統制会社令
法令番号: 勅令第七百八十四號
公布年月日: 昭和18年10月18日
法令の形式: 勅令
朕統制會社令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年十月十五日
內閣總理大臣兼商工大臣 東條英機
厚生大臣 小泉親彥
大藏大臣 賀屋興宣
鐵道大臣兼遞信大臣 八田嘉明
內務大臣 安藤紀三郞
大東亞大臣 靑木一男
農林大臣 山崎達之輔
勅令第七百八十四號
統制會社令
第一條 國家總動員法(昭和十三年勅令第三百十七號ニ於テ依ル場合ヲ含ム以下同ジ)第十八條ノ規定ニ基ク事業ノ統制ノ爲ニスル經營ヲ目的トスル會社ノ設立ニ關スル命令及其ノ命令ニ依リ設立シタル會社(以下統制會社ト稱ス)ニ關シ必要ナル事項ニ付テハ別ニ定ムルモノヲ除クノ外本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 統制會社ハ國民經濟ノ總力ヲ最モ有效ニ發揮セシムル爲物資ノ生產(加工、取附及修理ヲ含ム以下同ジ)、配給、輸出、輸入若ハ保管又ハ人若ハ物ノ運送ヲ爲ス事業ノ統制ノ爲ニスル經營ヲ行フコトヲ目的トスル株式會社トス
第三條 行政官廳統制會社ヲ設立セシメントスルトキハ第二項又ハ第三十二條第一項ノ規定ニ依リ統制會社ノ設立ヲ命ズル場合ヲ除クノ外物資ノ生產、配給、輸出、輸入若ハ保管又ハ人若ハ物ノ運送ヲ爲スヲ業トスル者又ハ此等ノ者ノ團體タル法人ニ對シ統制會社ノ設立ヲ命ズベシ
行政官廳ハ現ニ前條ニ揭グル事業ノ統制ノ爲ニスル經營ヲ目的トスル株式會社ニ對シ統制會社ト爲ルベキコトヲ命ズルコトヲ得
第四條 行政官廳前條第一項ノ規定ニ依リ統制會社ノ設立ヲ命ズル場合ニ於テハ左ニ揭グル事項ヲ指定シ之ヲ公示スベシ
一 設立ノ命令ヲ受クベキ者ノ氏名又ハ名稱及住所
二 統制會社ノ目的
三 統制會社ヲ設立スベキ期限
四 其ノ他必要ト認ムル事項
行政官廳前條第二項ノ規定ニ依リ統制會社ノ設立ヲ命ズル場合ニ於テハ當該會社ニ對シ前項各號ニ揭グル事項ノ外統制會社ト爲ルベキ旨ヲ記載シタル命令書ヲ交付シ且當該記載事項(前項第四號ニ揭グル事項ヲ除ク)ヲ公示スベシ
第五條 前條第一項ノ場合ニ於テハ行政官廳ハ設立委員ヲ選任セシムル爲當該事業ニ關シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ銓衡委員ヲ命ジ其ノ氏名及住所ヲ公示スベシ
銓衡委員ハ第三條第一項ノ規定ニ依リ統制會社ノ設立ヲ命ゼラレタル者ノ中ヨリ設立委員ヲ選任シ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
行政官廳前項ノ認可ヲ爲シタルトキハ設立委員ノ氏名又ハ名稱及住所ヲ公示スベシ
第六條 設立委員ハ定款、株式ノ割當ニ關スル計畫其ノ他統制會社ノ設立ニ關シ必要ナル事項ヲ定メ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ認可ヲ受ケタル事項ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
前項前段ノ認可ヲ受ケントスルトキハ認可申請書ニ事業計畫書及事業收支目論見書ヲ添附スベシ
第七條 第三條第一項ノ規定ニ依リ統制會社ノ設立ヲ命ゼラレタル者設立委員ヨリ前條第一項ノ認可ヲ受ケタル株式ノ割當ニ關スル計畫ニ付通知ヲ受ケタルトキハ當該計畫ニ從ヒ株式ノ申込ヲ爲スベシ
第八條 株式申込證ニハ商法第百七十五條第二項第二號乃至第六號ニ揭グル事項ノ外定款認可ノ年月日ヲ記載スベシ
第九條 株式總數ノ引受アリタルトキハ設立委員ハ株式申込證ヲ行政官廳ニ提出シ其ノ檢査ヲ受クベシ
第十條 商法第二編第四章ノ規定ノ適用ニ付テハ設立委員ハ之ヲ發起人ト看做ス
第十一條 商法第百六十五條、第百六十七條、第百七十三條、第百八十一條及第百八十五條ノ規定ハ統制會社ノ設立ニハ之ヲ適用セズ
第十二條 第三條第二項ノ規定ニ依リ統制會社ト爲ルベキコトヲ命ゼラレタル株式會社(以下受命會社ト稱ス)ハ株主總會ノ決議ヲ以テ統制會社ト爲ルモノトス
前項ノ株主總會ニ於テハ定款其ノ他統制會社ノ設立ニ關シ必要ナル事項ヲ定ムルコトヲ要ス
前二項ノ決議ハ商法第三百四十三條ノ規定ニ依ルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ
第二項ノ決議(社長候補者ノ推薦竝ニ理事及監事ノ選任ヲ除ク)ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
前項ノ認可ヲ受ケントスルトキハ認可申請書ニ株主總會ノ議事錄ノ謄本竝ニ受命會社ノ定款、財產目錄及貸借對照表ヲ添附スベシ
第十三條 受命會社ハ統制會社ノ成立ニ因リ之ニ吸收セラルルモノトシ受命會社ノ權利義務ハ統制會社ニ於テ之ヲ承繼ス
第十四條 行政官廳ハ設立委員又ハ受命會社ニ對シ統制會社ノ設立ニ關スル事務ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第十五條 統制會社ハ其ノ商號中ニ統制ナル文字ヲ用フベシ
統制會社ニ非ザル會社ハ其ノ商號中ニ統制ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第十六條 統制會社ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ニ揭グル事業ヲ行フ
一 物資ノ購入、販賣其ノ他配給
二 物資ノ輸出又ハ輸入
三 物資ノ生產
四 物資ノ保管
五 人又ハ物ノ運送
六 前各號ニ揭グルモノノ外統制會社ノ目的ヲ達スル爲必要ナル事業
統制會社前項第六號ノ事業ヲ行ハントスルトキハ第二十五條ノ規定ニ依ル行政官廳ノ命令アリタル場合ヲ除クノ外行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第十七條 統制會社ニハ役員トシテ社長一人、理事三人以上及監事若干人ヲ置クベシ
統制會社ニハ社長ノ諮問ニ應ゼシムル爲定款ノ定ムル所ニ依リ前項ニ揭グル役員以外ノ役員ヲ置クコトヲ得
第十八條 社長ハ統制會社ヲ代表シ其ノ業務ヲ總理ス
理事ハ社長ヲ輔佐シ統制會社ノ業務ヲ分掌シ豫メ社長ノ定ムル順位ニ依リ社長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ社長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ統制會社ノ業務及財產ノ狀況ヲ監査ス
第十九條 社長ハ株主總會ニ於テ推薦シタル者ノ中ヨリ行政官廳之ヲ命ズ但シ統制會社設立當時ノ社長ハ設立委員ガ株式ノ總數ヲ引受ケタル場合ニ在リテハ設立委員ノ議決權ノ過半數ヲ以テ推薦シタル者ノ中ヨリ、其ノ他ノ場合ニ在リテハ創立總會又ハ第十二條第一項ノ株主總會ニ於テ推薦シタル者ノ中ヨリ行政官廳之ヲ命ズ
前項ノ規定ニ依リ推薦シタル者ニ適任者ナシト認ムルトキハ行政官廳ハ其ノ他ノ者ヨリ社長ヲ命ズルコトヲ得
理事及監事ハ株主總會ニ於テ之ヲ選任ス但シ統制會社設立當時ノ理事及監事ハ設立委員ガ株式ノ總數ヲ引受ケタル場合ニ在リテハ設立委員ノ議決權ノ過半數ヲ以テ之ヲ選任シ其ノ他ノ場合ニ在リテハ創立總會又ハ第十二條第一項ノ株主總會ニ於テ之ヲ選任ス
前項ノ理事ノ選任ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
社長及理事ノ任期ハ三年、監事ノ任期ハ二年トス但シ定款ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
第二十條 重要產業團體令ニ依ル統制會(以下統制會ト稱ス)ノ會員タル統制會社ノ社長(統制會ノ會員タル受命會社ガ統制會社ト爲ル場合ニ於ケル社長ヲ含ム)ハ當該統制會二以上アル場合ヲ除クノ外前條第一項ノ規定ニ拘ラズ株主總會(第十二條第一項ノ株主總會ヲ含ム以下本條中同ジ)ニ於テ推薦シタル者ノ中ヨリ當該統制會ノ會長之ヲ命ズ但シ株主總會ニ於テ推薦シタル者ニ適任者ナシト認ムルトキハ其ノ他ノ者ヨリ之ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ統制會ノ會長ノ爲ス任命ハ當該統制會社ノ所管行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第一項ノ統制會社ノ理事(統制會ノ會員タル受命會社ガ統制會社ト爲ル場合ニ於ケル理事ヲ含ム)ノ選任ハ當該統制會二以上アル場合ヲ除クノ外前條第四項ノ規定ニ拘ラズ當該統制會ノ會長ノ承認ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第二十一條 社長及理事ハ他ノ職務又ハ商業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ行政官廳ノ認可(統制會ノ會員タル統制會社ニ在リテハ當該統制會二以上アル場合ヲ除クノ外當該統制會ノ會長ノ承認)ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第二十二條 行政官廳ハ統制會社ノ業務ヲ監督ス
第二十三條 統制會社ノ定款ノ變更、利益金ノ處分、理事ノ解任、解散、繼續及商法第二百四十五條第一項第一號乃至第三號ニ揭グル事項ノ決議ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
統制會ノ會員タル統制會社ノ理事ノ解任ノ決議ハ當該統制會二以上アル場合ヲ除クノ外前項ノ規定ニ拘ラズ當該統制會ノ會長ノ承認ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第二十四條 社長特別ノ事由アリト認ムル場合ニ於テ行政官廳ノ認可(統制會ノ會員タル統制會社ニ在リテハ當該統制會二以上アル場合ヲ除クノ外當該統制會ノ會長ノ承認)ヲ受ケタルトキハ株主總會ノ決議ヲ要スル事項ニ付其ノ決議ニ拘ラズ業務ヲ執行スルコトヲ得株主總會成立セズ又ハ株主總會ニ付議シタル事項ヲ議決セザルトキ亦同ジ但シ商法第三百四十三條ニ定ムル決議ヲ要スル事項ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第二十五條 行政官廳當該事業ノ統制運營上必要アリト認ムルトキハ統制會社ニ對シ必要ナル事業ノ施行其ノ他必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第二十六條 行政官廳ハ統制會社ニ對シ其ノ業務ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第二十七條 行政官廳ハ株主總會ノ決議ガ法令、法令ニ基キテ爲ス處分又ハ定款ニ違反シタルトキ、公益ヲ害シ又ハ害スルノ虞アルトキ其ノ他當該事業ノ統制運營上不適當ナリト認ムルトキハ之ヲ取消スコトヲ得
第二十八條 行政官廳ハ社長、理事又ハ監事ノ行爲ガ法令、法令ニ基キテ爲ス處分又ハ定款ニ違反シタルトキ、公益ヲ害シタルトキ其ノ他當該事業ノ統制運營上社長、理事又ハ監事ヲ不適當ナリト認ムルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
統制會ノ會長ハ當該統制會ノ會員タル統制會社(二以上ノ統制會ニ所屬スル統制會社ヲ除ク)ノ社長ノ行爲ガ法令、法令ニ基キテ爲ス處分又ハ定款ニ違反シタルトキ、公益ヲ害シタルトキ其ノ他當該事業ノ統制運營上社長ヲ不適當ナリト認ムルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
前項ノ解任ハ當該統制會社ノ所管行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第二十九條 行政官廳必要アリト認ムルトキハ國家總動員法第三十一條ノ規定ニ基キ統制會社ヨリ其ノ業務及財產ノ狀況ニ關シ報吿ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲシテ其ノ事務所、事業場其ノ他ノ場所ニ臨檢シ業務ノ狀況若ハ帳簿書類、設備其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
前項ノ規定ニ依ル證票ハ別記樣式ニ依ル
第三十條 行政官廳必要アリト認ムルトキハ統制會社ノ解散ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令アリタルトキハ統制會社ハ當該命令ニ因リ解散ス
第三十一條 統制會社解散シタルトキハ合併及破產ノ場合ヲ除クノ外社長其ノ淸算人ト爲ル
裁判所必要アリト認ムルトキハ職權ヲ以テ淸算人ヲ選任シ又ハ解任スルコトヲ得
裁判所淸算人ヲ選任シ又ハ解任シタルトキハ其ノ旨ヲ行政官廳ニ通知スベシ
第三十二條 行政官廳ハ統制會社又ハ統制會社ニ非ザル會社ニシテ第二條ニ揭グル事業ヲ營ムコトヲ目的トスルモノニ對シ合併ニ因ル統制會社ノ設立ヲ命ズルコトヲ得
行政官廳ハ統制會社ニ對シ他ノ會社ヲ合併シ又ハ他ノ統制會社ニ合併セラルベキコトヲ命ズルコトヲ得
統制會社ハ前二項ノ規定ニ依ル命令ニ因ルニ非ザレバ合併ヲ爲スコトヲ得ズ
第三十三條 第四條第二項ノ規定ハ前條第一項及第二項ノ場合ニ之ヲ準用ス但シ第四條第二項中統制會社ト爲ルベキ旨トアルハ合併ノ方法トス
第三十四條 第三十二條第一項又ハ第二項ノ規定ニ依ル命令ニ依ル合併ノ決議又ハ同意ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
前項ノ認可ヲ受ケントスルトキハ認可申請書ニ合併契約書ノ謄本、事業計畫書及事業收支目論見書竝ニ各會社ノ財產目錄、貸借對照表及前項ノ決議又ハ同意アリタルコトヲ證スル書面ヲ添附スベシ
第三十五條 第十四條及第十九條第一項乃至第四項ノ規定ハ第三十二條第一項ノ規定ニ依リ統制會社ヲ設立スル場合ニ之ヲ準用ス
第二十條ノ規定ハ同一ノ統制會ノ會員タル當事者ガ第三十二條第一項ノ規定ニ依リ統制會社ヲ設立スル場合ニ之ヲ準用ス
第三十六條 統制會社ノ設立ノ登記ハ商法第百八十八條第一項及第四百十四條第一項ノ規定ニ拘ラズ第十九條第一項乃至第四項(前條第一項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第二十條(前條第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル手續終了ノ日ヨリ二週間以內ニ之ヲ爲スコトヲ要ス
第三十七條 第三條第二項ノ規定ニ依ル命令ニ依リ設立スル統制會社ノ設立ノ登記ノ申請書ニハ左ニ揭グル書類ヲ添附スベシ
一 第三條第二項ノ規定ニ依ル命令アリタルコトヲ證スル書面
二 定款
三 第十二條第一項ノ株主總會ノ議事錄
四 受命會社ノ登記簿ノ謄本但シ受命會社ノ本店ノ所在地ノ登記所ニ於テ統制會社ノ設立ノ登記ノ申請ヲ爲ス場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第三十八條 統制會社第十三條ノ規定ニ依リ受命會社ノ社債ヲ承繼スルトキハ設立ノ登記ト同時ニ社債ノ登記ヲ爲スベシ
前項ノ場合ニ於テハ前條ノ申請書ニ社債承繼ノ旨ヲ記載スベシ
第三十九條 受命會社ノ本店ノ所在地ノ登記所ニ於テ第三條第二項ノ規定ニ依リ設立スル統制會社ノ設立ノ登記ヲ爲シタルトキハ登記官吏ハ職權ヲ以テ受命會社ノ登記用紙ニ其ノ事由ヲ記載シテ之ヲ閉鎖スベシ
受命會社ノ本店ノ所在地以外ノ地ノ登記所ニ於テ第三條第二項ノ規定ニ依リ設立スル統制會社ノ設立ノ登記ヲ爲シタルトキハ登記官吏ハ受命會社ノ本店ノ所在地ノ登記所ニ其ノ旨ヲ通知スベシ
第一項ノ規定ハ前項ノ通知アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第四十條 受命會社ノ本店ノ所在地ノ登記官吏前條ノ規定ニ依ル手續ヲ爲シタルトキハ當該受命會社ノ支店ノ所在地ノ登記所ニ其ノ旨ヲ通知スベシ
前條第一項ノ規定ハ前項ノ通知アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第四十一條 統制會社ノ設立ノ登記終了シタルトキハ統制會社ノ社長ハ其ノ旨ヲ行政官廳ニ屆出ヅベシ
前項ノ屆出ニハ第三條第二項ノ規定ニ依ル設立ノ場合ヲ除クノ外創立總會ノ議事錄ノ謄本ヲ添附スベシ
第四十二條 第三十條第一項ノ規定ニ依ル命令ニ因ル解散ノ登記ハ行政官廳ノ囑託ニ因リテ之ヲ爲ス
第四十三條 第三條、第四條(第三十三條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第二十條(第三十五條第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第二十三條(解散及繼續ニ關スル部分ニ限ル)、第三十條乃至第三十二條、第四十一條及前條中行政官廳トアルハ主務大臣トス但シ樺太ノ區域ヲ超エザル區域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスル統制會社(海運統制令第二條ニ揭グル事業ノ統制ノ爲ニスル經營ヲ目的トスル統制會社ヲ除ク)ニ在リテハ第三條、第四條(第三十三條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第二十三條(解散及繼續ニ關スル部分ニ限ル)、第三十條乃至第三十二條(當該統制會社ト樺太ノ區域ヲ超エザル區域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トセザル會社トノ合併ニ關スル場合ヲ除ク)、第四十一條及前條中行政官廳トアルハ樺太廳長官トス
第五條、第六條、第九條、第十二條、第十四條、第十六條、第十九條、第二十一條、第二十三條(解散及繼續ニ關スル部分ヲ除ク)、第二十四條、第二十七條、第二十八條及第三十四條中行政官廳トアルハ酒類ノ配給業ノ統制ノ爲ニスル經營ヲ目的トスル統制會社ニシテ財務局ノ管轄區域ヲ超エザル區域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスルモノ、海運統制令第二條ニ揭グル事業(以下海運關係事業ト稱ス)ノ統制ノ爲ニスル經營ヲ目的トスル統制會社ニシテ海務局ノ管轄區域ヲ超エザル區域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスルモノ又ハ其ノ他ノ統制會社ニシテ都廳府縣ノ管轄區域ヲ超エザル區域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスルモノニ在リテハ各當該區域ヲ管轄スル財務局長、海務局長又ハ地方長官トシ其ノ他ノ統制會社ニ在リテハ主務大臣トス
第四十四條 第二十五條及第二十六條中行政官廳トアルハ酒類ノ配給業ノ統制ノ爲ニスル經營ヲ目的トスル統制會社ニシテ財務局ノ管轄區域ヲ超エザル區域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスルモノ、海運關係事業ノ統制ノ爲ニスル經營ヲ目的トスル統制會社ニシテ海務局ノ管轄區域ヲ超エザル區域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスルモノ又ハ其ノ他ノ統制會社ニシテ都廳府縣ノ管轄區域ヲ超エザル區域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスルモノニ在リテハ主務大臣及財務局長、海務局長又ハ地方長官トス
第四十五條 本令ノ規定ニ依リ統制會社ヨリ主務大臣ニ提出スベキ書類ニシテ酒類ノ配給業ノ統制ノ爲ニスル經營ヲ目的トスル統制會社中財務局ノ管轄區域ヲ超エザル區域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスル統制會社ヨリ提出スルモノ、海運關係事業ノ統制ノ爲ニスル經營ヲ目的トスル統制會社中海務局ノ管轄區域ヲ超エザル區域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスル統制會社ヨリ提出スルモノ、其ノ他ノ統制會社中都廳府縣ノ管轄區域ヲ超エザル區域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスル統制會社ヨリ提出スルモノニ付テハ夫々其ノ區域ヲ管轄スル財務局長、海務局長又ハ地方長官ヲ經由スベシ
本令ノ規定ニ依リ統制會ノ會員タル統制會社ヨリ主務大臣ニ提出スベキ書類ニ付テハ當該統制會二以上アル場合ヲ除クノ外前項ノ規定ニ拘ラズ當該統制會ヲ經由スベシ
第四十六條 本令中都廳府縣トアルハ朝鮮、臺灣又ハ南洋群島(以下外地ト稱ス)ニ在リテハ各道、州若ハ廳又ハ南洋廳トシ主務大臣トアルハ外地ニ在リテハ各朝鮮總督、臺灣總督又ハ南洋廳長官トシ地方長官トアルハ外地ニ在リテハ各道知事、州知事若ハ廳長又ハ南洋廳長官トス
內地ト外地トニ於テ第二條ニ揭グル事業ノ統制ノ爲ニスル經營ヲ行フコトヲ目的トスル統制會社ニ關スル場合ニ在リテハ本令中主務大臣トアルハ外地ノミニ關スル事項ニ關スル場合ニ限リ前項ノ規定ニ拘ラズ各朝鮮總督、臺灣總督又ハ南洋廳長官トス
第四十七條 主務大臣前條第二項ノ統制會社ニ關シ左ニ揭グル處分ヲ爲サントスルトキハ朝鮮總督、臺灣總督又ハ南洋廳長官ニ協議スベシ
一 第三條、第二十五條、第三十條又ハ第三十二條ノ規定ニ依ル命令但シ第二十五條ノ規定ニ依ル命令ハ統制會社ガ外地ニ於テ行フ事業ニ關スルモノナル場合ニ限ル
二 第十六條第二項又ハ第二十三條第一項ノ規定ニ依ル認可但シ統制會社ガ外地ニ於テ行フ事業ニ關スルモノナル場合ニ限ル
朝鮮總督、臺灣總督又ハ南洋廳長官前條第二項ノ統制會社ニ對シ第二十五條ノ規定ニ依ル命令ヲ爲サントスルトキハ主務大臣ニ協議スベシ
第四十八條 本令中商法トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮民事令、南洋群島ニ在リテハ南洋群島裁判事務取扱令ニ於テ依ルコトヲ定メタル商法トス
第四十九條 第十五條第二項ノ規定ハ特別ノ制令又ハ律令ニ基キ設立セラルル會社ニハ之ヲ適用セズ
附 則
第五十條 本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ朝鮮、臺灣及南洋群島ニ在リテハ昭和十八年十一月十日ヨリ之ヲ施行ス
第五十一條 會社經理統制令第四十一條第一項第一號中「特別ノ法令」ノ下ニ「又ハ統制會社令」ヲ加フ
第五十二條 重要產業團體令第二十七條但書中「理事長」ノ下ニ「及統制會社ノ社長」ヲ加フ
第五十三條 第十五條第二項ノ規定ハ統制會社ニ非ザル會社ニシテ本令施行ノ際現ニ其ノ商號中ニ統制ナル文字ヲ用フルモノニ付テハ本令施行後六月ヲ限リ之ヲ適用セズ
別記樣式(用紙ノ大サハ日本標準規格A6トシ中央點線ノ所ヨリ二ツ折ト爲ス)
(表面)
(裏面)
朕統制会社令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年十月十五日
内閣総理大臣兼商工大臣 東条英機
厚生大臣 小泉親彦
大蔵大臣 賀屋興宣
鉄道大臣兼逓信大臣 八田嘉明
内務大臣 安藤紀三郎
大東亜大臣 青木一男
農林大臣 山崎達之輔
勅令第七百八十四号
統制会社令
第一条 国家総動員法(昭和十三年勅令第三百十七号ニ於テ依ル場合ヲ含ム以下同ジ)第十八条ノ規定ニ基ク事業ノ統制ノ為ニスル経営ヲ目的トスル会社ノ設立ニ関スル命令及其ノ命令ニ依リ設立シタル会社(以下統制会社ト称ス)ニ関シ必要ナル事項ニ付テハ別ニ定ムルモノヲ除クノ外本令ノ定ムル所ニ依ル
第二条 統制会社ハ国民経済ノ総力ヲ最モ有効ニ発揮セシムル為物資ノ生産(加工、取附及修理ヲ含ム以下同ジ)、配給、輸出、輸入若ハ保管又ハ人若ハ物ノ運送ヲ為ス事業ノ統制ノ為ニスル経営ヲ行フコトヲ目的トスル株式会社トス
第三条 行政官庁統制会社ヲ設立セシメントスルトキハ第二項又ハ第三十二条第一項ノ規定ニ依リ統制会社ノ設立ヲ命ズル場合ヲ除クノ外物資ノ生産、配給、輸出、輸入若ハ保管又ハ人若ハ物ノ運送ヲ為スヲ業トスル者又ハ此等ノ者ノ団体タル法人ニ対シ統制会社ノ設立ヲ命ズベシ
行政官庁ハ現ニ前条ニ掲グル事業ノ統制ノ為ニスル経営ヲ目的トスル株式会社ニ対シ統制会社ト為ルベキコトヲ命ズルコトヲ得
第四条 行政官庁前条第一項ノ規定ニ依リ統制会社ノ設立ヲ命ズル場合ニ於テハ左ニ掲グル事項ヲ指定シ之ヲ公示スベシ
一 設立ノ命令ヲ受クベキ者ノ氏名又ハ名称及住所
二 統制会社ノ目的
三 統制会社ヲ設立スベキ期限
四 其ノ他必要ト認ムル事項
行政官庁前条第二項ノ規定ニ依リ統制会社ノ設立ヲ命ズル場合ニ於テハ当該会社ニ対シ前項各号ニ掲グル事項ノ外統制会社ト為ルベキ旨ヲ記載シタル命令書ヲ交付シ且当該記載事項(前項第四号ニ掲グル事項ヲ除ク)ヲ公示スベシ
第五条 前条第一項ノ場合ニ於テハ行政官庁ハ設立委員ヲ選任セシムル為当該事業ニ関シ経験アル者及学識アル者ノ中ヨリ銓衡委員ヲ命ジ其ノ氏名及住所ヲ公示スベシ
銓衡委員ハ第三条第一項ノ規定ニ依リ統制会社ノ設立ヲ命ゼラレタル者ノ中ヨリ設立委員ヲ選任シ行政官庁ノ認可ヲ受クベシ
行政官庁前項ノ認可ヲ為シタルトキハ設立委員ノ氏名又ハ名称及住所ヲ公示スベシ
第六条 設立委員ハ定款、株式ノ割当ニ関スル計画其ノ他統制会社ノ設立ニ関シ必要ナル事項ヲ定メ行政官庁ノ認可ヲ受クベシ認可ヲ受ケタル事項ヲ変更セントスルトキ亦同ジ
前項前段ノ認可ヲ受ケントスルトキハ認可申請書ニ事業計画書及事業収支目論見書ヲ添附スベシ
第七条 第三条第一項ノ規定ニ依リ統制会社ノ設立ヲ命ゼラレタル者設立委員ヨリ前条第一項ノ認可ヲ受ケタル株式ノ割当ニ関スル計画ニ付通知ヲ受ケタルトキハ当該計画ニ従ヒ株式ノ申込ヲ為スベシ
第八条 株式申込証ニハ商法第百七十五条第二項第二号乃至第六号ニ掲グル事項ノ外定款認可ノ年月日ヲ記載スベシ
第九条 株式総数ノ引受アリタルトキハ設立委員ハ株式申込証ヲ行政官庁ニ提出シ其ノ検査ヲ受クベシ
第十条 商法第二編第四章ノ規定ノ適用ニ付テハ設立委員ハ之ヲ発起人ト看做ス
第十一条 商法第百六十五条、第百六十七条、第百七十三条、第百八十一条及第百八十五条ノ規定ハ統制会社ノ設立ニハ之ヲ適用セズ
第十二条 第三条第二項ノ規定ニ依リ統制会社ト為ルベキコトヲ命ゼラレタル株式会社(以下受命会社ト称ス)ハ株主総会ノ決議ヲ以テ統制会社ト為ルモノトス
前項ノ株主総会ニ於テハ定款其ノ他統制会社ノ設立ニ関シ必要ナル事項ヲ定ムルコトヲ要ス
前二項ノ決議ハ商法第三百四十三条ノ規定ニ依ルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ
第二項ノ決議(社長候補者ノ推薦並ニ理事及監事ノ選任ヲ除ク)ハ行政官庁ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
前項ノ認可ヲ受ケントスルトキハ認可申請書ニ株主総会ノ議事録ノ謄本並ニ受命会社ノ定款、財産目録及貸借対照表ヲ添附スベシ
第十三条 受命会社ハ統制会社ノ成立ニ因リ之ニ吸収セラルルモノトシ受命会社ノ権利義務ハ統制会社ニ於テ之ヲ承継ス
第十四条 行政官庁ハ設立委員又ハ受命会社ニ対シ統制会社ノ設立ニ関スル事務ニ関シ監督上必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第十五条 統制会社ハ其ノ商号中ニ統制ナル文字ヲ用フベシ
統制会社ニ非ザル会社ハ其ノ商号中ニ統制ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第十六条 統制会社ハ其ノ目的ヲ達スル為左ニ掲グル事業ヲ行フ
一 物資ノ購入、販売其ノ他配給
二 物資ノ輸出又ハ輸入
三 物資ノ生産
四 物資ノ保管
五 人又ハ物ノ運送
六 前各号ニ掲グルモノノ外統制会社ノ目的ヲ達スル為必要ナル事業
統制会社前項第六号ノ事業ヲ行ハントスルトキハ第二十五条ノ規定ニ依ル行政官庁ノ命令アリタル場合ヲ除クノ外行政官庁ノ認可ヲ受クベシ
第十七条 統制会社ニハ役員トシテ社長一人、理事三人以上及監事若干人ヲ置クベシ
統制会社ニハ社長ノ諮問ニ応ゼシムル為定款ノ定ムル所ニ依リ前項ニ掲グル役員以外ノ役員ヲ置クコトヲ得
第十八条 社長ハ統制会社ヲ代表シ其ノ業務ヲ総理ス
理事ハ社長ヲ輔佐シ統制会社ノ業務ヲ分掌シ予メ社長ノ定ムル順位ニ依リ社長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ社長欠員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ統制会社ノ業務及財産ノ状況ヲ監査ス
第十九条 社長ハ株主総会ニ於テ推薦シタル者ノ中ヨリ行政官庁之ヲ命ズ但シ統制会社設立当時ノ社長ハ設立委員ガ株式ノ総数ヲ引受ケタル場合ニ在リテハ設立委員ノ議決権ノ過半数ヲ以テ推薦シタル者ノ中ヨリ、其ノ他ノ場合ニ在リテハ創立総会又ハ第十二条第一項ノ株主総会ニ於テ推薦シタル者ノ中ヨリ行政官庁之ヲ命ズ
前項ノ規定ニ依リ推薦シタル者ニ適任者ナシト認ムルトキハ行政官庁ハ其ノ他ノ者ヨリ社長ヲ命ズルコトヲ得
理事及監事ハ株主総会ニ於テ之ヲ選任ス但シ統制会社設立当時ノ理事及監事ハ設立委員ガ株式ノ総数ヲ引受ケタル場合ニ在リテハ設立委員ノ議決権ノ過半数ヲ以テ之ヲ選任シ其ノ他ノ場合ニ在リテハ創立総会又ハ第十二条第一項ノ株主総会ニ於テ之ヲ選任ス
前項ノ理事ノ選任ハ行政官庁ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
社長及理事ノ任期ハ三年、監事ノ任期ハ二年トス但シ定款ヲ以テ別段ノ定ヲ為スコトヲ得
第二十条 重要産業団体令ニ依ル統制会(以下統制会ト称ス)ノ会員タル統制会社ノ社長(統制会ノ会員タル受命会社ガ統制会社ト為ル場合ニ於ケル社長ヲ含ム)ハ当該統制会二以上アル場合ヲ除クノ外前条第一項ノ規定ニ拘ラズ株主総会(第十二条第一項ノ株主総会ヲ含ム以下本条中同ジ)ニ於テ推薦シタル者ノ中ヨリ当該統制会ノ会長之ヲ命ズ但シ株主総会ニ於テ推薦シタル者ニ適任者ナシト認ムルトキハ其ノ他ノ者ヨリ之ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ統制会ノ会長ノ為ス任命ハ当該統制会社ノ所管行政官庁ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第一項ノ統制会社ノ理事(統制会ノ会員タル受命会社ガ統制会社ト為ル場合ニ於ケル理事ヲ含ム)ノ選任ハ当該統制会二以上アル場合ヲ除クノ外前条第四項ノ規定ニ拘ラズ当該統制会ノ会長ノ承認ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第二十一条 社長及理事ハ他ノ職務又ハ商業ニ従事スルコトヲ得ズ但シ行政官庁ノ認可(統制会ノ会員タル統制会社ニ在リテハ当該統制会二以上アル場合ヲ除クノ外当該統制会ノ会長ノ承認)ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第二十二条 行政官庁ハ統制会社ノ業務ヲ監督ス
第二十三条 統制会社ノ定款ノ変更、利益金ノ処分、理事ノ解任、解散、継続及商法第二百四十五条第一項第一号乃至第三号ニ掲グル事項ノ決議ハ行政官庁ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
統制会ノ会員タル統制会社ノ理事ノ解任ノ決議ハ当該統制会二以上アル場合ヲ除クノ外前項ノ規定ニ拘ラズ当該統制会ノ会長ノ承認ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第二十四条 社長特別ノ事由アリト認ムル場合ニ於テ行政官庁ノ認可(統制会ノ会員タル統制会社ニ在リテハ当該統制会二以上アル場合ヲ除クノ外当該統制会ノ会長ノ承認)ヲ受ケタルトキハ株主総会ノ決議ヲ要スル事項ニ付其ノ決議ニ拘ラズ業務ヲ執行スルコトヲ得株主総会成立セズ又ハ株主総会ニ付議シタル事項ヲ議決セザルトキ亦同ジ但シ商法第三百四十三条ニ定ムル決議ヲ要スル事項ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第二十五条 行政官庁当該事業ノ統制運営上必要アリト認ムルトキハ統制会社ニ対シ必要ナル事業ノ施行其ノ他必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第二十六条 行政官庁ハ統制会社ニ対シ其ノ業務ニ関シ監督上必要ナル命令ヲ発シ又ハ処分ヲ為スコトヲ得
第二十七条 行政官庁ハ株主総会ノ決議ガ法令、法令ニ基キテ為ス処分又ハ定款ニ違反シタルトキ、公益ヲ害シ又ハ害スルノ虞アルトキ其ノ他当該事業ノ統制運営上不適当ナリト認ムルトキハ之ヲ取消スコトヲ得
第二十八条 行政官庁ハ社長、理事又ハ監事ノ行為ガ法令、法令ニ基キテ為ス処分又ハ定款ニ違反シタルトキ、公益ヲ害シタルトキ其ノ他当該事業ノ統制運営上社長、理事又ハ監事ヲ不適当ナリト認ムルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
統制会ノ会長ハ当該統制会ノ会員タル統制会社(二以上ノ統制会ニ所属スル統制会社ヲ除ク)ノ社長ノ行為ガ法令、法令ニ基キテ為ス処分又ハ定款ニ違反シタルトキ、公益ヲ害シタルトキ其ノ他当該事業ノ統制運営上社長ヲ不適当ナリト認ムルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
前項ノ解任ハ当該統制会社ノ所管行政官庁ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第二十九条 行政官庁必要アリト認ムルトキハ国家総動員法第三十一条ノ規定ニ基キ統制会社ヨリ其ノ業務及財産ノ状況ニ関シ報告ヲ徴シ又ハ当該官吏ヲシテ其ノ事務所、事業場其ノ他ノ場所ニ臨検シ業務ノ状況若ハ帳簿書類、設備其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ当該官吏ヲシテ臨検検査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス証票ヲ携帯セシムベシ
前項ノ規定ニ依ル証票ハ別記様式ニ依ル
第三十条 行政官庁必要アリト認ムルトキハ統制会社ノ解散ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令アリタルトキハ統制会社ハ当該命令ニ因リ解散ス
第三十一条 統制会社解散シタルトキハ合併及破産ノ場合ヲ除クノ外社長其ノ清算人ト為ル
裁判所必要アリト認ムルトキハ職権ヲ以テ清算人ヲ選任シ又ハ解任スルコトヲ得
裁判所清算人ヲ選任シ又ハ解任シタルトキハ其ノ旨ヲ行政官庁ニ通知スベシ
第三十二条 行政官庁ハ統制会社又ハ統制会社ニ非ザル会社ニシテ第二条ニ掲グル事業ヲ営ムコトヲ目的トスルモノニ対シ合併ニ因ル統制会社ノ設立ヲ命ズルコトヲ得
行政官庁ハ統制会社ニ対シ他ノ会社ヲ合併シ又ハ他ノ統制会社ニ合併セラルベキコトヲ命ズルコトヲ得
統制会社ハ前二項ノ規定ニ依ル命令ニ因ルニ非ザレバ合併ヲ為スコトヲ得ズ
第三十三条 第四条第二項ノ規定ハ前条第一項及第二項ノ場合ニ之ヲ準用ス但シ第四条第二項中統制会社ト為ルベキ旨トアルハ合併ノ方法トス
第三十四条 第三十二条第一項又ハ第二項ノ規定ニ依ル命令ニ依ル合併ノ決議又ハ同意ハ行政官庁ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
前項ノ認可ヲ受ケントスルトキハ認可申請書ニ合併契約書ノ謄本、事業計画書及事業収支目論見書並ニ各会社ノ財産目録、貸借対照表及前項ノ決議又ハ同意アリタルコトヲ証スル書面ヲ添附スベシ
第三十五条 第十四条及第十九条第一項乃至第四項ノ規定ハ第三十二条第一項ノ規定ニ依リ統制会社ヲ設立スル場合ニ之ヲ準用ス
第二十条ノ規定ハ同一ノ統制会ノ会員タル当事者ガ第三十二条第一項ノ規定ニ依リ統制会社ヲ設立スル場合ニ之ヲ準用ス
第三十六条 統制会社ノ設立ノ登記ハ商法第百八十八条第一項及第四百十四条第一項ノ規定ニ拘ラズ第十九条第一項乃至第四項(前条第一項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第二十条(前条第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル手続終了ノ日ヨリ二週間以内ニ之ヲ為スコトヲ要ス
第三十七条 第三条第二項ノ規定ニ依ル命令ニ依リ設立スル統制会社ノ設立ノ登記ノ申請書ニハ左ニ掲グル書類ヲ添附スベシ
一 第三条第二項ノ規定ニ依ル命令アリタルコトヲ証スル書面
二 定款
三 第十二条第一項ノ株主総会ノ議事録
四 受命会社ノ登記簿ノ謄本但シ受命会社ノ本店ノ所在地ノ登記所ニ於テ統制会社ノ設立ノ登記ノ申請ヲ為ス場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第三十八条 統制会社第十三条ノ規定ニ依リ受命会社ノ社債ヲ承継スルトキハ設立ノ登記ト同時ニ社債ノ登記ヲ為スベシ
前項ノ場合ニ於テハ前条ノ申請書ニ社債承継ノ旨ヲ記載スベシ
第三十九条 受命会社ノ本店ノ所在地ノ登記所ニ於テ第三条第二項ノ規定ニ依リ設立スル統制会社ノ設立ノ登記ヲ為シタルトキハ登記官吏ハ職権ヲ以テ受命会社ノ登記用紙ニ其ノ事由ヲ記載シテ之ヲ閉鎖スベシ
受命会社ノ本店ノ所在地以外ノ地ノ登記所ニ於テ第三条第二項ノ規定ニ依リ設立スル統制会社ノ設立ノ登記ヲ為シタルトキハ登記官吏ハ受命会社ノ本店ノ所在地ノ登記所ニ其ノ旨ヲ通知スベシ
第一項ノ規定ハ前項ノ通知アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第四十条 受命会社ノ本店ノ所在地ノ登記官吏前条ノ規定ニ依ル手続ヲ為シタルトキハ当該受命会社ノ支店ノ所在地ノ登記所ニ其ノ旨ヲ通知スベシ
前条第一項ノ規定ハ前項ノ通知アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第四十一条 統制会社ノ設立ノ登記終了シタルトキハ統制会社ノ社長ハ其ノ旨ヲ行政官庁ニ届出ヅベシ
前項ノ届出ニハ第三条第二項ノ規定ニ依ル設立ノ場合ヲ除クノ外創立総会ノ議事録ノ謄本ヲ添附スベシ
第四十二条 第三十条第一項ノ規定ニ依ル命令ニ因ル解散ノ登記ハ行政官庁ノ嘱託ニ因リテ之ヲ為ス
第四十三条 第三条、第四条(第三十三条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第二十条(第三十五条第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第二十三条(解散及継続ニ関スル部分ニ限ル)、第三十条乃至第三十二条、第四十一条及前条中行政官庁トアルハ主務大臣トス但シ樺太ノ区域ヲ超エザル区域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスル統制会社(海運統制令第二条ニ掲グル事業ノ統制ノ為ニスル経営ヲ目的トスル統制会社ヲ除ク)ニ在リテハ第三条、第四条(第三十三条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第二十三条(解散及継続ニ関スル部分ニ限ル)、第三十条乃至第三十二条(当該統制会社ト樺太ノ区域ヲ超エザル区域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トセザル会社トノ合併ニ関スル場合ヲ除ク)、第四十一条及前条中行政官庁トアルハ樺太庁長官トス
第五条、第六条、第九条、第十二条、第十四条、第十六条、第十九条、第二十一条、第二十三条(解散及継続ニ関スル部分ヲ除ク)、第二十四条、第二十七条、第二十八条及第三十四条中行政官庁トアルハ酒類ノ配給業ノ統制ノ為ニスル経営ヲ目的トスル統制会社ニシテ財務局ノ管轄区域ヲ超エザル区域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスルモノ、海運統制令第二条ニ掲グル事業(以下海運関係事業ト称ス)ノ統制ノ為ニスル経営ヲ目的トスル統制会社ニシテ海務局ノ管轄区域ヲ超エザル区域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスルモノ又ハ其ノ他ノ統制会社ニシテ都庁府県ノ管轄区域ヲ超エザル区域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスルモノニ在リテハ各当該区域ヲ管轄スル財務局長、海務局長又ハ地方長官トシ其ノ他ノ統制会社ニ在リテハ主務大臣トス
第四十四条 第二十五条及第二十六条中行政官庁トアルハ酒類ノ配給業ノ統制ノ為ニスル経営ヲ目的トスル統制会社ニシテ財務局ノ管轄区域ヲ超エザル区域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスルモノ、海運関係事業ノ統制ノ為ニスル経営ヲ目的トスル統制会社ニシテ海務局ノ管轄区域ヲ超エザル区域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスルモノ又ハ其ノ他ノ統制会社ニシテ都庁府県ノ管轄区域ヲ超エザル区域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスルモノニ在リテハ主務大臣及財務局長、海務局長又ハ地方長官トス
第四十五条 本令ノ規定ニ依リ統制会社ヨリ主務大臣ニ提出スベキ書類ニシテ酒類ノ配給業ノ統制ノ為ニスル経営ヲ目的トスル統制会社中財務局ノ管轄区域ヲ超エザル区域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスル統制会社ヨリ提出スルモノ、海運関係事業ノ統制ノ為ニスル経営ヲ目的トスル統制会社中海務局ノ管轄区域ヲ超エザル区域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスル統制会社ヨリ提出スルモノ、其ノ他ノ統制会社中都庁府県ノ管轄区域ヲ超エザル区域ニ於テ事業ヲ行フコトヲ目的トスル統制会社ヨリ提出スルモノニ付テハ夫々其ノ区域ヲ管轄スル財務局長、海務局長又ハ地方長官ヲ経由スベシ
本令ノ規定ニ依リ統制会ノ会員タル統制会社ヨリ主務大臣ニ提出スベキ書類ニ付テハ当該統制会二以上アル場合ヲ除クノ外前項ノ規定ニ拘ラズ当該統制会ヲ経由スベシ
第四十六条 本令中都庁府県トアルハ朝鮮、台湾又ハ南洋群島(以下外地ト称ス)ニ在リテハ各道、州若ハ庁又ハ南洋庁トシ主務大臣トアルハ外地ニ在リテハ各朝鮮総督、台湾総督又ハ南洋庁長官トシ地方長官トアルハ外地ニ在リテハ各道知事、州知事若ハ庁長又ハ南洋庁長官トス
内地ト外地トニ於テ第二条ニ掲グル事業ノ統制ノ為ニスル経営ヲ行フコトヲ目的トスル統制会社ニ関スル場合ニ在リテハ本令中主務大臣トアルハ外地ノミニ関スル事項ニ関スル場合ニ限リ前項ノ規定ニ拘ラズ各朝鮮総督、台湾総督又ハ南洋庁長官トス
第四十七条 主務大臣前条第二項ノ統制会社ニ関シ左ニ掲グル処分ヲ為サントスルトキハ朝鮮総督、台湾総督又ハ南洋庁長官ニ協議スベシ
一 第三条、第二十五条、第三十条又ハ第三十二条ノ規定ニ依ル命令但シ第二十五条ノ規定ニ依ル命令ハ統制会社ガ外地ニ於テ行フ事業ニ関スルモノナル場合ニ限ル
二 第十六条第二項又ハ第二十三条第一項ノ規定ニ依ル認可但シ統制会社ガ外地ニ於テ行フ事業ニ関スルモノナル場合ニ限ル
朝鮮総督、台湾総督又ハ南洋庁長官前条第二項ノ統制会社ニ対シ第二十五条ノ規定ニ依ル命令ヲ為サントスルトキハ主務大臣ニ協議スベシ
第四十八条 本令中商法トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮民事令、南洋群島ニ在リテハ南洋群島裁判事務取扱令ニ於テ依ルコトヲ定メタル商法トス
第四十九条 第十五条第二項ノ規定ハ特別ノ制令又ハ律令ニ基キ設立セラルル会社ニハ之ヲ適用セズ
附 則
第五十条 本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ朝鮮、台湾及南洋群島ニ在リテハ昭和十八年十一月十日ヨリ之ヲ施行ス
第五十一条 会社経理統制令第四十一条第一項第一号中「特別ノ法令」ノ下ニ「又ハ統制会社令」ヲ加フ
第五十二条 重要産業団体令第二十七条但書中「理事長」ノ下ニ「及統制会社ノ社長」ヲ加フ
第五十三条 第十五条第二項ノ規定ハ統制会社ニ非ザル会社ニシテ本令施行ノ際現ニ其ノ商号中ニ統制ナル文字ヲ用フルモノニ付テハ本令施行後六月ヲ限リ之ヲ適用セズ
別記様式(用紙ノ大サハ日本標準規格A6トシ中央点線ノ所ヨリ二ツ折ト為ス)
(表面)
(裏面)