石油業法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十七年五月十一日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第百二十八号
石油業法
目次
第一章
総則(第一条―第三条)
第二章
石油精製業等(第四条―第十五条)
第三章
石油審議会(第十六条―第十九条)
第四章
雑則(第二十条・第二十一条)
第五章
罰則(第二十二条―第二十五条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、石油精製業等の事業活動を調整することによつて、石油の安定的かつ低廉な供給の確保を図り、もつて国民経済の発展と国民生活の向上に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律で「石油」とは、原油及び石油製品をいう。
2 この法律で「石油製品」とは、揮発油、燈油、軽油及び重油並びにこれらに準ずる炭化水素油及び石油ガス(液化したものを含む。)であつて通商産業省令で定めるものをいう。
3 この法律で「特定設備」とは、石油蒸留設備(通商産業省令で定める基準に従つて算定した一日の処理能力が百五十キロリットル以上のものに限る。)その他石油の精製の用に供する設備であつて通商産業省令で定めるものをいう。
4 この法律で「石油精製業」とは、特定設備を用いて石油製品の製造(石油製品以外の物品の製造工程における技術的理由による石油製品の副生を除く。)を行なう事業をいう。
(石油供給計画)
第三条 通商産業大臣は、通商産業省令で定めるところにより、毎年度、当該年度以降の五年間について石油供給計画を定めなければならない。
2 石油供給計画に定める事項は、次のとおりとする。
一 原油の生産数量及び輸入数量
二 石油製品の生産数量及び輸入数量
三 特定設備の処理能力
四 その他石油の供給に関する重要事項
3 石油供給計画は、石油並びに他の燃料及び動力源の需給事情、石油資源の開発状況その他の経済事情を勘案して定めるものとする。
4 通商産業大臣は、前項の経済事情の著しい変動のため特に必要があるときは、石油供給計画を変更しなければならない。
5 通商産業大臣は、石油供給計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを告示しなければならない。
第二章 石油精製業等
(石油精製業の許可)
第四条 石油精製業を行なおうとする者は、通商産業省令で定めるところにより、通商産業大臣の許可を受けなければならない。
(許可の欠格条項)
第五条 次の各号の一に該当する者は、前条の許可を受けることができない。
一 前条若しくは第七条第一項の規定又は第十一条の規定による命令に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
二 第十一条の規定により前条の許可を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
三 法人であつて、その業務を行なう役員のうちに前二号の一に該当する者があるもの
(許可の基準)
第六条 通商産業大臣は、第四条の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同条の許可をしてはならない。
一 その許可をすることによつて特定設備の処理能力が石油供給計画に照らして著しく過大にならないこと。
二 その事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。
三 その他その事業計画の内容が石油の安定的かつ低廉な供給を確保するため適切であること。
(設備の新設等の許可)
第七条 第四条の許可を受けた者(以下「石油精製業者」という。)は、当該事業の用に供する特定設備を新設し、増設し、又は改造しようとするときは、通商産業大臣の許可を受けなければならない。ただし、通商産業省令で定める軽微な改造をしようとするときは、この限りでない。
2 前条の規定は、前項の許可に準用する。
(事業の譲渡し及び譲受け並びに法人の合併)
第八条 石油精製業の全部の譲渡し及び譲受けは、通商産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 石油精製業者である法人の合併は、通商産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 第六条の規定は、前二項の認可に準用する。
(承継)
第九条 石油精製業の全部の譲渡しがあり、又は石油精製業者について相続若しくは合併があつたときは、石油精製業の全部を譲り受けた者又は相続人若しくは合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、石油精製業者の地位を承継する。
2 前項の規定により石油精製業者の地位を承継した相続人は、遅滞なく、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。
(石油製品生産計画)
第十条 石油精製業者は、通商産業省令で定めるところにより、毎年度、石油製品生産計画を作成し、通商産業大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
2 通商産業大臣は、石油の需給事情その他の事情により、石油供給計画の実施に重大な支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認めるときは、石油精製業者に対し、石油製品生産計画を変更すべきことを勧告することができる。
(許可の取消し等)
第十一条 通商産業大臣は、石油精製業者が次の各号の一に該当するときは、第四条若しくは第七条第一項の許可を取り消し、又は一年以内の期間を定めてその事業の停止を命ずることができる。
一 第五条第一号又は第三号の規定に該当するに至つたとき。
二 第七条第一項の規定により許可を受けなければならない事項を許可を受けないでしたとき。
三 第二十条第一項の条件に違反したとき。
四 不正な手段により第四条又は第七条第一項の許可を受けたとき。
(石油輸入業の届出等)
第十二条 石油の輸入の事業を行なおうとする者は、通商産業省令で定める事項を通商産業大臣に届け出なければならない。届け出た事項を変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の届出をした者(以下「石油輸入業者」という。)は、通商産業省令で定めるところにより、毎年度、石油輸入計画を作成し、通商産業大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
3 第十条第二項の規定は、石油輸入計画について準用する。
(石油製品販売業の届出)
第十三条 石油製品の販売の事業(通商産業省令で定める規模以下のものを除く。以下同じ。)を行なおうとする者は、通商産業省令で定める事項を通商産業大臣に届け出なければならない。届け出た事項を変更しようとするときも、同様とする。
(事業の廃止の届出)
第十四条 石油精製業者、石油輸入業者又は前条の届出をした者(以下「石油製品販売業者」という。)は、その事業を廃止したときは、遅滞なく、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。
(販売価格の標準額)
第十五条 通商産業大臣は、石油製品の価格が不当に高騰し又は下落するおそれがある場合において、石油の安定的かつ低廉な供給を確保するため特に必要があると認めるときは、石油製品の生産費又は輸入価格を基準とし、石油製品の国際価格その他の経済事情を参酌して、石油精製業者又は石油輸入業者の石油製品の販売価格の標準額を定めることができる。
2 通商産業大臣は、前項の規定による標準額を定めたときは、遅滞なく、これを告示しなければならない。
第三章 石油審議会
(設置)
第十六条 通商産業省に、石油審議会を置く。
(所掌事務)
第十七条 石油審議会(以下「審議会」という。)は、通商産業大臣の諮問に応じ、石油の安定的かつ低廉な供給の確保に関する重要事項を調査審議する。
2 通商産業大臣は、第三条第一項の規定により石油供給計画を定め、同条第四項の規定により石油供給計画を変更し、第四条、第七条第一項若しくは第八条第一項若しくは第二項の規定により処分をし、第十条第二項(第十二条第三項において準用する場合を含む。)の規定により勧告し、又は第十五条の規定により販売価格の標準額を定めようとするときは、審議会に諮問しなければならない。ただし、審議会が軽微なものと認めたときは、この限りでない。
3 審議会は、石油の安定的かつ低廉な供給の確保に関し、通商産業大臣に対し、意見を述べることができる。
(組織)
第十八条 審議会は、委員二十人以内で組織する。
2 専門の事項を調査させるため、審議会に、専門委員を置くことができる。
3 委員及び専門委員は、学識経験のある者のうちから、通商産業大臣が任命する。
4 委員の任期は、一年とする。
5 委員及び専門委員は、非常勤とする。
6 審議会に、会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
7 会長は、会務を総理する。
(省令への委任)
第十九条 この章に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、通商産業省令で定める。
第四章 雑則
(許可等の条件)
第二十条 許可又は認可には、条件を附することができる。
2 前項の条件は、許可又は認可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、許可又は認可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであつてはならない。
(報告徴収)
第二十一条 通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、石油精製業者、石油輸入業者又は石油製品販売業者に対し、その事業に関し報告をさせることができる。
第五章 罰則
第二十二条 次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第四条の許可を受けないで石油精製業を行なつた者
二 第十一条の規定による事業の停止の命令に違反した者
第二十三条 第七条第一項の規定に違反して許可を受けないで特定設備を新設し、増設し、又は改造した者は、三十万円以下の罰金に処する。
第二十四条 次の各号の一に該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
一 第九条第二項、第十条第一項、第十二条第一項若しくは第二項、第十三条又は第十四条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第二十一条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第二十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に石油精製業を行なつている者は、この法律の施行の日から三十日以内に通商産業省令で定める事項を通商産業大臣に届け出たときは、第四条の許可を受けたものとみなす。
2 前項に規定する者は、同項の規定による届出をするまでの間は、第四条の規定にかかわらず、当該事業を行なうことができる。
第三条 この法律の施行の際現に石油の輸入の事業又は石油製品の販売の事業を行なつている者は、この法律の施行の日から三十日以内に通商産業省令で定める事項を通商産業大臣に届け出たときは、第十二条第一項又は第十三条の届出をしたものとみなす。
2 前項に規定する者は、同項の規定による届出をするまでの間は、第十二条第一項又は第十三条の規定にかかわらず、当該事業を行なうことができる。
(検討)
第四条 政府は、内外の石油事情その他の経済事情の推移に応じ、この法律の規定に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(通商産業省設置法の一部改正)
第五条 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第三十九号の次に次の一号を加える。
三十九の二 石油精製業を許可すること。
第十三条中第四号を第五号とし、第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加える。
三 石油精製業の許可に関すること。
第二十五条第一項の表中石油及び可燃性天然ガス資源開発審議会の項の次に次のように加える。
石油審議会
石油の安定的かつ低廉な供給の確保に関する重要事項を調査審議すること。
通商産業大臣 佐藤榮作
内閣総理大臣 池田勇人
石油業法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十七年五月十一日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第百二十八号
石油業法
目次
第一章
総則(第一条―第三条)
第二章
石油精製業等(第四条―第十五条)
第三章
石油審議会(第十六条―第十九条)
第四章
雑則(第二十条・第二十一条)
第五章
罰則(第二十二条―第二十五条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、石油精製業等の事業活動を調整することによつて、石油の安定的かつ低廉な供給の確保を図り、もつて国民経済の発展と国民生活の向上に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律で「石油」とは、原油及び石油製品をいう。
2 この法律で「石油製品」とは、揮発油、灯油、軽油及び重油並びにこれらに準ずる炭化水素油及び石油ガス(液化したものを含む。)であつて通商産業省令で定めるものをいう。
3 この法律で「特定設備」とは、石油蒸留設備(通商産業省令で定める基準に従つて算定した一日の処理能力が百五十キロリットル以上のものに限る。)その他石油の精製の用に供する設備であつて通商産業省令で定めるものをいう。
4 この法律で「石油精製業」とは、特定設備を用いて石油製品の製造(石油製品以外の物品の製造工程における技術的理由による石油製品の副生を除く。)を行なう事業をいう。
(石油供給計画)
第三条 通商産業大臣は、通商産業省令で定めるところにより、毎年度、当該年度以降の五年間について石油供給計画を定めなければならない。
2 石油供給計画に定める事項は、次のとおりとする。
一 原油の生産数量及び輸入数量
二 石油製品の生産数量及び輸入数量
三 特定設備の処理能力
四 その他石油の供給に関する重要事項
3 石油供給計画は、石油並びに他の燃料及び動力源の需給事情、石油資源の開発状況その他の経済事情を勘案して定めるものとする。
4 通商産業大臣は、前項の経済事情の著しい変動のため特に必要があるときは、石油供給計画を変更しなければならない。
5 通商産業大臣は、石油供給計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを告示しなければならない。
第二章 石油精製業等
(石油精製業の許可)
第四条 石油精製業を行なおうとする者は、通商産業省令で定めるところにより、通商産業大臣の許可を受けなければならない。
(許可の欠格条項)
第五条 次の各号の一に該当する者は、前条の許可を受けることができない。
一 前条若しくは第七条第一項の規定又は第十一条の規定による命令に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
二 第十一条の規定により前条の許可を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
三 法人であつて、その業務を行なう役員のうちに前二号の一に該当する者があるもの
(許可の基準)
第六条 通商産業大臣は、第四条の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同条の許可をしてはならない。
一 その許可をすることによつて特定設備の処理能力が石油供給計画に照らして著しく過大にならないこと。
二 その事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。
三 その他その事業計画の内容が石油の安定的かつ低廉な供給を確保するため適切であること。
(設備の新設等の許可)
第七条 第四条の許可を受けた者(以下「石油精製業者」という。)は、当該事業の用に供する特定設備を新設し、増設し、又は改造しようとするときは、通商産業大臣の許可を受けなければならない。ただし、通商産業省令で定める軽微な改造をしようとするときは、この限りでない。
2 前条の規定は、前項の許可に準用する。
(事業の譲渡し及び譲受け並びに法人の合併)
第八条 石油精製業の全部の譲渡し及び譲受けは、通商産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 石油精製業者である法人の合併は、通商産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 第六条の規定は、前二項の認可に準用する。
(承継)
第九条 石油精製業の全部の譲渡しがあり、又は石油精製業者について相続若しくは合併があつたときは、石油精製業の全部を譲り受けた者又は相続人若しくは合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、石油精製業者の地位を承継する。
2 前項の規定により石油精製業者の地位を承継した相続人は、遅滞なく、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。
(石油製品生産計画)
第十条 石油精製業者は、通商産業省令で定めるところにより、毎年度、石油製品生産計画を作成し、通商産業大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
2 通商産業大臣は、石油の需給事情その他の事情により、石油供給計画の実施に重大な支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認めるときは、石油精製業者に対し、石油製品生産計画を変更すべきことを勧告することができる。
(許可の取消し等)
第十一条 通商産業大臣は、石油精製業者が次の各号の一に該当するときは、第四条若しくは第七条第一項の許可を取り消し、又は一年以内の期間を定めてその事業の停止を命ずることができる。
一 第五条第一号又は第三号の規定に該当するに至つたとき。
二 第七条第一項の規定により許可を受けなければならない事項を許可を受けないでしたとき。
三 第二十条第一項の条件に違反したとき。
四 不正な手段により第四条又は第七条第一項の許可を受けたとき。
(石油輸入業の届出等)
第十二条 石油の輸入の事業を行なおうとする者は、通商産業省令で定める事項を通商産業大臣に届け出なければならない。届け出た事項を変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の届出をした者(以下「石油輸入業者」という。)は、通商産業省令で定めるところにより、毎年度、石油輸入計画を作成し、通商産業大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
3 第十条第二項の規定は、石油輸入計画について準用する。
(石油製品販売業の届出)
第十三条 石油製品の販売の事業(通商産業省令で定める規模以下のものを除く。以下同じ。)を行なおうとする者は、通商産業省令で定める事項を通商産業大臣に届け出なければならない。届け出た事項を変更しようとするときも、同様とする。
(事業の廃止の届出)
第十四条 石油精製業者、石油輸入業者又は前条の届出をした者(以下「石油製品販売業者」という。)は、その事業を廃止したときは、遅滞なく、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。
(販売価格の標準額)
第十五条 通商産業大臣は、石油製品の価格が不当に高騰し又は下落するおそれがある場合において、石油の安定的かつ低廉な供給を確保するため特に必要があると認めるときは、石油製品の生産費又は輸入価格を基準とし、石油製品の国際価格その他の経済事情を参酌して、石油精製業者又は石油輸入業者の石油製品の販売価格の標準額を定めることができる。
2 通商産業大臣は、前項の規定による標準額を定めたときは、遅滞なく、これを告示しなければならない。
第三章 石油審議会
(設置)
第十六条 通商産業省に、石油審議会を置く。
(所掌事務)
第十七条 石油審議会(以下「審議会」という。)は、通商産業大臣の諮問に応じ、石油の安定的かつ低廉な供給の確保に関する重要事項を調査審議する。
2 通商産業大臣は、第三条第一項の規定により石油供給計画を定め、同条第四項の規定により石油供給計画を変更し、第四条、第七条第一項若しくは第八条第一項若しくは第二項の規定により処分をし、第十条第二項(第十二条第三項において準用する場合を含む。)の規定により勧告し、又は第十五条の規定により販売価格の標準額を定めようとするときは、審議会に諮問しなければならない。ただし、審議会が軽微なものと認めたときは、この限りでない。
3 審議会は、石油の安定的かつ低廉な供給の確保に関し、通商産業大臣に対し、意見を述べることができる。
(組織)
第十八条 審議会は、委員二十人以内で組織する。
2 専門の事項を調査させるため、審議会に、専門委員を置くことができる。
3 委員及び専門委員は、学識経験のある者のうちから、通商産業大臣が任命する。
4 委員の任期は、一年とする。
5 委員及び専門委員は、非常勤とする。
6 審議会に、会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
7 会長は、会務を総理する。
(省令への委任)
第十九条 この章に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、通商産業省令で定める。
第四章 雑則
(許可等の条件)
第二十条 許可又は認可には、条件を附することができる。
2 前項の条件は、許可又は認可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、許可又は認可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであつてはならない。
(報告徴収)
第二十一条 通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、石油精製業者、石油輸入業者又は石油製品販売業者に対し、その事業に関し報告をさせることができる。
第五章 罰則
第二十二条 次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第四条の許可を受けないで石油精製業を行なつた者
二 第十一条の規定による事業の停止の命令に違反した者
第二十三条 第七条第一項の規定に違反して許可を受けないで特定設備を新設し、増設し、又は改造した者は、三十万円以下の罰金に処する。
第二十四条 次の各号の一に該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
一 第九条第二項、第十条第一項、第十二条第一項若しくは第二項、第十三条又は第十四条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第二十一条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第二十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に石油精製業を行なつている者は、この法律の施行の日から三十日以内に通商産業省令で定める事項を通商産業大臣に届け出たときは、第四条の許可を受けたものとみなす。
2 前項に規定する者は、同項の規定による届出をするまでの間は、第四条の規定にかかわらず、当該事業を行なうことができる。
第三条 この法律の施行の際現に石油の輸入の事業又は石油製品の販売の事業を行なつている者は、この法律の施行の日から三十日以内に通商産業省令で定める事項を通商産業大臣に届け出たときは、第十二条第一項又は第十三条の届出をしたものとみなす。
2 前項に規定する者は、同項の規定による届出をするまでの間は、第十二条第一項又は第十三条の規定にかかわらず、当該事業を行なうことができる。
(検討)
第四条 政府は、内外の石油事情その他の経済事情の推移に応じ、この法律の規定に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(通商産業省設置法の一部改正)
第五条 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第三十九号の次に次の一号を加える。
三十九の二 石油精製業を許可すること。
第十三条中第四号を第五号とし、第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加える。
三 石油精製業の許可に関すること。
第二十五条第一項の表中石油及び可燃性天然ガス資源開発審議会の項の次に次のように加える。
石油審議会
石油の安定的かつ低廉な供給の確保に関する重要事項を調査審議すること。
通商産業大臣 佐藤栄作
内閣総理大臣 池田勇人