第一條 本法ニ於テ製絲業者トハ命令ヲ以テ規定スル者ヲ除クノ外器械生絲ノ製造ヲ業トスル者ヲ謂フ
器械生絲ノ製造工場ヲ有スル產業組合及產業組合聯合會ハ命令ヲ以テ規定スルモノヲ除クノ外本法ノ適用ニ付テハ之ヲ製絲業者ト看做ス
第二條 製絲業者タラントスル者ハ主務大臣ノ免許ヲ受クベシ
第三條 主務大臣ハ製絲業者ニ對シ製絲業ノ統制上必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第四條 製絲業者免許ヲ受ケタル日ヨリ二年以內ニ事業ヲ開始セザルトキハ主務大臣ハ其ノ免許ヲ取消スコトヲ得
製絲業者引續キ二年以上其ノ事業ノ全部又ハ一部ヲ爲サザルトキハ主務大臣ハ其ノ免許ヲ取消シ又ハ其ノ事業ヲ制限スルコトヲ得
第五條 製絲業者ノ所爲ニシテ本法ニ基キテ發スル命令若ハ處分ニ違反シ又ハ公益ヲ害シ若ハ害スルノ虞アリト認ムルトキハ主務大臣ハ其ノ免許ヲ取消シ又ハ其ノ事業ヲ制限シ若ハ停止スルコトヲ得
第六條 主務大臣又ハ地方長官取締上必要アリト認ムルトキハ製絲業者ニ對シ事業ニ關スル報吿ヲ爲サシメ又ハ當該官吏ヲシテ事務所、營業所、工場、倉庫其ノ他ノ場所ニ臨檢シ若ハ帳簿物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ當該官吏ハ其ノ身分ヲ證明スベキ證票ヲ携帶スベシ
第七條 第二條第一項ノ規定ニ違反シタル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第八條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 本法ニ基キテ發スル命令ニ依ル制限又ハ禁止ニ違反シタル者
三 第四條第二項ノ規定ニ依ル制限又ハ第五條ノ規定ニ依ル制限若ハ停止ノ處分ニ違反シタル者
四 正當ノ理由ナクシテ第六條ノ規定ニ依ル臨檢檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シ又ハ其ノ尋問ニ對シ虛僞ノ陳述ヲ爲シタル者
第九條 製絲業者正當ノ理由ナクシテ第六條ノ規定ニ依ル報吿ヲ怠リタルトキハ二百圓以下ノ罰金ニ處ス
第十條 製絲業者ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第十一條 本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依リ製絲業者ニ適用スベキ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ