蚕糸業統制法施行令
法令番号: 勅令第四百七十一號
公布年月日: 昭和16年4月21日
法令の形式: 勅令
朕蠶絲業統制法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年四月十九日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
內務大臣 男爵 平沼騏一郞
大藏大臣 河田烈
農林大臣 石黑忠篤
勅令第四百七十一號
蠶絲業統制法施行令
第一條 蠶絲業統制法第三條第二項ノ規定ニ依リ蠶絲業者ノ團體左ノ通定ム
一 全國蠶種業組合聯合會及蠶種業組合
二 全國養蠶業組合聯合會、道府縣養蠶業組合聯合會、養蠶業組合及養蠶實行組合
三 全國產業組合製絲組合聯合會及產業組合製絲組合
四 全國製絲業組合聯合會及製絲業組合
五 蠶種又ハ生絲ノ生產ヲ業トスル者ノ組織スル蠶絲共同施設組合及其ノ組織スル蠶絲共同施設組合
第二條 主務大臣ハ前條ニ揭グル團體ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依リ左ニ揭グル事項ニ付蠶絲業統制法第三條第二項ノ統制ヲ行フベキコトヲ命ズルコトヲ得
一 蠶絲ノ生產數量ノ最高限度ノ指定
二 蠶絲ノ品種ノ指定又ハ制限
三 蠶絲ノ生產施設ノ制限其ノ他第一號ノ指定ニ伴ヒ必要ナル制限
主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ職權ノ一部ヲ地方長官ニ委任スルコトヲ得
第三條 道府縣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ繭ノ品位ニ付檢定ヲ行フベシ
前項ノ規定ニ依ル繭ノ檢定ニ關シ必要ナル費用ハ道府縣ノ負擔トス但シ國庫ハ豫算ノ範圍內ニ於テ其ノ檢定施設ニ要スル經費ノ二分ノ一以內ヲ補助スルコトヲ得
前項但書ノ規定ニ依ル國庫補助ハ道府縣ガ繭ノ檢定ヲ行フニ必要ナル建物、工作物又ハ器具機械ノ創設ノ爲ニ支出シタル額ヨリ其ノ支出ニ充ツベキ寄附金其ノ他ノ收入ヲ控除シタル精算額ニ對シ之ヲ爲ス
道府縣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ第一項ノ規定ニ依ル繭ノ品位ノ檢定ニ關シ手數料ヲ徵收スルコトヲ得
第四條 主務大臣ハ蠶絲ノ生產ヲ業トスル者ニ對シ主務大臣ノ定ムル蠶絲ノ品種以外ノモノノ生產ヲ制限シ又ハ禁止スルコトヲ得
第五條 主務大臣ハ蠶絲ノ取扱ヲ業トスル者ニ對シ其ノ爲ス蠶絲ノ賣渡ニ關シ其ノ數量、時期、方法、相手方等ニ付必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ職權ノ一部ヲ地方長官ニ委任スルコトヲ得
第六條 地方長官ハ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ玉絲製造業者又ハ座繰生絲製造業者(蠶絲共同施設組合ノ組合員タルモノヲ除ク)ニ對シ其ノ生產スル玉絲又ハ座繰生絲ノ數量ノ最高限度ノ指定其ノ他生產數量ノ制限ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第七條 左ノ各號ノ一ニ該當スル業ヲ營マントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ地方長官ノ許可ヲ受クベシ
一 五釜以上ノ製造設備ニ依ル玉絲製造業(業トシテ委託シテ玉絲ノ製造ヲ爲スモノヲ含ム)
二 五釜以上ノ製造設備ニ依ル座繰生絲製造業(業トシテ委託シテ座繰生絲ノ製造ヲ爲スモノヲ含ム)
第八條 主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ蠶絲業統制法第二十條ニ規定シタル職權ノ一部ヲ地方長官ニ委任スルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ第三條ノ規定ハ蠶絲業統制法第十六條第三項ノ規定施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
絲價安定施設組合ハ解散ノ後ト雖モ淸算ノ目的ノ範圍內ニ於テハ仍存續スルモノト看做ス
蠶絲業統制法第六十九條第一項ノ規定ニ依リ絲價安定施設組合解散シタルトキハ理事長ヲ以テ其ノ淸算人トス
淸算人缺ケタルトキハ農林大臣之ヲ選任ス
淸算人ハ絲價安定施設組合ヲ代表シ淸算ヲ爲スニ必要ナル一切ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
淸算方法及財產處分ニ付テハ農林大臣ノ認可ヲ受クベシ
農林大臣必要ト認ムルトキハ淸算方法及財產處分ノ變更ヲ命ジ又ハ淸算人ヲ解任スルコトヲ得
絲價安定施設組合ノ淸算結了シタルトキハ淸算人ハ淸算ニ關スル一切ノ書類ヲ添ヘ其ノ旨ヲ農林大臣ニ屆出ヅベシ
朕蚕糸業統制法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年四月十九日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
内務大臣 男爵 平沼騏一郎
大蔵大臣 河田烈
農林大臣 石黒忠篤
勅令第四百七十一号
蚕糸業統制法施行令
第一条 蚕糸業統制法第三条第二項ノ規定ニ依リ蚕糸業者ノ団体左ノ通定ム
一 全国蚕種業組合連合会及蚕種業組合
二 全国養蚕業組合連合会、道府県養蚕業組合連合会、養蚕業組合及養蚕実行組合
三 全国産業組合製糸組合連合会及産業組合製糸組合
四 全国製糸業組合連合会及製糸業組合
五 蚕種又ハ生糸ノ生産ヲ業トスル者ノ組織スル蚕糸共同施設組合及其ノ組織スル蚕糸共同施設組合
第二条 主務大臣ハ前条ニ掲グル団体ニ対シ命令ノ定ムル所ニ依リ左ニ掲グル事項ニ付蚕糸業統制法第三条第二項ノ統制ヲ行フベキコトヲ命ズルコトヲ得
一 蚕糸ノ生産数量ノ最高限度ノ指定
二 蚕糸ノ品種ノ指定又ハ制限
三 蚕糸ノ生産施設ノ制限其ノ他第一号ノ指定ニ伴ヒ必要ナル制限
主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ職権ノ一部ヲ地方長官ニ委任スルコトヲ得
第三条 道府県ハ命令ノ定ムル所ニ依リ繭ノ品位ニ付検定ヲ行フベシ
前項ノ規定ニ依ル繭ノ検定ニ関シ必要ナル費用ハ道府県ノ負担トス但シ国庫ハ予算ノ範囲内ニ於テ其ノ検定施設ニ要スル経費ノ二分ノ一以内ヲ補助スルコトヲ得
前項但書ノ規定ニ依ル国庫補助ハ道府県ガ繭ノ検定ヲ行フニ必要ナル建物、工作物又ハ器具機械ノ創設ノ為ニ支出シタル額ヨリ其ノ支出ニ充ツベキ寄附金其ノ他ノ収入ヲ控除シタル精算額ニ対シ之ヲ為ス
道府県ハ命令ノ定ムル所ニ依リ第一項ノ規定ニ依ル繭ノ品位ノ検定ニ関シ手数料ヲ徴収スルコトヲ得
第四条 主務大臣ハ蚕糸ノ生産ヲ業トスル者ニ対シ主務大臣ノ定ムル蚕糸ノ品種以外ノモノノ生産ヲ制限シ又ハ禁止スルコトヲ得
第五条 主務大臣ハ蚕糸ノ取扱ヲ業トスル者ニ対シ其ノ為ス蚕糸ノ売渡ニ関シ其ノ数量、時期、方法、相手方等ニ付必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ職権ノ一部ヲ地方長官ニ委任スルコトヲ得
第六条 地方長官ハ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ玉糸製造業者又ハ座繰生糸製造業者(蚕糸共同施設組合ノ組合員タルモノヲ除ク)ニ対シ其ノ生産スル玉糸又ハ座繰生糸ノ数量ノ最高限度ノ指定其ノ他生産数量ノ制限ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第七条 左ノ各号ノ一ニ該当スル業ヲ営マントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ地方長官ノ許可ヲ受クベシ
一 五釜以上ノ製造設備ニ依ル玉糸製造業(業トシテ委託シテ玉糸ノ製造ヲ為スモノヲ含ム)
二 五釜以上ノ製造設備ニ依ル座繰生糸製造業(業トシテ委託シテ座繰生糸ノ製造ヲ為スモノヲ含ム)
第八条 主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ蚕糸業統制法第二十条ニ規定シタル職権ノ一部ヲ地方長官ニ委任スルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ第三条ノ規定ハ蚕糸業統制法第十六条第三項ノ規定施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
糸価安定施設組合ハ解散ノ後ト雖モ清算ノ目的ノ範囲内ニ於テハ仍存続スルモノト看做ス
蚕糸業統制法第六十九条第一項ノ規定ニ依リ糸価安定施設組合解散シタルトキハ理事長ヲ以テ其ノ清算人トス
清算人欠ケタルトキハ農林大臣之ヲ選任ス
清算人ハ糸価安定施設組合ヲ代表シ清算ヲ為スニ必要ナル一切ノ行為ヲ為ス権限ヲ有ス
清算方法及財産処分ニ付テハ農林大臣ノ認可ヲ受クベシ
農林大臣必要ト認ムルトキハ清算方法及財産処分ノ変更ヲ命ジ又ハ清算人ヲ解任スルコトヲ得
糸価安定施設組合ノ清算結了シタルトキハ清算人ハ清算ニ関スル一切ノ書類ヲ添ヘ其ノ旨ヲ農林大臣ニ届出ヅベシ