蚕糸業組合法施行令
法令番号: 勅令第百七十五號
公布年月日: 昭和6年7月9日
法令の形式: 勅令
朕蠶絲業組合法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和六年七月八日
內閣總理大臣 男爵 若槻禮次郞
農林大臣 町田忠治
勅令第百七十五號
蠶絲業組合法施行令
第一條 蠶絲業組合ノ經費ノ分賦又ハ過怠金ノ徵收ノ通知ヲ受ケタル者其ノ處分ニ不服アルトキハ其ノ蠶絲業組合ニ異議ノ申立ヲ爲スコトヲ得
前項ノ異議ノ申立アリタルトキハ其ノ蠶絲業組合ノ組合長ハ遲滯ナク決定ヲ爲シ異議申立人ニ之ヲ通知スベシ
第二條 養蠶業組合(道府縣ノ區域ヲ地區トスル養蠶組合ヲ除ク)ノ組合員ニシテ前條第二項ノ規定ニ依リ決定ヲ受ケタルモノ其ノ決定ニ不服アルトキハ地方長官ニ訴願シ其ノ裁決ニ不服アルトキハ農林大臣ニ訴願シ又ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル地方長官ノ裁決ニ付テハ當該養蠶業組合ノ組合長ヨリモ訴願又ハ訴訟ヲ提起スルコトヲ得
道府縣ノ區域ヲ地區トスル養蠶業組合又ハ養蠶業組合以外ノ蠶絲業組合ノ組合員ニシテ前條第二項ノ規定ニ依リ決定ヲ受ケタルモノ其ノ決定ニ不服アルトキハ農林大臣ニ訴願シ又ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第三條 前條第一項ノ規定ニ依リ地方長官ニ訴願セントスルトキハ其ノ決定ヲ爲シタル養蠶業組合ヲ經由スベシ
前項ノ規定ハ前條第三項ノ規定ニ依リ農林大臣ニ訴願セントスル場合ニ之ヲ準用ス
第四條 蠶絲業組合法第九條第二項ノ規定ニ依ル處分ヲ受ケタル者其ノ處分ニ不服アルトキハ地方長官ニ訴願シ其ノ裁決ニ不服アルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第五條 異議ノ申立又ハ訴願若ハ行政訴訟ノ提起ハ處分ノ通知又ハ決定書若ハ裁決書ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ起算シ三十日以內ニ之ヲ爲スベシ
異議ノ申立ニ關シテハ訴願法第五條、第八條第三項、第九條、第十條及第十二條乃至第十四條ノ規定ヲ準用ス
第六條 蠶絲業組合解散ヲ爲サントスルトキハ其ノ組合員三分ノ二以上ノ同意ヲ得行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第七條 蠶絲業組合ハ解散ノ後ト雖モ淸算ノ目的ノ範圍內ニ於テハ仍存續スルモノト看做ス
第八條 蠶絲業組合解散シタルトキハ組合長ヲ以テ其ノ淸算人トス但シ定款ニ別段ノ定アルトキ又ハ總會ニ於テ選任シタル者アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依リ淸算人タル者ナキトキハ行政官廳淸算人ヲ選任ス淸算人闕ケタルトキ亦同ジ
第九條 淸算人ハ蠶絲業組合ヲ代表シ淸算ヲ爲スニ必要ナル一切ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
淸算方法及財產處分ニ付テハ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第十條 行政官廳必要ト認ムルトキハ淸算方法及財產處分ノ變更ヲ命ジ又ハ淸算人ヲ解任スルコトヲ得
第十一條 蠶絲業組合合併ヲ爲サントスルトキハ各蠶絲業組合ハ其ノ組合員三分ノ二以上ノ同意ヲ得行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
合併ニ因リテ蠶絲業組合ヲ設立セントスル場合ニ於テハ定款ノ作成其ノ他設立ニ關スル行爲ハ各蠶絲業組合ノ組合長共同シテ之ヲ爲シ各蠶絲業組合ノ總會ノ承認ヲ經ルコトヲ要ス
前項ノ承認ハ各蠶絲業組合ノ總會ニ於テ組合員半數以上出席シ出席者ノ三分ノ二以上ヲ以テ之ヲ議決ス
第二項ノ總會ニ於テハ組合員ハ他ノ組合員ニ委任シテ其ノ議決權ヲ行フコトヲ得此ノ場合ニ於テハ之ヲ出席者ト看做ス
前項ノ規定ニ依ル委任ヲ受ケタル者ハ代理權ヲ證スル書面ヲ提出スベシ
第十二條 蠶絲業組合分割ヲ爲サントスルトキハ其ノ組合員ノ三分ノ二以上ノ同意ノ外分割ノ各蠶絲業組合ノ組合員又ハ組合員タル資格ヲ有スル者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ總會ヲ開キ命令ノ定ムル所ニ依リ各蠶絲業組合ノ權利義務ノ限度ヲ定メ定款ヲ議定シ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第十三條 合併後存續スル蠶絲業組合又ハ合併ニ因リテ設立シタル蠶絲業組合ハ合併ニ因リテ消滅シタル蠶絲業組合ノ權利義務ヲ承繼ス
分割ニ因リテ設立シタル蠶絲業組合ハ前條ノ規定ニ依リテ定リタル限度ニ於テ從前ノ蠶絲業組合ノ權利義務ヲ承繼ス
第十四條 第六條乃至第十條ノ規定ハ蠶絲業組合聯合會及日本中央蠶絲會ニ之ヲ準用ス但シ日本中央蠶絲會ノ解散ノ場合ニ於ケル會員ノ員數ノ計算ニ付テハ蠶絲業組合法第七十四條第二項ノ規定ニ依リ會員タル生絲問屋業組合又ハ生絲輸出業組合二以上アル場合ニ於テハ之ヲ一箇ノ生絲問屋業組合又ハ生絲輸出業組合ト看做ス
蠶絲業組合聯合會又ハ日本中央蠶絲會ノ會員前項ノ規定ニ依リ準用スル第六條ノ同意ヲ爲スニ付テハ其ノ總會ノ議決ヲ經ルコトヲ要ス
附 則
本令ハ蠶絲業組合法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕蚕糸業組合法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和六年七月八日
内閣総理大臣 男爵 若槻礼次郎
農林大臣 町田忠治
勅令第百七十五号
蚕糸業組合法施行令
第一条 蚕糸業組合ノ経費ノ分賦又ハ過怠金ノ徴収ノ通知ヲ受ケタル者其ノ処分ニ不服アルトキハ其ノ蚕糸業組合ニ異議ノ申立ヲ為スコトヲ得
前項ノ異議ノ申立アリタルトキハ其ノ蚕糸業組合ノ組合長ハ遅滞ナク決定ヲ為シ異議申立人ニ之ヲ通知スベシ
第二条 養蚕業組合(道府県ノ区域ヲ地区トスル養蚕組合ヲ除ク)ノ組合員ニシテ前条第二項ノ規定ニ依リ決定ヲ受ケタルモノ其ノ決定ニ不服アルトキハ地方長官ニ訴願シ其ノ裁決ニ不服アルトキハ農林大臣ニ訴願シ又ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル地方長官ノ裁決ニ付テハ当該養蚕業組合ノ組合長ヨリモ訴願又ハ訴訟ヲ提起スルコトヲ得
道府県ノ区域ヲ地区トスル養蚕業組合又ハ養蚕業組合以外ノ蚕糸業組合ノ組合員ニシテ前条第二項ノ規定ニ依リ決定ヲ受ケタルモノ其ノ決定ニ不服アルトキハ農林大臣ニ訴願シ又ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第三条 前条第一項ノ規定ニ依リ地方長官ニ訴願セントスルトキハ其ノ決定ヲ為シタル養蚕業組合ヲ経由スベシ
前項ノ規定ハ前条第三項ノ規定ニ依リ農林大臣ニ訴願セントスル場合ニ之ヲ準用ス
第四条 蚕糸業組合法第九条第二項ノ規定ニ依ル処分ヲ受ケタル者其ノ処分ニ不服アルトキハ地方長官ニ訴願シ其ノ裁決ニ不服アルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第五条 異議ノ申立又ハ訴願若ハ行政訴訟ノ提起ハ処分ノ通知又ハ決定書若ハ裁決書ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ起算シ三十日以内ニ之ヲ為スベシ
異議ノ申立ニ関シテハ訴願法第五条、第八条第三項、第九条、第十条及第十二条乃至第十四条ノ規定ヲ準用ス
第六条 蚕糸業組合解散ヲ為サントスルトキハ其ノ組合員三分ノ二以上ノ同意ヲ得行政官庁ノ認可ヲ受クベシ
第七条 蚕糸業組合ハ解散ノ後ト雖モ清算ノ目的ノ範囲内ニ於テハ仍存続スルモノト看做ス
第八条 蚕糸業組合解散シタルトキハ組合長ヲ以テ其ノ清算人トス但シ定款ニ別段ノ定アルトキ又ハ総会ニ於テ選任シタル者アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依リ清算人タル者ナキトキハ行政官庁清算人ヲ選任ス清算人闕ケタルトキ亦同ジ
第九条 清算人ハ蚕糸業組合ヲ代表シ清算ヲ為スニ必要ナル一切ノ行為ヲ為ス権限ヲ有ス
清算方法及財産処分ニ付テハ行政官庁ノ認可ヲ受クベシ
第十条 行政官庁必要ト認ムルトキハ清算方法及財産処分ノ変更ヲ命ジ又ハ清算人ヲ解任スルコトヲ得
第十一条 蚕糸業組合合併ヲ為サントスルトキハ各蚕糸業組合ハ其ノ組合員三分ノ二以上ノ同意ヲ得行政官庁ノ認可ヲ受クベシ
合併ニ因リテ蚕糸業組合ヲ設立セントスル場合ニ於テハ定款ノ作成其ノ他設立ニ関スル行為ハ各蚕糸業組合ノ組合長共同シテ之ヲ為シ各蚕糸業組合ノ総会ノ承認ヲ経ルコトヲ要ス
前項ノ承認ハ各蚕糸業組合ノ総会ニ於テ組合員半数以上出席シ出席者ノ三分ノ二以上ヲ以テ之ヲ議決ス
第二項ノ総会ニ於テハ組合員ハ他ノ組合員ニ委任シテ其ノ議決権ヲ行フコトヲ得此ノ場合ニ於テハ之ヲ出席者ト看做ス
前項ノ規定ニ依ル委任ヲ受ケタル者ハ代理権ヲ証スル書面ヲ提出スベシ
第十二条 蚕糸業組合分割ヲ為サントスルトキハ其ノ組合員ノ三分ノ二以上ノ同意ノ外分割ノ各蚕糸業組合ノ組合員又ハ組合員タル資格ヲ有スル者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ総会ヲ開キ命令ノ定ムル所ニ依リ各蚕糸業組合ノ権利義務ノ限度ヲ定メ定款ヲ議定シ行政官庁ノ認可ヲ受クベシ
第十三条 合併後存続スル蚕糸業組合又ハ合併ニ因リテ設立シタル蚕糸業組合ハ合併ニ因リテ消滅シタル蚕糸業組合ノ権利義務ヲ承継ス
分割ニ因リテ設立シタル蚕糸業組合ハ前条ノ規定ニ依リテ定リタル限度ニ於テ従前ノ蚕糸業組合ノ権利義務ヲ承継ス
第十四条 第六条乃至第十条ノ規定ハ蚕糸業組合連合会及日本中央蚕糸会ニ之ヲ準用ス但シ日本中央蚕糸会ノ解散ノ場合ニ於ケル会員ノ員数ノ計算ニ付テハ蚕糸業組合法第七十四条第二項ノ規定ニ依リ会員タル生糸問屋業組合又ハ生糸輸出業組合二以上アル場合ニ於テハ之ヲ一箇ノ生糸問屋業組合又ハ生糸輸出業組合ト看做ス
蚕糸業組合連合会又ハ日本中央蚕糸会ノ会員前項ノ規定ニ依リ準用スル第六条ノ同意ヲ為スニ付テハ其ノ総会ノ議決ヲ経ルコトヲ要ス
附 則
本令ハ蚕糸業組合法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス