南方連絡事務局設置法
法令番号: 法律第二百十八号
公布年月日: 昭和27年6月30日
法令の形式: 法律
南方連絡事務局設置法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年六月三十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百十八号
南方連絡事務局設置法
(設置)
第一條 左に掲げる地域(以下「南方地域」という。)に関する事務(外務省の所掌に属する事務を除く。)を行うため、総理府の附属機関として、南方連絡事務局を置く。
一 北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む。)
二 孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島をいう。)
三 沖の鳥島及び南鳥島
(所掌事務)
第二條 南方連絡事務局は、左の各号に掲げる事務をつかさどる。
一 本邦(出入国管理令(昭和二十六年政令第三百十九号)第二條に規定する本邦をいう。以下同じ。)と南方地域との間の渡航に関する事務を行うこと。
二 南方地域に滞在する日本国民の保護に関する事務を行うこと。
三 本邦と南方地域にわたる身分関係事項その他の事実について公の証明に関する文書を作成すること。
四 本邦と南方地域との間において解決を要する事項を調査し、連絡し、あつ旋し、及び処理すること。
五 本邦と南方地域との間の貿易、文化の交流その他南方地域に関する事務に関し、関係行政機関の事務の総合調整及び推進を図ること。
(位置及び内部組織)
第三條 南方連絡事務局は、東京都に置く。
2 南方連絡事務局の内部組織は、総理府令で定める。
(南方連絡事務局の長)
第四條 南方連絡事務局に、局長その他所要の職員を置く。
2 局長は、内閣総理大臣の命を受け、局務を掌理する。
(日本政府南方連絡事務所)
第五條 南方地域において左の各号に掲げる事務を行わせるため、南方連絡事務局に、日本政府南方連絡事務所(以下「南方連絡事務所」という。)を置く。
一 管轄区域におけるアメリカ合衆国の政府機関との連絡を行うこと。
二 第二條第一号から第四号までに掲げる事務を行うこと。
三 本邦と管轄区域との間の貿易に関する事務を行うこと。
四 本邦と管轄区域との間の文化の交流に関する事務を行うこと。
2 南方連絡事務所の名称、位置及び管轄区域は、左の通りとする。
名称
位置
管轄区域
那覇日本政府南方連絡事務所
沖縄島那覇
第一條第一号に掲げる地域
3 特別の必要がある場合においては、政令で定めるところにより、予算の範囲内において、前項に規定するものの外、南方連絡事務所を増置することができる。
4 南方連絡事務所の所掌事務を分掌させるため、南方連絡事務所に、出張所を置くことができる。
5 出張所の名称、位置及び管轄区域は、総理府令で定める。
第六條 南方連絡事務所に、所長を置く。
2 所長は、南方連絡事務局長の命を受け、所務を掌理する。
3 前項の規定にかかわらず、前條第一項第二号から第四号までに掲げる事務(同條第一項第二号に掲げる事務については、第二條第一号に掲げる事務を除く。)については、その事務を管理する主任の大臣は、所長を指揮監督することができる。この場合において、主任の大臣は、内閣総理大臣に協議しなければならない。
第七條 南方連絡事務所に置かれる職員(以下「職員」という。)には、俸給、扶養手当及び年末手当の外、在勤手当を支給する。
2 職員に対して支給する在勤手当の支給額は、職員がその体面を維持し、且つ、その職務と責任に応じて能率を充分発揮することができるように南方連絡事務所の所在地における物価、為替相場及び生活水準を勘案して、政令で定める。
3 在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律(昭和二十七年法律第九十三号)第二條第三項及び第四項、第三條、第四條、第十條(第三項を除く。)並びに第二十一條第二項の規定は、第一項の俸給、扶養手当及び年末手当並びに在勤手当の支給について準用する。この場合において、これらの規定中「大使及び公使以外の在外職員」とあり、又は「在外職員」とあるのは「職員」と、「当該在外職員」とあるのは「当該職員」と、「在勤俸及び加俸」とあり、又は「在勤俸」とあるのは「在勤手当」と、第四條第一項中「特別職の職員の給与に関する法律第八條並びに一般職の職員の給与に関する法律」とあるのは「一般職の職員の給与に関する法律」と、第十條第二項中「外国」とあるのは「日本政府南方連絡事務所の所在地」と、同條第五項中「本邦へ出張を命ぜられ、又は休暇帰国を許された」とあるのは「本邦へ出張を命ぜられた」と読み替えるものとする。
附 則
1 この法律は、昭和二十七年七月一日から施行する。
2 総理府設置法(昭和二十四年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。
第十條中「国立世論調査所」を「国立世論調査所南方連絡事務局」に改める。
第十四條の次に次の一條を加える。
(南方連絡事務局)
第十四條の二 南方連絡事務局は、北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む。)、孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島をいう。)並びに沖の鳥島及び南鳥島に関する事務(外務省の所掌に属する事務を除く。)を行う機関とする。
2 南方連絡事務局の組織及び所掌事務については、南方連絡事務局設置法(昭和二十七年法律第二百十八号)の定めるところによる。
3 旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)の一部を次のように改正する。
附則第七項中「北緯二十九度以南の南西諸島その他特に外務大臣が定める地域」を「北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む。)、孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島をいう。)並びに沖の鳥島及び南鳥島」に改める。
内閣総理大臣 吉田茂
法務総裁 木村篤太郎
外務大臣 岡崎勝男
大蔵大臣 池田勇人
文部大臣 天野貞祐
厚生大臣 吉武恵市
農林大臣 広川弘禅
通商産業大臣 高橋龍太郎
運輸大臣 村上義一
郵政大臣 佐藤栄作
電気通信大臣 佐藤栄作
労働大臣 吉武恵市
建設大臣 野田卯一
経済安定本部総裁 吉田茂
南方連絡事務局設置法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年六月三十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百十八号
南方連絡事務局設置法
(設置)
第一条 左に掲げる地域(以下「南方地域」という。)に関する事務(外務省の所掌に属する事務を除く。)を行うため、総理府の附属機関として、南方連絡事務局を置く。
一 北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む。)
二 孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島をいう。)
三 沖の鳥島及び南鳥島
(所掌事務)
第二条 南方連絡事務局は、左の各号に掲げる事務をつかさどる。
一 本邦(出入国管理令(昭和二十六年政令第三百十九号)第二条に規定する本邦をいう。以下同じ。)と南方地域との間の渡航に関する事務を行うこと。
二 南方地域に滞在する日本国民の保護に関する事務を行うこと。
三 本邦と南方地域にわたる身分関係事項その他の事実について公の証明に関する文書を作成すること。
四 本邦と南方地域との間において解決を要する事項を調査し、連絡し、あつ旋し、及び処理すること。
五 本邦と南方地域との間の貿易、文化の交流その他南方地域に関する事務に関し、関係行政機関の事務の総合調整及び推進を図ること。
(位置及び内部組織)
第三条 南方連絡事務局は、東京都に置く。
2 南方連絡事務局の内部組織は、総理府令で定める。
(南方連絡事務局の長)
第四条 南方連絡事務局に、局長その他所要の職員を置く。
2 局長は、内閣総理大臣の命を受け、局務を掌理する。
(日本政府南方連絡事務所)
第五条 南方地域において左の各号に掲げる事務を行わせるため、南方連絡事務局に、日本政府南方連絡事務所(以下「南方連絡事務所」という。)を置く。
一 管轄区域におけるアメリカ合衆国の政府機関との連絡を行うこと。
二 第二条第一号から第四号までに掲げる事務を行うこと。
三 本邦と管轄区域との間の貿易に関する事務を行うこと。
四 本邦と管轄区域との間の文化の交流に関する事務を行うこと。
2 南方連絡事務所の名称、位置及び管轄区域は、左の通りとする。
名称
位置
管轄区域
那覇日本政府南方連絡事務所
沖縄島那覇
第一条第一号に掲げる地域
3 特別の必要がある場合においては、政令で定めるところにより、予算の範囲内において、前項に規定するものの外、南方連絡事務所を増置することができる。
4 南方連絡事務所の所掌事務を分掌させるため、南方連絡事務所に、出張所を置くことができる。
5 出張所の名称、位置及び管轄区域は、総理府令で定める。
第六条 南方連絡事務所に、所長を置く。
2 所長は、南方連絡事務局長の命を受け、所務を掌理する。
3 前項の規定にかかわらず、前条第一項第二号から第四号までに掲げる事務(同条第一項第二号に掲げる事務については、第二条第一号に掲げる事務を除く。)については、その事務を管理する主任の大臣は、所長を指揮監督することができる。この場合において、主任の大臣は、内閣総理大臣に協議しなければならない。
第七条 南方連絡事務所に置かれる職員(以下「職員」という。)には、俸給、扶養手当及び年末手当の外、在勤手当を支給する。
2 職員に対して支給する在勤手当の支給額は、職員がその体面を維持し、且つ、その職務と責任に応じて能率を充分発揮することができるように南方連絡事務所の所在地における物価、為替相場及び生活水準を勘案して、政令で定める。
3 在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律(昭和二十七年法律第九十三号)第二条第三項及び第四項、第三条、第四条、第十条(第三項を除く。)並びに第二十一条第二項の規定は、第一項の俸給、扶養手当及び年末手当並びに在勤手当の支給について準用する。この場合において、これらの規定中「大使及び公使以外の在外職員」とあり、又は「在外職員」とあるのは「職員」と、「当該在外職員」とあるのは「当該職員」と、「在勤俸及び加俸」とあり、又は「在勤俸」とあるのは「在勤手当」と、第四条第一項中「特別職の職員の給与に関する法律第八条並びに一般職の職員の給与に関する法律」とあるのは「一般職の職員の給与に関する法律」と、第十条第二項中「外国」とあるのは「日本政府南方連絡事務所の所在地」と、同条第五項中「本邦へ出張を命ぜられ、又は休暇帰国を許された」とあるのは「本邦へ出張を命ぜられた」と読み替えるものとする。
附 則
1 この法律は、昭和二十七年七月一日から施行する。
2 総理府設置法(昭和二十四年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。
第十条中「国立世論調査所」を「国立世論調査所南方連絡事務局」に改める。
第十四条の次に次の一条を加える。
(南方連絡事務局)
第十四条の二 南方連絡事務局は、北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む。)、孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島をいう。)並びに沖の鳥島及び南鳥島に関する事務(外務省の所掌に属する事務を除く。)を行う機関とする。
2 南方連絡事務局の組織及び所掌事務については、南方連絡事務局設置法(昭和二十七年法律第二百十八号)の定めるところによる。
3 旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)の一部を次のように改正する。
附則第七項中「北緯二十九度以南の南西諸島その他特に外務大臣が定める地域」を「北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む。)、孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島をいう。)並びに沖の鳥島及び南鳥島」に改める。
内閣総理大臣 吉田茂
法務総裁 木村篤太郎
外務大臣 岡崎勝男
大蔵大臣 池田勇人
文部大臣 天野貞祐
厚生大臣 吉武恵市
農林大臣 広川弘禅
通商産業大臣 高橋龍太郎
運輸大臣 村上義一
郵政大臣 佐藤栄作
電気通信大臣 佐藤栄作
労働大臣 吉武恵市
建設大臣 野田卯一
経済安定本部総裁 吉田茂