第一條 石油業法第一條ノ石油精製業ハ鑛物性ノ原料油(含油屑ト密接ノ關係アル可燃質天然瓦斯ヲ含ム)ヨリ鑛物性ノ揮發油、燈油、輕油、機械油又ハ重油ヲ精製スル事業トス但シ石炭又ハ油母頁岩ヨリ製造シタル原料油ヨリ鑛物性ノ揮發油、燈油、輕油、機械油又ハ重油ヲ精製スル事業ヲ除ク
石油業法第一條ノ石油輸入業ハ鑛物性ノ揮發油、燈油、輕油、機械油、重油又ハ原油ヲ輸入スル事業トス但シ鑵、樽其ノ他之ニ準ズル容器ニ入レタル鑛物性ノ燈油、輕油又ハ機械油ノミヲ輸入スル事業ヲ除ク
第二條 石油業法第一條ノ石油精製業ノ許可ハ石油精製工場每ニ之ヲ爲スモノトス
石油精製工場ニシテ輸入シタル原料油ノ精製ヲ爲スモノハ一基ニ付一年五萬キロリットル以上ノ原料油處理能力ヲ有スル直溜裝置及一基ニ付一年二萬五千キロリットル以上ノ原料油處理能力ヲ有スル分解蒸溜裝置ヲ備ヘ又ハ一基ニ付一年五萬キロリットル以上ノ原料油處理能力ヲ有スル分解蒸溜裝置ヲ備フルコトヲ要ス
第三條 商工大臣ハ石油ノ需要供給ヲ參酌シ石油業ノ健全ナル發達ニ支障アリト認ムルトキハ石油業法第一條ノ石油精製業又ハ石油輸入業ノ許可ヲ爲サザルコトヲ得
第四條 石油業法第四條ノ規定ニ依リ石油輸入業者ニ非ザレバ輸入ヲ爲スコトヲ得ザル石油ノ種類ハ鑛物性ノ揮發油、燈油、輕油、機械油、重油及原油トシ同條ノ規定ニ依リ石油精製業者ノ輸入ヲ爲スコトヲ得ル石油ノ種類ハ鑛物性ノ重油及原油トス
第五條 左ノ各號ノ一ニ該當スル石油ヲ輸入スル場合ニ於テハ其ノ輸入者ハ石油輸入業者タルコトヲ要セズ
三 船用品、航空機ノ機用品又ハ自動車ノ車用品タル石油
四 鑵、樽其ノ他之ニ準ズル容器ニ入レタル石油(鑛物性ノ揮發油、重油及原油ヲ除ク)
第六條 石油業法第五條ノ規定ニ依リ石油精製業者又ハ石油輸入業者ノ保有スベキ石油ハ輸入シタル鑛物性ノ揮發油、重油又ハ原油トシ其ノ保有スベキ數量ハ種別每ニ一年間ニ輸入シタル數量ノ二分ノ一ヲ下ルコトヲ得ズ但シ石油業法第六條ノ規定ニ依リ石油ヲ購入シ、同法第七條ノ規定ニ依リ石油ノ需給ヲ調節スル爲必要ナル事項ヲ命ジ又ハ天災事變其ノ他已ムコトヲ得ザル事由アリタルニ因リ其ノ保有量ガ保有スベキ數量ヲ下リタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ保有スベキ數量ノ計算方法及前項但書ノ場合ニ於テ保有スベキ數量ニ充タザル數量ノ補充方法竝ニ石油精製業者若ハ石油輸入業者ガ其ノ事業ヲ讓渡シ又ハ石油精製業若ハ石油輸入業ヲ營ム會社合併ヲ爲シタル場合ノ保有ニ關シ必要ナル事項ハ商工大臣之ヲ定ム
第七條 石油業法第五條ノ規定ニ依ル石油ノ保有ハ命令ヲ以テ定ムル容量以上ノ石油タンクニ依リ之ヲ爲スベシ但シ商工大臣ノ許可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
陸軍大臣、海軍大臣又ハ商工大臣軍事上其ノ他公益上必要アリト認ムルトキハ石油ノ保有ノ場所ヲ指定スルコトヲ得
第八條 政府ハ軍事上其ノ他公益上緊急ノ必要アルトキハ石油業法第六條ノ規定ニ依リ石油精製業者又ハ石油輸入業者ノ所有スル石油ヲ購入スルコトヲ得
第九條 陸軍大臣又ハ海軍大臣軍事上必要アリト認メ石油業法第七條ノ命令又ハ第七條第二項ノ指定ヲ爲サントスルトキハ商工大臣ニ協議スベシ
商工大臣石油業法第七條ノ命令又ハ第七條第二項ノ指定ヲ爲サントスル場合ニ於テ其ノ命令又ハ指定ガ軍事上ニ影響ヲ及ボスベキモノナルトキハ陸軍大臣又ハ海軍大臣ニ協議スベシ
第十條 本令中商工大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督、臺灣ニ在リテハ臺灣總督、樺太ニ在リテハ樺太廳長官トス