(土地の立入り)
第十一条 建設大臣又は都道府県知事は、この法律を施行するため地下水又は地盤の状況に関する測量又は実施調査を行なう必要がある場合においては、その職員に他人の土地に立ち入らせることができる。
2 建設大臣又は都道府県知事は、前項の規定によりその職員に他人の土地に立ち入らせようとする場合においては、立入りの日の五日前までに、その旨を土地の占有者に通知しなければならない。
3 第一項の規定により他人の土地に立ち入る職員は、立入りの際あらかじめ、その旨を土地の占有者に告げなければならない。
4 日出前又は日没後においては、土地の占有者の承諾があつた場合を除き、第一項の規定による立入りをしてはならない。
5 第一項の規定により他人の土地に立ち入る職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
6 国又は都道府県(指定都市の区域内にあつては、指定都市。以下この条において同じ。)は、第一項の規定による立入りにより他人に損失を与えた場合においては、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
7 前項の規定による損失の補償については、国又は都道府県と損失を受けた者とが協議しなければならない。
8 前項の規定による協議が成立しない場合においては、国、都道府県又は損失を受けた者は、政令で定めるところにより、収用委員会に土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第九十四条第二項の規定による裁決を申請することができる。
第十二条 土地の占有者は、正当な理由がなければ、前条第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。
(報告の徴収)
第十三条 都道府県知事は、この法律を施行するため必要がある場合においては、指定地域内において建築物用地下水を採取している者に対して、建築物用地下水を採取するための設備の構造及び建築物用地下水の採取の状況について報告を求めることができる。
(立入検査)
第十四条 都道府県知事は、この法律による権限を行なうため必要な限度において、その職員に、建築物用地下水を採取するための設備の設置の場所又は当該設備により建築物用地下水を採取する者の事業所若しくは事務所に立ち入り、当該設備その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(意見の申出)
第十五条 都道府県知事(指定都市の区域内にあつては、指定都市の長)は建設大臣に対し、市町村長は都道府県知事に対し、それぞれ当該地方公共団体の区域内における建築物用地下水の採取による地盤の沈下の防止に関し、意見を申し出ることができる。
(国等の援助)
第十六条 国及び地方公共団体は、許可揚水設備により採取される建築物用地下水を使用する設備を地下水を使用しないものに改造することを促進するため、当該改造につき必要な資金のあつせん、技術的な助言その他の援助に努めるものとする。