製鉄業奨励法施行令
法令番号: 勅令第五十八號
公布年月日: 大正15年4月9日
法令の形式: 勅令
朕製鐵業奬勵法施行令改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
攝政名
大正十五年四月九日
內閣總理大臣 若槻禮次郞
大藏大臣 濱口雄幸
商工大臣 片岡直溫
勅令第五十八號
製鐵業奬勵法施行令
第一條 製鐵業奬勵法第一條乃至第四條ニ規定スル製鐵事業ハ銑鐵、鋼鐵、壓延鋼材(軌條及繼目板ヲ含ム)、鍛鋼製品若ハ鑄鋼製品ノ素材又ハ商工大臣ノ指定シタル副生物ノ製造ニ關スル事業トス
製鐵業奬勵法第一條乃至第三條ニ規定スル製鐵事業ハ製銑ニ在リテハ一ノ爐ニ付一日ノ製銑量百瓲以上ノ能力ヲ有スル設備ヲ有スルモノ、製鋼ニ在リテハ一ノ爐ニ付一囘ノ製鋼量平爐ニ在リテハ二十五瓲以上、轉爐ニ在リテハ五瓲以上ノ能力ヲ有スル設備ヲ有スルモノトス
製鐵業奬勵法第四條第二項ノ低燐銑鐵製造事業ハ燐ノ標準含有量萬分ノ三以下ノ銑鐵ノ製造事業トス
第二條 製鐵業奬勵法第二條乃至第四條及第八條第二號ノ期間ハ製鐵能力一年三萬五千瓲未滿ノ場合ニ在リテハ二年以內、十萬瓲未滿ノ場合ニ在リテハ三年以內、二十萬瓲未滿ノ場合ニ在リテハ五年以內、二十萬瓲以上ノ場合ニ在リテハ七年以內ニ於テ商工大臣之ヲ定ム
前項ノ期間ハ商工大臣災害其ノ他已ムヲ得サル事由アリト認ムルトキハ三年ヲ限リ之ヲ延長スルコトヲ得
第三條 所得稅ノ免除ヲ受ケムトスル者ハ所得稅法第二十四條又ハ第二十五條ノ規定ニ依リ所得ヲ申告スルトキ其ノ旨所轄稅務署ニ申請スヘシ
前項ノ場合ニ於テ免除ヲ受クヘキ事業ヨリ生スル所得ト其ノ他ノ所得トノ存スルトキハ之ヲ區別シタル計算書ヲ添附スヘシ
第四條 營業稅又ハ營業收益稅ノ免除ヲ受ケムトスル者ハ營業稅法第十三條ノ規定ニ依リ營業名及課稅標準ヲ申告スルトキ又ハ營業收益稅法第十一條若ハ第十二條ノ規定ニ依リ純益金額ヲ申告スルトキ其ノ旨所轄稅務署ニ申請スヘシ
前項ノ場合ニ於テ免除ヲ受クヘキ事業ト其ノ他ノ事業トノ存スルトキハ之ヲ區別シタル內譯書ヲ添附スヘシ
第五條 製鐵業奬勵法第八條第一號及第二號ノ奬勵金ハ本令施行後ノ製造ニ係ル銑鐵ヲ其ノ製造者カ鋼鐵ノ製造ニ使用シタル場合ニ之ヲ交付ス
商工大臣作業ノ狀況ニ依リ已ムヲ得サル事由アリト認ムルトキハ本令施行後ノ製造ニ係ル銑鐵ヲ其ノ製造者カ鋼鐵ノ製造ニ使用セサル場合ト雖前項ノ奬勵金ヲ交付スルコトヲ得
製鐵業奬勵法第八條第三號ノ奬勵金ハ銑鐵製造事業者及鋼鐵製造事業者間ニ於ケル繼續シテ熔銑ヲ供給スルコトヲ目的トスル契約ニ基キ本令施行後ノ製造ニ係ル熔銑カ鋼鐵ノ製造ニ使用セラレタル場合ニ其ノ銑鐵製造者ニ之ヲ交付ス
前三項ノ奬勵金ハ國ノ工場ニハ之ヲ交付セス
第六條 奬勵金ノ金額ハ前條第一項及第三項ノ場合ニ在リテハ鋼鐵ノ製造ニ使用シタル銑鐵一瓲ニ付六圓以內、同條第二項ノ場合ニ在リテハ製鋼ノ用ニ供セラルルコトヲ證明シタル場合ハ銑鐵一瓲ニ付五圓以內、其ノ他ノ場合ハ銑鐵一瓲ニ付三圓以內トス
第七條 製鐵業奬勵法第九條ノ奬勵金ハ左ニ揭クル鋼材ニシテ本令施行後ノ製造ニ係リ其ノ製造者又ハ其ノ製造者ヨリ之ヲ讓受ケタル者カ鐵鋼船ノ建造又ハ修繕ニ使用シタルモノニ付之ヲ交付ス但シ國ノ工場ニ於テ製造セラレタル鋼材ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
一 鋼塊及鋼片(鍛造用ノモノ)
二 條及竿(テー形、アングル形等ノ形狀ヲ有スルモノ及タービンブレーディングヲ含ム)
三 
四 筒及管(鑄タルモノヲ除ク)
前項第一號ニ揭クル鋼材ヲ其ノ製造者カ加工シテ讓渡シタルトキハ其ノ素材タル鋼材ニ付奬勵金ヲ交付ス
第八條 前條ノ奬勵金ノ交付ヲ受ケムトスル者ハ其ノ者カ鋼材ヲ鐵鋼船ノ建造又ハ修繕ニ使用セムトスル場合ニ在リテハ其ノ使用ノ前、其ノ他ノ場合ニ在リテハ鋼材引渡ノ前ニ其ノ鋼材ノ種類、數量、用途、製造時期及製造工場ヲ記載シタル屆書ヲ商工大臣ニ提出スヘシ
前項ノ屆書ニハ其ノ鋼材カ海軍艦船以外ノ船舶ノ建造又ハ修繕ニ使用セラルル場合ニ於テハ造船者又ハ船舶修繕者カ商工大臣ノ定ムル事項ニ付管海官廳ノ承認ヲ受ケタルコトヲ證スル書面ヲ添附スヘシ
第一項ノ屆書ニ記載シタル事項ニ變更アリタルトキハ其ノ變更ノ事項ニ付遲滯ナク商工大臣ニ屆出ツヘシ
第二項ノ管海官廳ノ承認ヲ受ケタル事項ニ變更アリタルトキハ其ノ變更ノ事項ニ付造船者又ハ船舶修繕者カ管海官廳ノ承認ヲ受ケタルコトヲ證スル書面ヲ添附シ遲滯ナク商工大臣ニ屆出ツヘシ
第九條 第七條ノ奬勵金ノ交付ヲ受ケムトスル者ハ前條ノ規定ニ依リテ屆出ヲ爲シタル鋼材カ海軍艦船ノ建造又ハ修繕ニ使用セラレタルトキハ海軍官憲ノ鋼材使用證明書ヲ添附シ、其ノ他ノ船舶ノ建造又ハ修繕ニ使用セラレタルトキハ鋼材使用說明書及造船者又ハ船舶修繕者カ受ケタル管海官廳ノ竣工承認書ヲ添附シ奬勵金交付申請書ヲ商工大臣ニ提出スヘシ
第十條 第七條ノ奬勵金ノ金額ハ左ノ區別ニ依ル
一 鋼塊及鋼片 其ノ價額ノ一割五分
二 條及竿 一瓲ニ付十八圓三十三錢
三 
甲 厚三粍ヲ超エサルモノ 一瓲ニ付二十三圓三十三錢
乙 其ノ他 一瓲ニ付十八圓三十三錢
四 筒及管
甲 內徑百五十粍ヲ超エサルモノ 其ノ價額ノ一割八分
乙 其ノ他 其ノ價額ノ一割五分
五 關稅定率法別表輸入稅表第四六二號ノ二特殊鋼ニ該當スルモノ 其ノ價額ノ一割八分
前項第一號、第四號及第五號ノ價額ハ第八條第一項ノ使用又ハ引渡ノ時ニ於ケル其ノ鋼材ト同種ノ鋼材ノ輸入ノ際ニ於ケル到著價格ヲ標準トシテ商工大臣之ヲ定ム
第十一條 輸入稅ノ免除ヲ受クルコトヲ得ヘキ器具、機械其ノ他ノ材料ノ種類ハ第一條ニ規定スル製鐵事業ノ爲必要ナル物ニシテ商工大臣ノ指定シタルモノニ限ル
第十二條 輸入稅ノ免除ヲ受ケムトスル者ハ輸入申告ヲ爲ス場合ニ於テ商工大臣ノ輸入認可書ヲ添附スヘシ
前項ノ輸入申告ハ製鐵事業者ノ名ヲ以テスルコトヲ要ス
第十三條 輸入稅ノ免除ヲ受ケタル物ヲ目的タル用途ニ供セサルトキハ其ノ輸入稅ヲ追徵ス但シ其ノ物ヲ製鐵業奬勵法ニ依リ輸入稅ノ免除ヲ受クルコトヲ得ヘキ他ノ用途ニ使用セムトスル場合ニ於テ商工大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ旨稅關ニ申告シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第十四條 商工大臣必要ト認ムルトキハ營業稅、營業收益稅及所得稅ノ免除ヲ受ケムトスル者ニ對シ製鐵事業ニ關スル書類又ハ製鐵原料若ハ製品ノ試料ノ提出ヲ命シ又ハ當該官吏ヲシテ製鐵事業ニ關スル設備、帳簿其ノ他ノ物件ノ檢査ヲ爲サシムルコトヲ得輸入稅ノ免除ヲ受ケ又ハ受ケムトスル者ニ對シ亦同シ
商工大臣必要ト認ムルトキハ奬勵金ノ交付ヲ受ケ又ハ受ケムトスル者ニ對シ前項ノ書類又ハ試料ノ提出ヲ命シ、當該官吏ヲシテ前項ノ檢査ヲ爲サシメ其ノ他必要ナル命令又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第十五條 收稅官吏又ハ稅關官吏必要ト認ムルトキハ前條第一項ノ檢査ヲ爲スコトヲ得
第十六條 第二條、第五條、第八條乃至第十條及第十四條中商工大臣トアルハ製鐵業奬勵法ヲ朝鮮ニ施行スル範圍ニ於テハ朝鮮總督トス
附 則
本令ハ大正十五年四月十日ヨリ之ヲ施行ス
製鐵業奬勵法附則第二項ニ規定スル製鐵事業ニ付テハ土地ノ收用使用又ハ輸入稅ノ免除ニ關シ仍舊製鐵業奬勵法施行令ニ依ル
製鐵業奬勵法附則第三項ニ規定スル製鐵事業ニ付テハ第一條第一項第三項及第二條ノ規定ヲ準用ス
本令施行前大正十年七月二十日以後ノ製造ニ係ル第七條ノ鋼材ニシテ第八條第一項ノ使用又ハ引渡カ本令施行前ナルモノニ付テハ仍從前ノ例ニ依リ、本令施行後ナルモノニ付テハ本令ノ規定ニ準シ奬勵金ヲ交付ス
朕製鉄業奨励法施行令改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
摂政名
大正十五年四月九日
内閣総理大臣 若槻礼次郎
大蔵大臣 浜口雄幸
商工大臣 片岡直温
勅令第五十八号
製鉄業奨励法施行令
第一条 製鉄業奨励法第一条乃至第四条ニ規定スル製鉄事業ハ銑鉄、鋼鉄、圧延鋼材(軌条及継目板ヲ含ム)、鍛鋼製品若ハ鋳鋼製品ノ素材又ハ商工大臣ノ指定シタル副生物ノ製造ニ関スル事業トス
製鉄業奨励法第一条乃至第三条ニ規定スル製鉄事業ハ製銑ニ在リテハ一ノ炉ニ付一日ノ製銑量百瓲以上ノ能力ヲ有スル設備ヲ有スルモノ、製鋼ニ在リテハ一ノ炉ニ付一回ノ製鋼量平炉ニ在リテハ二十五瓲以上、転炉ニ在リテハ五瓲以上ノ能力ヲ有スル設備ヲ有スルモノトス
製鉄業奨励法第四条第二項ノ低燐銑鉄製造事業ハ燐ノ標準含有量万分ノ三以下ノ銑鉄ノ製造事業トス
第二条 製鉄業奨励法第二条乃至第四条及第八条第二号ノ期間ハ製鉄能力一年三万五千瓲未満ノ場合ニ在リテハ二年以内、十万瓲未満ノ場合ニ在リテハ三年以内、二十万瓲未満ノ場合ニ在リテハ五年以内、二十万瓲以上ノ場合ニ在リテハ七年以内ニ於テ商工大臣之ヲ定ム
前項ノ期間ハ商工大臣災害其ノ他已ムヲ得サル事由アリト認ムルトキハ三年ヲ限リ之ヲ延長スルコトヲ得
第三条 所得税ノ免除ヲ受ケムトスル者ハ所得税法第二十四条又ハ第二十五条ノ規定ニ依リ所得ヲ申告スルトキ其ノ旨所轄税務署ニ申請スヘシ
前項ノ場合ニ於テ免除ヲ受クヘキ事業ヨリ生スル所得ト其ノ他ノ所得トノ存スルトキハ之ヲ区別シタル計算書ヲ添附スヘシ
第四条 営業税又ハ営業収益税ノ免除ヲ受ケムトスル者ハ営業税法第十三条ノ規定ニ依リ営業名及課税標準ヲ申告スルトキ又ハ営業収益税法第十一条若ハ第十二条ノ規定ニ依リ純益金額ヲ申告スルトキ其ノ旨所轄税務署ニ申請スヘシ
前項ノ場合ニ於テ免除ヲ受クヘキ事業ト其ノ他ノ事業トノ存スルトキハ之ヲ区別シタル内訳書ヲ添附スヘシ
第五条 製鉄業奨励法第八条第一号及第二号ノ奨励金ハ本令施行後ノ製造ニ係ル銑鉄ヲ其ノ製造者カ鋼鉄ノ製造ニ使用シタル場合ニ之ヲ交付ス
商工大臣作業ノ状況ニ依リ已ムヲ得サル事由アリト認ムルトキハ本令施行後ノ製造ニ係ル銑鉄ヲ其ノ製造者カ鋼鉄ノ製造ニ使用セサル場合ト雖前項ノ奨励金ヲ交付スルコトヲ得
製鉄業奨励法第八条第三号ノ奨励金ハ銑鉄製造事業者及鋼鉄製造事業者間ニ於ケル継続シテ熔銑ヲ供給スルコトヲ目的トスル契約ニ基キ本令施行後ノ製造ニ係ル熔銑カ鋼鉄ノ製造ニ使用セラレタル場合ニ其ノ銑鉄製造者ニ之ヲ交付ス
前三項ノ奨励金ハ国ノ工場ニハ之ヲ交付セス
第六条 奨励金ノ金額ハ前条第一項及第三項ノ場合ニ在リテハ鋼鉄ノ製造ニ使用シタル銑鉄一瓲ニ付六円以内、同条第二項ノ場合ニ在リテハ製鋼ノ用ニ供セラルルコトヲ証明シタル場合ハ銑鉄一瓲ニ付五円以内、其ノ他ノ場合ハ銑鉄一瓲ニ付三円以内トス
第七条 製鉄業奨励法第九条ノ奨励金ハ左ニ掲クル鋼材ニシテ本令施行後ノ製造ニ係リ其ノ製造者又ハ其ノ製造者ヨリ之ヲ譲受ケタル者カ鉄鋼船ノ建造又ハ修繕ニ使用シタルモノニ付之ヲ交付ス但シ国ノ工場ニ於テ製造セラレタル鋼材ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
一 鋼塊及鋼片(鍛造用ノモノ)
二 条及竿(テー形、アングル形等ノ形状ヲ有スルモノ及タービンブレーディングヲ含ム)
三 
四 筒及管(鋳タルモノヲ除ク)
前項第一号ニ掲クル鋼材ヲ其ノ製造者カ加工シテ譲渡シタルトキハ其ノ素材タル鋼材ニ付奨励金ヲ交付ス
第八条 前条ノ奨励金ノ交付ヲ受ケムトスル者ハ其ノ者カ鋼材ヲ鉄鋼船ノ建造又ハ修繕ニ使用セムトスル場合ニ在リテハ其ノ使用ノ前、其ノ他ノ場合ニ在リテハ鋼材引渡ノ前ニ其ノ鋼材ノ種類、数量、用途、製造時期及製造工場ヲ記載シタル届書ヲ商工大臣ニ提出スヘシ
前項ノ届書ニハ其ノ鋼材カ海軍艦船以外ノ船舶ノ建造又ハ修繕ニ使用セラルル場合ニ於テハ造船者又ハ船舶修繕者カ商工大臣ノ定ムル事項ニ付管海官庁ノ承認ヲ受ケタルコトヲ証スル書面ヲ添附スヘシ
第一項ノ届書ニ記載シタル事項ニ変更アリタルトキハ其ノ変更ノ事項ニ付遅滞ナク商工大臣ニ届出ツヘシ
第二項ノ管海官庁ノ承認ヲ受ケタル事項ニ変更アリタルトキハ其ノ変更ノ事項ニ付造船者又ハ船舶修繕者カ管海官庁ノ承認ヲ受ケタルコトヲ証スル書面ヲ添附シ遅滞ナク商工大臣ニ届出ツヘシ
第九条 第七条ノ奨励金ノ交付ヲ受ケムトスル者ハ前条ノ規定ニ依リテ届出ヲ為シタル鋼材カ海軍艦船ノ建造又ハ修繕ニ使用セラレタルトキハ海軍官憲ノ鋼材使用証明書ヲ添附シ、其ノ他ノ船舶ノ建造又ハ修繕ニ使用セラレタルトキハ鋼材使用説明書及造船者又ハ船舶修繕者カ受ケタル管海官庁ノ竣工承認書ヲ添附シ奨励金交付申請書ヲ商工大臣ニ提出スヘシ
第十条 第七条ノ奨励金ノ金額ハ左ノ区別ニ依ル
一 鋼塊及鋼片 其ノ価額ノ一割五分
二 条及竿 一瓲ニ付十八円三十三銭
三 
甲 厚三粍ヲ超エサルモノ 一瓲ニ付二十三円三十三銭
乙 其ノ他 一瓲ニ付十八円三十三銭
四 筒及管
甲 内径百五十粍ヲ超エサルモノ 其ノ価額ノ一割八分
乙 其ノ他 其ノ価額ノ一割五分
五 関税定率法別表輸入税表第四六二号ノ二特殊鋼ニ該当スルモノ 其ノ価額ノ一割八分
前項第一号、第四号及第五号ノ価額ハ第八条第一項ノ使用又ハ引渡ノ時ニ於ケル其ノ鋼材ト同種ノ鋼材ノ輸入ノ際ニ於ケル到著価格ヲ標準トシテ商工大臣之ヲ定ム
第十一条 輸入税ノ免除ヲ受クルコトヲ得ヘキ器具、機械其ノ他ノ材料ノ種類ハ第一条ニ規定スル製鉄事業ノ為必要ナル物ニシテ商工大臣ノ指定シタルモノニ限ル
第十二条 輸入税ノ免除ヲ受ケムトスル者ハ輸入申告ヲ為ス場合ニ於テ商工大臣ノ輸入認可書ヲ添附スヘシ
前項ノ輸入申告ハ製鉄事業者ノ名ヲ以テスルコトヲ要ス
第十三条 輸入税ノ免除ヲ受ケタル物ヲ目的タル用途ニ供セサルトキハ其ノ輸入税ヲ追徴ス但シ其ノ物ヲ製鉄業奨励法ニ依リ輸入税ノ免除ヲ受クルコトヲ得ヘキ他ノ用途ニ使用セムトスル場合ニ於テ商工大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ旨税関ニ申告シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第十四条 商工大臣必要ト認ムルトキハ営業税、営業収益税及所得税ノ免除ヲ受ケムトスル者ニ対シ製鉄事業ニ関スル書類又ハ製鉄原料若ハ製品ノ試料ノ提出ヲ命シ又ハ当該官吏ヲシテ製鉄事業ニ関スル設備、帳簿其ノ他ノ物件ノ検査ヲ為サシムルコトヲ得輸入税ノ免除ヲ受ケ又ハ受ケムトスル者ニ対シ亦同シ
商工大臣必要ト認ムルトキハ奨励金ノ交付ヲ受ケ又ハ受ケムトスル者ニ対シ前項ノ書類又ハ試料ノ提出ヲ命シ、当該官吏ヲシテ前項ノ検査ヲ為サシメ其ノ他必要ナル命令又ハ処分ヲ為スコトヲ得
第十五条 収税官吏又ハ税関官吏必要ト認ムルトキハ前条第一項ノ検査ヲ為スコトヲ得
第十六条 第二条、第五条、第八条乃至第十条及第十四条中商工大臣トアルハ製鉄業奨励法ヲ朝鮮ニ施行スル範囲ニ於テハ朝鮮総督トス
附 則
本令ハ大正十五年四月十日ヨリ之ヲ施行ス
製鉄業奨励法附則第二項ニ規定スル製鉄事業ニ付テハ土地ノ収用使用又ハ輸入税ノ免除ニ関シ仍旧製鉄業奨励法施行令ニ依ル
製鉄業奨励法附則第三項ニ規定スル製鉄事業ニ付テハ第一条第一項第三項及第二条ノ規定ヲ準用ス
本令施行前大正十年七月二十日以後ノ製造ニ係ル第七条ノ鋼材ニシテ第八条第一項ノ使用又ハ引渡カ本令施行前ナルモノニ付テハ仍従前ノ例ニ依リ、本令施行後ナルモノニ付テハ本令ノ規定ニ準シ奨励金ヲ交付ス