朕巡査給與令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十九年九月二十五日
內閣總理大臣 侯爵 西園寺公望
內務大臣 原敬
勅令第二百五十九號
巡査給與令
第一條 巡査ノ月俸ハ十二圓乃至二十圓トス但シ巡査部長タル巡査ニハ二十五圓迄ヲ給スルコトヲ得
敎習中ノ巡査ノ月俸ハ九圓乃至十一圓トス
第二條 初メテ巡査ヲ命セラルル者ノ月俸ハ十五圓以下トス
判任官以上ノ官職ニ在リタル者又ハ巡査ノ職ニ在リタル者カ巡査ヲ命セラレタル場合ニハ第一條ニ定メタル範圍內ニ於テ其ノ前俸給額以內ノ月俸ヲ給スルコトヲ得
第三條 月俸ノ增給ハ三圓ヲ超ユルコトヲ得ス
十五圓以上ノ月俸ヲ受クル巡査ニハ六箇月ヲ經過スルニ非サレハ增給スルコトヲ得ス十五圓未滿ノ月俸ヲ受クル巡査ニシテ十五圓以上ニ增給スル場合亦同シ
第四條 巡査部長タル巡査及刑事通譯其ノ他特別ノ技能ヲ有スル巡査ニハ第二條及第三條ヲ適用セス
第五條 休職巡査ニシテ陸海軍ヨリ受クル俸給又ハ給料ノ月額休職ヲ命セラレタル當時ノ月俸額ヨリ寡少ナルトキハ其ノ不足額ニ相當スル金額以內ノ休職給ヲ給スルコトヲ得
第六條 刑事通譯其ノ他特別ノ技能ヲ有スル巡査ニハ一箇月二十圓以內ノ特別手當ヲ給スルコトヲ得
第七條 非番ノ日ニ於テ臨時勤務ニ服シタル巡査ニハ一日五十錢以內ノ勤務手當ヲ給スルコトヲ得
第八條 訓練中ノ巡査ニハ一箇月七圓以內ノ訓練手當ヲ給スルコトヲ得
第九條 巡査ニハ一箇月五圓以內ノ宿料ヲ給スルコトヲ得
第十條 月俸ハ新任、增俸、減俸及復職ノ場合ニ於テハ其ノ翌日ヨリ、退職ノ場合ニ於テハ其ノ當日迄日割ヲ以テ給ス但シ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ニハ其ノ全額ヲ給ス
一 職務上ノ傷痍又ハ疾病ニ由リ其ノ職ニ堪ヘス退職シタル者
二 廢廳ノ爲退職シタル者
三 身體若ハ精神ノ衰弱又ハ事務ノ都合ニ依リ退職ヲ命セラレタル者
四 休職ヲ命セラレタル者
五 在職中死亡シタル者
休職當月復職シタル者ニハ其ノ月ノ月俸ハ更ニ之ヲ給セス
第十一條 休職給ハ休職ノ翌月ヨリ之ヲ給ス
休職給、手當金及宿料ノ給與ニ關スル規定ハ廳府縣長官之ヲ定ム
第十二條 病氣ノ爲執務セサルコト六十日ヲ踰ユル者又ハ私事ノ故障ニ依リ執務セサルコト二十日ヲ踰ユル者ハ日割ヲ以テ月俸ノ半額ヲ減ス但シ公務ノ爲傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ又ハ服忌ヲ受クル者ハ此ノ限ニ在ラス
附 則
第十三條 地方ノ狀況ニ依リ內務大臣ノ認可ヲ得テ當分ノ內巡査ニ最下俸以下九圓迄ノ月俸ヲ給スルコトヲ得
第十四條 本令施行ノ際別ニ辭令ヲ受ケサル者ハ現ニ受クル月俸額及特別手當ヲ給セラルルモノトス
第十五條 巡査看守俸給令及明治二十八年勅令第百五十九號ハ之ヲ巡査ニ適用セス
朕巡査給与令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十九年九月二十五日
内閣総理大臣 侯爵 西園寺公望
内務大臣 原敬
勅令第二百五十九号
巡査給与令
第一条 巡査ノ月俸ハ十二円乃至二十円トス但シ巡査部長タル巡査ニハ二十五円迄ヲ給スルコトヲ得
教習中ノ巡査ノ月俸ハ九円乃至十一円トス
第二条 初メテ巡査ヲ命セラルル者ノ月俸ハ十五円以下トス
判任官以上ノ官職ニ在リタル者又ハ巡査ノ職ニ在リタル者カ巡査ヲ命セラレタル場合ニハ第一条ニ定メタル範囲内ニ於テ其ノ前俸給額以内ノ月俸ヲ給スルコトヲ得
第三条 月俸ノ増給ハ三円ヲ超ユルコトヲ得ス
十五円以上ノ月俸ヲ受クル巡査ニハ六箇月ヲ経過スルニ非サレハ増給スルコトヲ得ス十五円未満ノ月俸ヲ受クル巡査ニシテ十五円以上ニ増給スル場合亦同シ
第四条 巡査部長タル巡査及刑事通訳其ノ他特別ノ技能ヲ有スル巡査ニハ第二条及第三条ヲ適用セス
第五条 休職巡査ニシテ陸海軍ヨリ受クル俸給又ハ給料ノ月額休職ヲ命セラレタル当時ノ月俸額ヨリ寡少ナルトキハ其ノ不足額ニ相当スル金額以内ノ休職給ヲ給スルコトヲ得
第六条 刑事通訳其ノ他特別ノ技能ヲ有スル巡査ニハ一箇月二十円以内ノ特別手当ヲ給スルコトヲ得
第七条 非番ノ日ニ於テ臨時勤務ニ服シタル巡査ニハ一日五十銭以内ノ勤務手当ヲ給スルコトヲ得
第八条 訓練中ノ巡査ニハ一箇月七円以内ノ訓練手当ヲ給スルコトヲ得
第九条 巡査ニハ一箇月五円以内ノ宿料ヲ給スルコトヲ得
第十条 月俸ハ新任、増俸、減俸及復職ノ場合ニ於テハ其ノ翌日ヨリ、退職ノ場合ニ於テハ其ノ当日迄日割ヲ以テ給ス但シ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ニハ其ノ全額ヲ給ス
一 職務上ノ傷痍又ハ疾病ニ由リ其ノ職ニ堪ヘス退職シタル者
二 廃庁ノ為退職シタル者
三 身体若ハ精神ノ衰弱又ハ事務ノ都合ニ依リ退職ヲ命セラレタル者
四 休職ヲ命セラレタル者
五 在職中死亡シタル者
休職当月復職シタル者ニハ其ノ月ノ月俸ハ更ニ之ヲ給セス
第十一条 休職給ハ休職ノ翌月ヨリ之ヲ給ス
休職給、手当金及宿料ノ給与ニ関スル規定ハ庁府県長官之ヲ定ム
第十二条 病気ノ為執務セサルコト六十日ヲ踰ユル者又ハ私事ノ故障ニ依リ執務セサルコト二十日ヲ踰ユル者ハ日割ヲ以テ月俸ノ半額ヲ減ス但シ公務ノ為傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ又ハ服忌ヲ受クル者ハ此ノ限ニ在ラス
附 則
第十三条 地方ノ状況ニ依リ内務大臣ノ認可ヲ得テ当分ノ内巡査ニ最下俸以下九円迄ノ月俸ヲ給スルコトヲ得
第十四条 本令施行ノ際別ニ辞令ヲ受ケサル者ハ現ニ受クル月俸額及特別手当ヲ給セラルルモノトス
第十五条 巡査看守俸給令及明治二十八年勅令第百五十九号ハ之ヲ巡査ニ適用セス