(趣旨)
第一条 この法律は、国有林野事業(国有林野事業特別会計法(昭和二十二年法律第三十八号)第一条第二項に規定する国有林野事業をいう。以下同じ。)の現状並びに国民経済及び国民生活におけるその使命の重要性にかんがみ、国有林野事業の改善を図るためにとるべき特別措置を定めるものとする。
(改善計画)
第二条 農林水産大臣は、昭和七十二年度までに国有林野事業の収支の均衡を回復する等その経営の健全性を確立することを目標とし、これに必要な基本的条件の整備を昭和六十二年度までに完了することを旨として、昭和五十三年度以降十年間(以下「改善期間」という。)における国有林野事業の改善に関する計画(以下「改善計画」という。)を定め、これに従つて国有林野事業を運営するものとする。
2 改善計画は、次の事項について定めるものとする。
二 国有林野事業における造林及び林道の開設その他林業生産基盤の整備に関する事項
3 農林水産大臣は、改善計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、関係行政機関の長に協議するとともに、林政審議会の意見を聴かなければならない。
4 林政審議会は、林業基本法(昭和三十九年法律第百六十一号)第二十三条第一項に規定するもののほか、前項の規定によりその権限に属させられた事項を調査審議する。
5 林政審議会は、林業基本法第二十三条第二項に規定するもののほか、前項に規定する事項に関し農林水産大臣に意見を述べることができる。
(一般会計から国有林野事業特別会計への繰入れ)
第三条 政府は、改善期間において、国有林野(国有林野法(昭和二十六年法律第二百四十六号)第二条に規定する国有林野をいう。)の管理経営上重要な林道の開設に要する経費その他の国有林野事業に係る事業施設費で改善計画の円滑な実施に必要なものとして政令で定めるものの一部に相当する金額を、予算の定めるところにより、一般会計から国有林野事業特別会計の国有林野事業勘定(以下「事業勘定」という。)に繰り入れることができる。
(資金の貸付け)
第四条 政府は、改善期間における国有林野事業特別会計法第五条第一項の規定による借入金に係る資金の貸付けについて、資金事情の許す限り、特別の配慮をするものとする。
(利益処分の特例)
第五条 事業勘定において改善期間中の毎会計年度の損益計算上利益を生じた場合における国有林野事業特別会計法第十二条第一項の規定の適用については、同項中「政令で定めるところにより、これを利益積立金及び特別積立金」とあるのは、「これを利益積立金」とする。
(特別積立金引当資金の使用の特例)
第六条 昭和五十二年度末における事業勘定の特別積立金引当資金の使用残額は、国有林野事業特別会計法第十三条第二項及び附則第五条の三第一項の規定にかかわらず、改善期間において、国有林野事業に要する経費の財源に充てるものとして、予算の定めるところにより、使用することができる。
2 前項の規定により特別積立金引当資金を使用したときは、その使用した額に相当する額を事業勘定の特別積立金から事業勘定の利益積立金に組み替えて整理するものとする。