第二條 郵便年金契約ハ政府カ契約者又ハ第三者ノ生存ニ關シテ其ノ者ニ年金ヲ支拂フヘキコトヲ約シ契約者カ對償トシテ政府ニ掛金ヲ拂込ムヘキコトヲ約スルモノトス
年金契約ノ種類、年金受取人ノ年齡、掛金及年金受取人ノ爲ニ積立ツヘキ金額ノ計算ノ基礎ニ關スル規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三條 年金ノ額ハ年金受取人一人ニ付年額二千四百圓以下トス
第四條 年金契約ノ申込ヲ承諾シタルトキハ郵便年金證書ヲ年金契約者ニ交付ス
第五條 年金契約ノ效力ハ掛金ヲ拂込ミタル日ニ始マル
第六條 年金受取人カ第三者ナルトキハ其ノ第三者ハ當然年金契約ノ利益ヲ享受ス
第七條 年金契約者ハ年金契約申込ノ際年金受取人ノ死亡又ハ年金契約ノ解除若ハ變更ノ場合ニ於テ拂込掛金ノ返還ヲ請求スル權利ヲ自己又ハ年金受取人タル第三者ノ爲ニ留保スルコトヲ得
返還ヲ請求シ得ヘキ拂込掛金ニ關スル規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第八條 自己ヲ以テ拂込掛金ノ受取人ト爲シタルトキハ年金契約者ハ年金受取人タル第三者ヲ以テ拂込掛金ノ受取人ト爲スコトヲ得
年金受取人タル第三者ヲ以テ拂込掛金ノ受取人ト爲シタルトキハ年金契約者ハ之ヲ變更スルコトヲ得ス
第九條 年金又ハ第七條ニ規定スル拂込掛金ヲ受取ルヘキ權利ハ之ヲ讓渡スコトヲ得ス
第十條 年金ヲ受取ルヘキ權利ハ之ヲ差押フルコトヲ得ス但シ年額二百五十圓ヲ超ユル金額ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第十一條 年金契約者ハ第三者ヲシテ年金契約者トシテノ權利義務ヲ承繼セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テ年金契約者カ年金受取人ニ非サルトキハ年金受取人ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
前項ノ承繼ハ政府ニ通知スルニ非サレハ之ヲ以テ政府ニ對抗スルコトヲ得ス
第十二條 年金契約者ハ年金支拂ノ事由發生スル迄ハ年金契約ノ解除ヲ爲スコトヲ得
第十三條 年金契約者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ年金契約ノ變更ヲ請求スルコトヲ得
第十四條 年金契約者掛金ヲ拂込マスシテ命令ノ定ムル猶豫期間ヲ經過シタルトキハ政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ年金契約ヲ旣ニ拂込ミタル掛金ニ依ル掛金拂濟年金契約ニ變更スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ掛金拂濟年金契約ニ變更セラレサル年金契約ハ解除セラレタルモノト看做ス
第十五條 第七條ノ規定ニ依リテ拂込掛金ノ返還ヲ請求スル權利ヲ留保シタル場合ニ於テハ年金契約者又ハ年金受取人ハ命令ノ定ムル所ニ依リ拂込掛金ノ範圍內ニ於テ貸付ヲ請求スルコトヲ得
第十六條 年金又ハ第七條ニ規定スル拂込掛金ヲ支拂フヘキ場合ニ於テ其ノ年金契約又ハ之ニ基キテ爲シタル貸付ニ付政府カ辨濟ヲ受クヘキ金額アルトキハ支拂金額ヨリ之ヲ控除ス
第十七條 當該官署カ命令ノ定ムル所ニ依リ年金又ハ年金契約者若ハ年金受取人ニ返還スヘキ金額ヲ支拂ヒタルトキハ其ノ支拂ハ之ヲ有效トス
第十八條 年金支拂ノ義務及拂込掛金返還ノ義務ハ二年、掛金拂込ノ義務ハ一年ヲ經過シタルトキハ時效ニ因リテ消滅ス
第十九條 年金契約者又ハ年金受取人カ郵便年金ニ關スル事項ニ付政府ニ對シテ民事訴訟ヲ提起スルニハ簡易生命保險審査會ノ審査ヲ經ルコトヲ要ス
第二十條 前條ノ審査ノ請求ハ時效ノ中斷ニ關シテハ之ヲ裁判上ノ請求ト看做ス
第二十一條 郵便年金ニ關スル書類ニハ印紙稅ヲ課セス
第二十二條 郵便年金ノ事務ニ關スル郵便物ハ命令ノ定ムル所ニ依リ無料ト爲スコトヲ得