損害保険中央会法
法令番号: 法律第十二號
公布年月日: 昭和20年2月14日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル損害保險中央會法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年二月十三日
內閣總理大臣 小磯國昭
大藏大臣 石渡莊太郞
運輸通信大臣 前田米藏
內務大臣 大達茂雄
法律第十二號
損害保險中央會法
第一章 總則
第一條 損害保險中央會ハ損害保險制度ノ適切ナル運營ニ資スルコトヲ目的トス
損害保險中央會ハ法人トス
第二條 損害保險中央會ハ主タル事務所ヲ東京都ニ置ク
損害保險中央會ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ必要ノ地ニ從タル事務所ヲ設置スルコトヲ得
第三條 損害保險中央會ハ損害保險會社其ノ他主務大臣ノ指定スル者ヲシテ業務ノ一部ヲ取扱ハシムルコトヲ得
第四條 損害保險中央會ノ基金ハ五千萬圓トス
第五條 政府ハ五千萬圓ヲ損害保險中央會ニ出資スベシ
前號ノ出資ハ國債證券ヲ交付シテ之ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ交付スル國債證券ノ交付價格ハ時價ヲ參酌シテ大藏大臣之ヲ定ム
第六條 損害保險中央會ハ定款ヲ以テ左ノ事項ヲ規定スベシ
一 目的
二 名稱
三 事務所ノ所在地
四 基金及資產ニ關スル事項
五 役員ニ關スル事項
六 業務及其ノ執行ニ關スル事項
七 經理ニ關スル事項
八 公吿ノ方法
定款ノ變更ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第七條 損害保險中央會ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ登記ヲ爲スベシ
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登記ノ後ニ非ザレハ之ヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第八條 損害保險中央會ニハ所得稅、法人稅及營業稅ヲ課セズ
都道府縣、市町村其ノ他之ニ準ズベキモノハ損害保險中央會ノ事業ニ對シテハ地方稅ヲ課スルコトヲ得ズ但シ特別ノ事情ニ基キ內務大臣及大藏大臣ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第九條 損害保險中央會ニ付解散ヲ必要トスル事由發生シタル場合ニ於テ其ノ處置ニ關シテハ別ニ法律ヲ以テ之ヲ定ム
第十條 損害保險中央會ニ非ザル者ハ損害保險中央會又ハ之ニ類似スル名稱ヲ用フルコトヲ得ズ
第十一條 民法第四十四條、第五十條、第五十四條及第五十七條竝ニ非訟事件手續法第三十五條第一項ノ規定ハ損害保險中央會ニ之ヲ準用ス
第二章 職員
第十二條 損害保險中央會ニ役員トシテ理事長副理事長各一人、理事三人以上、監事二人以上及評議員若干人ヲ置ク
第十三條 理事長ハ損害保險中央會ヲ代表シ其ノ業務ヲ總理ス
副理事長ハ定款ノ定ムル所ニ依リ損害保險中央會ヲ代表シ理事長ヲ輔佐シテ損害保險中央會ノ業務ヲ掌理シ理事長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ理事長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ損害保險中央會ヲ代表シ理事長及副理事長ヲ輔佐シテ損害保險中央會ノ業務ヲ掌理シ理事長及副理事長共ニ事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ理事長及副理事長共ニ缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ損害保險中央會ノ業務ヲ監查ス
評議員ハ損害保險中央會ノ業務ニ關スル重要事項ニ付理事長ノ諮問ニ應ジ又ハ理事長ニ對シ意見ヲ述ブルコトヲ得
理事長ハ主務大臣ノ定ムル事項ニ付テハ評議員ニ諮問スベシ
第十四條 理事長、監事及評議員ハ主務大臣之ヲ命ズ
副理事長及理事ハ理事長ノ推薦シタル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
理事長、副理事長及理事ノ任期ハ三年、監事及評議員ノ任期ハ二年トス
第十五條 理事長、副理事長及理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ從タル事務所ノ業務ニ關シ一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有スル代理人ヲ選任スルコトヲ得
第十六條 理事長、副理事長及理事ハ他ノ職業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十七條 損害保險中央會ノ職員ハ之ヲ法令ニ依リ公務ニ從事スル職員ト看做ス
第三條又ハ第二十三條ノ場合ニ於テ當該業務ニ從事スル者(其ノ者ガ法人ナルトキハ當該業務ニ從事スル職員)ニ付亦前項ニ同ジ
第三章 業務
第十八條 本法ニ於テ戰爭保險トハ戰時特殊損害保險法ニ依ル戰爭保險、木船保險法ニ依ル戰爭保險其ノ他戰爭其ノ他ノ變亂ニ因ル襲擊、捕獲其ノ他ノ事故又ハ商慣習ニ於テ之ニ準ジテ取扱ハルル事故ノミヲ保險事故トスル海上保險ヲ謂フ
本法ニ於テ地震保險トハ戰時特殊損害保險法ニ依ル地震保險ヲ謂フ
本法ニ於テ普通保險トハ前二項ニ規定スルモノ以外ノ損害保險ヲ謂フ
第十九條 損害保險中央會ハ左ノ業務ヲ行フ
一 普通保險ノ再保險ニ關スル取引
二 戰爭保險及地震保險ノ再保險ノ引受
三 損害保險ノ引受
四 前各號ノ業務ニ附帶スル業務
前項第三號ノ業務ノ範圍ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
損害保險中央會ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ第一項ノ業務ノ外損害保險中央會ノ目的達成上必要ナル業務ヲ行フコトヲ得
第二十條 損害保險中央會ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ外國保險會社ニ對シ出資ヲ爲シ又ハ外國保險會社ト損害保險ノ再保險ニ關スル取引ヲ爲スコトヲ得
第二十一條 主務大臣ハ損害保險中央會ノ目的達成上必要アリト認ムルトキハ損害保險中央會ニ對シ必要ナル業務ノ施行ヲ命ズルコトヲ得
第二十二條 損害保險中央會ハ損害保險會社ノ業務及財產ノ管理ヲ爲シ又ハ損害保險會社ヨリ保險契約ノ移轉ヲ受クルコトヲ得
業務及財產ノ管理竝ニ保險契約ノ移轉ニ關スル保險業法ノ規定ハ其ノ性質ノ許サザルモノヲ除クノ外前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二十三條 主務大臣ハ損害保險中央會ノ目的達成上必要アリト認ムルトキハ損害保險會社ニ對シ損害保險中央會ノ業務ノ一部ヲ取扱ハシメ其ノ他損害保險中央會ノ業務ニ協力セシムル爲必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第二十四條 保險會社ニ付戰爭保險關係又ハ地震保險關係成立シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ニ因リテ當該保險會社ト損害保險中央會トノ間ニ當該戰爭保險又ハ地震保險ニ付再保險關係成立スルモノトス保險會社戰時特殊損害保險法第五條ニ規定スル損害保險契約ヲ爲シタル場合ニ於テ同條ニ規定スル損害ヲ塡補スベキ保險會社ノ責任ニ付亦同ジ
木船保險組合ニ付木船保險法ニ依ル保險關係成立シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ニ因リテ木船保險組合ト損害保險中央會トノ間ニ當該保險ニ付再保險關係成立スルモノトス
第二十五條 主務大臣必要アリト認ムルトキハ保險會社ニ對シ其ノ引受ケタル普通保險ヲ損害保險中央會ノ再保險ニ付スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第二十六條 主務大臣ハ損害保險中央會ノ目的達成上必要アリト認ムルトキハ損害保險中央會ニ於テ再保險ヲ爲ス保險ニ付保險會社ニ對シ保險料其ノ他保險契約ニ關シ必要ナル命令ヲ爲シ又ハ保險ノ引受ヲ命ズルコトヲ得
第四章 經理
第二十七條 損害保險中央會ノ事業年度ハ四月ヨリ翌年三月迄トス
第二十八條 損害保險中央會ハ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ設立ノ時及每事業年度ノ初ニ於テ財產目錄、貸借對照表及損益計算書ヲ作成シ主務大臣ノ承認ヲ受クベシ
第二十九條 損害保險中央會剩餘ヲ得タルトキハ其ノ剩餘金ヲ政府ニ納付スベシ
政府ハ損害保險中央會ニ對シ其ノ業務ニ因リテ受ケタル損失ヲ補償ス
前二項ノ剩餘及損失ヲ決定スル基準其ノ他剩餘金納付及損失補償ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十條 前條ノ剩餘及損失竝ニ其ノ額ハ損害保險審查會之ヲ決定ス
損害保險審查會ノ組織及權限ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十一條 損害保險中央會ハ命令ノ定ムル所ニ依リ再保險ニ依ル收入金額ヨリ再保險ニ依ル支出金額ヲ控除シタル殘額ノ一部ヲ保險會社又ハ木船保險組合ニ交付スルコトヲ得
第五章 監督
第三十二條 損害保險中央會ハ主務大臣之ヲ監督ス
第三十三條 損害保險中央會借入金ヲ爲サントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第三十四條 主務大臣ハ損害保險中央會ノ目的達成上必要アリト認ムルトキハ定款ノ變更其ノ他必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第三十五條 損害保險中央會ハ業務開始ノ際保險約款、業務ノ方法及財產利用ノ方法ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
損害保險中央會ハ其ノ業務ニ屬スル保險ノ保險條件ノ中命令ヲ以テ定ムルモノニ付テハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
第三十六條 主務大臣ハ損害保險中央會ニ對シ業務及財產ノ狀況ニ關シ報吿ヲ爲サシメ、當該官吏ヲシテ檢查ヲ爲サシメ其ノ他監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第三十七條 主務大臣ハ損害保險中央會ニ於テ再保險ヲ爲ス保險ニ關シ必要アリト認ムルトキハ保險會社又ハ木船保險組合ヲシテ其ノ業務ニ關スル報吿ヲ爲サシムルコトヲ得
主務大臣ハ損害保險中央會ニ於テ再保險ヲ爲ス保險ニ關シ必要アリト認ムルトキハ當該官吏ヲシテ當該保險ノ目的ノ所在ノ場所、保險會社ノ營業所其ノ他ノ場所ニ臨檢シ當該物件又ハ業務ノ狀況若ハ帳簿書類ヲ檢查セシムルコトヲ得
第三十八條 主務大臣ハ損害保險中央會監理官ヲ置キ損害保險中央會ノ業務ヲ監視セシム
第三十九條 損害保險中央會監理官ハ何時ニテモ損害保險中央會ノ業務及財產ノ狀況ヲ檢查スルコトヲ得
損害保險中央會監理官ハ何時ニテモ損害保險中央會ニ命ジ業務及財產ノ狀況ヲ報吿セシムルコトヲ得
損害保險中央會監理官ハ損害保險中央會ノ諸般ノ會議ニ出席シ意見ヲ述ブルコトヲ得
第四十條 損害保險中央會ノ役員ノ行爲ガ法令、定款若ハ主務大臣ノ命令若ハ處分ニ違反シタルトキ若ハ公益ヲ害シタルトキ又ハ損害保險中央會ノ目的達成上特ニ必要アリト認ムルトキハ主務大臣ハ役員ヲ解任スルコトヲ得
第六章 罰則
第四十一條 當該官吏、第十七條ノ規定ニ依リ法令ニ依リ公務ニ從事スル職員ト看做サルル者又ハ此等ノ職ニ在リタル者損害保險中央會ノ戰爭保險又ハ地震保險ニ關スル業務上ノ祕密ニシテ職務上知得タルモノヲ漏泄シ又ハ竊用シタルトキハ五年以下ノ懲役ニ處ス
第四十二條 左ノ場合ニ於テハ損害保險中央會ノ理事長、副理事長、理事又ハ監事ヲ千圓以下ノ過料ニ處ス
一 本法(第二十二條第二項ニ於テ準用スル保險業法ノ規定ヲ除ク)ニ基キ主務大臣ノ認可ヲ受クベキ場合ニ於テ其ノ認可ヲ受ケザルトキ
二 本法ニ規定セザル業務ヲ行ヒタルトキ
三 主務大臣ノ命令又ハ處分ニ違反シタルトキ
四 第三十九條第一項又ハ第二項ノ規定ニ依ル損害保險中央會監理官ノ檢查ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シ又ハ其ノ命ズル報吿ヲ怠リ若ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シタルトキ
第四十三條 左ノ場合ニ於テハ損害保險中央會ノ理事長、副理事長、理事又ハ監事ヲ五百圓以下ノ過料ニ處ス
一 本法又ハ本法ニ基キテ發スル勅令ニ違反シテ登記ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ登記ヲ爲シタルトキ
二 第二十二條第二項ニ於テ準用スル保險業法第九十四條第一項又ハ第九十八條ノ規定ニ依ル公吿ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公吿ヲ爲シタルトキ
三 第二十八條ノ規定ニ依ル書類ヲ作成セザルトキ、其ノ書類ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載ヲ爲シタルトキ又ハ其ノ書類ニ付主務大臣ノ承認ヲ受ケザルトキ
第四十四條 左ノ場合ニ於テハ保險會社ノ取締役、監查役、淸算人若ハ此等ニ準ズル者又ハ支配人ヲ五千圓以下ノ過料ニ處ス
一 第二十二條第二項ニ於テ準用スル保險業法第九十四條ノ規定又ハ同條ニ基ク勅令ニ違反シテ登記ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ登記ヲ爲シタルトキ
二 第二十二條第二項ニ於テ準用スル保險業法第九十四條第一項、第九十八條、第百四條第三項、第百十二條第一項又ハ第百十六條ノ規定ニ依ル公吿ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公吿ヲ爲シタルトキ
三 第二十五條又ハ第二十六條ノ規定ニ基キテ爲ス主務大臣ノ命令ニ違反シタルトキ
四 前號ノ場合ヲ除クノ外本法(第二十二條第二項ニ於テ準用スル保險業法第百一條第四項及第百二十三條ノ規定ヲ含ム)ニ基キテ爲ス主務大臣ノ命令ニ違反シタルトキ
五 第二十二條第二項ニ於テ準用スル保險業法第百十二條ノ規定ニ違反シテ保險契約移轉ノ手續ヲ爲シタルトキ
六 第二十二條第二項ニ於テ準用スル保險業法第百十三條又ハ第百十五條ノ規定ニ違反シテ保險契約、財產ノ處分又ハ債務ヲ負擔スベキ行爲ヲ爲シタルトキ
七 第三十七條第一項ノ規定ニ依ル報吿ヲ怠リ又ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シタルトキ
前項第三號及第七號ノ罰則ハ保險會社ニ付業務及財產ノ管理ノ委託アリタル場合ニ於テ其ノ委託アリタル業務ニ付テハ管理ノ受託會社ノ取締役其ノ他ノ業務ヲ執行スル役員又ハ支配人ニ、業務及財產ノ管理ノ命令アリタル場合ニ於テハ保險管理人(保險管理人會社ナルトキハ其ノ取締役其ノ他ノ業務ヲ執行スル役員又ハ支配人)ニ之ヲ適用ス
第四十五條 木船保險組合第三十七條第一項ノ規定ニ依ル報吿ヲ怠リ又ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シタルトキハ其ノ理事長其ノ他ノ業務ヲ執行スル役員ヲ五千圓以下ノ過料ニ處ス
第四十六條 第三十七條第二項ノ規定ニ依ル臨檢檢查ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第四十七條 第十條ノ規定ニ違反シテ損害保險中央會又ハ之ニ類似スル名稱ヲ用ヒタル者ハ千圓以下ノ過料ニ處ス
第七章 雜則
第四十八條 本法ヲ朝鮮又ハ臺灣ニ施行スル場合ニ於テ必要アルトキハ勅令ヲ以テ特別ノ定ヲ爲スコトヲ得
附 則
第四十九條 本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ之ヲ定ム但シ第五十八條乃至第六十一條ノ規定ハ昭和二十年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第五十條 政府ハ設立委員ヲ命ジ損害保險中央會ノ設立ニ關スル事務ヲ處理セシム
第五十一條 設立委員ハ定款ヲ作成シ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
前項ノ認可アリタルトキハ設立委員ハ遲滯ナク出資ノ拂込ヲ政府ニ禀請スベシ
第五十二條 前條第二項ノ拂込完了シタルトキハ設立委員ハ遲滯ナク其ノ事務ヲ損害保險中央會理事長ニ引渡スベシ
理事長前項ノ事務ノ引渡ヲ受ケタルトキハ主タル事務所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲スベシ
損害保險中央會ハ前項ノ登記ヲ爲スニ因リテ成立ス
第五十三條 本法ニ規定スルモノヲ除クノ外損害保險中央會ノ設立ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十四條 登錄稅法中左ノ通改正ス
第十九條第七號中「帝都高速度交通營團」ノ上ニ「損害保險中央會、」ヲ、「帝都高速度交通營團法」ノ上ニ「損害保險中央會社、」ヲ加フ
第五十五條 印紙稅法中左ノ通改正ス
第五條第五號ノ四ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
五ノ五 損害保險中央會ノ業務ニ關スル證書帳簿
第五十六條 戰時特殊損害保險法中左ノ通改正ス
第二條中「目的タル物ニ付」及「申込者ト」ノ下ニ「損害保險中央會又ハ」ヲ加フ
第五條中「損害保險ニ在リテハ」ノ下ニ「損害保險中央會又ハ」ヲ加フ
第七條及第八條中「保險會社」ノ上ニ「損害保險中央會又ハ」ヲ加フ
第十條及第十一條中「保險會社」ノ上ニ「損害保險中央會又ハ」ヲ加ヘ「戰時損害保險審查會」ヲ「損害保險審查會」ニ改ム
第十三條中「必要アリト認ムルトキハ」ノ下ニ「損害保險中央會、」ヲ加フ
第十五條第一項中「必要アリト認ムルトキハ」ノ下ニ「損害保險中央會、」ヲ、同條第二項中「所在ノ場所、」ノ下ニ「損害保險中央會ノ事務所、」ヲ加フ
第十六條及第十七條 削除
第十八條第一項ヲ左ノ如ク改ム
法人稅法ニ依ル所得、營業稅法ニ依ル純益及臨時利得稅法ニ依ル利益ノ計算ニ付テハ保險會社ノ戰爭保險又ハ地震保險ニ關スル業務ニ基キ收入シタル金額ノ全部及第五條ノ損害保險ニ關スル業務ニ基キ收入シタル金額中命令ヲ以テ定ムル額ハ其ノ總益金ヨリ、保險會社ノ戰爭保險又ハ地震保險ニ關スル業務ニ基キ支出シタル金額ノ全部及同條ノ損害保險ニ關スル業務ニ基キ同條ニ規定スル事故ニ因リテ生ジタル損害ニ關シ支出シタル金額ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノハ其ノ總損金ヨリ之ヲ控除ス
第十九條中「必要アリト認ムルトキハ」ノ下ニ「損害保險中央會、」ヲ加フ
第二十三條中「戰時損害保險審查會」ヲ「損害保險審查會」ニ改ム
第五十七條 前條ノ規定施行前成立シタル戰時特殊損害保險法ニ依ル戰爭保險契約及地震保險契約ニ基ク保險會社ノ收支竝ニ同法第五條ノ損害保險契約ニ基ク保險會社ノ收支ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノニ關シテハ仍從前ノ例ニ依ル
第五十八條 損害保險國營再保險法ハ之ヲ廢止ス
損害保險國營再保險特別會計法ハ之ヲ廢止ス但シ昭和十九年度分ニ付テハ仍其ノ效力ヲ有ス
第五十九條 前條ノ規定施行前成立シタル損害保險國營再保險法ニ依ル再保險關係ニ基キ損害保險國營再保險特別會計廢止ノ際政府ガ保險會社又ハ木船保險組合ニ對シテ有スル權利義務ハ損害保險中央會ニ於テ之ヲ承繼ス
前項ニ規定スルモノヲ除クノ外損害保險國營再保險特別會計廢止ノ際之ニ屬スル權利義務ハ之ヲ一般會計ニ歸屬セシム
第六十條 第五十八條第一項ノ規定施行前損害保險國營再保險法ニ違反シタル者ノ處罰ニ付テハ仍同法ニ依ル
第六十一條 前二條ニ規定スルモノヲ除クノ外第五十八條第一項ノ規定施行ノ際必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル損害保険中央会法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年二月十三日
内閣総理大臣 小磯国昭
大蔵大臣 石渡荘太郎
運輸通信大臣 前田米蔵
内務大臣 大達茂雄
法律第十二号
損害保険中央会法
第一章 総則
第一条 損害保険中央会ハ損害保険制度ノ適切ナル運営ニ資スルコトヲ目的トス
損害保険中央会ハ法人トス
第二条 損害保険中央会ハ主タル事務所ヲ東京都ニ置ク
損害保険中央会ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ必要ノ地ニ従タル事務所ヲ設置スルコトヲ得
第三条 損害保険中央会ハ損害保険会社其ノ他主務大臣ノ指定スル者ヲシテ業務ノ一部ヲ取扱ハシムルコトヲ得
第四条 損害保険中央会ノ基金ハ五千万円トス
第五条 政府ハ五千万円ヲ損害保険中央会ニ出資スベシ
前号ノ出資ハ国債証券ヲ交付シテ之ヲ為スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ交付スル国債証券ノ交付価格ハ時価ヲ参酌シテ大蔵大臣之ヲ定ム
第六条 損害保険中央会ハ定款ヲ以テ左ノ事項ヲ規定スベシ
一 目的
二 名称
三 事務所ノ所在地
四 基金及資産ニ関スル事項
五 役員ニ関スル事項
六 業務及其ノ執行ニ関スル事項
七 経理ニ関スル事項
八 公告ノ方法
定款ノ変更ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第七条 損害保険中央会ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ登記ヲ為スベシ
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登記ノ後ニ非ザレハ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ
第八条 損害保険中央会ニハ所得税、法人税及営業税ヲ課セズ
都道府県、市町村其ノ他之ニ準ズベキモノハ損害保険中央会ノ事業ニ対シテハ地方税ヲ課スルコトヲ得ズ但シ特別ノ事情ニ基キ内務大臣及大蔵大臣ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第九条 損害保険中央会ニ付解散ヲ必要トスル事由発生シタル場合ニ於テ其ノ処置ニ関シテハ別ニ法律ヲ以テ之ヲ定ム
第十条 損害保険中央会ニ非ザル者ハ損害保険中央会又ハ之ニ類似スル名称ヲ用フルコトヲ得ズ
第十一条 民法第四十四条、第五十条、第五十四条及第五十七条並ニ非訟事件手続法第三十五条第一項ノ規定ハ損害保険中央会ニ之ヲ準用ス
第二章 職員
第十二条 損害保険中央会ニ役員トシテ理事長副理事長各一人、理事三人以上、監事二人以上及評議員若干人ヲ置ク
第十三条 理事長ハ損害保険中央会ヲ代表シ其ノ業務ヲ総理ス
副理事長ハ定款ノ定ムル所ニ依リ損害保険中央会ヲ代表シ理事長ヲ輔佐シテ損害保険中央会ノ業務ヲ掌理シ理事長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ理事長欠員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ損害保険中央会ヲ代表シ理事長及副理事長ヲ輔佐シテ損害保険中央会ノ業務ヲ掌理シ理事長及副理事長共ニ事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ理事長及副理事長共ニ欠員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ損害保険中央会ノ業務ヲ監査ス
評議員ハ損害保険中央会ノ業務ニ関スル重要事項ニ付理事長ノ諮問ニ応ジ又ハ理事長ニ対シ意見ヲ述ブルコトヲ得
理事長ハ主務大臣ノ定ムル事項ニ付テハ評議員ニ諮問スベシ
第十四条 理事長、監事及評議員ハ主務大臣之ヲ命ズ
副理事長及理事ハ理事長ノ推薦シタル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
理事長、副理事長及理事ノ任期ハ三年、監事及評議員ノ任期ハ二年トス
第十五条 理事長、副理事長及理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ従タル事務所ノ業務ニ関シ一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行為ヲ為ス権限ヲ有スル代理人ヲ選任スルコトヲ得
第十六条 理事長、副理事長及理事ハ他ノ職業ニ従事スルコトヲ得ズ但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十七条 損害保険中央会ノ職員ハ之ヲ法令ニ依リ公務ニ従事スル職員ト看做ス
第三条又ハ第二十三条ノ場合ニ於テ当該業務ニ従事スル者(其ノ者ガ法人ナルトキハ当該業務ニ従事スル職員)ニ付亦前項ニ同ジ
第三章 業務
第十八条 本法ニ於テ戦争保険トハ戦時特殊損害保険法ニ依ル戦争保険、木船保険法ニ依ル戦争保険其ノ他戦争其ノ他ノ変乱ニ因ル襲撃、捕獲其ノ他ノ事故又ハ商慣習ニ於テ之ニ準ジテ取扱ハルル事故ノミヲ保険事故トスル海上保険ヲ謂フ
本法ニ於テ地震保険トハ戦時特殊損害保険法ニ依ル地震保険ヲ謂フ
本法ニ於テ普通保険トハ前二項ニ規定スルモノ以外ノ損害保険ヲ謂フ
第十九条 損害保険中央会ハ左ノ業務ヲ行フ
一 普通保険ノ再保険ニ関スル取引
二 戦争保険及地震保険ノ再保険ノ引受
三 損害保険ノ引受
四 前各号ノ業務ニ附帯スル業務
前項第三号ノ業務ノ範囲ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
損害保険中央会ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ第一項ノ業務ノ外損害保険中央会ノ目的達成上必要ナル業務ヲ行フコトヲ得
第二十条 損害保険中央会ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ外国保険会社ニ対シ出資ヲ為シ又ハ外国保険会社ト損害保険ノ再保険ニ関スル取引ヲ為スコトヲ得
第二十一条 主務大臣ハ損害保険中央会ノ目的達成上必要アリト認ムルトキハ損害保険中央会ニ対シ必要ナル業務ノ施行ヲ命ズルコトヲ得
第二十二条 損害保険中央会ハ損害保険会社ノ業務及財産ノ管理ヲ為シ又ハ損害保険会社ヨリ保険契約ノ移転ヲ受クルコトヲ得
業務及財産ノ管理並ニ保険契約ノ移転ニ関スル保険業法ノ規定ハ其ノ性質ノ許サザルモノヲ除クノ外前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二十三条 主務大臣ハ損害保険中央会ノ目的達成上必要アリト認ムルトキハ損害保険会社ニ対シ損害保険中央会ノ業務ノ一部ヲ取扱ハシメ其ノ他損害保険中央会ノ業務ニ協力セシムル為必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第二十四条 保険会社ニ付戦争保険関係又ハ地震保険関係成立シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ニ因リテ当該保険会社ト損害保険中央会トノ間ニ当該戦争保険又ハ地震保険ニ付再保険関係成立スルモノトス保険会社戦時特殊損害保険法第五条ニ規定スル損害保険契約ヲ為シタル場合ニ於テ同条ニ規定スル損害ヲ填補スベキ保険会社ノ責任ニ付亦同ジ
木船保険組合ニ付木船保険法ニ依ル保険関係成立シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ニ因リテ木船保険組合ト損害保険中央会トノ間ニ当該保険ニ付再保険関係成立スルモノトス
第二十五条 主務大臣必要アリト認ムルトキハ保険会社ニ対シ其ノ引受ケタル普通保険ヲ損害保険中央会ノ再保険ニ付スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第二十六条 主務大臣ハ損害保険中央会ノ目的達成上必要アリト認ムルトキハ損害保険中央会ニ於テ再保険ヲ為ス保険ニ付保険会社ニ対シ保険料其ノ他保険契約ニ関シ必要ナル命令ヲ為シ又ハ保険ノ引受ヲ命ズルコトヲ得
第四章 経理
第二十七条 損害保険中央会ノ事業年度ハ四月ヨリ翌年三月迄トス
第二十八条 損害保険中央会ハ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ設立ノ時及毎事業年度ノ初ニ於テ財産目録、貸借対照表及損益計算書ヲ作成シ主務大臣ノ承認ヲ受クベシ
第二十九条 損害保険中央会剰余ヲ得タルトキハ其ノ剰余金ヲ政府ニ納付スベシ
政府ハ損害保険中央会ニ対シ其ノ業務ニ因リテ受ケタル損失ヲ補償ス
前二項ノ剰余及損失ヲ決定スル基準其ノ他剰余金納付及損失補償ニ関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十条 前条ノ剰余及損失並ニ其ノ額ハ損害保険審査会之ヲ決定ス
損害保険審査会ノ組織及権限ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十一条 損害保険中央会ハ命令ノ定ムル所ニ依リ再保険ニ依ル収入金額ヨリ再保険ニ依ル支出金額ヲ控除シタル残額ノ一部ヲ保険会社又ハ木船保険組合ニ交付スルコトヲ得
第五章 監督
第三十二条 損害保険中央会ハ主務大臣之ヲ監督ス
第三十三条 損害保険中央会借入金ヲ為サントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第三十四条 主務大臣ハ損害保険中央会ノ目的達成上必要アリト認ムルトキハ定款ノ変更其ノ他必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第三十五条 損害保険中央会ハ業務開始ノ際保険約款、業務ノ方法及財産利用ノ方法ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ之ヲ変更セントスルトキ亦同ジ
損害保険中央会ハ其ノ業務ニ属スル保険ノ保険条件ノ中命令ヲ以テ定ムルモノニ付テハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ之ヲ変更セントスルトキ亦同ジ
第三十六条 主務大臣ハ損害保険中央会ニ対シ業務及財産ノ状況ニ関シ報告ヲ為サシメ、当該官吏ヲシテ検査ヲ為サシメ其ノ他監督上必要ナル命令ヲ発シ又ハ処分ヲ為スコトヲ得
第三十七条 主務大臣ハ損害保険中央会ニ於テ再保険ヲ為ス保険ニ関シ必要アリト認ムルトキハ保険会社又ハ木船保険組合ヲシテ其ノ業務ニ関スル報告ヲ為サシムルコトヲ得
主務大臣ハ損害保険中央会ニ於テ再保険ヲ為ス保険ニ関シ必要アリト認ムルトキハ当該官吏ヲシテ当該保険ノ目的ノ所在ノ場所、保険会社ノ営業所其ノ他ノ場所ニ臨検シ当該物件又ハ業務ノ状況若ハ帳簿書類ヲ検査セシムルコトヲ得
第三十八条 主務大臣ハ損害保険中央会監理官ヲ置キ損害保険中央会ノ業務ヲ監視セシム
第三十九条 損害保険中央会監理官ハ何時ニテモ損害保険中央会ノ業務及財産ノ状況ヲ検査スルコトヲ得
損害保険中央会監理官ハ何時ニテモ損害保険中央会ニ命ジ業務及財産ノ状況ヲ報告セシムルコトヲ得
損害保険中央会監理官ハ損害保険中央会ノ諸般ノ会議ニ出席シ意見ヲ述ブルコトヲ得
第四十条 損害保険中央会ノ役員ノ行為ガ法令、定款若ハ主務大臣ノ命令若ハ処分ニ違反シタルトキ若ハ公益ヲ害シタルトキ又ハ損害保険中央会ノ目的達成上特ニ必要アリト認ムルトキハ主務大臣ハ役員ヲ解任スルコトヲ得
第六章 罰則
第四十一条 当該官吏、第十七条ノ規定ニ依リ法令ニ依リ公務ニ従事スル職員ト看做サルル者又ハ此等ノ職ニ在リタル者損害保険中央会ノ戦争保険又ハ地震保険ニ関スル業務上ノ秘密ニシテ職務上知得タルモノヲ漏泄シ又ハ窃用シタルトキハ五年以下ノ懲役ニ処ス
第四十二条 左ノ場合ニ於テハ損害保険中央会ノ理事長、副理事長、理事又ハ監事ヲ千円以下ノ過料ニ処ス
一 本法(第二十二条第二項ニ於テ準用スル保険業法ノ規定ヲ除ク)ニ基キ主務大臣ノ認可ヲ受クベキ場合ニ於テ其ノ認可ヲ受ケザルトキ
二 本法ニ規定セザル業務ヲ行ヒタルトキ
三 主務大臣ノ命令又ハ処分ニ違反シタルトキ
四 第三十九条第一項又ハ第二項ノ規定ニ依ル損害保険中央会監理官ノ検査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シ又ハ其ノ命ズル報告ヲ怠リ若ハ虚偽ノ報告ヲ為シタルトキ
第四十三条 左ノ場合ニ於テハ損害保険中央会ノ理事長、副理事長、理事又ハ監事ヲ五百円以下ノ過料ニ処ス
一 本法又ハ本法ニ基キテ発スル勅令ニ違反シテ登記ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ登記ヲ為シタルトキ
二 第二十二条第二項ニ於テ準用スル保険業法第九十四条第一項又ハ第九十八条ノ規定ニ依ル公告ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公告ヲ為シタルトキ
三 第二十八条ノ規定ニ依ル書類ヲ作成セザルトキ、其ノ書類ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載ヲ為シタルトキ又ハ其ノ書類ニ付主務大臣ノ承認ヲ受ケザルトキ
第四十四条 左ノ場合ニ於テハ保険会社ノ取締役、監査役、清算人若ハ此等ニ準ズル者又ハ支配人ヲ五千円以下ノ過料ニ処ス
一 第二十二条第二項ニ於テ準用スル保険業法第九十四条ノ規定又ハ同条ニ基ク勅令ニ違反シテ登記ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ登記ヲ為シタルトキ
二 第二十二条第二項ニ於テ準用スル保険業法第九十四条第一項、第九十八条、第百四条第三項、第百十二条第一項又ハ第百十六条ノ規定ニ依ル公告ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公告ヲ為シタルトキ
三 第二十五条又ハ第二十六条ノ規定ニ基キテ為ス主務大臣ノ命令ニ違反シタルトキ
四 前号ノ場合ヲ除クノ外本法(第二十二条第二項ニ於テ準用スル保険業法第百一条第四項及第百二十三条ノ規定ヲ含ム)ニ基キテ為ス主務大臣ノ命令ニ違反シタルトキ
五 第二十二条第二項ニ於テ準用スル保険業法第百十二条ノ規定ニ違反シテ保険契約移転ノ手続ヲ為シタルトキ
六 第二十二条第二項ニ於テ準用スル保険業法第百十三条又ハ第百十五条ノ規定ニ違反シテ保険契約、財産ノ処分又ハ債務ヲ負担スベキ行為ヲ為シタルトキ
七 第三十七条第一項ノ規定ニ依ル報告ヲ怠リ又ハ虚偽ノ報告ヲ為シタルトキ
前項第三号及第七号ノ罰則ハ保険会社ニ付業務及財産ノ管理ノ委託アリタル場合ニ於テ其ノ委託アリタル業務ニ付テハ管理ノ受託会社ノ取締役其ノ他ノ業務ヲ執行スル役員又ハ支配人ニ、業務及財産ノ管理ノ命令アリタル場合ニ於テハ保険管理人(保険管理人会社ナルトキハ其ノ取締役其ノ他ノ業務ヲ執行スル役員又ハ支配人)ニ之ヲ適用ス
第四十五条 木船保険組合第三十七条第一項ノ規定ニ依ル報告ヲ怠リ又ハ虚偽ノ報告ヲ為シタルトキハ其ノ理事長其ノ他ノ業務ヲ執行スル役員ヲ五千円以下ノ過料ニ処ス
第四十六条 第三十七条第二項ノ規定ニ依ル臨検検査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
第四十七条 第十条ノ規定ニ違反シテ損害保険中央会又ハ之ニ類似スル名称ヲ用ヒタル者ハ千円以下ノ過料ニ処ス
第七章 雑則
第四十八条 本法ヲ朝鮮又ハ台湾ニ施行スル場合ニ於テ必要アルトキハ勅令ヲ以テ特別ノ定ヲ為スコトヲ得
附 則
第四十九条 本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ之ヲ定ム但シ第五十八条乃至第六十一条ノ規定ハ昭和二十年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第五十条 政府ハ設立委員ヲ命ジ損害保険中央会ノ設立ニ関スル事務ヲ処理セシム
第五十一条 設立委員ハ定款ヲ作成シ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
前項ノ認可アリタルトキハ設立委員ハ遅滞ナク出資ノ払込ヲ政府ニ禀請スベシ
第五十二条 前条第二項ノ払込完了シタルトキハ設立委員ハ遅滞ナク其ノ事務ヲ損害保険中央会理事長ニ引渡スベシ
理事長前項ノ事務ノ引渡ヲ受ケタルトキハ主タル事務所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ為スベシ
損害保険中央会ハ前項ノ登記ヲ為スニ因リテ成立ス
第五十三条 本法ニ規定スルモノヲ除クノ外損害保険中央会ノ設立ニ関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十四条 登録税法中左ノ通改正ス
第十九条第七号中「帝都高速度交通営団」ノ上ニ「損害保険中央会、」ヲ、「帝都高速度交通営団法」ノ上ニ「損害保険中央会社、」ヲ加フ
第五十五条 印紙税法中左ノ通改正ス
第五条第五号ノ四ノ次ニ左ノ一号ヲ加フ
五ノ五 損害保険中央会ノ業務ニ関スル証書帳簿
第五十六条 戦時特殊損害保険法中左ノ通改正ス
第二条中「目的タル物ニ付」及「申込者ト」ノ下ニ「損害保険中央会又ハ」ヲ加フ
第五条中「損害保険ニ在リテハ」ノ下ニ「損害保険中央会又ハ」ヲ加フ
第七条及第八条中「保険会社」ノ上ニ「損害保険中央会又ハ」ヲ加フ
第十条及第十一条中「保険会社」ノ上ニ「損害保険中央会又ハ」ヲ加ヘ「戦時損害保険審査会」ヲ「損害保険審査会」ニ改ム
第十三条中「必要アリト認ムルトキハ」ノ下ニ「損害保険中央会、」ヲ加フ
第十五条第一項中「必要アリト認ムルトキハ」ノ下ニ「損害保険中央会、」ヲ、同条第二項中「所在ノ場所、」ノ下ニ「損害保険中央会ノ事務所、」ヲ加フ
第十六条及第十七条 削除
第十八条第一項ヲ左ノ如ク改ム
法人税法ニ依ル所得、営業税法ニ依ル純益及臨時利得税法ニ依ル利益ノ計算ニ付テハ保険会社ノ戦争保険又ハ地震保険ニ関スル業務ニ基キ収入シタル金額ノ全部及第五条ノ損害保険ニ関スル業務ニ基キ収入シタル金額中命令ヲ以テ定ムル額ハ其ノ総益金ヨリ、保険会社ノ戦争保険又ハ地震保険ニ関スル業務ニ基キ支出シタル金額ノ全部及同条ノ損害保険ニ関スル業務ニ基キ同条ニ規定スル事故ニ因リテ生ジタル損害ニ関シ支出シタル金額ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノハ其ノ総損金ヨリ之ヲ控除ス
第十九条中「必要アリト認ムルトキハ」ノ下ニ「損害保険中央会、」ヲ加フ
第二十三条中「戦時損害保険審査会」ヲ「損害保険審査会」ニ改ム
第五十七条 前条ノ規定施行前成立シタル戦時特殊損害保険法ニ依ル戦争保険契約及地震保険契約ニ基ク保険会社ノ収支並ニ同法第五条ノ損害保険契約ニ基ク保険会社ノ収支ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノニ関シテハ仍従前ノ例ニ依ル
第五十八条 損害保険国営再保険法ハ之ヲ廃止ス
損害保険国営再保険特別会計法ハ之ヲ廃止ス但シ昭和十九年度分ニ付テハ仍其ノ効力ヲ有ス
第五十九条 前条ノ規定施行前成立シタル損害保険国営再保険法ニ依ル再保険関係ニ基キ損害保険国営再保険特別会計廃止ノ際政府ガ保険会社又ハ木船保険組合ニ対シテ有スル権利義務ハ損害保険中央会ニ於テ之ヲ承継ス
前項ニ規定スルモノヲ除クノ外損害保険国営再保険特別会計廃止ノ際之ニ属スル権利義務ハ之ヲ一般会計ニ帰属セシム
第六十条 第五十八条第一項ノ規定施行前損害保険国営再保険法ニ違反シタル者ノ処罰ニ付テハ仍同法ニ依ル
第六十一条 前二条ニ規定スルモノヲ除クノ外第五十八条第一項ノ規定施行ノ際必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム