第一條 日本通運株式會社ハ小運送業ノ健全ナル發達ヲ圖ル爲左ノ事業ヲ營ムコトヲ目的トスル株式會社トス
一 小運送業者ノ取引ヨリ生ズル債權債務ノ決濟ニ關スル事業
日本通運株式會社ハ小運送業又ハ之ニ關聯スル事業ニ投資スルコトヲ得
第二條 日本通運株式會社ノ資本ハ三千五百萬圓トス但シ政府ノ認可ヲ受ケ之ヲ增加スルコトヲ得
第三條 日本通運株式會社ノ株式ハ記名式トシ政府、公共團體、帝國臣民又ハ帝國法人ニシテ社員、株主若ハ業務ヲ執行スル役員ノ半數以上、資本ノ半額以上若ハ議決權ノ過半數ガ外國人若ハ外國法人ニ屬セザルモノニ限リ之ヲ所有スルコトヲ得
第四條 政府ハ日本通運株式會社ノ資本ノ半額ヲ限リ其ノ株式ノ引受ヲ爲スコトヲ得
前項ノ株式引受ニ因ル拂込金ハ帝國鐵道會計ノ資本勘定ノ歲出トシ政府ガ該引受ニ因リ取得シタル株式ハ同會計ノ資本所屬物件トス
第一項ノ規定ニ依ル株式ノ株金拂込ハ其ノ他ノ株式ノ株金拂込ト之ヲ異ニスルコトヲ得
第五條 日本通運株式會社ニ社長副社長各一人、理事五人以上及監事二人以上ヲ置ク
第六條 社長ハ日本通運株式會社ヲ代表シ其ノ業務ヲ總理ス
副社長ハ社長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ社長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
副社長及理事ハ社長ヲ輔佐シ日本通運株式會社ノ業務ヲ分掌ス
第七條 社長、副社長、理事及監事ハ株主中ヨリ株主總會ニ於テ之ヲ選任ス
社長、副社長及理事ノ任期ハ三年、監事ノ任期ハ二年トス
第八條 日本通運株式會社ノ社長、副社長及理事ハ他ノ職業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第九條 日本通運株式會社ハ每營業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金額ガ第四條第一項ノ規定ニ依ル株式以外ノ株式ノ拂込ミタル株金額ニ對シ年六分ノ割合ニ達スル迄第四條第一項ノ規定ニ依ル株式ニ對シ利益ノ配當ヲ爲スコトヲ要セズ
每營業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金額ガ第四條第一項ノ規定ニ依ル株式以外ノ株式ノ拂込ミタル株金額ニ對シ年六分ノ割合ヲ超過スルトキハ其ノ超過額ハ總株式ニ對スル利益配當ガ拂込ミタル株金額ニ對シ均一ノ割合ニ達スル迄第四條第一項ノ規定ニ依ル株式以外ノ株式ノ拂込ミタル株金額及第四條第一項ノ規定ニ依ル株式ノ拂込ミタル株金額ニ對シ一ト五トノ割合ヲ以テ之ヲ配當スベシ
主務大臣ハ部下ノ官吏ヲシテ何時ニテモ日本通運株式會社ノ金庫、帳簿及諸般ノ文書物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
第十一條 主務大臣ハ日本通運株式會社ノ業務ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第十二條 定款ノ變更、社債ノ募集、利益金ノ處分、合併及解散ノ決議ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十三條 日本通運株式會社其ノ事業ヲ休止セントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第十四條 主務大臣ハ日本通運株式會社ノ決議又ハ社長、副社長、理事若ハ監事ノ行爲ガ法令、法令ニ基ク命令若ハ定款ニ違反シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ決議ヲ取消シ又ハ社長、副社長、理事若ハ監事ヲ解任スルコトヲ得
第十五條 日本通運株式會社本法又ハ本法ニ基ク命令ニ違反シタルトキハ社長又ハ社長ノ職務ヲ行ヒ若ハ代理スル副社長ヲ千圓以下ノ過料ニ處ス副社長又ハ理事ノ分掌業務ニ係ルトキハ副社長又ハ理事ヲ過料ニ處スルコト亦同ジ
第十六條 社長、副社長又ハ理事第八條ノ規定ニ違反シタルトキハ二百圓以下ノ過料ニ處ス
第十七條 非訟事件手續法第二百六條乃至第二百八條ノ規定ハ前二條ノ過料ニ之ヲ準用ス