(地上権の設定)
第十九條 指定造林者は、当該造林地の所有者に対して、当該造林地についての当該造林計画に基く造林を目的とする地上権の設定及びこれに伴う権利関係の調整に関する協議を求めることができる。
2 前項の場合において、協議がととのわないとき、又は協議をすることができないときは、当該指定造林者は、都道府県知事の裁定を申請することができる。但し、第十四條又は第十七條の規定による指定を受けた日から九十日を経過したときは、この限りでない。
3 前項の規定による申請があつたときは、都道府県知事は、その旨を当該造林地の所有者に通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を與えなければならない。
4 裁定は、その申請の範囲をこえることができない。
5 裁定においては、左に掲げる事項を定めなければならない。
四 次條に規定するものの外、当事者の共有とすべき林木その他地上権の設定に伴う権利関係の調整に関する事項
6 前項第三号の持分の割合は、当該造林地の地代、公租公課及び造林に要する費用を勘案して定めなければならない。
7 裁定は、文書をもつて行い、且つ、理由を附さなければならない。
8 都道府県知事は、裁定をしたときは、遅滯なくその旨を指定造林者及び当該造林地の所有者に通知し、且つ、これを公告しなければならない。
9 前項の公告があつたときは、裁定で定めるところにより、当事者間に協議がととのつたものとみなす。
10 裁定において定められた持分の割合に不服がある者は、第八項の公告の日から九十日以内に訴をもつてその増減を請求することができる。
11 前項の訴においては、指定造林者又は当該造林地の所有者を被告とする。
(植栽林木の共有)
第二十條 前條の規定により地上権が設定された場合において、指定造林者が当該造林計画に基き植栽した林木(植栽後天然に生じた林木であつて当該造林計画の定められた樹種に属するものを含む。)は、指定造林者と当該造林地の所有者との共有とする。
(造林地についての他の権利の消滅)
第二十一條 造林者は、所有権以外の権原に基き当該造林地を林木育成の目的に使用し、及び收益することができる他の者がある場合において、必要があるときは、その者に対して、当該権利の消滅に関する協議を求めることができる。
2 造林者は、所有権以外の権原に基き当該造林地を林木育成以外の目的に使用する者がある場合において、当該使用が造林計画に基く造林を行うのに支障となるときは、その者に対して、当該使用の制限又は停止に関する協議を求めることができる。
3 前二項の場合において、協議がととのわないとき又は協議をすることができないときは、当該造林者は、都道府県知事の裁定を申請することができる。
4 第一項の協議に係る裁定においては、左に掲げる事項を定めなければならない。
三 当該権利の消滅により補償すべき損失がある場合には、その補償金額並びにその支拂の方法及び時期
5 第二項の協議に係る裁定においては、左に掲げる事項を定めなければならない。
二 当該使用の制限又は停止により補償すべき損失がある場合には、その補償金額並びにその支拂の方法及び時期
6 前三項の規定による裁定については、第十九條第三項、第四項及び第七項から第十一項までの規定を準用する。この場合において、同條第十項中「持分の割合」とあるのは、「補償金額」と読み替える。