第一條 この法律施行の際生命保險中央会がその保險業務に関し有する権利義務は、その日において、主務大臣の指示するところに從い、協栄生命保險株式会社が、これを承継する。
協栄生命保險株式会社が前項の規定により権利義務を承継した場合においては、主務大臣の定める日までは、前に生命保險中央会の旧勘定(金融機関経理應急措置法第一條第一項の規定により設けられた旧勘定をいう。)に属していた保險契約については、債務の弁済、契約の解除、保險金額の減少その他の條件の変更又は当該保險約款に基く貸付は、これをなすことができない。
第二條 協栄生命保險株式会社が前條第一項の規定により生命保險中央会から承継した旧戰爭死亡傷害保險法による保險契約及び生命保險における戰爭危險(戰爭その他の変乱に因る死亡をいう。以下同じ。)の再保險契約に関する権利義務に係る業務に因り損失を受けたときは、政府は、協栄生命保險株式会社に対し、その損失を補償する。
協栄生命保險株式会社は、前項の業務に因り利益を得たときは、その利益金を政府に納付しなければならない。
前二項の場合において、損失及び利益を決定する基準その他損失の補償及び利益金の納付に関し必要な事項は、主務大臣がこれを定める。
第三條 この法律施行の際損害保險中央会がその保險業務に関し有する権利義務は、その日において、主務大臣の指示するところに從い、東亞火災海上保險株式会社が、これを承継する。
第四條 東亞火災海上保險株式会社が前條の規定により損害保險中央会から承継した権利義務に係る業務に因り損失を受けたときは、政府は、東亞火災海上保險株式会社に対し、その損失を補償する。
東亞火災海上保險株式会社は、前項の業務に因り利益を得たときは、その利益金を政府に納付しなければならない。
前二項の規定は、金融機関再建整備法第二十六條第二項、第四十條第一項又は第四十一條第一項若しくは第二項の規定により東亞火災海上保險株式会社から第一項の業務に関する権利義務を承継した保險会社に、これを準用する。
第二條第三項の規定は、前三項の場合に、これを準用する。
第五條 協栄生命保險株式会社は、旧戰爭死亡傷害保險法による保險に関する業務に基く收支、生命保險における戰爭危險の再保險に関する業務に基く收支並びに前に外國保險会社を保險者としていた保險契約に関する業務に関する財産及び当該業務に基く收支を、夫ゝ他の財産及び收支と区分経理しなければならない。
東亞火災海上保險株式会社及び前條第三項の保險会社は、同條第一項の業務に基く收支を、他の收支と区分経理しなければならない。
第六條 東亞火災海上保險株式会社及び第四條第三項の保險会社の同條第一項の業務に関する書類には、印紙税を課さない。
第七條 法人税法による所得及び地方税法により営業税を課する場合における純益の計算については、協栄生命保險株式会社の旧戰爭死亡傷害保險法による保險に関する業務に基く收入、生命保險における戰爭危險の再保險に関する業務に基く收入及びこれらの業務に因り受けた損失の補償金並びに東亞火災海上保險株式会社及び第四條第三項の保險会社の同條第一項の業務に基く收入及び当該業務に因り受けた損失の補償金は、夫ゝその総益金から控除するものとし、協栄生命保險株式会社の旧戰爭死亡傷害保險法による保險に関する業務に基く支出、生命保險における戰爭危險の再保險に関する業務に基く支出及びこれらの業務に因り受けた利益に係る納付金並びに東亞火災海上保險株式会社及び第四條第三項の保險会社の同條第一項の業務に基く支出及び当該業務に因り受けた利益に係る納付金は、夫ゝその総損金から控除するものとする。
第八條 第一條第一項又は第三條の規定により生命保險中央会又は損害保險中央会からその所有に係る有價証券の移轉がある場合においては、有價証券移轉税は、これを課さない。
第九條 生命保險中央会及び損害保險中央会は、主務大臣の指定する日において、解散する。
生命保險中央会及び損害保險中央会は、前項の規定により主務大臣の指定する日以後においても、清算の目的の範囲内においては、その清算の結了に至るまでは、なお存続するものとみなす。
前項に定めるものの外、第一項の場合において必要な事項は、政令でこれを定める。