臨時石炭鉱業管理法の廃止に関する法律
法令番号: 法律第193号
公布年月日: 昭和25年5月20日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

臨時石炭鉱業管理法は、昭和22年に石炭の緊急増産を目的として制定された。しかし、昭和23年の経済九原則実施後、石炭鉱業の出炭能率が向上し、昭和24年度には4200万トンの出炭能力を回復。需給状況も緩和され、統制の必要性が消滅した。現在では本法の複雑な管理組織と煩瑣な手続が、むしろ企業の自主性を阻害している。また、増産施策の後退により行政事務が縮小した今日、石炭局という独立した地方機関を存置する必要性も乏しい。行政機構の簡素化と国費の節約の観点からも、本法の廃止は必要である。よって、来年3月の失効を待たずに廃止を提案するものである。

参照した発言:
第7回国会 衆議院 通商産業委員会 第33号

審議経過

第7回国会

衆議院
(昭和25年4月21日)
(昭和25年4月22日)
参議院
(昭和25年4月22日)
衆議院
(昭和25年4月24日)
(昭和25年4月25日)
(昭和25年4月26日)
参議院
(昭和25年4月26日)
(昭和25年4月28日)
(昭和25年4月29日)
(昭和25年5月1日)
衆議院
(昭和25年5月3日)
参議院
(昭和25年5月2日)
(昭和25年5月2日)
(昭和25年5月2日)
臨時石炭鉱業管理法の廃止に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年五月二十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百九十三号
臨時石炭鉱業管理法の廃止に関する法律
(臨時石炭鉱業管理法の廃止)
第一條 臨時石炭鉱業管理法(昭和二十二年法律第二百十九号)は、廃止する。
(臨時石炭鉱業管理法の暫定的効力)
第二條 この法律施行(附則第一項本文の規定による施行をいう。以下同じ。)前に臨時石炭鉱業管理法の規定に基いてした命令又は指示により損失を受けた者に対する損失の補償及びこの法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、臨時石炭鉱業管理法は、この法律施行後でも、なおその効力を有する。
(通商産業省設置法の改正)
第三條 通商産業省設置法(昭和二十四年法律第百二号)の一部を次のように改正する。
目次中
第一目
石炭局(第四十三條・第四十四條)
第二目
鉱山保安監督部(第四十五條―第四十七條)
第三目
炭鉱保安監督部(第四十八條―第五十條)
を削る。
第四條第一項第三十号を次のように改める。
三十 削除
第二十四條第四号及び第八号中「(石炭の生産に関することを除く。)」を、同條第五号中「(石炭鉱業に関することを除く。)」を削る。
第二十五條第四項中「第一項」を「第一項及び第三項」に改め、同項を第五項とし、第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。
3 石炭の生産その他石炭鉱業(出願及び登録に関することを除く。)に関しては、第一項の規定にかかわらず、福島県は、東京通商産業局の管轄区域とする。
第二十六條第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を第三項とし、同條第一項の次に次の一項を加える。
2 札幌通商産業局、東京通商産業局、広島通商産業局及び福岡通商産業局には、前項の部の外、石炭部を置く。
第二十八條中「鉱山事務所、」の下に「石炭事務所、」を加える。
第三十一條中「第三十号」を「第三十一号」に改める。
第三十五條第三号を次のように改める。
三 削除
第四十一條第一項の表中全国炭鉱管理審議会及び石炭鉱業損失補償審査会の部を削る。
第四十二條を次のように改める。
(地方支分部局)
第四十二條 通商産業局に鉱山保安監督部を附置する。
「第一目 石炭局」を削る。
第四十三條及び第四十四條を次のように改める。
第四十三條及び第四十四條 削除
「第二目 鉱山保安監督部」、第四十五條中「石炭鉱業以外の」及び「第三目 炭鉱保安監督部」を削る。
第四十八條を次のように改める。
(支部)
第四十八條 通商産業大臣は、鉱山保安監督部の部務の一部を分掌させるため、所要の地に鉱山保安監督部の支部を置くことができる。その名称、位置、管轄区域、所掌事務の範囲及び内部組織は、通商産業省令で定める。
第四十九條及び第五十條を次のように改める。
第四十九條及び第五十條 削除
(損失補償に関する事務及び石炭鉱業損失補償審査会)
第四條 臨時石炭鉱業管理法の規定に基いてした命令又は指示による損失の補償に関する事務は、資源庁炭政局においてつかさどるものとし、石炭鉱業損失補償審査会については、通商産業省設置法第四十一條第一項の改正規定にかかわらず、なお従前の例による。
(行政機関職員定員法の改正)
第五條 行政機関職員定員法(昭和二十四年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。
第二條第一項の通商産業省の項中
一三、八八二人
 二、三七三人
一四、八六一人
   九七六人
に、「二一、二五九人」を「二〇、八四一人」に、同條同項中「合計一八七三、二三七人」を「合計一八七二、八一九人」に改める。
(鉱山保安法の改正)
第六條 鉱山保安法(昭和二十四年法律第七十号)の一部を次のように改正する。
第八條第一項中「(石炭鉱業については炭鉱保安監督部長。以下本章において同じ。)」及び第二十二條第二項中「(石炭鉱業については石炭局長。以下本章において同じ。)」を削り、第三十二條及び第三十四條中「並びに」を「及び」に改め、「及び炭鉱保安監督部」を削り、第三十六條第一項中「又は炭鉱保安監督部長」、第四十五條中「、炭鉱保安監督部に地方炭鉱保安協議会を」、第四十六條第二項中「又は地方炭鉱保安協議会」及び第四十九條中「又は炭鉱保安監督部」を削る。
(鉱業法の改正)
第七條 鉱業法(明治三十八年法律第四十五号)の一部を次のように改正する。
第四十四條第二項及び第四十五條第二項中「又ハ炭鉱保安監督部長」を削る。
(石炭鉱業権等臨時措置法の改正)
第八條 石炭鉱業権等臨時措置法(昭和二十三年法律第百五十四号)の一部を次のように改正する。
附則第二項中「有効期間満了」を「廃止」に改める。
(石炭鉱業権等臨時措置法の変更適用)
第九條 石炭鉱業権等臨時措置法附則第三項の規定によりなおその効力を有する同法中の使用権に関する規定は、次のように変更して適用する。
一 「石炭局長」とあるのは「通商産業局長」とする。
二 地方炭鉱管理審議会に諮問すべき旨の規定は、当事者に対して不利益な処分をしようとするときは、あらかじめ、当該当事者に当該不利益な処分をする理由を文書をもつて通知し、その者が公開の聽聞において弁明し、且つ、有利な証拠を提出する機会を與えなければならない旨の規定とする。
(石炭鉱業権等臨時措置法の暫定的効力)
第十條 この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、石炭鉱業権等臨時措置法は、この法律施行後でも、なおその効力を有する。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。但し、第三條中通商産業省設置法第四條、第三十一條、第三十五條、第四十一條、第四十三條及び第四十四條の改正規定以外の部分、第五條から第七條まで並びに第九條第一号の規定は、昭和二十五年八月一日から施行する。
2 昭和二十五年七月三十一日までは、石炭局は、石炭の生産に関する事務をつかさどるものとし、その名称、位置及び管轄区域については、なお従前の例による。
内閣総理大臣 吉田茂
通商産業大臣 高瀬荘太郎
臨時石炭鉱業管理法の廃止に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年五月二十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百九十三号
臨時石炭鉱業管理法の廃止に関する法律
(臨時石炭鉱業管理法の廃止)
第一条 臨時石炭鉱業管理法(昭和二十二年法律第二百十九号)は、廃止する。
(臨時石炭鉱業管理法の暫定的効力)
第二条 この法律施行(附則第一項本文の規定による施行をいう。以下同じ。)前に臨時石炭鉱業管理法の規定に基いてした命令又は指示により損失を受けた者に対する損失の補償及びこの法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、臨時石炭鉱業管理法は、この法律施行後でも、なおその効力を有する。
(通商産業省設置法の改正)
第三条 通商産業省設置法(昭和二十四年法律第百二号)の一部を次のように改正する。
目次中
第一目
石炭局(第四十三条・第四十四条)
第二目
鉱山保安監督部(第四十五条―第四十七条)
第三目
炭鉱保安監督部(第四十八条―第五十条)
を削る。
第四条第一項第三十号を次のように改める。
三十 削除
第二十四条第四号及び第八号中「(石炭の生産に関することを除く。)」を、同条第五号中「(石炭鉱業に関することを除く。)」を削る。
第二十五条第四項中「第一項」を「第一項及び第三項」に改め、同項を第五項とし、第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。
3 石炭の生産その他石炭鉱業(出願及び登録に関することを除く。)に関しては、第一項の規定にかかわらず、福島県は、東京通商産業局の管轄区域とする。
第二十六条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 札幌通商産業局、東京通商産業局、広島通商産業局及び福岡通商産業局には、前項の部の外、石炭部を置く。
第二十八条中「鉱山事務所、」の下に「石炭事務所、」を加える。
第三十一条中「第三十号」を「第三十一号」に改める。
第三十五条第三号を次のように改める。
三 削除
第四十一条第一項の表中全国炭鉱管理審議会及び石炭鉱業損失補償審査会の部を削る。
第四十二条を次のように改める。
(地方支分部局)
第四十二条 通商産業局に鉱山保安監督部を附置する。
「第一目 石炭局」を削る。
第四十三条及び第四十四条を次のように改める。
第四十三条及び第四十四条 削除
「第二目 鉱山保安監督部」、第四十五条中「石炭鉱業以外の」及び「第三目 炭鉱保安監督部」を削る。
第四十八条を次のように改める。
(支部)
第四十八条 通商産業大臣は、鉱山保安監督部の部務の一部を分掌させるため、所要の地に鉱山保安監督部の支部を置くことができる。その名称、位置、管轄区域、所掌事務の範囲及び内部組織は、通商産業省令で定める。
第四十九条及び第五十条を次のように改める。
第四十九条及び第五十条 削除
(損失補償に関する事務及び石炭鉱業損失補償審査会)
第四条 臨時石炭鉱業管理法の規定に基いてした命令又は指示による損失の補償に関する事務は、資源庁炭政局においてつかさどるものとし、石炭鉱業損失補償審査会については、通商産業省設置法第四十一条第一項の改正規定にかかわらず、なお従前の例による。
(行政機関職員定員法の改正)
第五条 行政機関職員定員法(昭和二十四年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項の通商産業省の項中
一三、八八二人
 二、三七三人
一四、八六一人
   九七六人
に、「二一、二五九人」を「二〇、八四一人」に、同条同項中「合計一八七三、二三七人」を「合計一八七二、八一九人」に改める。
(鉱山保安法の改正)
第六条 鉱山保安法(昭和二十四年法律第七十号)の一部を次のように改正する。
第八条第一項中「(石炭鉱業については炭鉱保安監督部長。以下本章において同じ。)」及び第二十二条第二項中「(石炭鉱業については石炭局長。以下本章において同じ。)」を削り、第三十二条及び第三十四条中「並びに」を「及び」に改め、「及び炭鉱保安監督部」を削り、第三十六条第一項中「又は炭鉱保安監督部長」、第四十五条中「、炭鉱保安監督部に地方炭鉱保安協議会を」、第四十六条第二項中「又は地方炭鉱保安協議会」及び第四十九条中「又は炭鉱保安監督部」を削る。
(鉱業法の改正)
第七条 鉱業法(明治三十八年法律第四十五号)の一部を次のように改正する。
第四十四条第二項及び第四十五条第二項中「又ハ炭鉱保安監督部長」を削る。
(石炭鉱業権等臨時措置法の改正)
第八条 石炭鉱業権等臨時措置法(昭和二十三年法律第百五十四号)の一部を次のように改正する。
附則第二項中「有効期間満了」を「廃止」に改める。
(石炭鉱業権等臨時措置法の変更適用)
第九条 石炭鉱業権等臨時措置法附則第三項の規定によりなおその効力を有する同法中の使用権に関する規定は、次のように変更して適用する。
一 「石炭局長」とあるのは「通商産業局長」とする。
二 地方炭鉱管理審議会に諮問すべき旨の規定は、当事者に対して不利益な処分をしようとするときは、あらかじめ、当該当事者に当該不利益な処分をする理由を文書をもつて通知し、その者が公開の聴聞において弁明し、且つ、有利な証拠を提出する機会を与えなければならない旨の規定とする。
(石炭鉱業権等臨時措置法の暫定的効力)
第十条 この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、石炭鉱業権等臨時措置法は、この法律施行後でも、なおその効力を有する。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。但し、第三条中通商産業省設置法第四条、第三十一条、第三十五条、第四十一条、第四十三条及び第四十四条の改正規定以外の部分、第五条から第七条まで並びに第九条第一号の規定は、昭和二十五年八月一日から施行する。
2 昭和二十五年七月三十一日までは、石炭局は、石炭の生産に関する事務をつかさどるものとし、その名称、位置及び管轄区域については、なお従前の例による。
内閣総理大臣 吉田茂
通商産業大臣 高瀬荘太郎