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証券投資信託法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第百十六号
公布年月日: 昭和42年8月1日
法令の形式: 法律
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国立公文書館『御署名原本』
日本法令索引
証券投資信託法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十二年八月一日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第百十六号
証券投資信託法の一部を改正する法律
証券投資信託法(昭和二十六年法律第百九十八号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二十条」を「第二十条の二」に、「第四章 監督(第二十条の二―第二十四条)」を
「
第四章
監督(第二十条の三―第二十四条)
第四章の二
証券投資信託協会(第二十四条の二―第二十四条の八)
」
に改める。
第二条第一項中「、且つ」を削り、同条の次に次の一条を加える。
(証券投資信託とみなす信託)
第二条の二
信託財産を委託者の指図に基づいて特定の有価証券に対する投資として運用することを目的とする信託であつて、その受益権を証券投資信託の受託者に取得させることを目的とするものは、証券投資信託とみなして、この法律の規定を適用する。
第五条第六項に次の二号を加え、同条第七項を削る。
六
元本の追加信託をすることができる証券投資信託の受益証券については、前各号に掲げるもののほか、追加信託をすることができる元本の限度額
七
その他大蔵大臣が公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めて大蔵省令で定める事項
第六条第三項中「会社登記簿の謄本」の下に「、業務の方法を記載した書類」を加える。
第七条第一項中「第一号及び第二号」を「次に掲げる基準」に改め、「経験及び」及び「並びに証券市場の状況」を削り、同項に次の一号を加える。
三
免許申請者の営もうとする業務が、証券投資信託及び証券市場の状況に照らし、必要かつ適当なものであること。
第九条から第十一条までを次のように改める。
(基本事項の変更の認可)
第九条
委託会社は、次の場合においては、大蔵大臣の認可を受けなければならない。
一
商号を変更しようとするとき。
二
資本の額を変更しようとするとき。
三
業務の方法を変更しようとするとき。
(変更届出)
第十条
委託会社は、次に掲げる場合に該当することとなつたときは、遅滞なく、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。
一
第六条第二項第二号又は第三号に掲げる事項に変更があつたとき。
二
第十八条第一項の承認に係る業務を廃止したとき。
第十一条
削除
第十二条第二項中第十号を第十二号とし、第九号を第十一号とし、第八号を第十号とし、同号の前に次の一号を加える。
九
信託の計算期間に関する事項
第十二条第二項中第七号を第八号とし、第二号から第六号までを一号ずつ繰り下げ、第一号の次に次の一号を加える。
二
受益者に関する事項
第十七条を次のように改める。
(委託会社の行為準則)
第十七条
委託会社は、証券投資信託の受益者のため忠実に信託財産の運用に係る指図を行なわなければならない。
2
委託会社は、次に掲げる行為をしてはならない。
一
自己又はその取締役若しくは主要株主(自己又は他人(仮設人を含む。)の名義をもつて発行済株式の総数の百分の十をこえる株式を有する株主をいう。)が有する有価証券を信託財産をもつて取得し、又は信託財産として有する有価証券をこれらの者に対して売却し若しくは貸し付けることを受託会社に指図すること。
二
その運用の指図を行なう信託財産相互間において大蔵省令で定める有価証券の取引を行なうことを受託会社に指図すること。
三
同一法人の発行に係る種類を同じくする有価証券を、イに掲げる額がロに掲げる額をこえることとなる場合に、信託財産をもつて取得することを受託会社に指図すること。
イ
その運用の指図を行なうすべての証券投資信託につき、信託財産として有する当該有価証券の総額
ロ
当該有価証券の発行済総額に大蔵大臣が公益又は投資者保護のため必要かつ適当と認めて大蔵省令で定める率を乗じて得た額
四
前三号に掲げるもののほか、受益者の保護に欠け、又は信託財産の運用の適正を害するものとして大蔵省令で定める行為
3
前項第三号に規定する有価証券の総額及び発行済総額は、大蔵省令で定めるところにより計算しなければならない。
第十七条の次に次の一条を加える。
(議決権等の指図行使)
第十七条の二
信託財産として有する有価証券に係る議決権並びに商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百二十二条ノ二第一項、第二百四十五条ノ二及び第二百八十条ノ四第一項の規定に基づく株主の権利その他これらに準ずる株主の権利で大蔵省令で定めるものの行使については、委託会社がその指図を行なうものとする。
2
信託財産として有する株式に係る議決権の行使については、商法第二百三十九条第六項の規定は、適用しない。
第十八条の次に次の二条を加える。
(営業年度)
第十八条の二
委託会社の営業年度は、毎年十月一日に始まり、翌年九月三十日に終わるものとする。
(営業報告書の提出)
第十八条の三
委託会社は、営業年度ごとに、大蔵省令で定める様式により営業報告書を作成し、毎営業年度経過後二月以内にこれを大蔵大臣に提出しなければならない。
第十九条第一項中「信託契約を締結した日から六月」を「信託の計算期間」に、「期間内の当該信託契約に係る」を「計算期間中の当該」に、「期間が経過した日」を「計算期間の末日」に改める。
第二十条の三を第二十条の四とし、第二十条の二を第二十条の三とし、第三章中第二十条の次に次の一条を加える。
(説明書等の作成)
第二十条の二
委託会社は、証券投資信託の受益証券について、大蔵省令で定めるところにより、説明書を作成し、当該受益証券を取得しようとする者の利用に供しなければならない。
2
委託会社は、信託財産について、当該信託財産の計算期間の末日ごとに、大蔵省令で定めるところにより、運用報告書を作成し、当該信託財産に係る受益者の利用に供しなければならない。
第二十一条第一項中「報告書」の下に「(委託会社については、第十八条第一項の承認に係る業務又はその財産に係るものを含む。)」を加え、「若しくは委託会社、受託会社若しくはこれらの会社」を「、委託会社の第二十条第一項の帳簿書類その他の物件若しくは委託会社であつた者、受託会社若しくは受託会社」に改め、同条第二項中「規定により帳簿書類の」を削り、同条第三項中「資料又は報告書の徴取及び」を削る。
第二十三条第一項第一号ロ中「当該信託約款」の下に「若しくは業務の方法」を加える。
第二十四条第二号中「信託財産に関する報告書」の下に「又は同条第二項の規定による信託財産に関する総計算書」を、「当該報告書」の下に「又は総計算書」を加える。
第四章の次に次の一章を加える。
第四章の二 証券投資信託協会
(目的等)
第二十四条の二
委託会社及び受益証券の売買その他の取引を常時行なう証券会社(証券取引法第二条第九項に規定する証券会社をいう。)は、投資者の保護を図るとともに、証券投資信託の健全な発展に資することを目的として、全国を通じて一個の証券投資信託協会(以下「協会」という。)を設立するものとする。
2
協会は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立される法人とする。
(名称の使用制限)
第二十四条の三
協会でない者は、証券投資信託協会という名称を用いてはならない。
(業務)
第二十四条の四
協会は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を行なう。
一
信託契約の締結及び解約、信託財産の運用並びに信託の元本の追加信託及び償還に関し、受益者の利益に反する行為を防止し、かつ、信託財産の安定及び運用の適正を図るため必要な調査、指導、勧告その他の業務
二
受益証券の売買その他の取引を公正ならしめ、投資者の保護を図るため必要な調査、指導、勧告その他の業務
三
前二号に掲げるもののほか、第二十四条の二第一項の目的を達成するため必要な業務
(業務規程)
第二十四条の五
協会は、その業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、大蔵大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(報告の徴取)
第二十四条の六
大蔵大臣は、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、協会からその業務又は財産に関する資料又は報告書を徴することができる。
(監督命令)
第二十四条の七
大蔵大臣は、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、協会に通知して当該職員をして審問を行なわせた後、協会に対し理由を示して定款又は業務規程の変更その他その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(法令違反等による処分)
第二十四条の八
大蔵大臣は、協会の役員がこの法律等、この法律等に基づいてする行政官庁の処分又は職務上の義務に違反した場合において、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、協会に通知して当該職員をして審問を行なわせた後、協会に対し理由を示して当該役員を解任すべき旨を命ずることができる。
第二十五条ただし書を削る。
第三十条中「第十七条」の下に「第二項第一号」を加える。
第三十二条中第八号を第九号とし、第五号から第七号までを一号ずつ繰り下げ、同条第四号中「第二十条の二」を「第二十条の三」に改め、同号を同条第五号とし、同条中第三号を第四号とし、第二号を第三号とし、第一号を第二号とし、同条に第一号として次の一号を加える。
一
第九条の規定に違反して、認可を受けないで商号、資本の額又は業務の方法を変更したとき。
第三十四条第一号を次のように改める。
一
第十条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
第三十五条中第五号を第八号とし、第四号を第七号とし、同号の前に次の二号を加える。
五
第二十条の二第一項の規定による説明書を作成せず、又は虚偽の記載をした説明書を作成したとき。
六
第二十条の二第二項の規定による運用報告書を作成せず、又は虚偽の記載をした運用報告書を作成したとき。
第三十五条中第三号を第四号とし、第二号を第三号とし、第一号を第二号とし、同条に第一号として次の一号を加える。
一
第十八条の三の規定による営業報告書を提出せず、又は営業報告書に虚偽の記載をして提出したとき。
第三十六条中「又は受託会社」を「、受託会社又は協会」に改め、同条に次の一号を加える。
三
第二十四条の六の規定による資料若しくは報告書を提出せず、又は資料若しくは報告書に虚偽の記載をして提出したとき。
第三十六条の次に次の一条を加える。
第三十六条の二
第二十四条の三の規定に違反した者は、三万円以下の罰金に処する。
第三十七条中「前八条」を「第二十九条から前条まで」に改める。
附 則
1
この法律は、昭和四十二年十月一日から施行する。ただし、証券投資信託法第十七条の次に一条を加える改正規定及び同法第二十五条の改正規定並びに附則第五項及び第六項の規定は、公布の日から施行する。
2
改正後の証券投資信託法(以下「新法」という。)第五条第六項第七号の規定は、この法律の施行前に発行された受益証券については、適用しない。
3
この法律の施行の際現に改正前の証券投資信託法第六条第一項の規定による免許を受けている会社は、この法律の施行後二月以内に新法第六条第三項に規定する業務の方法を記載した書類を大蔵大臣に提出しなければならない。
4
この法律の施行の際現に証券取引法の一部を改正する法律(昭和四十年法律第九十号)附則第二項に規定する証券業者である会社は、昭和四十三年三月三十一日までは、新法第二十四条の二第一項の規定の適用については、証券会社とみなす。
5
この法律の施行の際現に存する社団法人証券投資信託協会は、新法の規定による証券投資信託協会となるものとする。
6
前項の社団法人証券投資信託協会は、新法第四章の二に係る規定の施行前に、同章の規定に適合するようにその定款を変更し、民法第三十八条第二項の認可を受けるものとする。この場合においては、新法第二十四条の五の規定の例により業務規程を定め、大蔵大臣の認可を受けることができる。
7
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
8
相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第五十九条第一項第三号中「証券投資信託」の下に「及び証券投資信託法第二条の二に規定する信託」を加える。
9
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第二十四条の三第一項、第七十二条の三第一項及び第二百九十四条の三第一項中「規定する証券投資信託」の下に「(同法第二条の二に規定する信託を含む。)」を加える。
10
所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第十三号中「規定する証券投資信託」の下に「(同法第二条の二(証券投資信託とみなす信託)に規定する信託を含む。)」を加える。
11
法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
第二条第二十八号中「規定する証券投資信託」の下に「(同法第二条の二(証券投資信託とみなす信託)に規定する信託を含む。)」を加える。
12
印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)の一部を次のように改正する。
別表第一第五号の非課税物件の欄に次のように加える。
2
証券投資信託法(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条の二(証券投資信託とみなす信託)に規定する信託の受益証券で政令で定めるもの
大蔵大臣 水田三喜男
自治大臣 藤枝泉介
内閣総理大臣 佐藤栄作
本文
詳細・沿革