(目的)
第一条 この法律は、ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号)及び液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(昭和四十二年法律第百四十九号)と相まつて、特定ガス消費機器の設置又は変更の工事の欠陥に係るガスによる災害の発生を防止するため、これらの工事の事業を行う者の工事の監督に関する義務等を定めることを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「特定ガス消費機器」とは、ガスバーナー付ふろがま、ガス瞬間湯沸器その他のガス事業法第四十条の二第一項に規定する消費機器又は液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(以下「液化石油ガス法」という。)第二条第五項に規定する消費設備に該当する機械又は器具(附属装置を含む。)で構造、使用状況等からみて設置又は変更の工事の欠陥に係るガスによる災害の発生のおそれが多いと認められるものであつて、政令で定めるものをいう。
2 この法律において「特定工事」とは、特定ガス消費機器の設置又は変更の工事(通商産業省令で定める軽微なものを除く。)をいう。
(特定工事の監督)
第三条 特定工事の事業を行う者(以下「特定工事事業者」という。)は、特定工事を施行するときは、特定工事がガス事業法第四十条の四又は液化石油ガス法第三十八条の二の規定に適合することを確保するため、これを、通商産業省令で定めるところにより、ガス消費機器設置工事監督者の資格を有する者に実地に監督させ、又はその資格を有する特定工事事業者が自ら実地に監督しなければならない。ただし、これらの者が自ら特定工事を行う場合は、この限りでない。
(ガス消費機器設置工事監督者の資格等)
第四条 ガス消費機器設置工事監督者の資格は、次の各号のいずれかとする。
一 通商産業大臣又はその指定する者が通商産業省令で定めるところにより行う特定工事に必要な知識及び技能に関する講習の課程を修了した者であること。
三 通商産業省令で定めるところにより、前二号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有していることにつき通商産業大臣の認定を受けた者であること。
2 前項第一号又は第三号に該当することによりガス消費機器設置工事監督者の資格を有する者(以下「講習修了資格者等」という。)は、通商産業省令で定める期間ごとに、通商産業大臣又はその指定する者が通商産業省令で定めるところにより行う特定工事に係るガスによる災害の発生の防止に関する講習を受けなければならない。
3 講習修了資格者等は、前項の講習を受けなかつたときは、ガス消費機器設置工事監督者の資格を失う。
4 講習修了資格者等のガス消費機器設置工事監督者の資格を証する書面(以下「資格証」という。)の様式及び交付、再交付その他の手続に関し必要な事項は、通商産業省令で定める。
5 第一項第一号若しくは第二項の講習若しくは資格証の再交付(通商産業大臣が行う講習又は再交付に限る。)又は第一項第三号の認定を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める金額の手数料を納付しなければならない。
(監督者の義務等)
第五条 第三条の規定により特定工事を実地に監督する者は、その監督の職務を誠実に行わなければならない。
2 特定工事に従事する者は、前項に規定する者が同項の監督の職務を行う上で必要があると認めてする指示に従わなければならない。
3 第三条本文の規定により特定工事を実地に監督し、又は同条ただし書の規定により自ら特定工事を行う者は、その監督の職務を行い、又は自ら特定工事を行うときは、資格証(液化石油ガス設備士にあつては、液化石油ガス設備士免状)を携帯していなければならない。
(表示)
第六条 特定工事事業者は、特定工事を施工したときは、通商産業省令で定めるところにより、当該特定工事に係る特定ガス消費機器の見やすい場所に、氏名又は名称、施工年月日その他の通商産業省令で定める事項を記載した表示を付さなければならない。
(報告の徴収)
第七条 通商産業大臣は、特定工事に係るガスによる災害の発生の防止のため必要があると認めるときは、特定工事事業者に対し、特定工事の施工に関し、報告をさせることができる。
(経過措置)
第八条 この法律の規定に基づき政令又は通商産業省令を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ、政令又は通商産業省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
(権限の委任)
第九条 この法律の規定により通商産業大臣の権限に属する事項は、政令で定めるところにより、通商産業局長又は都道府県知事に委任することができる。
(罰則)
第十条 第三条の規定に違反した者は、二十万円以下の罰金に処する。
第十一条 第七条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、十万円以下の罰金に処する。
第十二条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の刑を科する。
第十三条 第六条の規定による表示をせず、又は虚偽の表示をした者は、十万円以下の過料に処する。
第十四条 第五条第三項の規定に違反した者は、五万円以下の過料に処する。