(公益的機能の維持増進を旨とする管理経営への転換)
第五条 政府は、国土の保全その他国有林野の有する公益的機能の重要性にかんがみ、国有林野の管理経営の方針について、林産物の供給に重点を置いたものから公益的機能の維持増進を旨とするものへと転換することとする。
2 政府は、前項の方針に従い、複層林施業、長伐期施業その他の森林の公益的機能の維持増進を図るための森林施業を積極的に推進するものとする。
(国民の意見を反映した管理経営の実施)
第六条 政府は、国有林野事業を適切に実施するため、あらかじめ広く国民の意見を聴いて、国及び地域の段階で、それぞれ国有林野の管理経営に関する計画を策定し、これらを公表するものとする。
2 政府は、前項の計画において、前条第一項の方針に従った管理経営の内容を明らかにするものとする。
(民間事業者への業務委託の推進)
第七条 政府は、民間事業者の能力を活用しつつ国有林野事業を効率的に実施するものとし、このため、集中改革期間において、伐採、造林並びに林道の開設及び改良の実施行為を民間事業者に委託して行うことを緊急に推進し、集中改革期間終了後できるだけ早い時期に、当該実施行為のすべてを民間事業者に委託して行うものとする。
(国民による国有林野の利用の推進)
第八条 政府は、国民共通の財産である国有林野について、その有する公益的機能の維持増進との調和を図りつつ、公衆の保健のための利用、自主的な森林整備のための利用その他の国民による利用に積極的に供するものとする。
(国有林野事業の実施状況の公表)
第九条 政府は、国有林野の管理経営が適切に実施されていることを国民に対し明らかにするため、毎年度、国有林野事業の実施状況を公表するものとする。