産金法
法令番号: 法律第五十九號
公布年月日: 昭和12年8月11日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル產金法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十二年八月十日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
大藏大臣 賀屋興宣
商工大臣 吉野信次
法律第五十九號
產金法
第一條 含金鑛物、砂金又ハ製鍊ノ過程ニ在ル含金物(以下含金鑛產物ト總稱ス)ヲ取得シタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ金地金ニ製鍊シテ政府ニ賣却シ又ハ之ヲ金製鍊業者若ハ第三條第一項ノ規定ニ依リ含金鑛產物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者ニ賣却スベシ
前項ノ含金鑛產物ノ範圍ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 政府ハ必要アリト認ムルトキハ含金鑛產物ヲ取得シタル者ニ對シ之ヲ金製鍊業者又ハ第三條第一項ノ規定ニ依リ含金鑛產物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者ニシテ政府ノ指定スルモノニ賣却スベキコトヲ命ズルコトヲ得
政府ハ必要アリト認ムルトキハ金製鍊業者又ハ第三條第一項ノ規定ニ依リ含金鑛產物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者ニ對シ政府ノ指定スル者ヨリ含金鑛產物ヲ買入ルベキコトヲ命ズルコトヲ得
第三條 金製鍊業ヲ營マントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ免許ヲ受クベシ業トシテ含金鑛產物ノ買入ヲ爲サントスル者亦同ジ
前項ノ免許ヲ受ケ金製鍊業ヲ營ム者ハ之ヲ金製鍊業者ト稱ス
金製鍊業者又ハ第一項ノ規定ニ依リ含金鑛產物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者ニ非ザレバ含金鑛產物ヲ讓受クルコトヲ得ズ但シ命令ヲ以テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第四條 金製鍊業者其ノ事業ヲ廢止シ又ハ休止セントスルトキハ政府ノ許可ヲ受クベシ
金製鍊業ノ讓渡又ハ金製鍊業ヲ營ム會社ノ合併若ハ解散ノ決議若ハ總社員ノ同意ハ政府ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
相續人ガ被相續人ノ金製鍊業ヲ承繼シタルトキハ相續人ハ金製鍊業ノ免許ヲ受ケタル者ト看做ス此ノ場合ニ於テハ相續人ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ政府ニ屆出ヅベシ
第五條 金製鍊業者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ事業計畫ヲ定メ之ヲ政府ニ屆出ヅベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
政府ハ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ事業計畫ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第六條 政府ハ產金ノ增加ヲ圖ル爲必要アリト認ムルトキハ金製鍊業者ニ對シ製鍊設備ノ擴張、改良其ノ他製鍊設備ニ關シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第七條 金鑛ヲ目的トスル鑛業權者及砂金ヲ目的トスル砂鑛權者(以下金鑛業者ト總稱ス)ハ命令ノ定ムル所ニ依リ事業計畫ヲ定メ之ヲ政府ニ屆出ヅベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
政府ハ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ事業計畫ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第八條 政府ハ產金ノ增加ヲ圖ル爲必要アリト認ムルトキハ金鑛業者ニ對シ探鑛、掘採、採取若ハ選鑛ニ付設備ノ新設、擴張、改良其ノ他必要ナル事項ヲ命ジ又ハ製鍊設備ノ新設ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令ニ依リ製鍊設備ノ新設ヲ爲シタル者ハ金製鍊業者ト看做ス
第九條 政府ハ公益上必要アリト認ムルトキハ金鑛業者、金製鍊業者又ハ第三條第一項ノ規定ニ依リ含金鑛產物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者ニ對シ含金鑛產物ノ取引ニ關シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第十條 政府ハ金鑛業者、金製鍊業者又ハ第三條第一項ノ規定ニ依リ含金鑛產物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者ニ對シ其ノ業務及財產ノ狀況ニ關シ報吿ヲ徵シ又ハ檢査ヲ爲スコトヲ得
政府ハ金鑛業者、金製鍊業者又ハ第三條第一項ノ規定ニ依リ含金鑛產物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者ニ對シ其ノ業務及會計ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第十一條 政府ハ必要アリト認ムルトキハ金ノ價格又ハ金ノ使用ノ制限其ノ他金ノ使用ニ關シ必要ナル命令ヲ發スルコトヲ得
第十二條 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ金貨幣、金地金、金ノ合金又ハ金ヲ主タル材料トスル物ノ取得、處分又ハ保有ニ關シ報吿ヲ徵シ又ハ檢査ヲ爲スコトヲ得
第十三條 鑛業法第五十條乃至第七十條、第九十二條、第九十三條、第九十九條第一項、第百三條及第百四條ノ規定ハ金鑛業者ニ非ザル金製鍊業者ニ關シ之ヲ準用ス
第十四條 政府第二條、第六條、第八條第一項、第九條又ハ第十一條ノ規定ニ依ル命令ヲ爲サントスルトキハ金委員會ノ議ヲ經ベシ
金委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十五條 金鑛業者又ハ金製鍊業者其ノ事業ノ爲必要ナル器具、機械其ノ他ノ材料ヲ政府ノ認可ヲ受ケ輸入スルトキハ本法施行ノ日ヨリ五年間命令ノ定ムル所ニ依リ輸入稅ヲ免除ス
第十六條 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ金鑛業者及金製鍊業者ニ對シ奬勵金ヲ交付スルコトヲ得
第十七條 詐欺ノ行爲ヲ以テ前條ノ奬勵金ノ交付ヲ受ケタル者ニ對シテハ其ノ金額ノ返還ヲ命ズ
前項ノ規定ニ依ル返還金ハ國稅滯納處分ノ例ニ依リ之ヲ徵收スルコトヲ得但シ先取特權ノ順位ハ國稅ニ次グモノトス
第十八條 金製鍊業者又ハ第三條第一項ノ規定ニ依リ含金鑛產物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シ又ハ政府ノ命ジタル事項ヲ執行セザルトキハ政府ハ其ノ業務ヲ停止シ若ハ制限シ、第三條第一項ノ許可ヲ取消シ又ハ法人ノ役員ノ解任ヲ爲スコトヲ得
第十九條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス但シ當該金地金又ハ含金鑛產物ノ價額ノ三倍ガ五千圓ヲ超ユルトキハ罰金ハ其ノ價額ノ三倍以下トス
一 第一條第一項ノ規定ニ基キテ發スル命令ニ違反シテ金地金ヲ政府ニ賣却セザル者
二 第一條第一項ノ規定ニ違反シテ金地金ヲ政府以外ノ者ニ讓渡シタル者
三 第一條第一項ノ規定ニ違反シテ金製鍊業者及第三條第一項ノ規定ニ依リ含金鑛產物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者以外ノ者ニ含金鑛產物ヲ讓渡シタル者
四 第三條第一項ノ規定ニ違反シテ含金鑛產物ヲ買入レ又ハ同條第三項ノ規定ニ違反シテ之ヲ讓受ケタル者
第二十條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第二條第一項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シテ含金鑛產物ヲ政府ノ指定シタル者以外ノ者ニ讓渡シタル者
二 第三條第一項ノ規定ニ違反シテ金ノ製鍊ヲ爲シタル者
三 第九條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
四 第十一條ノ規定ニ基キテ發スル命令ニ違反シタル者
第二十一條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第四條第一項ノ規定ニ違反シテ事業ヲ廢止シ又ハ休止シタル者
二 第五條第一項又ハ第七條第一項ノ規定ニ違反シテ事業計畫ノ屆出ヲ爲サズ又ハ屆出デタル事業計畫ヲ實施セザル者
三 第五條第二項又ハ第七條第二項ノ規定ニ依ル變更命令ニ違反シテ事業計畫ヲ實施シタル者
四 第六條又ハ第八條第一項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
第二十二條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第四條第三項ノ規定ニ違反シテ屆出ヲ爲サザル者
二 第十條第一項又ハ第十二條ノ規定ニ依ル報吿ヲ爲サズ、虛僞ノ報吿ヲ爲シ又ハ檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者
三 第十條第二項ノ規定ニ依ル命令又ハ處分ニ違反シタル者
第二十三條 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ從業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シテ第十九條乃至前條ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ行爲者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ對シ亦第十九條乃至前條ノ罰金刑ヲ科ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ含金鑛產物ヲ所有スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法施行ノ日ニ之ヲ取得シタル者ト看做ス
本法施行ノ際現ニ金製鍊業ヲ營ム者又ハ其ノ事業ヲ承繼シタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法施行ノ日ヨリ二月ヲ限リ第三條第一項ノ規定ニ拘ラズ其ノ事業ヲ營ムコトヲ得
前項ニ揭グル者前項ノ期間內ニ金製鍊業ノ免許ヲ申請シタル場合ニ於テ其ノ申請ニ對スル許否ノ處分ノ日迄亦前項ニ同ジ
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル産金法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十二年八月十日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
大蔵大臣 賀屋興宣
商工大臣 吉野信次
法律第五十九号
産金法
第一条 含金鉱物、砂金又ハ製錬ノ過程ニ在ル含金物(以下含金鉱産物ト総称ス)ヲ取得シタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ金地金ニ製錬シテ政府ニ売却シ又ハ之ヲ金製錬業者若ハ第三条第一項ノ規定ニ依リ含金鉱産物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者ニ売却スベシ
前項ノ含金鉱産物ノ範囲ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二条 政府ハ必要アリト認ムルトキハ含金鉱産物ヲ取得シタル者ニ対シ之ヲ金製錬業者又ハ第三条第一項ノ規定ニ依リ含金鉱産物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者ニシテ政府ノ指定スルモノニ売却スベキコトヲ命ズルコトヲ得
政府ハ必要アリト認ムルトキハ金製錬業者又ハ第三条第一項ノ規定ニ依リ含金鉱産物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者ニ対シ政府ノ指定スル者ヨリ含金鉱産物ヲ買入ルベキコトヲ命ズルコトヲ得
第三条 金製錬業ヲ営マントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ免許ヲ受クベシ業トシテ含金鉱産物ノ買入ヲ為サントスル者亦同ジ
前項ノ免許ヲ受ケ金製錬業ヲ営ム者ハ之ヲ金製錬業者ト称ス
金製錬業者又ハ第一項ノ規定ニ依リ含金鉱産物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者ニ非ザレバ含金鉱産物ヲ譲受クルコトヲ得ズ但シ命令ヲ以テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第四条 金製錬業者其ノ事業ヲ廃止シ又ハ休止セントスルトキハ政府ノ許可ヲ受クベシ
金製錬業ノ譲渡又ハ金製錬業ヲ営ム会社ノ合併若ハ解散ノ決議若ハ総社員ノ同意ハ政府ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
相続人ガ被相続人ノ金製錬業ヲ承継シタルトキハ相続人ハ金製錬業ノ免許ヲ受ケタル者ト看做ス此ノ場合ニ於テハ相続人ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ政府ニ届出ヅベシ
第五条 金製錬業者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ事業計画ヲ定メ之ヲ政府ニ届出ヅベシ之ヲ変更セントスルトキ亦同ジ
政府ハ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ事業計画ノ変更ヲ命ズルコトヲ得
第六条 政府ハ産金ノ増加ヲ図ル為必要アリト認ムルトキハ金製錬業者ニ対シ製錬設備ノ拡張、改良其ノ他製錬設備ニ関シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第七条 金鉱ヲ目的トスル鉱業権者及砂金ヲ目的トスル砂鉱権者(以下金鉱業者ト総称ス)ハ命令ノ定ムル所ニ依リ事業計画ヲ定メ之ヲ政府ニ届出ヅベシ之ヲ変更セントスルトキ亦同ジ
政府ハ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ事業計画ノ変更ヲ命ズルコトヲ得
第八条 政府ハ産金ノ増加ヲ図ル為必要アリト認ムルトキハ金鉱業者ニ対シ探鉱、掘採、採取若ハ選鉱ニ付設備ノ新設、拡張、改良其ノ他必要ナル事項ヲ命ジ又ハ製錬設備ノ新設ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令ニ依リ製錬設備ノ新設ヲ為シタル者ハ金製錬業者ト看做ス
第九条 政府ハ公益上必要アリト認ムルトキハ金鉱業者、金製錬業者又ハ第三条第一項ノ規定ニ依リ含金鉱産物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者ニ対シ含金鉱産物ノ取引ニ関シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第十条 政府ハ金鉱業者、金製錬業者又ハ第三条第一項ノ規定ニ依リ含金鉱産物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者ニ対シ其ノ業務及財産ノ状況ニ関シ報告ヲ徴シ又ハ検査ヲ為スコトヲ得
政府ハ金鉱業者、金製錬業者又ハ第三条第一項ノ規定ニ依リ含金鉱産物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者ニ対シ其ノ業務及会計ニ関シ監督上必要ナル命令ヲ発シ又ハ処分ヲ為スコトヲ得
第十一条 政府ハ必要アリト認ムルトキハ金ノ価格又ハ金ノ使用ノ制限其ノ他金ノ使用ニ関シ必要ナル命令ヲ発スルコトヲ得
第十二条 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ金貨幣、金地金、金ノ合金又ハ金ヲ主タル材料トスル物ノ取得、処分又ハ保有ニ関シ報告ヲ徴シ又ハ検査ヲ為スコトヲ得
第十三条 鉱業法第五十条乃至第七十条、第九十二条、第九十三条、第九十九条第一項、第百三条及第百四条ノ規定ハ金鉱業者ニ非ザル金製錬業者ニ関シ之ヲ準用ス
第十四条 政府第二条、第六条、第八条第一項、第九条又ハ第十一条ノ規定ニ依ル命令ヲ為サントスルトキハ金委員会ノ議ヲ経ベシ
金委員会ニ関スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十五条 金鉱業者又ハ金製錬業者其ノ事業ノ為必要ナル器具、機械其ノ他ノ材料ヲ政府ノ認可ヲ受ケ輸入スルトキハ本法施行ノ日ヨリ五年間命令ノ定ムル所ニ依リ輸入税ヲ免除ス
第十六条 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ金鉱業者及金製錬業者ニ対シ奨励金ヲ交付スルコトヲ得
第十七条 詐欺ノ行為ヲ以テ前条ノ奨励金ノ交付ヲ受ケタル者ニ対シテハ其ノ金額ノ返還ヲ命ズ
前項ノ規定ニ依ル返還金ハ国税滞納処分ノ例ニ依リ之ヲ徴収スルコトヲ得但シ先取特権ノ順位ハ国税ニ次グモノトス
第十八条 金製錬業者又ハ第三条第一項ノ規定ニ依リ含金鉱産物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者本法若ハ本法ニ基キテ発スル命令ニ違反シ又ハ政府ノ命ジタル事項ヲ執行セザルトキハ政府ハ其ノ業務ヲ停止シ若ハ制限シ、第三条第一項ノ許可ヲ取消シ又ハ法人ノ役員ノ解任ヲ為スコトヲ得
第十九条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ五千円以下ノ罰金ニ処ス但シ当該金地金又ハ含金鉱産物ノ価額ノ三倍ガ五千円ヲ超ユルトキハ罰金ハ其ノ価額ノ三倍以下トス
一 第一条第一項ノ規定ニ基キテ発スル命令ニ違反シテ金地金ヲ政府ニ売却セザル者
二 第一条第一項ノ規定ニ違反シテ金地金ヲ政府以外ノ者ニ譲渡シタル者
三 第一条第一項ノ規定ニ違反シテ金製錬業者及第三条第一項ノ規定ニ依リ含金鉱産物ノ買入ノ免許ヲ受ケタル者以外ノ者ニ含金鉱産物ヲ譲渡シタル者
四 第三条第一項ノ規定ニ違反シテ含金鉱産物ヲ買入レ又ハ同条第三項ノ規定ニ違反シテ之ヲ譲受ケタル者
第二十条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ五千円以下ノ罰金ニ処ス
一 第二条第一項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シテ含金鉱産物ヲ政府ノ指定シタル者以外ノ者ニ譲渡シタル者
二 第三条第一項ノ規定ニ違反シテ金ノ製錬ヲ為シタル者
三 第九条ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
四 第十一条ノ規定ニ基キテ発スル命令ニ違反シタル者
第二十一条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ二千円以下ノ罰金ニ処ス
一 第四条第一項ノ規定ニ違反シテ事業ヲ廃止シ又ハ休止シタル者
二 第五条第一項又ハ第七条第一項ノ規定ニ違反シテ事業計画ノ届出ヲ為サズ又ハ届出デタル事業計画ヲ実施セザル者
三 第五条第二項又ハ第七条第二項ノ規定ニ依ル変更命令ニ違反シテ事業計画ヲ実施シタル者
四 第六条又ハ第八条第一項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
第二十二条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
一 第四条第三項ノ規定ニ違反シテ届出ヲ為サザル者
二 第十条第一項又ハ第十二条ノ規定ニ依ル報告ヲ為サズ、虚偽ノ報告ヲ為シ又ハ検査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者
三 第十条第二項ノ規定ニ依ル命令又ハ処分ニ違反シタル者
第二十三条 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ関シテ第十九条乃至前条ノ違反行為ヲ為シタルトキハ行為者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ対シ亦第十九条乃至前条ノ罰金刑ヲ科ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ含金鉱産物ヲ所有スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法施行ノ日ニ之ヲ取得シタル者ト看做ス
本法施行ノ際現ニ金製錬業ヲ営ム者又ハ其ノ事業ヲ承継シタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法施行ノ日ヨリ二月ヲ限リ第三条第一項ノ規定ニ拘ラズ其ノ事業ヲ営ムコトヲ得
前項ニ掲グル者前項ノ期間内ニ金製錬業ノ免許ヲ申請シタル場合ニ於テ其ノ申請ニ対スル許否ノ処分ノ日迄亦前項ニ同ジ