朕陸軍造兵廠令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
攝政名
大正十二年三月二十九日
內閣總理大臣 男爵 加藤友三郞
陸軍大臣 山梨半造
勅令第八十三號
陸軍造兵廠令
第一條 陸軍造兵廠ハ陸軍所要ノ兵器ノ考案設計ヲ爲シ、陸軍所要ノ兵器其ノ他ノ軍需品及一般火藥類ヲ製造修理シ且此等製品ノ檢査ヲ爲シ竝海軍所要ノ火藥ヲ製造修理スル所トス
第二條 陸軍造兵廠ニ總務部、作業部、技術部、會計部、工廠及長官直轄ノ製造所ヲ置ク
工廠ハ東京、王子、名古屋及大阪ニ、直轄製造所ハ小倉及平壤ニ之ヲ置ク
第三條 總務部、作業部、技術部及會計部ノ事務ノ分掌ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第四條 工廠ニ所要ノ課及製造所ヲ置ク
第五條 陸軍大臣ハ必要ニ應シ工廠又ハ直轄製造所ノ派出所ヲ置キ其ノ業務ヲ分掌セシムルコトヲ得
第六條 陸軍造兵廠ニ左ノ職員ヲ置ク
長官
部長
工廠長
製造所長
課長
廠員
准士官、下士、判任文官
派出所ヲ置キタル場合ニ於テハ派出所長ハ廠員ヲ以テ之ニ充ツ
第七條 長官ハ陸軍大臣ニ隸シ陸軍造兵廠ノ業務ヲ總理シ且所轄ノ土地及建造物ノ經營ヲ掌ル
第八條 部長ハ長官ノ命ヲ承ケ各部ノ事務ヲ掌理ス
第九條 工廠長及直轄製造所長ハ長官ノ命ヲ承ケ各工廠及直轄製造所ノ業務ヲ掌理ス
第十條 課長ハ上官ノ命ヲ承ケ各課ノ業務ヲ掌理ス
第十一條 製造所長(直轄製造所長ヲ除ク)ハ上官ノ命ヲ承ケ製造ニ關スル業務ヲ掌理ス
第十二條 廠員ハ上官ノ命ヲ承ケ各擔任ノ業務ヲ掌ル
第十三條 准士官、下士及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ業務ニ服ス
第十四條 官廳又ハ民間ヨリ兵器其ノ他ノ物品ノ製造又ハ兵器其ノ他之ニ準スヘキ物品ノ試驗、製造ノ指導若ハ製造ノ技術ニ從事スル者ノ養成ノ依賴アルトキハ第一條ノ規定ニ依ル業務ニ妨ナキ限リ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ之ニ應スルコトヲ得
第十五條 衞戍地外ニ在ル製造所又ハ派出所ニ於テ警戒ヲ要スル場合ニ於テ事急ナルトキハ工廠長、製造所長又ハ派出所長ハ直ニ所在地所管師團長ニ衞兵ノ派遣ヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ直ニ順序ヲ經テ之ヲ長官ニ報告スヘシ
附 則
本令ハ大正十二年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
砲兵工廠條例ハ之ヲ廢止ス
朕陸軍造兵廠令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
摂政名
大正十二年三月二十九日
内閣総理大臣 男爵 加藤友三郎
陸軍大臣 山梨半造
勅令第八十三号
陸軍造兵廠令
第一条 陸軍造兵廠ハ陸軍所要ノ兵器ノ考案設計ヲ為シ、陸軍所要ノ兵器其ノ他ノ軍需品及一般火薬類ヲ製造修理シ且此等製品ノ検査ヲ為シ並海軍所要ノ火薬ヲ製造修理スル所トス
第二条 陸軍造兵廠ニ総務部、作業部、技術部、会計部、工廠及長官直轄ノ製造所ヲ置ク
工廠ハ東京、王子、名古屋及大阪ニ、直轄製造所ハ小倉及平壌ニ之ヲ置ク
第三条 総務部、作業部、技術部及会計部ノ事務ノ分掌ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第四条 工廠ニ所要ノ課及製造所ヲ置ク
第五条 陸軍大臣ハ必要ニ応シ工廠又ハ直轄製造所ノ派出所ヲ置キ其ノ業務ヲ分掌セシムルコトヲ得
第六条 陸軍造兵廠ニ左ノ職員ヲ置ク
長官
部長
工廠長
製造所長
課長
廠員
准士官、下士、判任文官
派出所ヲ置キタル場合ニ於テハ派出所長ハ廠員ヲ以テ之ニ充ツ
第七条 長官ハ陸軍大臣ニ隷シ陸軍造兵廠ノ業務ヲ総理シ且所轄ノ土地及建造物ノ経営ヲ掌ル
第八条 部長ハ長官ノ命ヲ承ケ各部ノ事務ヲ掌理ス
第九条 工廠長及直轄製造所長ハ長官ノ命ヲ承ケ各工廠及直轄製造所ノ業務ヲ掌理ス
第十条 課長ハ上官ノ命ヲ承ケ各課ノ業務ヲ掌理ス
第十一条 製造所長(直轄製造所長ヲ除ク)ハ上官ノ命ヲ承ケ製造ニ関スル業務ヲ掌理ス
第十二条 廠員ハ上官ノ命ヲ承ケ各担任ノ業務ヲ掌ル
第十三条 准士官、下士及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ業務ニ服ス
第十四条 官庁又ハ民間ヨリ兵器其ノ他ノ物品ノ製造又ハ兵器其ノ他之ニ準スヘキ物品ノ試験、製造ノ指導若ハ製造ノ技術ニ従事スル者ノ養成ノ依頼アルトキハ第一条ノ規定ニ依ル業務ニ妨ナキ限リ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ之ニ応スルコトヲ得
第十五条 衛戍地外ニ在ル製造所又ハ派出所ニ於テ警戒ヲ要スル場合ニ於テ事急ナルトキハ工廠長、製造所長又ハ派出所長ハ直ニ所在地所管師団長ニ衛兵ノ派遣ヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ直ニ順序ヲ経テ之ヲ長官ニ報告スヘシ
附 則
本令ハ大正十二年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
砲兵工廠条例ハ之ヲ廃止ス