労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
法令番号: 法律第八十九号
公布年月日: 昭和60年7月5日
法令の形式: 法律
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和六十年七月五日
内閣総理大臣 中曽根康弘
法律第八十九号
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
(労働基準法の一部改正)
第一条 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)の一部を次のように改正する。
第九十八条第二項中「及び作業環境測定法(昭和五十年法律第二十八号)」を「、作業環境測定法(昭和五十年法律第二十八号)及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。第四十四条、第四十五条及び第四十七条の規定に限る。以下この項において同じ。)」に、「及び作業環境測定法の」を「、作業環境測定法及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の」に改める。
(職業安定法の一部改正)
第二条 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)の一部を次のように改正する。
目次中「及び労働者供給事業」を「、労働者供給事業及び労働者派遣事業」に、「第四節 労働者供給事業」を
第四節
労働者供給事業
第五節
労働者派遣事業
に改める。
第四条第四号中「又は労働者供給事業」を「、労働者供給事業又は労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「労働者派遣法」という。)第二条第三号に規定する労働者派遣事業(以下「労働者派遣事業」という。)」に改める。
第五条の見出しを「(用語の意義)」に改め、同条第三項を次のように改める。
この法律で有料の職業紹介とは、無料の職業紹介以外の職業紹介をいう。
第五条第六項中「基いて」を「基づいて」に、「他人に使用させることをいう」を「他人の指揮命令を受けて労働に従事させることをいい、労働者派遣法第二条第一号に規定する労働者派遣に該当するものを含まないものとする」に改める。
第十二条第三項中「及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和五十一年法律第三十三号)」を「、建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和五十一年法律第三十三号)及び労働者派遣法」に改める。
第二章第四節中第二十六条から第三十一条までを削り、第二十五条の四の次に次のように加える。
第二十六条から第二十九条まで 削除
第三章の章名中「及び労働者供給事業」を「、労働者供給事業及び労働者派遣事業」に改める。
第三十一条の二中「別段の定」を「別段の定め」に、「除く外」を「除くほか」に、「及び労働者供給事業」を「、労働者供給事業及び労働者派遣事業」に改め、同条を第三十条とする。
第三章第二節中第三十二条の前に次の一条を加える。
(職業紹介事業を行う者の責務)
第三十一条 次条又は第三十三条の規定により職業紹介事業を行う者は、当該事業の業務の運営に当たつては、職業安定機関との連携の下に、その改善向上を図るために必要な措置を講ずるように努めなければならない。
第三十二条第三項中「営利職業紹介事業」を「第一項ただし書の許可を受けて有料の職業紹介事業」に改め、「、その事業を開始する前に」を削り、「第四項」を「次項」に、「中央職業安定審議会に諮問のうえ定める五万円を超えない金額」を「第六項の規定により定める手数料の徴収の実情並びに求職者及び求人者の保護を考慮して、中央職業安定審議会に諮問の上定める金額」に改め、同条第六項中「実費職業紹介事業又は営利職業紹介事業」を「第一項ただし書の許可を受けて有料の職業紹介事業」に改め、「、それぞれ」を削り、「のうえ」を「の上」に、「の外」を「のほか」に改め、同条第七項及び第八項中「第一項」を「第一項ただし書」に改め、同条第七項の次に次の二項を加える。
前項に規定する許可の有効期間(当該許可の有効期間についてこの項の規定により更新を受けたときにあつては、当該更新を受けた許可の有効期間)の満了後引き続き当該許可に係る有料の職業紹介事業を行おうとする者は、許可の有効期間の更新を受けなければならない。
前項に規定する許可の有効期間の更新を受けようとする者は、労働大臣が、実費を勘案して、中央職業安定審議会に諮問の上定める額の更新手数料を納付しなければならない。
第三十二条第五項を削り、同条第二項の次に次の一項を加える。
第一項ただし書の許可を受けようとする者は、労働大臣が、実費を勘案して、中央職業安定審議会に諮問の上定める額の許可手数料を納付しなければならない。
第三十三条第二項中「なす」を「する」に、「予め」を「あらかじめ」に、「但し」を「ただし」に改め、「労働組合法による労働組合」の下に「その他これに準ずるものであつて命令で定めるもの(第四十五条及び第四十六条において「労働組合等」という。)」を加え、同条第三項中「二年」を「三年」に改め、同項の次に次の一項を加える。
前項に規定する許可の有効期間(当該許可の有効期間についてこの項の規定により更新を受けたときにあつては、当該更新を受けた許可の有効期間)の満了後引き続き当該許可に係る無料の職業紹介事業を行おうとする者は、許可の有効期間の更新を受けなければならない。
第三十三条の二の見出し中「学校」を「学校等」に改め、同条第一項を次のように改める。
次の各号に掲げる施設の長は、労働大臣に届け出て、当該各号に定める者について、無料の職業紹介事業を行うことができる。
一 学校教育法第一条に規定する学校(小学校及び幼稚園を除く。)当該学校の学生若しくは生徒又は当該学校を卒業した者(命令で定める者を除く。)
二 専修学校 当該専修学校の生徒又は当該専修学校を卒業した者
三 職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第十五条第二項各号に掲げる施設 当該施設の行う職業訓練を受ける者又は当該職業訓練を修了した者
四 職業訓練大学校 当該職業訓練大学校の行う職業訓練を受ける者又は当該職業訓練を修了した者
第三十三条の二第三項中「第一項」を「前項」に、「学校の長は、その学校」を「同項各号に掲げる施設の長は、当該施設」に、「の中」を「のうち」に、「代つて」を「代わつて」に改め、同条第四項中「文部大臣と協議して、第一項の規定により学校の長が行なう」を「第一項各号に掲げる施設の長が同項の規定により行う」に改め、同条第五項中「学校の長」を「同項各号に掲げる施設の長」に改め、同条第四項の次に次の一項を加える。
労働大臣は、第一項第一号及び第二号に掲げる施設の長に係る前項の基準を定めようとするときは、あらかじめ文部大臣と協議しなければならない。
第三十三条の二第二項を削る。
第三十三条の三第二項中「行わうとする学校の長」を「行おうとする同項各号に掲げる施設の長」に改める。
第三十四条第一項ただし書中「但し」を「ただし」に、「学校」を「第三十三条の二第一項各号に掲げる施設」に改める。
第三十五条ただし書を削る。
第三十六条中「労働者を募集し」を「労働者の募集を行い」に、「労働者を募集させようとする」を「労働者の募集を行わせようとする」に、「の許可を受けなければ」を「に届け出なければ」に、「但し」を「ただし」に、「労働者を募集する」を「労働者の募集を行う」に改める。
第三十八条第一項中「第三十六条ただし書」を「第三十六条」に、「附して」を「付して」に改め、同条第二項中「前二条」を「前条第一項」に、「行わうとする」を「行おうとする」に、「なす」を「する」に改める。
第四十二条に次の一項を加える。
第三十五条に規定する方法による労働者の募集を行おうとする者は、労働者の適切な職業選択に資するため、前項において準用する第十八条の規定により当該募集に係る従事すべき業務の内容等を明示するに当たつては、当該募集に応じようとする労働者に誤解を生じさせることのないように平易な表現を用いる等その的確な表示に努めなければならない。
第四十四条中「第四十五条」を「次条」に、「除く外」を「除くほか」に、「使用して」を「自らの指揮命令の下に労働させて」に改める。
第四十五条中「労働組合法による労働組合」を「労働組合等」に改める。
第四十六条中「前条の労働組合の」を「労働組合等が前条の規定により」に改める。
第三章に次の一節を加える。
第五節 労働者派遣事業
(労働者派遣事業)
第四十七条の二 労働者派遣事業に関しては、労働者派遣法の定めるところによる。
第五十条第二項中「学校」を「同項第一号又は第二号に掲げる施設」に、「前項」を「第一項」に、「予め」を「あらかじめ」に改め、同条第一項の次に次の二項を加える。
労働大臣は、前項の規定による処分をしようとするときは、命令で定めるところにより、あらかじめ、期日及び場所を指定して、聴聞を行わなければならない。
前項の聴聞に際しては、当該処分に係る者に、意見を述べ、及び証拠を提出する機会を与えなければならない。
第六十三条中「左の」を「次の」に、「二千円以上三万円以下」を「五万円以上百万円以下」に改める。
第六十四条中「左の」を「次の」に、「一万円」を「二十万円」に改め、同条第一号中「同項但書」を「同項ただし書」に改め、同号の次に次の一号を加える。
一の二 偽りその他不正の行為により、第三十二条第一項ただし書の許可、同条第八項の規定による許可の有効期間の更新、第三十三条第一項の許可、同条第四項の規定による許可の有効期間の更新、第三十七条第一項の許可又は第四十五条の許可を受けた者
第六十四条第三号中「第三十六条又は」を削り、同条第五号を次のように改める。
五 第五十条第一項の規定による事業又は業務の停止の命令に違反して、職業紹介事業、労働者の募集又は労働者供給事業を行つた者
第六十五条中「左の」を「次の」に、「五千円」を「十万円」に改め、同条第四号を削り、同条第五号を同条第四号とし、同号の次に次の一号を加える。
五 第三十六条の規定による届出をしないで、労働者の募集を行つた者
第六十六条中「左の」を「次の」に、「五千円」を「十万円」に改める。
(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部改正)
第三条 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第二号中「若しくは職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第六十三条第二号の罪」を「、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第六十三条第二号の罪若しくは労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「労働者派遣法」という。)第五十八条の罪」に、「第六十二条第二項」を「第六十二条第二項(労働者派遣法第四十四条第二項の規定により適用される場合を含む。)の規定に違反し、労働者派遣法第四十四条第四項の規定により労働基準法第六十二条第二項の規定に違反したものとみなされ、」に改める。
(土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法の一部改正)
第四条 土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法(昭和四十二年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。
第八条第一項中「、同法第四十条の規定に基づいて発する命令の規定」を「若しくは同法第四十条の規定に基づいて発する命令の規定(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「労働者派遣法」という。)第四十四条の規定により適用される場合を含む。)」に、「第六十八条の規定」を「第六十八条の規定(労働者派遣法第四十五条の規定により適用される場合を含む。)」に改める。
(社会保険労務士法の一部改正)
第五条 社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。
別表第一中第二十号の十一の次に次の一号を加える。
二十の十二 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)
(労働省設置法の一部改正)
第六条 労働省設置法(昭和二十四年法律第百六十二号)の一部を次のように改正する。
第四条中第三十九号の次に次の一号を加える。
三十九の二 労働者派遣事業についての許可その他その監督に関すること。
第四条第五十一号中「及び特定不況業種・特定不況地域関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法(昭和五十八年法律第三十九号)」を「、特定不況業種・特定不況地域関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法(昭和五十八年法律第三十九号)及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「労働者派遣法」という。)」に改める。
第五条第四十四号中「又は営利を目的として」を削り、同条第四十五号中「文書以外の方法により行う」を「被用者以外の者をして行わせる」に改め、同条第四十七号中「労働組合法による労働組合」の下に「その他これに準ずるもの」を加え、同条第四十九号の次に次の二号を加える。
四十九の二 労働者派遣法に基づいて、一般労働者派遣事業に許可を与えること。
四十九の三 労働者派遣法に基づいて、労働者派遣事業を行う事業主及び当該事業主から労働者派遣の役務の提供を受ける者に必要な事項についての報告を求めること。
第七条第一項及び第八条第一項中「及び炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法」を「、炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法及び労働者派遣法」に改める。
第十条第一項中「及び特定不況業種・特定不況地域関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法」を「、特定不況業種・特定不況地域関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法及び労働者派遣法」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)の施行の日から施行する。
(職業安定法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に第二条の規定による改正前の職業安定法(以下この条において「旧職業安定法」という。)第三十二条第一項ただし書の許可を受けている者は、この法律の施行の日(以下この条において「施行日」という。)に、第二条の規定による改正後の職業安定法(以下この条において「新職業安定法」という。)第三十二条第一項ただし書の許可を受けた者とみなす。この場合において、その者についての新職業安定法第三十二条第七項に規定する許可の有効期間は、その者が旧職業安定法第三十二条第一項ただし書の許可を受けた日から起算して一年を経過する日までとする。
2 この法律の施行の際現に旧職業安定法第三十二条第三項の規定により供託されている保証金は、その価額の限度で、新職業安定法第三十二条第四項の規定により供託されている保証金とみなす。
3 施行日前に旧職業安定法第三十二条第一項ただし書の許可を受けた者に係る同条第五項の許可料については、なお従前の例による。
4 この法律の施行の際現に旧職業安定法第三十二条第一項ただし書の規定により実費職業紹介事業の許可を受けている者が、施行日から起算して三十日を経過する日(施行日からその者についての実費職業紹介事業の許可の有効期間の末日までの日数が三十日に満たないときは、その有効期間の末日)までに、労働大臣に対し、新職業安定法第三十三条第一項の無料の職業紹介事業を行うことの希望を有する旨の届出をしたときは、その者は、当該届出をした日に、同項の許可を受けた者とみなす。この場合において、その者についての新職業安定法第三十三条第三項に規定する許可の有効期間は、同項の規定にかかわらず、その者についての実費職業紹介事業の許可の有効期間の末日までとする。
5 前項の場合において、同項の規定により新職業安定法第三十三条第一項の許可を受けた者とみなされた者についての第一項後段に規定する許可の有効期間は、同項後段の規定にかかわらず、前項の届出をした日の前日までとする。
6 この法律の施行の際現に旧職業安定法第三十三条第一項の許可を受けている者についての当該許可の有効期間は、新職業安定法第三十三条第三項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
7 専修学校の長、職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第十五条第二項各号に掲げる施設の長又は職業訓練大学校の長であつて、この法律の施行の際現に旧職業安定法第三十三条第一項の許可を受けているもの又はその申請をしているものは、施行日に、新職業安定法第三十三条の二第一項の規定による届出をしたものとみなす。
8 この法律の施行の際現に旧職業安定法第三十六条の許可を受けている者又はその申請をしている者は、施行日に、新職業安定法第三十六条の規定による届出をした者とみなす。
9 施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を促進するための労働者関係法律の整備等に関する法律の一部改正)
第三条 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を促進するための労働省関係法律の整備等に関する法律(昭和六十年法律第四十五号)の一部を次のように改正する。
第二条のうち、労働基準法第九十八条第二項の改正規定中「「中央労働基準審議会は、」に」の下に「、「以下この項」を「次条第二項」に」を加え、「及び作業環境測定法」を「、作業環境測定法及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」に改める。
第二条のうち、労働基準法第九十八条の次に一条を加える改正規定中「及び作業環境測定法」を「、作業環境測定法及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」に改める。
内閣総理大臣 中曽根康弘
厚生大臣 増岡博之
運輸大臣臨時代理 国務大臣 増岡博之
労働大臣 山口敏夫