砲兵工廠条例
法令番号: 勅令第二百二十五號
公布年月日: 明治44年8月16日
法令の形式: 勅令
朕砲兵工廠條例改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十四年八月十五日
內閣總理大臣 公爵 桂太郞
陸軍大臣 伯爵 寺內正毅
勅令第二百二十五號
砲兵工廠條例
第一條 砲兵工廠ハ陸軍所要ノ兵器其ノ他ノ軍需品及海軍所要ノ火藥ヲ製造修理シ且一般火藥類ヲ製造スル所トス
第二條 砲兵工廠ハ之ヲ東京及大阪ニ置ク
砲兵工廠ニ所要ノ製造所ヲ置ク
第三條 砲兵工廠ニ庶務課、作業課、技術課及會計課ヲ置ク其ノ事務ノ分掌ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第四條 陸軍大臣ハ必要ニ應シ砲兵工廠派出所ヲ置キ工廠ノ業務ヲ分掌セシムルコトヲ得
第五條 砲兵工廠ニ左ノ職員ヲ置ク
提理
課長
製造所長
廠員
主計正、主計
軍醫正、軍醫
技師
准士官、下士、判任文官
派出所ヲ置キタル場合ニ於テハ派出所長ハ廠員ヲ以テ之ニ充ツ
第六條 提理ハ陸軍大臣ニ隸シ工廠ノ業務ヲ總理シ且工廠ノ土地及建造物ノ經營ヲ掌ル
東京砲兵工廠提理ハ前項ノ外陸軍火藥研究所及陸軍砲兵工科學校ヲ管轄ス
第七條 課長ハ提理ニ隸シ各課ノ事務ヲ掌理ス
第八條 製造所長ハ提理ニ隸シ製造ニ關スル業務ヲ掌理ス
東京砲兵工廠製造所長ハ前項ノ外陸軍砲兵工科學校ノ實業敎授ヲ擔任ス
第九條 廠員、主計正、主計、軍醫正、軍醫及技師ハ上官ノ命ヲ承ケ各擔任ノ事務ヲ掌ル
第十條 准士官、下士及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ニ服ス
第十一條 官廳又ハ人民ヨリ銃砲其ノ他ノ物品製造ノ依賴アルトキハ陸海軍所要品ノ製造ニ妨ナキ限リ之ニ應スルコトヲ得但シ軍用ノ兵器ハ陸軍大臣ノ許可ヲ受クルニ非サレハ之ヲ製造スルコトヲ得ス
第十二條 衞戍地外ニ在ル製造所ニ於テ警戒ヲ要スルトキ事急ナレハ所長ハ直ニ所在地所管師團長ニ衞兵ノ派遣ヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ直ニ之ヲ提理ニ報吿スヘシ
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕砲兵工廠条例改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十四年八月十五日
内閣総理大臣 公爵 桂太郎
陸軍大臣 伯爵 寺内正毅
勅令第二百二十五号
砲兵工廠条例
第一条 砲兵工廠ハ陸軍所要ノ兵器其ノ他ノ軍需品及海軍所要ノ火薬ヲ製造修理シ且一般火薬類ヲ製造スル所トス
第二条 砲兵工廠ハ之ヲ東京及大阪ニ置ク
砲兵工廠ニ所要ノ製造所ヲ置ク
第三条 砲兵工廠ニ庶務課、作業課、技術課及会計課ヲ置ク其ノ事務ノ分掌ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第四条 陸軍大臣ハ必要ニ応シ砲兵工廠派出所ヲ置キ工廠ノ業務ヲ分掌セシムルコトヲ得
第五条 砲兵工廠ニ左ノ職員ヲ置ク
提理
課長
製造所長
廠員
主計正、主計
軍医正、軍医
技師
准士官、下士、判任文官
派出所ヲ置キタル場合ニ於テハ派出所長ハ廠員ヲ以テ之ニ充ツ
第六条 提理ハ陸軍大臣ニ隷シ工廠ノ業務ヲ総理シ且工廠ノ土地及建造物ノ経営ヲ掌ル
東京砲兵工廠提理ハ前項ノ外陸軍火薬研究所及陸軍砲兵工科学校ヲ管轄ス
第七条 課長ハ提理ニ隷シ各課ノ事務ヲ掌理ス
第八条 製造所長ハ提理ニ隷シ製造ニ関スル業務ヲ掌理ス
東京砲兵工廠製造所長ハ前項ノ外陸軍砲兵工科学校ノ実業教授ヲ担任ス
第九条 廠員、主計正、主計、軍医正、軍医及技師ハ上官ノ命ヲ承ケ各担任ノ事務ヲ掌ル
第十条 准士官、下士及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ニ服ス
第十一条 官庁又ハ人民ヨリ銃砲其ノ他ノ物品製造ノ依頼アルトキハ陸海軍所要品ノ製造ニ妨ナキ限リ之ニ応スルコトヲ得但シ軍用ノ兵器ハ陸軍大臣ノ許可ヲ受クルニ非サレハ之ヲ製造スルコトヲ得ス
第十二条 衛戍地外ニ在ル製造所ニ於テ警戒ヲ要スルトキ事急ナレハ所長ハ直ニ所在地所管師団長ニ衛兵ノ派遣ヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ直ニ之ヲ提理ニ報告スヘシ
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス