国際電気通信株式会社法施行令
法令番号: 勅令第百三十三號
公布年月日: 昭和15年3月30日
法令の形式: 勅令
朕國際電氣通信株式會社法施行令改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年三月二十九日
內閣總理大臣 米內光政
大藏大臣 櫻內幸雄
拓務大臣 小磯國昭
遞信大臣 勝正憲
勅令第百三十三號
國際電氣通信株式會社法施行令
第一條 國際電氣通信株式會社法第五條第三項ノ規定ニ依リ國際電氣通信株式會社(以下單ニ會社ト稱ス)ノ株主ト爲ルコトヲ得ル法人ハ業務ヲ執行スル役員ノ半數以上、資本ノ半額以上及議決權ノ過半數ガ帝國臣民又ハ帝國法人ニ屬スル外國法人トス
第二條 國際電氣通信株式會社法第八條ノ規定ニ依リ交付スベキ交付金ノ額ハ左ノ金額トシ一月分每ニ之ヲ計算ス
一 會社ノ無線電信又ハ無線電話ノ設備及其ノ附屬設備ヲ使用シタルトキハ該設備ヲ使用シテ政府ノ取扱ヒタル電氣通信ノ料金中本邦收得分ニ當ルモノニ電報ニ付テハ百分ノ七十五、電話通話ニ付テハ百分ノ九十ヲ乘ジタル金額
二 會社ノ電信又ハ電話ノ設備及其ノ附屬設備ヲ使用シタルトキハ該設備ヲ政府ノ用ニ供スルニ要スル經費ノ二分ノ一ニ當ル金額及該設備ヲ使用シテ政府ノ取扱ヒタル電氣通信ノ修整料金ニ一定ノ割合ヲ乘ジタル金額ノ合計額
前項第二號ノ經費及修整料金ノ算出方法竝ニ一定ノ割合ハ政府之ヲ定ム
第一項ノ交付金ニ付テハ槪算拂ヲ爲スコトヲ得
第三條 國際電氣通信株式會社法第十四條ノ五第一項及第二項ニ於テ勅令ノ定ムル營業期トハ昭和十五年四月一日ヨリ同年九月三十日ニ至ル營業期トス
第四條 電信線電話線建設條例(朝鮮ニ在リテハ朝鮮電信線電話線建設令)ハ會社ガ國際電氣通信株式會社法第一條ニ揭グル設備ノ建設及保守ヲ爲ス場合ニ之ヲ準用ス但シ同條例(朝鮮電信線電話線建設令ニ於テ依ル場合ヲ含ム以下同ジ)第一條第一項ノ規定ニ依リ民有ノ土地若ハ營造物ヲ使用セントスルトキ又ハ同條例第三條第二項ノ規定ニ依リ竹木其ノ他ノ植物ヲ伐除セントスルトキハ豫メ其ノ所有者又ハ其ノ他ノ權利者ニ通知シ同條例第一條第二項ノ規定ニ依リ官有ノ土地又ハ營造物ヲ使用セントスルトキハ豫メ其ノ所管廳ノ許可ヲ受クベシ
第五條 國際電氣通信株式會社法第十五條ノ規定ニ依ル買收價格ハ政府及會社協議ノ上之ヲ定ム
前項ノ協議調ハザル場合ニ於テハ政府ハ左ニ揭グル者ヲ以テ組織スル評價委員會ノ意見ヲ聽キ買收價格ヲ定ム
一 政府ノ選定シタル三名ノ委員
二 會社ノ選定シタル三名ノ委員
三 特別ノ知識經驗アル者ノ中ヨリ政府及會社ノ協議ニ依リ選定シタル三名ノ委員
第六條 國際電氣通信株式會社法第二條乃至第四條、第五條第三項及第十二條乃至第十四條中政府トアルハ遞信大臣トシ同法第八條ノ三第一項中政府トアルハ遞信大臣及大藏大臣トス
左ニ揭グル事項ニ付テハ遞信大臣ハ豫メ朝鮮總督ニ協議スベシ
一 國際電氣通信株式會社法第三條又ハ第四條ノ規定ニ依ル認可ヲ爲スコト
二 國際電氣通信株式會社法第十二條第一項ノ規定ニ依リ朝鮮ニ於テ同法第一條ニ揭グル設備ヲ爲スベキコトヲ命ズルコト
三 國際電氣通信株式會社法第十二條ノ三第二項ノ規定ニ依リ朝鮮ニ於ケル業務ニ從事スル技術者ノ解任ヲ命ズルコト
四 國際電氣通信株式會社法第十二條ノ四ノ規定ニ依リ社債ノ募集ノ認可ヲ爲スコト
五 國際電氣通信株式會社法第十二條ノ五ノ規定ニ依リ朝鮮ニ關係ヲ有スル事業計畫ノ設定又ハ變更ノ認可ヲ爲スコト
六 國際電氣通信株式會社法第十三條第一項ノ規定ニ依リ主トシテ朝鮮ニ於ケル業務ヲ掌理スル取締役ノ選任及解任、定款ノ變更、合併又ハ解散ノ決議ノ認可ヲ爲スコト
七 國際電氣通信株式會社法第十三條第二項ノ規定ニ依リ朝鮮ニ於ケル業務ニ關スル決議ヲ取消シ又ハ主トシテ朝鮮ニ於ケル業務ヲ掌理スル取締役ノ解任ヲ爲スコト
前項第二號又ハ第三號ニ揭グル事項ハ前二項ノ規定ニ拘ラズ事宜ニ依リ遞信大臣ト協議ノ上朝鮮總督ニ於テモ之ヲ爲スコトヲ得
第七條 左ニ揭グル事項ハ前條ノ規定ニ拘ラズ朝鮮總督遞信大臣ト協議ノ上之ヲ行フ但シ事宜ニ依リ朝鮮總督ト協議ノ上遞信大臣ニ於テモ之ヲ爲スコトヲ得
一 國際電氣通信株式會社法第二條ノ規定ニ依リ朝鮮ニ於テ營ム事業ニ關スル命令又ハ認可ヲ爲スコト
二 國際電氣通信株式會社法第十二條第一項ノ規定ニ依リ朝鮮ニ於ケル業務ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ爲スコト
三 國際電氣通信株式會社法第十四條ノ規定ニ依リ朝鮮ニ在ル電氣通信ノ設備又ハ其ノ附屬設備ニ屬スル物件ヲ讓渡シ又ハ擔保ニ供スルコトヲ認可スルコト
附 則
本令ハ昭和十五年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
朕国際電気通信株式会社法施行令改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年三月二十九日
内閣総理大臣 米内光政
大蔵大臣 桜内幸雄
拓務大臣 小磯国昭
逓信大臣 勝正憲
勅令第百三十三号
国際電気通信株式会社法施行令
第一条 国際電気通信株式会社法第五条第三項ノ規定ニ依リ国際電気通信株式会社(以下単ニ会社ト称ス)ノ株主ト為ルコトヲ得ル法人ハ業務ヲ執行スル役員ノ半数以上、資本ノ半額以上及議決権ノ過半数ガ帝国臣民又ハ帝国法人ニ属スル外国法人トス
第二条 国際電気通信株式会社法第八条ノ規定ニ依リ交付スベキ交付金ノ額ハ左ノ金額トシ一月分毎ニ之ヲ計算ス
一 会社ノ無線電信又ハ無線電話ノ設備及其ノ附属設備ヲ使用シタルトキハ該設備ヲ使用シテ政府ノ取扱ヒタル電気通信ノ料金中本邦収得分ニ当ルモノニ電報ニ付テハ百分ノ七十五、電話通話ニ付テハ百分ノ九十ヲ乗ジタル金額
二 会社ノ電信又ハ電話ノ設備及其ノ附属設備ヲ使用シタルトキハ該設備ヲ政府ノ用ニ供スルニ要スル経費ノ二分ノ一ニ当ル金額及該設備ヲ使用シテ政府ノ取扱ヒタル電気通信ノ修整料金ニ一定ノ割合ヲ乗ジタル金額ノ合計額
前項第二号ノ経費及修整料金ノ算出方法並ニ一定ノ割合ハ政府之ヲ定ム
第一項ノ交付金ニ付テハ概算払ヲ為スコトヲ得
第三条 国際電気通信株式会社法第十四条ノ五第一項及第二項ニ於テ勅令ノ定ムル営業期トハ昭和十五年四月一日ヨリ同年九月三十日ニ至ル営業期トス
第四条 電信線電話線建設条例(朝鮮ニ在リテハ朝鮮電信線電話線建設令)ハ会社ガ国際電気通信株式会社法第一条ニ掲グル設備ノ建設及保守ヲ為ス場合ニ之ヲ準用ス但シ同条例(朝鮮電信線電話線建設令ニ於テ依ル場合ヲ含ム以下同ジ)第一条第一項ノ規定ニ依リ民有ノ土地若ハ営造物ヲ使用セントスルトキ又ハ同条例第三条第二項ノ規定ニ依リ竹木其ノ他ノ植物ヲ伐除セントスルトキハ予メ其ノ所有者又ハ其ノ他ノ権利者ニ通知シ同条例第一条第二項ノ規定ニ依リ官有ノ土地又ハ営造物ヲ使用セントスルトキハ予メ其ノ所管庁ノ許可ヲ受クベシ
第五条 国際電気通信株式会社法第十五条ノ規定ニ依ル買収価格ハ政府及会社協議ノ上之ヲ定ム
前項ノ協議調ハザル場合ニ於テハ政府ハ左ニ掲グル者ヲ以テ組織スル評価委員会ノ意見ヲ聴キ買収価格ヲ定ム
一 政府ノ選定シタル三名ノ委員
二 会社ノ選定シタル三名ノ委員
三 特別ノ知識経験アル者ノ中ヨリ政府及会社ノ協議ニ依リ選定シタル三名ノ委員
第六条 国際電気通信株式会社法第二条乃至第四条、第五条第三項及第十二条乃至第十四条中政府トアルハ逓信大臣トシ同法第八条ノ三第一項中政府トアルハ逓信大臣及大蔵大臣トス
左ニ掲グル事項ニ付テハ逓信大臣ハ予メ朝鮮総督ニ協議スベシ
一 国際電気通信株式会社法第三条又ハ第四条ノ規定ニ依ル認可ヲ為スコト
二 国際電気通信株式会社法第十二条第一項ノ規定ニ依リ朝鮮ニ於テ同法第一条ニ掲グル設備ヲ為スベキコトヲ命ズルコト
三 国際電気通信株式会社法第十二条ノ三第二項ノ規定ニ依リ朝鮮ニ於ケル業務ニ従事スル技術者ノ解任ヲ命ズルコト
四 国際電気通信株式会社法第十二条ノ四ノ規定ニ依リ社債ノ募集ノ認可ヲ為スコト
五 国際電気通信株式会社法第十二条ノ五ノ規定ニ依リ朝鮮ニ関係ヲ有スル事業計画ノ設定又ハ変更ノ認可ヲ為スコト
六 国際電気通信株式会社法第十三条第一項ノ規定ニ依リ主トシテ朝鮮ニ於ケル業務ヲ掌理スル取締役ノ選任及解任、定款ノ変更、合併又ハ解散ノ決議ノ認可ヲ為スコト
七 国際電気通信株式会社法第十三条第二項ノ規定ニ依リ朝鮮ニ於ケル業務ニ関スル決議ヲ取消シ又ハ主トシテ朝鮮ニ於ケル業務ヲ掌理スル取締役ノ解任ヲ為スコト
前項第二号又ハ第三号ニ掲グル事項ハ前二項ノ規定ニ拘ラズ事宜ニ依リ逓信大臣ト協議ノ上朝鮮総督ニ於テモ之ヲ為スコトヲ得
第七条 左ニ掲グル事項ハ前条ノ規定ニ拘ラズ朝鮮総督逓信大臣ト協議ノ上之ヲ行フ但シ事宜ニ依リ朝鮮総督ト協議ノ上逓信大臣ニ於テモ之ヲ為スコトヲ得
一 国際電気通信株式会社法第二条ノ規定ニ依リ朝鮮ニ於テ営ム事業ニ関スル命令又ハ認可ヲ為スコト
二 国際電気通信株式会社法第十二条第一項ノ規定ニ依リ朝鮮ニ於ケル業務ニ関シ監督上必要ナル命令ヲ為スコト
三 国際電気通信株式会社法第十四条ノ規定ニ依リ朝鮮ニ在ル電気通信ノ設備又ハ其ノ附属設備ニ属スル物件ヲ譲渡シ又ハ担保ニ供スルコトヲ認可スルコト
附 則
本令ハ昭和十五年四月一日ヨリ之ヲ施行ス