は農畜産物若しくはその加工品の新たな生産若しくは販売の方式を導入することをいう。以下同じ。)を実施するのに必要な次に掲げる資金をいう。
一 施設の改良、造成又は取得に必要な資金
二 永年性植物の植栽又は育成に必要な資金
三 家畜の購入又は育成に必要な資金
四 農業経営の規模の拡大、生産方式の合理化、経営管理の合理化、農業従事の態様の改善その他の農業経営の改善に伴い必要な資金で農林水産大臣が指定するもの
第三条第一項中「生産方式改善資金、特定地域新部門導入資金、経営規模拡大資金、農家生活改善資金又は青年農業者等育成確保資金」を「農業改良資金」に改め、「(次項の規定により指定された市町村の区域内の農業者等に対する特定地域新部門導入資金の貸付けを除く。)」を削り、同条第二項中「、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する市町村を、その申請により」を削り、「特定地域新部門導入資金」を「農業改良資金」に、「事業を自ら行う市町村として指定し、当該市町村」を「業務を行う融資機関(農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第二号及び第三号の事業を併せ行う農業協同組合若しくは農業協同組合連合会又は銀行その他の金融機関で政令で定めるものをいう。第十七条において同じ。)」に、「当該事業」を「当該業務」に改め、同項各号を削る。
第四条中「、生産方式改善資金にあつては、その種類ごとに、農林水産省令で定める標準資金需要額を基準として都道府県が定める額の百分の八十(政令で定める種類のものにあつては、百分の九十)とし、特定地域新部門導入資金、経営規模拡大資金、農家生活改善資金及び青年農業者等育成確保資金にあつては、それぞれ、その種類ごとに」を削る。
第五条第一項中「生産方式改善資金、経営規模拡大資金、農家生活改善資金及び青年農業者等育成確保資金にあつては十年を超えない範囲内で、特定地域新部門導入資金にあつては十二年」を「十年(地勢等の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な地域として農林水産大臣が指定するものにおいて農業改良措置を実施するのに必要な資金(次項において「特定地域資金」という。)にあつては、十二年)」に改め、「、それぞれ、その種類ごとに」を削り、同条第二項中「生産方式改善資金、経営規模拡大資金、農家生活改善資金及び青年農業者等育成確保資金にあつては、必要と認められる種類の貸付金につき三年を超えない範囲内で、特定地域新部門導入資金にあつては、必要と認められる種類の貸付金につき五年」を「三年(特定地域資金にあつては、五年)」に改め、「、それぞれ、その種類ごとに、」を削り、同条第三項を削る。
第七条及び第八条を次のように改める。
(貸付資格の認定)
第七条 貸付金の貸付けを受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、農業改良措置に関する計画を作成し、これを申請書に添え、都道府県知事に提出して、当該貸付けを受けることが適当である旨の都道府県知事の認定を受けなければならない。
2 前項の計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 農業改良措置の目標
二 農業改良措置の内容及び実施時期
三 農業改良措置を実施するのに必要な資金の額及びその調達方法
第八条 都道府県知事は、前条第一項の認定の申請があつたときは、その申請者(その者が団体である場合には、その団体を構成する農業者)が申請に係る農業改良資金をもつて農業改良措置を実施することによりその経営を改善する見込みがあり、かつ、申請に係る地域においては当該農業改良措置を実施することが必要であると認められる場合に限り、同項の認定をするものとする。
第十二条から第十七条までを削る。
第十八条第二項中「第三条第二項」を「同条第二項」に改め、「この項において」を削り、「第十一条」を「前条」に、「第二十一条及び第二十二条第三項」を「第十五条及び第十六条第三項」に改め、同条を第十二条とする。
第十九条第一項中「第三条第一項」を「第三条」に改め、「(昭和二十二年法律第百三十二号)」を削り、同条を第十三条とし、第二十条を第十四条とし、第二十一条を第十五条とする。
第二十二条第一項中「第三条第一項」を「第三条」に、「事業」を「事業の全部」に、「貸付金」を「貸付金等」に、「第二十条第二項」を「第十四条第二項」に改め、同条第二項中「第三条第一項」を「第三条」に、「事業」を「事業の全部」に、「貸付金」を「貸付金等」に改め、同条を第十六条とし、同条の次に次の一条を加える。
(準用)
第十七条 第四条、第五条、第七条及び第八条の規定は融資機関が行う第三条第二項の農業改良資金の貸付けについて、第九条から第十一条までの規定は融資機関について、第十四条第二項の規定は都道府県が行う第三条第二項の貸付けに係る資金について準用する。この場合において、第十四条第二項中「償還方法」とあるのは、「償還方法その他必要な貸付けの条件の基準」と読み替えるものとする。
第二十三条を削る。
附則第二項中「。以下「改正法」という。」を削り、「第二十二条第一項」を「第十六条第一項」に、「貸付金」を「貸付金等」に改める。
(農業信用保証保険法の一部改正)
第四条 農業信用保証保険法(昭和三十六年法律第二百四号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項第三号中「農業近代化資金」の下に「、農業改良資金」を加え、同号を同項第四号とし、同項中第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。
二 農業改良資金(農業改良資金助成法(昭和三十一年法律第百二号)第二条に規定する農業改良資金(同法の定めるところにより貸し付けられるものに限る。)をいう。以下同じ。)
第八条第一号ハ中「及びロ」を「からハまで」に改め、同号中ハをニとし、ロをハとし、イの次に次のように加える。
ロ 農業改良資金
第十一条第二号中「就農支援資金」を「農業改良資金及び就農支援資金」に改め、同条第三号中「第八条第一号ハ」を「第八条第一号ニ」に改める。
第七十二条第一項ただし書中「第二条第三項第三号」を「第二条第三項第四号」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(農林漁業金融公庫法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 この法律の施行前に貸し付けられた第二条の規定による改正前の農林漁業金融公庫法(次条において「旧公庫法」という。)別表第二の第一号、第一号の二及び第三号に掲げる資金(同表の第三号に掲げる資金については、農業に係るものに限る。)については、なお従前の例による。
第三条 この法律の施行前にした旧公庫法の規定に違反する行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(農業改良資金助成法の一部改正に伴う経過措置)
第四条 この法律の施行前に貸し付けられた第三条の規定による改正前の農業改良資金助成法第二条第一項の生産方式改善資金、同条第二項の特定地域新部門導入資金、同条第三項の経営規模拡大資金、同条第四項の農家生活改善資金及び同条第五項の青年農業者等育成確保資金については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第五条 前三条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(農業経営基盤強化措置特別会計法の一部改正)
第六条 農業経営基盤強化措置特別会計法(昭和二十一年法律第四十四号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項中「第二十条第二項」を「第十四条第二項」に、「第二十二条第一項」を「第十六条第一項」に改め、同条第二項中「第二十条第二項」を「第十四条第二項」に改める。
(農業経営基盤強化促進法及び青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法の一部改正)
第七条 次に掲げる法律の規定中「第十八条第一項」を「第十二条第一項」に改める。
一 農業経営基盤強化促進法(昭和五十五年法律第六十五号)第三十五条
二 青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法(平成七年法律第二号)第二十条
(持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律の一部改正)
第八条 持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(平成十一年法律第百十号)の一部を次のように改正する。
第六条中「第二条第一項の生産方式改善資金」を「第二条の農業改良資金(同法第五条第一項の特定地域資金を除く。)」に、「同法第五条第一項」を「同項」に改める。
財務大臣 塩川正十郎
農林水産大臣 武部勤
内閣総理大臣 小泉純一郎