森林法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第六十八号
公布年月日: 昭和37年4月4日
法令の形式: 法律
森林法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十七年四月四日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第六十八号
森林法の一部を改正する法律
森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)の一部を次のように改正する。
第四条から第二十条までを次のように改める。
(林産物の需給等に関する長期の見通し及び全国森林計画)
第四条 農林大臣は、政令で定めるところにより、重要な林産物の需要及び供給並びに森林資源の状況に関する長期の見通しをたて、これに即し、かつ、保安施設の整備の状況等を勘案して、全国の森林につき、五年ごとに、十年を一期とする全国森林計画をたてなければならない。
2 全国森林計画においては、左に掲げる事項を定めるものとする。
一 森林の立木竹の伐採に関する事項
二 造林及び保育に関する事項
三 林道の開設その他林産物の搬出に関する事項
四 保安施設に関する事項
五 その他必要な事項
3 農林大臣は、森林の現況、経済事情等に変動があつたため必要と認めるときは、第一項の長期の見通し又は全国森林計画を変更することができる。
4 農林大臣は、第一項の長期の見通し若しくは全国森林計画をたて、又はこれらを変更しようとするときは、中央森林審議会及び全国森林計画に係るときにあつては都道府県知事の意見を聞かなければならない。
5 農林大臣は、第一項の長期の見通し若しくは全国森林計画をたて、又はこれらを変更したときは、遅滞なく、その概要を公表するとともに、全国森林計画に係るときにあつては当該計画を都道府県知事に通知しなければならない。
(地域森林計画)
第五条 都道府県知事は、政令で定めるところにより、全国森林計画に即して、民有林につき、森林計画区別に、その計画をたてる年の翌年四月一日以降五年を一期とする地域森林計画をたてなければならない。
2 地域森林計画においては、左に掲げる事項を定めるものとする。
一 伐採立木材積、立木の標準伐期齢、伐採方法を特定する必要のある森林の所在及びその伐採方法その他森林の立木竹の伐採に関する事項
二 造林面積、造林樹種、造林方法を特定する必要のある森林の所在及びその造林方法その他造林及び保育に関する事項
三 林道の開設及び改良に関する計画、搬出方法を特定する必要のある森林の所在及びその搬出方法その他林産物の搬出に関する事項
四 保安林の整備、第四十一条の保安施設事業に関する計画その他保安施設に関する事項
五 その他必要な事項
3 都道府県知事は、森林の現況、経済事情等に変動があつたため必要と認めるときは、地域森林計画を変更することができる。
4 都道府県知事は、地域森林計画をたて、又はこれを変更しようとするときは、都道府県森林審議会の意見を聞かなければならない。
5 都道府県知事は、地域森林計画をたて、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、農林大臣に報告しなければならない。
(森林計画区)
第六条 前条第一項の森林計画区は、農林大臣が、都道府県知事の意見を聞き、地勢その他の条件を勘案し、主として流域別に都道府県の区域を分けて定める。
2 農林大臣は、森林計画区を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(意見の申立て)
第七条 第五条第五項の規定により公表された地域森林計画に意見がある者は、その公表があつた日から起算して三十日以内に、当該都道府県知事に対し、理由を附した文書をもつて、意見を申し立てることができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による意見の申立てがあったときは、これを誠実に処理し、その結果をその申立人に通知しなければならない。この場合において、地域森林計画を変更しなければならないと認められるときは、都道府県知事は、これを変更するものとする。
(森林計画の遵守)
第八条 森林所有者その他権原に基づき森林の立木竹の使用又は収益をする者(以下「森林所有者等」という。)は、地域森林計画に従つて施業することを旨としなければならない。
(施業の勧告)
第九条 都道府県知事は、森林所有者等がその森林の施業につき地域森林計画を遵守していないと認める場合において、地域森林計画の達成上必要があるときは、当該森林所有者等に対し、遵守すべき事項を示して、これに従つて施業すべき旨を勧告することができる。
(伐採の届出)
第十条 森林所有者等は、民有林(第二十五条の規定により指定された保安林及び第四十一条の規定により指定された保安施設地区の区域内の森林を除く。)の立木を伐採するには、省令で定める手続に従い、あらかじめ、都道府県知事に伐採の届出書を提出しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合は、この限りでない。
一 法令又はこれに基づく処分により伐採の義務のある者がその履行として伐採する場合
二 森林所有者等が第四十九条第一項の許可を受けて伐採する場合
三 第百八十八条第二項の規定に基づいて伐採する場合
四 法令によりその立木の伐採につき制限がある森林で省令で定めるもの以外の森林(次号において「普通林」という。)であつて、立木の果実の採取その他省令で定める用途に主として供されるものとして都道府県知事が当該森林所有者の申請に基づき指定したものにつき伐採する場合
五 普通林であつて、自家の生活の用に充てるため必要な木材その他の林産物の採取の目的に供すべきもののうち、都道府県知事が当該森林所有者の申請に基づき省令で定める基準に従い指定したものにつき伐採する場合
六 火災、風水害その他の非常災害に際し緊急の用に供する必要がある場合
七 除伐する場合
八 その他省令で定める場合
2 前項第六号に掲げる場合に該当して森林の立木を伐採した森林所有者等は、省令で定める手続に従い、都道府県知事に伐採の届出書を提出しなければならない。
(農林大臣及び都道府県知事の援助)
第十一条 農林大臣及び都道府県知事は、全国森林計画及び地域森林計画の達成を図るため、造林その他森林の施業を行なう者及び林道その他森林の施業の合理化のために必要な施設の整備を行なう者に対し、助言、指導、資金の融通のあつせんその他必要な援助を行なうよう努めるものとする。
第十二条から第二十条まで 削除
第二十九条中「及び保安林予定森林又は解除予定保安林の所在場所その他省令で定める事項」を「並びに指定をしようとするときにあつてはその保安林予定森林の所在場所、当該指定の目的及び保安林の指定後における当該森林に係る第三十三条第一項に規定する指定施業要件、解除をしようとするときにあつてはその解除予定保安林の所在場所、保安林として指定された目的及び当該解除の理由」に改める。
第三十三条第一項中「及びその保安林の所在場所その他省令で定める事項」を「並びに指定をするときにあつてはその保安林の所在場所、当該指定の目的及び当該保安林に係る指定施業要件(立木の伐採の方法及び限度並びに立木を伐採した後において当該伐採跡地について行なう必要のある植栽の方法、期間及び樹種をいう。以下同じ。)、解除をするときにあつてはその保安林の所在場所、保安林として指定された目的及び当該解除の理由」に改め、同条に次の二項を加える。
4 第一項の規定による通知に係る指定施業要件のうち立木の伐採の限度に関する部分は、当該保安林の指定に係る森林又は当該森林を含む保安林の集団を単位として定めるものとする。
5 第一項の規定による通知に係る指定施業要件は、当該保安林の指定に伴いこの章の規定により当該森林について生ずべき制限が当該保安林の指定の目的を達成するため必要最小限度のものとなることを旨とし、政令で定める基準に準拠して定めるものとする。
第三十三条の次に次の二条を加える。
(指定施業要件の変更)
第三十三条の二 農林大臣は、保安林について、当該保安林に係る指定施業要件を変更しなければその保安林の指定の目的を達成することができないと認められるに至つたとき、又は当該保安林に係る指定施業要件を変更してもその保安林の指定の目的に支障を及ぼすことがないと認められるに至つたときは、当該指定施業要件を変更することができる。
2 保安林について、その指定施業要件の変更に利害関係を有する地方公共団体の長又はその変更に直接の利害関係を有する者は、省令で定める手続に従い、当該指定施業要件を変更すべき旨を書面により農林大臣に申請することができる。
第三十三条の三 保安林の指定施業要件の変更については、第二十九条、第三十条、第三十二条及び第三十三条の規定(保安林の指定に関する部分に限る。)を、保安林の指定施業要件の変更の申請については、第二十七条第二項及び第三項並びに第二十八条の規定を準用する。この場合において、第二十九条中「その保安林予定森林の所在場所、当該指定の目的及び保安林の指定後における当該森林に係る」とあるのは「その保安林の所在場所、保安林として指定された目的及び当該変更に係る」と、第三十条及び第三十二条第一項中「第二十七条第一項」とあるのは「第三十三条の二第二項」と、第三十三条第一項中「当該指定の目的及び当該保安林に係る」とあるのは「保安林として指定された目的及び当該変更に係る」と、同条第三項中「第二十七条第一項」とあるのは「第三十三条の二第二項」と読み替えるものとする。
第三十四条を次のように改める。
(保安林における制限)
第三十四条 保安林においては、政令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければ、立木を伐採してはならない。但し、左の各号の一に該当する場合は、この限りでない。
一 法令又はこれに基づく処分により伐採の義務のある者がその履行として伐採する場合
二 森林所有者等が第四十九条第一項の許可を受けて伐採する場合
三 第百八十八条第二項の規定に基づいて伐採する場合
四 火災、風水害その他の非常災害に際し緊急の用に供する必要がある場合
五 除伐する場合
六 その他省令で定める場合
2 保安林においては、都道府県知事の許可を受けなければ、立竹を伐採し、立木を損傷し、家畜を放牧し、下草、落葉若しくは落枝を採取し、又は土石若しくは樹根の採掘、開墾その他の土地の形質を変更する行為をしてはならない。但し、左の各号の一に該当する場合は、この限りでない。
一 法令又はこれに基づく処分によりこれらの行為をする義務のある者がその履行としてする場合
二 森林所有者等が第四十九条第一項の許可を受けてする場合
三 第百八十八条第二項の規定に基づいてする場合
四 火災、風水害その他の非常災害に際し緊急の用に供する必要がある場合
五 軽易な行為であつて省令で定めるものをする場合
六 その他省令で定める場合
3 都道府県知事は、第一項の許可の申請があつた場合において、その申請に係る伐採の方法が当該保安林に係る指定施業要件に適合するものであり、かつ、その申請(当該保安林に係る指定施業要件を定めるについて同一の単位とされている保安林又はその集団の立木について当該申請が二以上あるときは、これらの申請のすべて)につき同項の許可をするとしてもこれにより当該指定施業要件を定めるについて同一の単位とされている保安林又はその集団に係る立木の伐採が当該指定施業要件に定める伐採の限度をこえることとならないと認められるときは、これを許可しなければならない。
4 都道府県知事は、第一項の許可の申請があつた場合において、その申請に係る伐採の方法が当該保安林に係る指定施業要件に適合するものであり、かつ、その申請(当該保安林に係る指定施業要件を定めるについて同一の単位とされている保安林又はその集団の立木について当該申請が二以上あるときは、これらの申請のすべて)につき同項の許可をするとすればこれにより当該指定施業要件を定めるについて同一の単位とされている保安林又はその集団に係る立木の伐採が当該指定施業要件に定める伐採の限度をこえることとなるが、その一部について同項の許可をするとすれば当該伐採の限度をこえることとならないと認められるときは、政令で定める基準に従い、当該伐採の限度まで、その申請に係る伐採の面積又は数量を縮減して、これを許可しなければならない。
5 都道府県知事は、第二項の許可の申請があつた場合には、その申請に係る行為がその保安林の指定の目的の達成に支障を及ぼすと認められる場合を除き、これを許可しなければならない。
6 第一項又は第二項の許可には、条件を附することができる。
7 前項の条件は、当該保安林の指定の目的を達成するために必要最小限度のものに限り、かつ、その許可を受けた者に不当な義務を課することとなるものであつてはならない。
8 第一項の許可を受けた者は、当該許可に係る立木を伐採したときは、省令で定める手続に従い、その旨を、都道府県知事に届け出るとともに、その者が当該森林に係る森林所有者でないときは、当該森林所有者に通知しなければならない。
9 第一項第四号及び第二項第四号に掲げる場合に該当して当該行為をした者は、省令で定める手続に従い、都道府県知事に届出書を提出しなければならない。
第三十四条の次に次の一条を加える。
(保安林における植栽の義務)
第三十四条の二 森林所有者等が保安林の立木を伐採した場合には、当該保安林に係る森林所有者は、当該保安林に係る指定施業要件として定められている植栽の方法、期間及び樹種に関する定めに従い、当該伐採跡地について植栽をしなければならない。但し、当該伐採をした森林所有者等が当該保安林に係る森林所有者でない場合において当該伐採があつたことを知らないことについて正当な理由があると認められるとき、当該伐採跡地について第三十八条第一項の規定による造林に必要な行為をすべき旨の命令があつた場合(当該命令を受けた者が当該伐採跡地に係る森林所有者以外の者であり、その者が行なう当該命令の実施行為を当該森林所有者が拒んだ場合を除く。)その他省令で定める場合は、この限りでない。
第三十八条を次のように改める。
(監督処分)
第三十八条 都道府県知事は、第三十四条第一項の規定に違反した者若しくは同項の許可に附した同条第六項の条件に違反して立木を伐採した者又は偽りその他不正な手段により同条第一項の許可を受けて立木を伐採した者に対し、伐採の中止を命じ、又は当該伐採跡地につき、期間、方法及び樹種を定めて造林に必要な行為を命ずることができる。
2 都道府県知事は、第三十四条第二項の規定に違反した者若しくは同項の許可に附した同条第六項の条件に違反して同条第二項の行為をした者又は偽りその他不正な手段により同項の許可を受けて同項の行為をした者に対し、その行為の中止を命じ、又は期間を定めて復旧に必要な行為をすべき旨を命ずることができる。
3 都道府県知事は、森林所有者が第三十四条の二の規定に違反して、保安林に係る指定施業要件として定められている植栽の期間内に、植栽をせず、又は当該指定施業要件として定められている植栽の方法若しくは樹種に関する定めに従つて植栽をしない場合には、当該森林所有者に対し、期間を定めて、当該保安林に係る指定施業要件として定められている植栽の方法と同一の方法により、当該指定施業要件として定められている樹種と同一の樹種のものを植栽すべき旨を命ずることができる。
第三十九条中「農林大臣は、森林を保安林として指定したときは」を「都道府県知事は、民有林について保安林の指定があつたときは」に改め、同条に次の二項を加える。
2 農林大臣は、国有林について保安林の指定をしたときは、その保安林の区域内にこれを表示する標識を設置しなければならない。
3 前二項の標識の様式は、省令で定める。
第三十九条の次に次の二条を加える。
(保安林台帳)
第三十九条の二 都道府県知事は、保安林台帳を調製し、これを保管しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の保安林台帳の閲覧を求められたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。
3 保安林台帳の記載事項その他その調製及び保管に関し必要な事項は、省令で定める。
(保安林の適正な管理)
第三十九条の三 農林大臣及び都道府県知事は、保安林制度の負う使命にかんがみ、保安林に関しこの法律及びこれに基づく政令の規定によりその権限に属させられた事務を適正に遂行するほか、保安林に係る制限の遵守及び義務の履行につき有効な指導及び援助を行ない、その他保安林の保全のため必要な措置を講じて、保安林が常にその指定の目的に即して機能することを確保するように努めなければならない。
第四十四条中「及び第三十九条の規定を」の下に「、保安施設地区に係る指定施業要件の変更については、第三十三条の二及び第三十三条の三の規定を」を加える。
第四十五条第一項中「実施行為」の下に「並びにその期間内」を加える。
第四十六条の次に次の一条を加える。
(保安施設地区台帳)
第四十六条の二 都道府県知事は、保安施設地区台帳を調製し、これを保管しなければならない。
2 保安施設地区台帳については、第三十九条の二第二項及び第三項の規定を準用する。
第四十七条中「通知があつたものとみなす」を「通知があり、当該保安施設地区に係る指定施業要件が引き続き当該保安林の指定施業要件となつたものとみなす」に改める。
第四十九条第一項及び第六項中「森林所有者その他権原に基き森林の立木竹の使用又は収益をする者」を「森林所有者等」に改め、同条第四項中「所有者の請求があつたときは、」を「所有者に」に改める。
第六十九条第五項中「委員」の下に「及び臨時委員」を加え、同項を同条第八項とし、同条第四項中「第二項第一号」を「第三項第一号」に改め、同項を同条第六項とし、同項の次に次の一項を加える。
7 臨時委員は、当該特別の事項に関する調査審議が終了したときは、解任されるものとする。
第六十九条中第三項を第四項とし、同項の次に次の一項を加える。
5 臨時委員は、学識経験を有する者のうちから、内閣総理大臣の承認を得て農林大臣が任命する。
第六十九条中第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。
2 特別の事項を調査審議するため必要があるときは、臨時委員十人以内を置くことができる。
第七十一条第一項中「第六十九条第二項第一号」を「第六十九条第三項第一号」に改める。
第七十二条(見出しを含む。)中「専門委員」を「専門調査員」に改める。
第百八十七条第三項第二号を次のように改める。
二 森林の施業に関する指導を行なうこと。
第百八十八条第一項中「森林所有者又は権原に基き森林の立木竹の使用若しくは収益をする者」を「森林所有者等」に改め、同条第三項中「関係者の要求があるときは」を「関係者に」に改める。
第百九十一条第三項中「第十八条第一項第二号、」を削り、「第二十七条第三項但書」の下に「(第三十三条の三(第四十四条において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、第三十三条の二(第四十四条において準用する場合を含む。)」を加え、「、第四十一条」を「若しくは第二項(第四十四条において準用する場合を含む。)、第四十一条」に改め、「第二十八条」の下に「(第三十三条の三(第四十四条において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)」を加える。
第百九十二条第一号中「森林区施業計画」を「地域森林計画」に改め、同条中第二号を削り、第三号を第二号とし、第四号を第三号とする。
第百九十三条中「森林区施業計画」を「地域森林計画」に改める。
第二百六条中「第十六条第一項」を「第三十四条第一項(第四十四条において準用する場合を含む。)」に、「制限林」を「保安林又は保安施設地区の区域内の森林」に改める。
第二百七条第二号中「第三十四条第一項」を「第三十四条第二項」に改め、「家畜を放牧し」の下に「、下草、落葉若しくは落枝を採取し」を加える。
第二百八条及び第二百九条を次のように改める。
第二百八条 第三十九条第一項又は第二項(これらの規定を第四十四条において準用する場合を含む。)の規定により設置した標識を移動し、汚損し、又は破壊した者は、一万円以下の罰金に処する。
第二百九条 左の各号の一に該当する者は、五千円以下の罰金に処する。
一 第十条第一項の規定に違反し、届出書の提出をしないで立木を伐採した者
二 第十条第二項又は第三十四条第九項(第四十四条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、届出書の提出をしない者
三 第三十四条第八項(第四十四条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、都道府県知事に届け出ない者
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して九十日をこえない範囲内で政令で定める日から施行する。
(全国森林計画に係る経過規定)
第二条 この法律の施行後改正後の森林法(以下「新法」という。第四条の規定により最初にたてる全国森林計画の期間は、昭和三十八年四月一日以降十年間とし、その全国森林計画は、昭和三十七年十月三十一日までにたてなければならない。
(地域森林計画に係る経過規定)
第三条 この法律の施行後新法第五条の規定により最初にたてる地域森林計画の期間は、同条第一項の規定にかかわらず、昭和三十八年四月一日以降一年から五年までの間において農林大臣が定める期間とし、その地域森林計画は、昭和三十七年十二月三十一日までにたてなければならない。
第四条 昭和三十八年三月三十一日までは、この法律の施行の際現に改正前の森林法(以下「旧法」という。)第六条第一項の規定により定められている森林区を新法第六条の規定により定められた森林計画区とみなし、この法律の施行の際現に旧法第七条の規定により定められている当該森林区ごとの森林区施業計画を新法第五条の規定によりたてられた当該森林計画区ごとの地域森林計画とみなす。
(立木竹の伐採に係る経過規定)
第五条 次の各号の一に該当する伐採については、新法第十条の規定は、適用しない。
一 この法律の施行前に旧法第十五条の規定による届出書の提出のあつた森林の立木の伐採
二 この法律の施行の際現に効力を有する旧法第十六条第一項の許可に係る森林(保安林及び保安施設地区の区域内の森林を除く。以下この条において同じ。)の立木の伐採で、昭和三十八年三月三十一日までに行なわれるもの
三 この法律の施行前に旧法第十六条第一項の許可の申請があり、かつ、この法律の施行の時までにその許可をするかどうかの決定がされなかつた森林の立木の伐採で、昭和三十八年三月三十一日までに行なわれるもの
四 この法律の施行前に受けた旧法第十八条第一項第二号の許可に係る森林の立木の伐採
五 この法律の施行前に旧法第十八条第一項第二号の許可の申請があり、かつ、この法律の施行の時までにその許可をするかどうかの決定がされなかつた森林の立木の伐採で、昭和三十八年三月三十一日までに行なわれるもの
第六条 この法律の施行前に旧法第十八条第一項第一号に掲げる場合に該当して同項の規定により行なわれた森林の立木竹の伐採に係る届出については、なお従前の例による。
(保安林等に係る経過規定)
第七条 農林大臣は、この法律の施行前に指定された保安林又は保安施設地区について、この法律の施行の日から起算して五年以内に、当該保安林又は保安施設地区に係る指定施業要件(新法第三十三条第一項に規定する指定施業要件をいう。以下同じ。)を定めなければならない。
2 前項の規定により指定施業要件を定めるについては、新法第二十九条、第三十条、第三十二条及び第三十三条の規定(保安林の指定に関する部分に限る。)並びに第四十条の規定を準用する。この場合において、新法第二十九条中「その保安林予定森林の所在場所、当該指定の目的及び保安林の指定後における当該森林に係る」とあるのは「その保安林又は保安施設地区の所在場所、保安林又は保安施設地区として指定された目的及び当該保安林又は保安施設地区に係る」と、新法第三十三条第一項中「当該指定の目的」とあるのは「保安林又は保安施設地区として指定された目的」と読み替えるものとする。
第八条 この法律の施行前に指定された保安林又は保安施設地区(前条第一項の規定により指定施業要件が定められたものを除く。)の立木の伐採について新法第三十四条第一項(新法第四十四条において準用する場合を含む。)の許可の申請があつた場合には、都道府県知事は、新法第三十四条第三項及び第四項(これらの規定を新法第四十四条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、新法第三十三条第五項(新法第四十四条において準用する場合を含む。)の規定により定められる政令に規定する基準に照らし、かつ、当該保安林又は保安施設地区に係る旧法第七条の森林区施業計画(この法律の施行の際現に定められていたものに限る。)の伐採に係る施業の要件(同条第四項第三号、第五号及び第七号の事項中伐採に係る部分をいう。)及び当該保安林又は保安施設地区の現況を勘案して当該申請に係る伐採が当該保安林又は保安施設地区の指定の目的の達成に支障を及ぼすと認められる場合を除き、これを許可しなければならない。
第九条 保安林又は保安施設地区の区域内の森林の立木の伐採につきこの法律の施行前にした旧法第十六条第一項の許可は、昭和三十八年三月三十一日までは、新法第三十四条第一項(新法第四十四条において準用する場合を含む。)の規定によつてした許可とみなす。
2 保安林又は保安施設地区の区域内の森林の立木の伐採につきこの法律の施行前にした旧法第十八条第一項第二号の許可は、新法第三十四条第一項(新法第四十四条において準用する場合を含む。)の規定によつてした許可とみなす。
3 保安林又は保安施設地区の区域内の森林若しくは土地に係る旧法第三十四条第一項(旧法第四十四条において準用する場合を含む。)の行為につきこの法律の施行前にした旧法第三十四条第一項(旧法第四十四条において準用する場合を含む。)の許可は、当該許可に係る行為については、新法第三十四条第二項(新法第四十四条において準用する場合を含む。)の規定によつてした許可とみなす。
4 保安林又は保安施設地区の区域内の森林若しくは土地に係る立木の伐採又は旧法第三十四条第一項(旧法第四十四条において準用する場合を含む。)の行為につきこの法律の施行前にした旧法第十六条第一項若しくは第十八条第一項第二号又は第三十四条第一項(旧法第四十四条において準用する場合を含む。)の許可の申請で、この法律の施行の時までにその許可をするかどうかの決定がされなかつたものは、当該伐採又は行為については、新法第三十四条第一項又は第二項(これらの規定を新法第四十四条において準用する場合を含む。)の許可の申請とみなす。
第十条 保安林につき旧法第十六条第一項の規定に違反した者に対してこの法律の施行前に旧法第三十八条の規定によつてした命令は、新法第三十八条第一項の規定によつてした命令とみなす。
2 旧法第三十四条第一項の規定に違反した者に対してこの法律の施行前に旧法第三十八条の規定によつてした命令は、新法第三十八条第二項の規定によつてした命令とみなす。
(罰則に係る経過規定)
第十一条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(農林省設置法の一部改正)
第十二条 農林省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。
第四条第五十号を次のように改める。
五十 森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)に基づく全国森林計画をたてること。
(造林臨時措置法の一部改正)
第十三条 造林臨時措置法(昭和二十五年法律第百五十号)の一部を次のように改正する。
第二十二条を次のように改める。
第二十二条 削除
(保安林整備臨時措置法の一部改正)
第十四条 保安林整備臨時措置法(昭和二十九年法律第八十四号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項中「第十条第一項」を「第四条第三項」に、「定められた森林基本計画」を「たてられた全国森林計画」に改め、同条第二項中「第十条第一項」を「第四条第三項」に改める。
(地すべり等防止法の一部改正)
第十五条 地すべり等防止法(昭和三十三年法律第三十号)の一部を次のように改正する。
第二十条第一項中「森林法第三十四条第一項」を「森林法第三十四条第二項」に改める。
第四十五条第一項中「森林法第三十四条第一項」を「森林法第三十四条第二項」に、「森林法第十六条第一項若しくは同法第三十四条第一項(同法第四十四条において準用する場合を含む。)」を「森林法第三十四条第一項若しくは第二項(これらの規定を同法第四十四条において準用する場合を含む。)」に改める。
(災害対策基本法の一部改正)
第十六条 災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)の一部を次のように改正する。
第三十八条第三号中「森林基本計画」を「全国森林計画」に改める。
農林大臣 河野一郎
建設大臣 中村梅吉
自治大臣 安井謙
内閣総理大臣 池田勇人