第一條 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権については、この法律の定めるところによる。
第二條 大赦は、政令で罪の種類を定めてこれを行う。
第三條 大赦は、前條の政令に特別の定のある場合を除いては、大赦のあつた罪について、左の効力を有する。
一 有罪の言渡を受けた者については、その言渡は、効力を失う。
二 まだ有罪の言渡を受けない者については、公訴権は、消滅する。
第四條 特赦は、有罪の言渡を受けた特定の者に対してこれを行う。
第六條 減刑は、刑の言渡を受けた者に対して政令で罪若しくは刑の種類を定めてこれを行い、又は刑の言渡を受けた特定の者に対してこれを行う。
第七條 政令による減刑は、その政令に特別の定のある場合を除いては、刑を減軽する。
特定の者に対する減刑は、刑を減軽し、又は刑の執行を減軽する。
刑の執行猶予の言渡を受けてまだ猶予の期間を経過しない者に対しては、前項の規定にかかわらず、刑を減軽する減刑のみを行うものとし、又、これとともに猶予の期間を短縮することができる。
第八條 刑の執行の免除は、刑の言渡を受けた特定の者に対してこれを行う。但し、刑の執行猶予の言渡を受けてまだ猶予の期間を経過しない者に対しては、これを行わない。
第九條 復権は、有罪の言渡を受けたため法令の定めるところにより資格を喪失し、又は停止された者に対して政令で要件を定めてこれを行い、又は特定の者に対してこれを行う。但し、刑の執行を終らない者又は執行の免除を得ない者に対しては、これを行わない。
復権は、特定の資格についてこれを行うことができる。
第十一條 有罪の言渡に基く既成の効果は、大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除又は復権によつて変更されることはない。
第十二條 特赦、特定の者に対する減刑、刑の執行の免除及び特定の者に対する復権は、檢察官又は受刑者の在監する監獄の長の申出があつた者に対してこれを行うものとする。
第十三條 特赦、特定の者に対する減刑、刑の執行の免除又は特定の者に対する復権があつたときは、司法大臣は、檢察官に特赦状、減刑状、刑の執行の免除状又は復権状を送付し、これを本人に下付させなければならない。
第十四條 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除又は復権があつたときは、檢察官は、判決の原本にその旨を附記しなければならない。