(産業組合法中改正法律)
法令番号: 法律第三十號
公布年月日: 昭和7年9月7日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル產業組合法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和七年九月六日
內閣總理大臣 子爵 齋藤實
大藏大臣 高橋是淸
農林大臣 後藤文夫
法律第三十號
產業組合法中左ノ通改正ス
第二條第一項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ有限責任タルコトヲ得ル組合ハ左ノ各號ノ一ニ該當スルモノニ限ル
一 前條第四項ノ信用組合ニシテ定款ノ定ムル所ニ依リ同條第一項第二號乃至第四號ノ事業ヲ兼ネザルモノ
二 定款ノ定ムル所ニ依リ經濟ニ必要ナル物ノミヲ取扱フ購買組合ニシテ前條第一項第一號若ハ第二號ノ事業又ハ同條同項第四號ノ事業中產業ニ必要ナル設備ヲ利用セシムル事業ヲ兼ネザルモノ
第六條ノ二ノ次ニ左ノ一條ヲ加フ
第六條ノ三 本法中地方長官トアルハ區域ガ道府縣ノ區域ヲ超ユル產業組合ニ付テハ之ヲ主務大臣トス
前項ノ規定ニ依ル主務大臣ノ職權ノ一部ハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ地方長官ニ委任スルコトヲ得
第九條第一項第五號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
五ノ二 保證責任組合ニ在リテハ保證金額ニ關スル規定
第十條ノ二 法人ハ產業組合ノ組合員タルコトヲ得ズ但シ農事實行組合、養蠶實行組合其ノ他命令ヲ以テ定ムル法人ハ此ノ限ニ在ラズ
前項但書ノ法人ノ產業組合ノ組合員ト爲ルニ付必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十條ノ三 農事實行組合ハ一定ノ地區內ノ農業者ヲ以テ之ヲ組織シ組合員ノ共同ノ利益增進ヲ圖ルヲ以テ目的トス
農事實行組合ハ法人トス
農事實行組合ノ地區ハ部落其ノ他之ニ準ズル區域トス
第十條ノ四 蠶絲業組合法第二十條乃至第二十六條及第四十一條ノ規定ハ農事實行組合ニ之ヲ準用ス
第十條ノ五 組合員タル法人ガ其ノ財產ヲ以テ債務ヲ完濟スルコト能ハザル場合ニ於テハ法人ノ組合員ノ全員ハ其ノ法人ガ產業組合ニ對シ負擔スル一切ノ債務ニ付連帶無限ノ責任ヲ負擔ス
第十條ノ六 組合員タル法人ハ其ノ組合員ガ脫退シタルトキハ遲滯ナク產業組合ニ之ヲ通知スベシ
前項ノ場合ニ於テハ脫退シタル組合員モ亦其ノ通知ヲ爲スコトヲ得
第十條ノ七 組合員タル法人ノ組合員ガ其ノ法人ヨリ脫退シタル場合ニ於テハ脫退シタル組合員ハ前條ノ脫退ノ通知前ニ生ジタル法人ノ產業組合ニ對スル債務ニ付其ノ脫退ノ通知後二箇年間第十條ノ五ノ規定ニ依ル責任ヲ負擔ス
第十條ノ八 組合員タル法人ニ加入シタル組合員ハ其ノ加入前ニ生ジタル法人ノ產業組合ニ對スル債務ニ付テモ亦第十條ノ五ノ規定ニ依ル責任ヲ負擔ス
第三十一條ノ三 理事ハ少クトモ每事業年度一囘通常總會ヲ開クコトヲ要ス
第三十二條中「、第六十條」ヲ削ル
第四十七條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ定款ヲ以テ六箇月ト爲スコトヲ得
第四十八條ノ次ニ左ノ一條ヲ加フ
第四十八條ノ二 組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ定款ニ違反シタル組合員ニ對シ過怠金ヲ課スルコトヲ得
第五十條第一項ヲ左ノ如ク改ム
定款ヲ以テ組合ノ存立時期ヲ定メタルト否トヲ問ハズ組合員ハ六箇月前ニ豫吿ヲ爲シ事業年度ノ終ニ於テ脫退スルコトヲ得但シ第四十七條但書ノ規定ニ依リ事業年度ヲ六箇月ト爲シタル組合ニ在リテハ豫吿ハ三箇月前ニ之ヲ爲スヲ以テ足ル
第六十二條ノ二 組合定款ニ定メタル存立時期ノ滿了ニ因リテ解散シタル場合ニ於テハ組合員ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ組合ヲ繼續スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ存立時期滿了ノ日ヨリ一箇年內ニ認可ヲ申請スルコトヲ要ス
前項ノ繼續ニ同意セザル組合員ハ組合繼續ノ時ニ於テ脫退シタルモノト看做ス
第七十六條第二項中「及購買組合聯合會」ヲ削ル
第七十六條ノ三 道府縣ヲ區域トスル信用組合聯合會ハ定款ノ定ムル所ニ依リ所屬組合又ハ所屬聯合會ニ對シ手形ノ割引ヲ爲スコトヲ得
第七十七條第二項ヲ左ノ如ク改ム
產業組合聯合會ノ組織ハ保證責任トス
同條第三項中「保證責任產業組合聯合會」ヲ「產業組合聯合會」ニ改ム
第七十九條第三項ヲ削ル
第八十條ノ二 產業組合聯合會ノ所屬組合及所屬聯合會ノ有スベキ出資口數ハ百口ヲ超ユルコトヲ得ズ但シ特別ノ事由アルトキハ定款ノ定ムル所ニ依リ五百口迄之ヲ增加スルコトヲ得
第八十一條中「本章ニ規定アルモノ」ノ下ニ「及第十條ノ五乃至第十條ノ八ノ規定」ヲ加ヘ同條但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ第七條中七人以上トアルハ之ヲ二人以上トシ第六十二條第一項第四號中七人未滿トアルハ之ヲ二人未滿トス
第九十二條中「第五條乃至第七條」ヲ「第五條乃至第六條ノ二、第七條」ニ改ム
附 則
第一條 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 本法施行前ニ設立シタル有限責任ノ組合(第二條第一項但書ノ改正規定ニ揭グル組合ヲ除ク)又ハ聯合會ニ付テハ本法施行ノ日ヨリ五箇年ヲ限リ第二條第一項但書及第七十七條ノ改正規定ニ依ラズ仍從前ノ規定ニ依ル
第三條 前條ノ組合ハ同條ノ期間內ニ總會ニ於テ總組合員ノ半數以上出席シ其ノ議決權ノ四分ノ三以上ヲ以テスル決議ニ依リ其ノ組織ヲ變更シ保證責任ノ組合ト爲スコトヲ得
前項ノ組織變更ニ同意セザル組合員ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ組織變更ノ時ニ於テ脫退シタルモノト看做ス
前二項ノ規定ハ前條ノ聯合會ニ之ヲ準用ス
第四條 附則第二條ノ組合又ハ聯合會ニシテ同條ノ期間內ニ其ノ組織ヲ變更シテ左ニ揭グル組織ト爲サザルモノハ其ノ期間滿了ノ日ニ於テ解散ス
一 組合ニ在リテハ保證責任又ハ無限責任
二 聯合會ニ在リテハ保證責任
第五條 第十條ノ二第一項ノ改正規定ニ依リ產業組合ノ組合員タルコトヲ得ザル法人ニシテ本法施行ノ際現ニ產業組合ノ組合員タルモノハ當分ノ內仍其ノ組合員タルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ第十條ノ五乃至第十條ノ八ノ規定ヲ適用セズ
第六條 蠶絲業組合法第二十三條第二項第一號中「第一號乃至第三號、第十號及第十一號」ヲ「第一號、第二號及第四號」ニ改メ同條同項中第二號ヲ削リ第三號ヲ第二號トシ第四號ヲ第三號トス
第七條 
蠶絲業組合法第二十六條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ民法第四十八條及第七十七條中一週間トアルハ之ヲ二週間トス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル産業組合法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和七年九月六日
内閣総理大臣 子爵 斎藤実
大蔵大臣 高橋是清
農林大臣 後藤文夫
法律第三十号
産業組合法中左ノ通改正ス
第二条第一項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ有限責任タルコトヲ得ル組合ハ左ノ各号ノ一ニ該当スルモノニ限ル
一 前条第四項ノ信用組合ニシテ定款ノ定ムル所ニ依リ同条第一項第二号乃至第四号ノ事業ヲ兼ネザルモノ
二 定款ノ定ムル所ニ依リ経済ニ必要ナル物ノミヲ取扱フ購買組合ニシテ前条第一項第一号若ハ第二号ノ事業又ハ同条同項第四号ノ事業中産業ニ必要ナル設備ヲ利用セシムル事業ヲ兼ネザルモノ
第六条ノ二ノ次ニ左ノ一条ヲ加フ
第六条ノ三 本法中地方長官トアルハ区域ガ道府県ノ区域ヲ超ユル産業組合ニ付テハ之ヲ主務大臣トス
前項ノ規定ニ依ル主務大臣ノ職権ノ一部ハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ地方長官ニ委任スルコトヲ得
第九条第一項第五号ノ次ニ左ノ一号ヲ加フ
五ノ二 保証責任組合ニ在リテハ保証金額ニ関スル規定
第十条ノ二 法人ハ産業組合ノ組合員タルコトヲ得ズ但シ農事実行組合、養蚕実行組合其ノ他命令ヲ以テ定ムル法人ハ此ノ限ニ在ラズ
前項但書ノ法人ノ産業組合ノ組合員ト為ルニ付必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十条ノ三 農事実行組合ハ一定ノ地区内ノ農業者ヲ以テ之ヲ組織シ組合員ノ共同ノ利益増進ヲ図ルヲ以テ目的トス
農事実行組合ハ法人トス
農事実行組合ノ地区ハ部落其ノ他之ニ準ズル区域トス
第十条ノ四 蚕糸業組合法第二十条乃至第二十六条及第四十一条ノ規定ハ農事実行組合ニ之ヲ準用ス
第十条ノ五 組合員タル法人ガ其ノ財産ヲ以テ債務ヲ完済スルコト能ハザル場合ニ於テハ法人ノ組合員ノ全員ハ其ノ法人ガ産業組合ニ対シ負担スル一切ノ債務ニ付連帯無限ノ責任ヲ負担ス
第十条ノ六 組合員タル法人ハ其ノ組合員ガ脱退シタルトキハ遅滞ナク産業組合ニ之ヲ通知スベシ
前項ノ場合ニ於テハ脱退シタル組合員モ亦其ノ通知ヲ為スコトヲ得
第十条ノ七 組合員タル法人ノ組合員ガ其ノ法人ヨリ脱退シタル場合ニ於テハ脱退シタル組合員ハ前条ノ脱退ノ通知前ニ生ジタル法人ノ産業組合ニ対スル債務ニ付其ノ脱退ノ通知後二箇年間第十条ノ五ノ規定ニ依ル責任ヲ負担ス
第十条ノ八 組合員タル法人ニ加入シタル組合員ハ其ノ加入前ニ生ジタル法人ノ産業組合ニ対スル債務ニ付テモ亦第十条ノ五ノ規定ニ依ル責任ヲ負担ス
第三十一条ノ三 理事ハ少クトモ毎事業年度一回通常総会ヲ開クコトヲ要ス
第三十二条中「、第六十条」ヲ削ル
第四十七条ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ定款ヲ以テ六箇月ト為スコトヲ得
第四十八条ノ次ニ左ノ一条ヲ加フ
第四十八条ノ二 組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ定款ニ違反シタル組合員ニ対シ過怠金ヲ課スルコトヲ得
第五十条第一項ヲ左ノ如ク改ム
定款ヲ以テ組合ノ存立時期ヲ定メタルト否トヲ問ハズ組合員ハ六箇月前ニ予告ヲ為シ事業年度ノ終ニ於テ脱退スルコトヲ得但シ第四十七条但書ノ規定ニ依リ事業年度ヲ六箇月ト為シタル組合ニ在リテハ予告ハ三箇月前ニ之ヲ為スヲ以テ足ル
第六十二条ノ二 組合定款ニ定メタル存立時期ノ満了ニ因リテ解散シタル場合ニ於テハ組合員ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ組合ヲ継続スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ存立時期満了ノ日ヨリ一箇年内ニ認可ヲ申請スルコトヲ要ス
前項ノ継続ニ同意セザル組合員ハ組合継続ノ時ニ於テ脱退シタルモノト看做ス
第七十六条第二項中「及購買組合連合会」ヲ削ル
第七十六条ノ三 道府県ヲ区域トスル信用組合連合会ハ定款ノ定ムル所ニ依リ所属組合又ハ所属連合会ニ対シ手形ノ割引ヲ為スコトヲ得
第七十七条第二項ヲ左ノ如ク改ム
産業組合連合会ノ組織ハ保証責任トス
同条第三項中「保証責任産業組合連合会」ヲ「産業組合連合会」ニ改ム
第七十九条第三項ヲ削ル
第八十条ノ二 産業組合連合会ノ所属組合及所属連合会ノ有スベキ出資口数ハ百口ヲ超ユルコトヲ得ズ但シ特別ノ事由アルトキハ定款ノ定ムル所ニ依リ五百口迄之ヲ増加スルコトヲ得
第八十一条中「本章ニ規定アルモノ」ノ下ニ「及第十条ノ五乃至第十条ノ八ノ規定」ヲ加ヘ同条但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ第七条中七人以上トアルハ之ヲ二人以上トシ第六十二条第一項第四号中七人未満トアルハ之ヲ二人未満トス
第九十二条中「第五条乃至第七条」ヲ「第五条乃至第六条ノ二、第七条」ニ改ム
附 則
第一条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二条 本法施行前ニ設立シタル有限責任ノ組合(第二条第一項但書ノ改正規定ニ掲グル組合ヲ除ク)又ハ連合会ニ付テハ本法施行ノ日ヨリ五箇年ヲ限リ第二条第一項但書及第七十七条ノ改正規定ニ依ラズ仍従前ノ規定ニ依ル
第三条 前条ノ組合ハ同条ノ期間内ニ総会ニ於テ総組合員ノ半数以上出席シ其ノ議決権ノ四分ノ三以上ヲ以テスル決議ニ依リ其ノ組織ヲ変更シ保証責任ノ組合ト為スコトヲ得
前項ノ組織変更ニ同意セザル組合員ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ組織変更ノ時ニ於テ脱退シタルモノト看做ス
前二項ノ規定ハ前条ノ連合会ニ之ヲ準用ス
第四条 附則第二条ノ組合又ハ連合会ニシテ同条ノ期間内ニ其ノ組織ヲ変更シテ左ニ掲グル組織ト為サザルモノハ其ノ期間満了ノ日ニ於テ解散ス
一 組合ニ在リテハ保証責任又ハ無限責任
二 連合会ニ在リテハ保証責任
第五条 第十条ノ二第一項ノ改正規定ニ依リ産業組合ノ組合員タルコトヲ得ザル法人ニシテ本法施行ノ際現ニ産業組合ノ組合員タルモノハ当分ノ内仍其ノ組合員タルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ第十条ノ五乃至第十条ノ八ノ規定ヲ適用セズ
第六条 蚕糸業組合法第二十三条第二項第一号中「第一号乃至第三号、第十号及第十一号」ヲ「第一号、第二号及第四号」ニ改メ同条同項中第二号ヲ削リ第三号ヲ第二号トシ第四号ヲ第三号トス
第七条 
蚕糸業組合法第二十六条ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ民法第四十八条及第七十七条中一週間トアルハ之ヲ二週間トス