(陸軍飛行学校ニ於ケル生徒教育ニ関スル件)
法令番号: 勅令第六十八號
公布年月日: 昭和8年4月28日
法令の形式: 勅令
朕陸軍飛行學校ニ於ケル生徒敎育ニ關スル件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和八年四月二十七日
內閣總理大臣　子爵　齋藤實
陸軍大臣　荒木貞夫
勅令第六十八號
第一條　所澤陸軍飛行學校ニ於テ航空兵科現役下士官ト爲スベキ生徒ヲ敎育ス
第二條　生徒ヲ分チテ左ノ二種トシ航空兵科現役下士官タルコトヲ志願シ召募試驗ニ合格シタル者ヲ以テ之ニ充ツ
操縱生徒　飛行機操縱ニ任ズル航空兵科下士官タルニ必要ナル諸學術ヲ修習セシメ其ノ修學期間ハ槪ネ二年トス
技術生徒　飛行機及其ノ他航空器材ノ整備ニ任ズル航空兵科下士官タルニ必要ナル諸學術ヲ修習セシメ其ノ修學期間ハ槪ネ三年トス
第三條　生徒ノ召募試驗其ノ他採用ニ關スル事項及入校期日ニ付テハ陸軍大臣之ヲ定ム
第四條　生徒ノ敎育ヲ分チテ學術敎育及訓育トシ其ノ敎育綱領ハ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ陸軍航空本部長之ヲ定ム
第五條　生徒ノ敎育ノ實施ハ敎則ニ依ル其ノ敎則ハ前條ノ敎育綱領ニ基キ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ校長之ヲ定ム
第六條　生徒ノ學術敎育ハ敎育部之ヲ擔任ス
生徒ノ器材ニ關スル實習ハ材料廠ニ就キ之ヲ行フコトヲ得
第七條　所澤陸軍飛行學校ニ生徒隊ヲ置キ生徒ヲ以テ之ヲ編成ス
第八條　生徒隊ニ左ノ職員ヲ置ク
生徒隊長
生徒隊副官
生徒隊中隊長
生徒隊附
第九條　生徒隊長ハ生徒隊ヲ統ベ校長ノ命ヲ承ケ生徒ノ訓育ヲ掌理ス
第十條　生徒隊副官ハ生徒隊長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌ル
第十一條　生徒隊中隊長ハ生徒隊長ノ命ヲ承ケ生徒ノ訓育ヲ擔任ス
第十二條　生徒隊附ハ上官ノ命ヲ承ケ各擔任ノ業務ヲ掌ル
第十三條　生徒ハ校內ニ居住セシメ修學ニ要スル兵器、圖書、器具、消耗品等ハ之ヲ貸付又ハ支給スルコトヲ得
第十四條　生徒ハ總テ校長ノ管理ニ屬ス
第十五條　生徒ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ズ
第十六條　生徒左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ之ヲ退校セシム
一　學術ノ成績不良ニシテ卒業ノ目途ナキ者
二　軍紀ヲ紊リ又ハ屢法則ヲ犯ス者
三　品行不正ニシテ改悛ノ目途ナキ者
四　傷痍疾病ニ因リ修學ニ堪ヘザル者
五　前各號ノ外下士官タルニ適セズト認ムル者
第十七條　操縱生徒ニシテ操縱術成業ニ見込ナキモ技術生徒タルニ適スト認ムルモノハ本人ノ願ニヨリ相當年ノ技術生徒ニ之ヲ編入スルコトヲ得
第十八條　生徒中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ修學期間內ニ所定ノ學術ヲ修メ得ザル者ニシテ尙望アリト認ムルモノハ所要ノ期間之ヲ滯學セシムルコトヲ得
第十九條　前三條ノ規定ニ該當スル者アルトキハ校長其ノ事由ヲ具シ陸軍航空本部長ヲ經テ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ退校セシメ、編入シ又ハ滯學セシム
第二十條　生徒卒業ノ期ニ至リタルトキハ校長ハ考科列序ヲ定メ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ卒業者ニ卒業證書ヲ付與シ著隊時日ヲ指定シ所屬隊ニ之ヲ入隊セシム
第二十一條　滯學セシメラレタル生徒修學ヲ終リタルトキハ前條ノ規定ニ準ジ之ヲ取扱フモノトス
第二十二條　校長ハ生徒ニ每年三週間以內ノ休暇ヲ與フルコトヲ得
附　則
本令ハ昭和八年八月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ第三條ノ規定ハ昭和八年五月一日ヨリ之ヲ施行ス
朕陸軍飛行学校ニ於ケル生徒教育ニ関スル件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和八年四月二十七日
内閣総理大臣　子爵　斎藤実
陸軍大臣　荒木貞夫
勅令第六十八号
第一条　所沢陸軍飛行学校ニ於テ航空兵科現役下士官ト為スベキ生徒ヲ教育ス
第二条　生徒ヲ分チテ左ノ二種トシ航空兵科現役下士官タルコトヲ志願シ召募試験ニ合格シタル者ヲ以テ之ニ充ツ
操縦生徒　飛行機操縦ニ任ズル航空兵科下士官タルニ必要ナル諸学術ヲ修習セシメ其ノ修学期間ハ概ネ二年トス
技術生徒　飛行機及其ノ他航空器材ノ整備ニ任ズル航空兵科下士官タルニ必要ナル諸学術ヲ修習セシメ其ノ修学期間ハ概ネ三年トス
第三条　生徒ノ召募試験其ノ他採用ニ関スル事項及入校期日ニ付テハ陸軍大臣之ヲ定ム
第四条　生徒ノ教育ヲ分チテ学術教育及訓育トシ其ノ教育綱領ハ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ陸軍航空本部長之ヲ定ム
第五条　生徒ノ教育ノ実施ハ教則ニ依ル其ノ教則ハ前条ノ教育綱領ニ基キ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ校長之ヲ定ム
第六条　生徒ノ学術教育ハ教育部之ヲ担任ス
生徒ノ器材ニ関スル実習ハ材料廠ニ就キ之ヲ行フコトヲ得
第七条　所沢陸軍飛行学校ニ生徒隊ヲ置キ生徒ヲ以テ之ヲ編成ス
第八条　生徒隊ニ左ノ職員ヲ置ク
生徒隊長
生徒隊副官
生徒隊中隊長
生徒隊附
第九条　生徒隊長ハ生徒隊ヲ統ベ校長ノ命ヲ承ケ生徒ノ訓育ヲ掌理ス
第十条　生徒隊副官ハ生徒隊長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌ル
第十一条　生徒隊中隊長ハ生徒隊長ノ命ヲ承ケ生徒ノ訓育ヲ担任ス
第十二条　生徒隊附ハ上官ノ命ヲ承ケ各担任ノ業務ヲ掌ル
第十三条　生徒ハ校内ニ居住セシメ修学ニ要スル兵器、図書、器具、消耗品等ハ之ヲ貸付又ハ支給スルコトヲ得
第十四条　生徒ハ総テ校長ノ管理ニ属ス
第十五条　生徒ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ズ
第十六条　生徒左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ之ヲ退校セシム
一　学術ノ成績不良ニシテ卒業ノ目途ナキ者
二　軍紀ヲ紊リ又ハ屡法則ヲ犯ス者
三　品行不正ニシテ改悛ノ目途ナキ者
四　傷痍疾病ニ因リ修学ニ堪ヘザル者
五　前各号ノ外下士官タルニ適セズト認ムル者
第十七条　操縦生徒ニシテ操縦術成業ニ見込ナキモ技術生徒タルニ適スト認ムルモノハ本人ノ願ニヨリ相当年ノ技術生徒ニ之ヲ編入スルコトヲ得
第十八条　生徒中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ修学期間内ニ所定ノ学術ヲ修メ得ザル者ニシテ尚望アリト認ムルモノハ所要ノ期間之ヲ滞学セシムルコトヲ得
第十九条　前三条ノ規定ニ該当スル者アルトキハ校長其ノ事由ヲ具シ陸軍航空本部長ヲ経テ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ退校セシメ、編入シ又ハ滞学セシム
第二十条　生徒卒業ノ期ニ至リタルトキハ校長ハ考科列序ヲ定メ陸軍航空本部長ノ認可ヲ受ケ卒業者ニ卒業証書ヲ付与シ著隊時日ヲ指定シ所属隊ニ之ヲ入隊セシム
第二十一条　滞学セシメラレタル生徒修学ヲ終リタルトキハ前条ノ規定ニ準ジ之ヲ取扱フモノトス
第二十二条　校長ハ生徒ニ毎年三週間以内ノ休暇ヲ与フルコトヲ得
附　則
本令ハ昭和八年八月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ第三条ノ規定ハ昭和八年五月一日ヨリ之ヲ施行ス