(目的及び設置)
第一条 宇宙の開発に関する国の施策の総合的かつ計画的な推進とその民主的な運営に資するため、総理府に宇宙開発委員会(以下「委員会」という。)を置く。
(所掌事務)
第二条 委員会は、次の各号に掲げる事項について企画し、審議し、及び決定し、その決定に基づき内閣総理大臣に対して意見を述べる。
二 関係行政機関の宇宙開発に関する事務の総合調整のうち重要なものに関すること。
三 関係行政機関の宇宙開発に関する経費の見積りに関すること。
四 宇宙開発に関する研究者及び技術者の養成訓練(大学における教授研究に係るものを除く。)の大綱に関すること。
五 前各号に掲げるもののほか、宇宙開発に関する重要事項に関すること。
2 前項において「宇宙開発」とは、次の各号に掲げるものをいう。
一 人工衛星及び人工衛星打上げ用ロケット(以下「人工衛星等」という。)の開発(これに必要な研究を含む。以下同じ。)並びにこれに必要な施設及び設備の開発
二 人工衛星等の打上げ及び追跡に必要な方法、施設及び設備の開発並びに人工衛星の打上げ及び追跡
(意見の尊重)
第三条 内閣総理大臣は、委員会から前条第一項の意見を受けたときは、これを尊重しなければならない。
(資料提出の要求等)
第四条 委員会は、その所掌事務を行なうため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。
(組織)
第五条 委員会は、委員長及び委員四人をもつて組織する。
(委員長)
第六条 委員長は、科学技術庁長官たる国務大臣をもつて充てる。
3 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。
(委員)
第七条 委員は、宇宙の開発に関しすぐれた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
2 委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員を任命することができる。
3 前項の場合においては、任命後最初の国会において両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認が得られないときは、内閣総理大臣は、直ちに、その委員を罷免しなければならない。
4 次の各号の一に該当する者は、委員となることができない。
一 禁治産者若しくは準禁治産者又は破産者で復権を得ない者
5 委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
8 委員は、第四項各号の一に該当するに至つた場合においては、その職を失うものとする。
9 内閣総理大臣は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない行為があると認める場合においては、両議院の同意を得て、これを罷免することができる。
(会議)
2 委員会は、委員長及び二人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
3 委員会の議事は、出席者の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
4 委員長に事故がある場合における第二項の規定の適用については、第六条第三項に規定する委員は、委員長とみなす。
(委員の服務)
第九条 委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
2 委員は、在任中、政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。
(参与及び専門委員)
第十条 委員会に、重要な会務につき意見を述べさせるため、参与を置くことができる。
2 委員会に、専門の事項を調査審議させるため、専門委員を置くことができる。
(庶務)
第十一条 委員会の庶務は、科学技術庁研究調整局において総括し、及び処理する。ただし、関係行政機関(科学技術庁を除く。)の所掌に属する事項に係るものについては、科学技術庁研究調整局及び当該関係行政機関の担当部局において共同して処理する。
(政令への委任)
第十二条 この法律に定めるもののほか、委員会に関し必要な事項は、政令で定める。