第一條 熊谷陸軍飛行學校ハ飛行機操縱ニ從事スル航空兵科現役下士官ト爲スベキ生徒ヲ敎育スル所トス
熊谷陸軍飛行學校ニ於テハ前項ノ外飛行機操縱ニ從事スベキ航空兵科幹部候補生又ハ下士官候補者タル生徒ニ必要ナル敎育ヲ行フ
第二條 生徒ヲ分チテ左ノ二種トシ通常每年一囘入校セシム
操縱生徒 航空兵科現役下士官タルコトヲ志願シ召募試驗ニ合格シタル者ヲ以テ之ニ充テ飛行機操縱ニ必要ナル學術ヲ修習セシム其ノ修學期間ハ槪ネ二年トス
特種生徒 飛行機操縱ニ從事スベキ航空兵科幹部候補生及陸軍補充令第八十三條第一項ノ下士官候補者ヲ以テ之ニ充ツ其ノ修學ニ關シテハ陸軍大臣之ヲ定ム
第三條 陸軍大臣ハ臨時ニ各兵科(憲兵科ヲ除ク)下士官以下ヲ召集シ飛行機操縱ニ關スル修學ヲ爲サシムルコトヲ得
第四條 操縱生徒ノ召募試驗其ノ他採用ニ關スル事項及入校期日ニ付テハ陸軍大臣之ヲ定ム
第五條 操縱生徒ノ敎育ヲ分チテ學術敎育及訓育トシ其ノ敎育綱領ハ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ陸軍航空本部長之ヲ定ム
第六條 操縱生徒ノ敎育ノ實施ハ敎則ニ依ル其ノ敎則ハ前條ノ敎育綱領ニ基キ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ校長之ヲ定ム
第七條 生徒ノ敎育ニ任ゼシムル爲熊谷陸軍飛行學校ニ敎育部ヲ置ク
第八條 生徒ノ訓育ヲ行フ爲熊谷陸軍飛行學校ニ生徒隊ヲ置ク
第九條 器材ノ修理及生徒ノ實習ニ供スル爲熊谷陸軍飛行學校ニ材料廠ヲ置ク
第十二條 幹事ハ校長ヲ輔佐シ校務ヲ整理シ敎育ノ統一ヲ圖ル
第十四條 學校附ハ校長ノ命ヲ承ケ各其ノ擔任ノ業務ヲ掌ル
第十六條 生徒隊長ハ生徒隊ヲ統ベ校長ノ命ヲ承ケ訓育ヲ掌理ス
第十七條 生徒隊副官ハ生徒隊長ノ命ヲ承ケ生徒隊ノ庶務ヲ掌ル
第十八條 生徒隊中隊長ハ生徒隊長ノ命ヲ承ケ訓育ヲ擔任ス
第十九條 生徒隊附ハ上官ノ命ヲ承ケ各擔任ノ業務ヲ掌ル
第二十一條 材料廠附ハ材料廠長ノ命ヲ承ケ廠務ヲ分擔ス
第二十二條 准士官、下士官及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ技術又ハ事務ニ從事ス
第二十三條 操縱生徒ハ校內ニ居住セシメ其ノ修學ニ要スル兵器、被服、圖書、器具、消耗品等ハ之ヲ貸付シ又ハ支給スルコトヲ得
第二十五條 操縱生徒ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ズ
第二十六條 操縱生徒左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ之ヲ退校セシム
第二十七條 操縱生徒ニシテ操縱術成業ノ目途ナキモ戰技又ハ技術ニ適スト認ムルモノハ本人ノ願ニ依リ之ヲ飛行部隊ニ派遣シ戰技ニ必要ナル修學ヲ爲サシメ又ハ之ヲ陸軍航空技術學校ニ轉校セシメ相當年ノ技術生徒ニ編入スルコトヲ得
第二十八條 操縱生徒中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ修學期間內ニ所定ノ學術ヲ修メ得ザル者ニシテ尙望アリト認ムルモノハ之ヲ所要ノ期間滯學セシメ又ハ次期ノ生徒ト爲スコトヲ得
第二十九條 前三條ノ規定ニ該當スル者アルトキハ校長其ノ事由ヲ具シ陸軍航空本部長ヲ經テ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ處理ス
第三十條 操縱生徒卒業ノ期ニ至リタルトキハ校長ハ考科列序ヲ定メ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ卒業者ニ卒業證書ヲ付與シ入校又ハ著隊ノ時日ヲ指定シ之ヲ他ノ陸軍飛行學校ニ入校セシメ又ハ所屬隊ニ入隊セシム
飛行部隊ニ派遣セラレタル生徒又ハ滯學セシメラレタル生徒修學ヲ終リタルトキハ前項ノ規定ニ準ジ之ヲ取扱フモノトス
第三十一條 校長ハ操縱生徒ニ每年三週間以內ノ休暇ヲ與フルコトヲ得
第三十二條 第三條ノ規定ニ依リ召集スル者ノ人員、召集期日及召集期間ハ陸軍大臣之ヲ吿達ス
第三十三條 前條ノ吿達アリタルトキハ所管長官(陸軍航空本部竝ニ陸軍航空本部長所轄ノ官衙及學校ニ在リテハ陸軍航空本部長)ハ修學ニ適當ナル者ヲ選定シ召集期日前ニ其ノ所屬部隊、等級及氏名ヲ陸軍大臣ニ報吿シ且陸軍航空本部長ニ通報スベシ
第三十四條 職員ニハ校務上便宜ノ時期ニ於テ隊附勤務ヲ爲サシムルコトヲ得
第三十五條 敎育上必要アルトキハ校長ハ敎育總監又ハ師團長ニ禀議シ其ノ學校又ハ軍隊ヲ使用スルコトヲ得