産金法施行令
法令番号: 勅令第四百五十四號
公布年月日: 昭和12年8月24日
法令の形式: 勅令
朕產金法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十二年八月二十三日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
大藏大臣 賀屋興宣
商工大臣 吉野信次
勅令第四百五十四號
產金法施行令
第一條 產金法第一條第一項ノ含金鑛物トハ金鑛、金銀鑛、金銀銅鑛其ノ他ノ金ヲ含ム鑛物(鑛滓ヲ含ム)ニシテ工業上金ヲ採取シ得ルモノヲ謂フ
第二條 產金法第一條第一項ノ製鍊ノ過程ニ在ル含金物トハ左ノ各號ニ揭グル物ヲ謂フ
一 粗銅、粗鉛、澱物、アマルガム其ノ他ノ製鍊ノ過程ニ於テ生ズル金ヲ含ム物ニシテ工業上金ヲ採取シ得ルモノ
二 金及銀ヲ主タル成分トスル地金ニシテ含金鑛物、砂金又ハ前號ニ揭グル物ヨリ新ニ製成シタルモノ(以下之ヲ粗金銀地金ト稱ス)
第三條 產金法第一條第一項ノ規定ハ左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニハ之ヲ適用セズ
一 當該含金鑛產物ヲ學術硏究、試驗又ハ標本ノ用ニ供スルトキ
二 政府ノ許可ヲ受ケタルトキ
第四條 粗金銀地金ヲ製成シタル者又ハ之ヲ讓受ケタル者ハ之ヲ品位千分中金九百九十以上ノ金地金ニ精製シ又ハ之ガ精製ヲ造幣局ニ依賴シ大藏大臣ノ定ムル所ニ依リ政府ニ賣却スベシ但シ粗金銀地金ノ製成高及讓受高ノ合計中ニ含マルル純金量ガ每月一瓩ヲ超エザル者ハ產金法第一條第一項後段ノ規定ニ依リ之ヲ賣却スルコトヲ妨ゲズ
前項ノ規定ニ依リ金地金ヲ政府ニ賣却スベキ期間ハ精製完了ノ時又ハ造幣局ニ精製ヲ依賴シタル時ヨリ一月內トス
金銀地金精製及品位證明規則第十二條ノ規定ニ依リ地金ノ輸納ヲ受理セズ又ハ其ノ受理ヲ停止スル場合ニ於テハ其ノ期間ハ前項ノ期間中ヨリ之ヲ除算ス
第五條 金地金ノ買上價格ハ大藏大臣之ヲ定ム
第六條 產金法第三條第一項ノ規定ニ依リ金製鍊業ヲ營マントスル者又ハ業トシテ含金鑛產物ノ買入ヲ爲サントスル者ハ商工大臣ノ免許ヲ受クベシ
商工大臣前項後段ノ規定ニ依リ業トシテ粗金銀地金又ハ含金アマルガムノ買入ヲ爲スコトヲ免許セントスルトキハ大藏大臣ニ協議スベシ
第七條 產金法第三條第一項ノ金製鍊業ノ免許ハ製鍊場每ニ之ヲ爲シ業トシテ含金鑛產物ノ買入ヲ爲スコトノ免許ハ目的物ヲ限定シテ之ヲ爲スモノトス
金ノ精製ノミヲ爲ス者ハ其ノ精製ニ限リ金製鍊業者トシテノ免許ヲ受クルコトヲ要セズ
第八條 產金法第三條第三項本文ノ規定ハ左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニハ之ヲ適用セズ
一 當該含金鑛產物ヲ學術硏究、試驗又ハ標本ノ用ニ供スルトキ
二 政府ノ許可ヲ受ケタルトキ
第九條 產金法第五條第一項ノ事業計畫ハ製鍊場每ニ、同法第七條第一項ノ事業計畫ハ鑛山每ニ之ヲ定メ商工大臣ニ屆出ヅベシ
商工大臣ハ前項ノ事業計畫ノ屆出ヲ免除スルコトヲ得
第十條 產金法第十五條ノ規定ニ依リ輸入稅ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキ器具、機械其ノ他ノ材料ハ金鑛業又ハ金製鍊業ノ爲必要ナル物品ニシテ豫メ商工大臣ノ認可ヲ受ケタルモノニ限ル
前項ノ物品ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十一條 產金法第十五條ノ規定ニ依リ輸入稅ノ免除ヲ受ケントスル者ハ輸入申吿書ニ前條第一項ノ認可ヲ受ケタルコトヲ證スル書類ヲ添附スベシ
輸入申吿ハ金鑛業者又ハ金製鍊業者ノ名ヲ以テスルコトヲ要ス
第十二條 輸入稅ノ免除ヲ受ケタル物品ヲ產金法第十五條ノ規定ニ依リ輸入稅ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキ他ノ用途ニ供セントスル場合ニ於テハ商工大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ旨ヲ稅關ニ申吿スルコトヲ要ス
第十三條 輸入稅ノ免除ヲ受ケタル物品ヲ輸入ノ日ヨリ一年內ニ輸入ノ目的タル用途又ハ前條ノ規定ニ依ル他ノ用途ニ供セザルトキハ其ノ輸入稅ヲ追徵ス但シ已ムコトヲ得ザル事由ニ依リ其ノ期間ノ延長ニ付商工大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ旨ヲ稅關ニ申吿シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
附 則
本令ハ產金法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
產金法施行ノ際現ニ金鑛業又ハ金製鍊業ヲ營ム者以外ノ者含金鑛產物ヲ所有スルトキハ產金法附則第二項ノ規定ハ之ヲ適用セズ
金銀地金精製及品位證明規則第二條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ政府ニ賣却スヘキ地金ハ此ノ限ニ在ラス
朕産金法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十二年八月二十三日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
大蔵大臣 賀屋興宣
商工大臣 吉野信次
勅令第四百五十四号
産金法施行令
第一条 産金法第一条第一項ノ含金鉱物トハ金鉱、金銀鉱、金銀銅鉱其ノ他ノ金ヲ含ム鉱物(鉱滓ヲ含ム)ニシテ工業上金ヲ採取シ得ルモノヲ謂フ
第二条 産金法第一条第一項ノ製錬ノ過程ニ在ル含金物トハ左ノ各号ニ掲グル物ヲ謂フ
一 粗銅、粗鉛、澱物、アマルガム其ノ他ノ製錬ノ過程ニ於テ生ズル金ヲ含ム物ニシテ工業上金ヲ採取シ得ルモノ
二 金及銀ヲ主タル成分トスル地金ニシテ含金鉱物、砂金又ハ前号ニ掲グル物ヨリ新ニ製成シタルモノ(以下之ヲ粗金銀地金ト称ス)
第三条 産金法第一条第一項ノ規定ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニハ之ヲ適用セズ
一 当該含金鉱産物ヲ学術研究、試験又ハ標本ノ用ニ供スルトキ
二 政府ノ許可ヲ受ケタルトキ
第四条 粗金銀地金ヲ製成シタル者又ハ之ヲ譲受ケタル者ハ之ヲ品位千分中金九百九十以上ノ金地金ニ精製シ又ハ之ガ精製ヲ造幣局ニ依頼シ大蔵大臣ノ定ムル所ニ依リ政府ニ売却スベシ但シ粗金銀地金ノ製成高及譲受高ノ合計中ニ含マルル純金量ガ毎月一瓩ヲ超エザル者ハ産金法第一条第一項後段ノ規定ニ依リ之ヲ売却スルコトヲ妨ゲズ
前項ノ規定ニ依リ金地金ヲ政府ニ売却スベキ期間ハ精製完了ノ時又ハ造幣局ニ精製ヲ依頼シタル時ヨリ一月内トス
金銀地金精製及品位証明規則第十二条ノ規定ニ依リ地金ノ輸納ヲ受理セズ又ハ其ノ受理ヲ停止スル場合ニ於テハ其ノ期間ハ前項ノ期間中ヨリ之ヲ除算ス
第五条 金地金ノ買上価格ハ大蔵大臣之ヲ定ム
第六条 産金法第三条第一項ノ規定ニ依リ金製錬業ヲ営マントスル者又ハ業トシテ含金鉱産物ノ買入ヲ為サントスル者ハ商工大臣ノ免許ヲ受クベシ
商工大臣前項後段ノ規定ニ依リ業トシテ粗金銀地金又ハ含金アマルガムノ買入ヲ為スコトヲ免許セントスルトキハ大蔵大臣ニ協議スベシ
第七条 産金法第三条第一項ノ金製錬業ノ免許ハ製錬場毎ニ之ヲ為シ業トシテ含金鉱産物ノ買入ヲ為スコトノ免許ハ目的物ヲ限定シテ之ヲ為スモノトス
金ノ精製ノミヲ為ス者ハ其ノ精製ニ限リ金製錬業者トシテノ免許ヲ受クルコトヲ要セズ
第八条 産金法第三条第三項本文ノ規定ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニハ之ヲ適用セズ
一 当該含金鉱産物ヲ学術研究、試験又ハ標本ノ用ニ供スルトキ
二 政府ノ許可ヲ受ケタルトキ
第九条 産金法第五条第一項ノ事業計画ハ製錬場毎ニ、同法第七条第一項ノ事業計画ハ鉱山毎ニ之ヲ定メ商工大臣ニ届出ヅベシ
商工大臣ハ前項ノ事業計画ノ届出ヲ免除スルコトヲ得
第十条 産金法第十五条ノ規定ニ依リ輸入税ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキ器具、機械其ノ他ノ材料ハ金鉱業又ハ金製錬業ノ為必要ナル物品ニシテ予メ商工大臣ノ認可ヲ受ケタルモノニ限ル
前項ノ物品ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十一条 産金法第十五条ノ規定ニ依リ輸入税ノ免除ヲ受ケントスル者ハ輸入申告書ニ前条第一項ノ認可ヲ受ケタルコトヲ証スル書類ヲ添附スベシ
輸入申告ハ金鉱業者又ハ金製錬業者ノ名ヲ以テスルコトヲ要ス
第十二条 輸入税ノ免除ヲ受ケタル物品ヲ産金法第十五条ノ規定ニ依リ輸入税ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキ他ノ用途ニ供セントスル場合ニ於テハ商工大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ旨ヲ税関ニ申告スルコトヲ要ス
第十三条 輸入税ノ免除ヲ受ケタル物品ヲ輸入ノ日ヨリ一年内ニ輸入ノ目的タル用途又ハ前条ノ規定ニ依ル他ノ用途ニ供セザルトキハ其ノ輸入税ヲ追徴ス但シ已ムコトヲ得ザル事由ニ依リ其ノ期間ノ延長ニ付商工大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ旨ヲ税関ニ申告シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
附 則
本令ハ産金法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
産金法施行ノ際現ニ金鉱業又ハ金製錬業ヲ営ム者以外ノ者含金鉱産物ヲ所有スルトキハ産金法附則第二項ノ規定ハ之ヲ適用セズ
金銀地金精製及品位証明規則第二条ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ政府ニ売却スヘキ地金ハ此ノ限ニ在ラス