(医師会、歯科医師会及び日本医療団の解散等に関する法律)
法令番号: 法律第百二十八号
公布年月日: 昭和22年10月31日
法令の形式: 法律
医師会、歯科医師会及び日本医療團の解散等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十二年十月三十一日
内閣総理大臣 片山哲
法律第百二十八号
第一章 総則
第一條 医師会、歯科医師会及び日本医療團の解散に関する処置に関しては、この法律の定めるところによる。
第二條 この法律において、医師会とは、日本医師会及び都道府縣医師会、歯科医師会とは、日本歯科医師会及び都道府縣歯科医師会をいう。
第二章 医師会及び歯科医師会の解散に関する処置
第三條 医師会及び歯科医師会は、これを解散する。
第四條 医師会及び歯科医師会は、清算の目的の範囲内においては、その清算の結了するまで、なお存続するものとみなす。
第五條 清算人は、医師会及び歯科医師会の各会長、副会長、專務理事又は理事のうちから、総会において、これを選任しなければならない。但し、補欠の清算人を選任し、又は清算人を増員しようとする場合には、他の者のうちから、これを選任することができる。
監督廳は、公益上必要があると認めるときは、清算人を解任することができる。
第六條 清算人は、清算方法及び財産処分について、総会の議決を経た後、監督廳の認可を受けなければならない。
第七條 監督廳は、医師会及び歯科医師会の清算の監督上必要があると認めるときは、清算事務及び財産の状況について清算人に報告を命じ、又は当該官吏吏員に檢査をさせることができる。
監督廳は、前項の規定により当該官吏吏員に檢査をさせるときは、その身分を示す証票を携帶させなければならない。
第八條 この法律に定めるものを除いては、医師会及び歯科医師会の解散及び清算に関するこの法律の規定の実施に関して必要な事項は、政令でこれを定める。
第三章 日本医療團の解散に関する処置
第九條 日本医療團は、これを解散する。
第十條 日本医療團は、清算及び第十一條の規定による事業の目的の範囲内においては、その清算の結了するまで、なお存続するものとみなす。
第十一條 日本医療團は、解散後も、その清算の結了するまでは、現に行つている医療事業を継続して行うことができる。
第十二條 厚生大臣は、日本医療團の総裁、副総裁又は理事のうちから、清算人を選任しなければならない。
第十三條 清算人は、他の職業に從事してはならない。但し、厚生大臣の認可を受けたときは、この限りでない。
清算人は、厚生大臣の認可を受けたときに限り、自己又は第三者のために日本医療團と取引をすることができる。この場合には、民法第百八條の規定を適用しない。
第十四條 清算人は、厚生大臣の定める清算計画に從つて、清算を行わなければならない。
厚生大臣は、前項の清算計画を定めるに当つては、日本医療團清算監理委員会に諮問しなければならない。
厚生大臣は、必要があると認めるときは、清算人に対して、清算に関して必要な事項を命ずることができる。
第十五條 政府は、國の行う医療事業の用に供するため特に必要があると認めるときは、政令の定めるところにより、日本医療團の所有する土地、建物その他の施設及び物件を他に優先して買い取ることができる。
前項の場合においては、厚生大臣は、その買取及び買取の條件に関して、日本医療團清算監理委員会に諮問しなければならない。
第十六條 残余財産は、拂い込んだ出資金額の割合に應じて、これを出資者に分配しなければならない。
前項の規定により分配する財産の額は、各出資者につき、その者の拂い込んだ出資金額を超えてはならない。
前二項の規定の適用に当つては、國民医療法第三十三條の規定により病院、診療所等の設備を出資した者であつて、その設備の建設に当り國庫の補助を受けた者については、その拂い込んだ出資金額から当該國庫補助金額を控除した金額をその拂い込んだ出資金額とみなす。
第十七條 清算人は、残余財産の分配について、厚生大臣の認可を受けなければならない。
第十八條 第十六條の規定により分配をした後において、残余財産に剩余を生じたときは、その剩余財産は、國庫に帰属する。
第十九條 第五條第一項但書及び第二項並びに第七條の規定は、日本医療團の清算に関しこれを準用する。但し第五條第二項及び第七條中「監督廳」とあるのは、「厚生大臣」と読み替えるものとする。
第二十條 日本医療團の解散及び清算に関する登記には、登録税を賦課しない。
第二十一條 この法律に定めるものを除いては、第十一條の規定による事業の実施及び第十五條第一項の規定により政府の買い取つたものの上に存する担保の処理に関し必要な事項、日本医療團清算監理委員会に関する規程その他日本医療團の解散及び清算に関するこの法律の規定の実施に関して必要な事項は、政令でこれを定める。
第四章 罰則
第二十二條 第七條(第十九條において準用する場合を含む。)の規定による当該官吏吏員の檢査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、これを六箇月以下の懲役又は五百円以下の罰金に処する。
附 則
第二十三條 この法律は、昭和二十二年十一月一日から、これを施行する。但し、第二十五條乃至第二十七條の規定は、日本医療團の精算結了の登記のあつた日の翌日から、これを施行する。
第二十四條 國民医療法の一部を次のように改正する。
第三章及び第五章の規定並びに第七十九條乃至第八十一條を削除する。
前項の規定施行前にした行爲に対する罰則の適用並びに医師会、歯科医師会及び日本医療團の解散及び清算及び第十一條の規定による事業の実施に関しては、旧法は、同項の規定施行の後も、なおその効力を有する。
第二十五條 結核予防法の一部を次のように改正する。
第七條第一項中「日本医療團ノ結核療養所又ハ」を削る。
第二十六條 登録税法の一部を次のように改正する。
第二條ノ二を削る。
第六條ノ二中「恩給金庫又ハ日本医療團カ恩給債券又ハ医療債券ニ付」を「恩給金庫カ恩給債券ニ付」に、「恩給債券若ハ医療債券又ハ其ノ」を「恩給債券又ハ其ノ」に改める。
第十九條第七号中「日本医療團、」及び「國民医療法、」を削る。
第十九條第十八号中「、住宅營團又ハ日本医療團」を「又ハ住宅營團」に改める。
第二十七條 印紙税法の一部を次のように改正する。
第五條第六号ノ四ノ二を削る。
大藏大臣 栗栖赳夫
司法大臣 鈴木義男
厚生大臣 一松定吉
内閣総理大臣 片山哲
医師会、歯科医師会及び日本医療団の解散等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十二年十月三十一日
内閣総理大臣 片山哲
法律第百二十八号
第一章 総則
第一条 医師会、歯科医師会及び日本医療団の解散に関する処置に関しては、この法律の定めるところによる。
第二条 この法律において、医師会とは、日本医師会及び都道府県医師会、歯科医師会とは、日本歯科医師会及び都道府県歯科医師会をいう。
第二章 医師会及び歯科医師会の解散に関する処置
第三条 医師会及び歯科医師会は、これを解散する。
第四条 医師会及び歯科医師会は、清算の目的の範囲内においては、その清算の結了するまで、なお存続するものとみなす。
第五条 清算人は、医師会及び歯科医師会の各会長、副会長、専務理事又は理事のうちから、総会において、これを選任しなければならない。但し、補欠の清算人を選任し、又は清算人を増員しようとする場合には、他の者のうちから、これを選任することができる。
監督庁は、公益上必要があると認めるときは、清算人を解任することができる。
第六条 清算人は、清算方法及び財産処分について、総会の議決を経た後、監督庁の認可を受けなければならない。
第七条 監督庁は、医師会及び歯科医師会の清算の監督上必要があると認めるときは、清算事務及び財産の状況について清算人に報告を命じ、又は当該官吏吏員に検査をさせることができる。
監督庁は、前項の規定により当該官吏吏員に検査をさせるときは、その身分を示す証票を携帯させなければならない。
第八条 この法律に定めるものを除いては、医師会及び歯科医師会の解散及び清算に関するこの法律の規定の実施に関して必要な事項は、政令でこれを定める。
第三章 日本医療団の解散に関する処置
第九条 日本医療団は、これを解散する。
第十条 日本医療団は、清算及び第十一条の規定による事業の目的の範囲内においては、その清算の結了するまで、なお存続するものとみなす。
第十一条 日本医療団は、解散後も、その清算の結了するまでは、現に行つている医療事業を継続して行うことができる。
第十二条 厚生大臣は、日本医療団の総裁、副総裁又は理事のうちから、清算人を選任しなければならない。
第十三条 清算人は、他の職業に従事してはならない。但し、厚生大臣の認可を受けたときは、この限りでない。
清算人は、厚生大臣の認可を受けたときに限り、自己又は第三者のために日本医療団と取引をすることができる。この場合には、民法第百八条の規定を適用しない。
第十四条 清算人は、厚生大臣の定める清算計画に従つて、清算を行わなければならない。
厚生大臣は、前項の清算計画を定めるに当つては、日本医療団清算監理委員会に諮問しなければならない。
厚生大臣は、必要があると認めるときは、清算人に対して、清算に関して必要な事項を命ずることができる。
第十五条 政府は、国の行う医療事業の用に供するため特に必要があると認めるときは、政令の定めるところにより、日本医療団の所有する土地、建物その他の施設及び物件を他に優先して買い取ることができる。
前項の場合においては、厚生大臣は、その買取及び買取の条件に関して、日本医療団清算監理委員会に諮問しなければならない。
第十六条 残余財産は、払い込んだ出資金額の割合に応じて、これを出資者に分配しなければならない。
前項の規定により分配する財産の額は、各出資者につき、その者の払い込んだ出資金額を超えてはならない。
前二項の規定の適用に当つては、国民医療法第三十三条の規定により病院、診療所等の設備を出資した者であつて、その設備の建設に当り国庫の補助を受けた者については、その払い込んだ出資金額から当該国庫補助金額を控除した金額をその払い込んだ出資金額とみなす。
第十七条 清算人は、残余財産の分配について、厚生大臣の認可を受けなければならない。
第十八条 第十六条の規定により分配をした後において、残余財産に剰余を生じたときは、その剰余財産は、国庫に帰属する。
第十九条 第五条第一項但書及び第二項並びに第七条の規定は、日本医療団の清算に関しこれを準用する。但し第五条第二項及び第七条中「監督庁」とあるのは、「厚生大臣」と読み替えるものとする。
第二十条 日本医療団の解散及び清算に関する登記には、登録税を賦課しない。
第二十一条 この法律に定めるものを除いては、第十一条の規定による事業の実施及び第十五条第一項の規定により政府の買い取つたものの上に存する担保の処理に関し必要な事項、日本医療団清算監理委員会に関する規程その他日本医療団の解散及び清算に関するこの法律の規定の実施に関して必要な事項は、政令でこれを定める。
第四章 罰則
第二十二条 第七条(第十九条において準用する場合を含む。)の規定による当該官吏吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、これを六箇月以下の懲役又は五百円以下の罰金に処する。
附 則
第二十三条 この法律は、昭和二十二年十一月一日から、これを施行する。但し、第二十五条乃至第二十七条の規定は、日本医療団の精算結了の登記のあつた日の翌日から、これを施行する。
第二十四条 国民医療法の一部を次のように改正する。
第三章及び第五章の規定並びに第七十九条乃至第八十一条を削除する。
前項の規定施行前にした行為に対する罰則の適用並びに医師会、歯科医師会及び日本医療団の解散及び清算及び第十一条の規定による事業の実施に関しては、旧法は、同項の規定施行の後も、なおその効力を有する。
第二十五条 結核予防法の一部を次のように改正する。
第七条第一項中「日本医療団ノ結核療養所又ハ」を削る。
第二十六条 登録税法の一部を次のように改正する。
第二条ノ二を削る。
第六条ノ二中「恩給金庫又ハ日本医療団カ恩給債券又ハ医療債券ニ付」を「恩給金庫カ恩給債券ニ付」に、「恩給債券若ハ医療債券又ハ其ノ」を「恩給債券又ハ其ノ」に改める。
第十九条第七号中「日本医療団、」及び「国民医療法、」を削る。
第十九条第十八号中「、住宅営団又ハ日本医療団」を「又ハ住宅営団」に改める。
第二十七条 印紙税法の一部を次のように改正する。
第五条第六号ノ四ノ二を削る。
大蔵大臣 栗栖赳夫
司法大臣 鈴木義男
厚生大臣 一松定吉
内閣総理大臣 片山哲