会社所有株式評価臨時措置令
法令番号: 勅令第八百三十三號
公布年月日: 昭和16年8月30日
法令の形式: 勅令
朕會社所有株式評價臨時措置令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年八月二十九日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
大藏大臣 小倉正恒
拓務大臣 豊田貞次郞
商工大臣 左近司政三
司法大臣 岩村通世
勅令第八百三十三號
會社所有株式評價臨時措置令
第一條 國家總動員法(昭和十三年勅令第三百十七號ニ於テ依ル場合ヲ含ム)第十一條ノ規定ニ基ク會社ノ經理ニ關スル命令ノ中財產目錄ニ記載スル株式ノ價額ニ關スル臨時措置ニ付テハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 會社ハ每事業年度決算期ニ於テ其ノ所有株式ノ價額ヲ財產目錄ニ記載スルニ際シ他ノ法令ニ拘ラズ左ノ各號ノ規定ニ依ル價額ヲ超エザル價額ヲ附スルコトヲ得
一 直前事業年度ヨリ引續キ所有スル株式ニ付テハ直前事業年度末ノ財產目錄ニ記載シタル價額(以下前期帳簿價額ト稱ス)但シ當該株式ニ付當該事業年度中最終ニ決定セラレタル配當率ガ直前事業年度末前最終ニ決定セラレタル配當率ニ比シ減少シタル場合ニ於テハ其ノ減少ノ割合ニ應ジテ前期帳簿價額ヲ減額シタル額
二 當該事業年度ニ於テ取得シ引續キ所有スル株式ニ付テハ其ノ取得價額但シ當該株式ニ付取得後當該事業年度中最終ニ決定セラレタル配當率ガ取得前最終ニ決定セラレタル配當率ニ比シ減少シタル場合ニ於テハ其ノ減少ノ割合ニ應ジテ取得價額ヲ減額シタル額
前項第二號ノ場合ニ於テ當該會社ガ議決權ノ三分ノ一以上ヲ有スル他ノ會社若ハ當該會社ノ議決權ノ三分ノ一以上ヲ有スル他ノ會社又ハ會社ヲ代表スベキ者一名以上ヲ共通ニスル他ノ會社ヨリ取得シタル株式ノ取得價額ガ取得ノ時ニ於ケル當該株式ノ價格ヲ超ユルトキハ其ノ價格ヲ前項第二號ノ取得價額ト看做ス
第三條 直前事業年度ヨリ引續キ所有スル株式ニ付當該事業年度中ニ於テ株金ノ拂込アリタルトキハ前條第一項第一號ノ規定ノ適用ニ付テハ當該株式ノ前期帳簿價額ニ其ノ拂込金額ヲ加算シタル額ヲ前期帳簿價額ト看做ス
當該事業年度ニ於テ取得シ引續キ所有スル株式ニ付取得後株金ノ拂込アリタルトキハ前條第一項第二號ノ規定ノ適用ニ付テハ當該株式ノ取得價額ニ其ノ拂込金額ヲ加算シタル額ヲ取得價額ト看做ス
前條第一項第一號但書又ハ第二號但書ノ場合ニ於テ配當率ノ減少シタル後株金ノ拂込アリタルトキハ前二項ノ規定ニ拘ラズ同條第一項第一號但書又ハ第二號但書ノ規定ヲ適用シテ得タル額ニ其ノ拂込金額ヲ加算シタル額ヲ同條第一項第一號但書又ハ第二號但書ノ額ト看做ス
第四條 前二條ノ規定ニ依リ株式ノ評價ヲ爲ス場合ニ於テハ會社所有總株式ノ評價額ノ總額ハ直前事業年度ヨリ引續キ所有スル株式ノ前期帳簿價額、當該事業年度ニ於テ取得シ引續キ所有スル株式ノ取得價額及當該會社ガ此等ノ株式ニ付當該事業年度中ニ於テ拂込ミタル株金額ノ合計額ヲ超ユルコトヲ得ズ
附 則
本令ハ昭和十六年八月三十日ヨリ昭和十七年八月二十九日迄ノ間ニ終了スル事業年度ニ關シ作ル財產目錄ニ付之ヲ適用ス
朕会社所有株式評価臨時措置令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年八月二十九日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
大蔵大臣 小倉正恒
拓務大臣 豊田貞次郎
商工大臣 左近司政三
司法大臣 岩村通世
勅令第八百三十三号
会社所有株式評価臨時措置令
第一条 国家総動員法(昭和十三年勅令第三百十七号ニ於テ依ル場合ヲ含ム)第十一条ノ規定ニ基ク会社ノ経理ニ関スル命令ノ中財産目録ニ記載スル株式ノ価額ニ関スル臨時措置ニ付テハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二条 会社ハ毎事業年度決算期ニ於テ其ノ所有株式ノ価額ヲ財産目録ニ記載スルニ際シ他ノ法令ニ拘ラズ左ノ各号ノ規定ニ依ル価額ヲ超エザル価額ヲ附スルコトヲ得
一 直前事業年度ヨリ引続キ所有スル株式ニ付テハ直前事業年度末ノ財産目録ニ記載シタル価額(以下前期帳簿価額ト称ス)但シ当該株式ニ付当該事業年度中最終ニ決定セラレタル配当率ガ直前事業年度末前最終ニ決定セラレタル配当率ニ比シ減少シタル場合ニ於テハ其ノ減少ノ割合ニ応ジテ前期帳簿価額ヲ減額シタル額
二 当該事業年度ニ於テ取得シ引続キ所有スル株式ニ付テハ其ノ取得価額但シ当該株式ニ付取得後当該事業年度中最終ニ決定セラレタル配当率ガ取得前最終ニ決定セラレタル配当率ニ比シ減少シタル場合ニ於テハ其ノ減少ノ割合ニ応ジテ取得価額ヲ減額シタル額
前項第二号ノ場合ニ於テ当該会社ガ議決権ノ三分ノ一以上ヲ有スル他ノ会社若ハ当該会社ノ議決権ノ三分ノ一以上ヲ有スル他ノ会社又ハ会社ヲ代表スベキ者一名以上ヲ共通ニスル他ノ会社ヨリ取得シタル株式ノ取得価額ガ取得ノ時ニ於ケル当該株式ノ価格ヲ超ユルトキハ其ノ価格ヲ前項第二号ノ取得価額ト看做ス
第三条 直前事業年度ヨリ引続キ所有スル株式ニ付当該事業年度中ニ於テ株金ノ払込アリタルトキハ前条第一項第一号ノ規定ノ適用ニ付テハ当該株式ノ前期帳簿価額ニ其ノ払込金額ヲ加算シタル額ヲ前期帳簿価額ト看做ス
当該事業年度ニ於テ取得シ引続キ所有スル株式ニ付取得後株金ノ払込アリタルトキハ前条第一項第二号ノ規定ノ適用ニ付テハ当該株式ノ取得価額ニ其ノ払込金額ヲ加算シタル額ヲ取得価額ト看做ス
前条第一項第一号但書又ハ第二号但書ノ場合ニ於テ配当率ノ減少シタル後株金ノ払込アリタルトキハ前二項ノ規定ニ拘ラズ同条第一項第一号但書又ハ第二号但書ノ規定ヲ適用シテ得タル額ニ其ノ払込金額ヲ加算シタル額ヲ同条第一項第一号但書又ハ第二号但書ノ額ト看做ス
第四条 前二条ノ規定ニ依リ株式ノ評価ヲ為ス場合ニ於テハ会社所有総株式ノ評価額ノ総額ハ直前事業年度ヨリ引続キ所有スル株式ノ前期帳簿価額、当該事業年度ニ於テ取得シ引続キ所有スル株式ノ取得価額及当該会社ガ此等ノ株式ニ付当該事業年度中ニ於テ払込ミタル株金額ノ合計額ヲ超ユルコトヲ得ズ
附 則
本令ハ昭和十六年八月三十日ヨリ昭和十七年八月二十九日迄ノ間ニ終了スル事業年度ニ関シ作ル財産目録ニ付之ヲ適用ス