第一條 國債ノ起債、元金償還、利子仕拂、證券及登錄ニ關スル取扱手續ハ大藏大臣之ヲ定メ日本銀行ヲシテ其ノ事務ヲ取扱ハシム
國債ノ登錄ハ債權者ノ請求ニ因リ之ヲ爲ス此ノ場合ニ於テハ證券ヲ發行セス但シ債權者ノ請求アルトキハ記名利札付證券ヲ發行ス
第三條 登錄國債ヲ移轉シ又ハ登錄國債ヲ以テ質權ノ目的ト爲シタルトキハ登錄ヲ受クルニ非サレハ之ヲ以テ政府其ノ他ノ第三者ニ對抗スルコトヲ得ス
第四條 相續、遺贈及强制執行ノ場合ヲ除クノ外權利ノ移轉ニ因ル國債ノ登錄ハ其ノ利子仕拂期前一箇月間之ヲ停止ス
第五條 記名國債證券又ハ其ノ利札ヲ滅失又ハ紛失シタルトキハ其ノ記名者ヨリ直ニ之ヲ所管取扱銀行ニ屆出ツヘシ之ヲ發見シタルトキ亦同シ
前項ノ規定ニ依リ滅失又ハ紛失ノ屆出ヲ爲シタル者ハ屆出ヲ爲シタル後三箇月ヲ經過シテ仍發見セサルトキハ代證券又ハ代利札ノ交付ヲ請求スルコトヲ得但シ其ノ元金ノ償還期又ハ利子ノ仕拂期開始以後ハ代證券又ハ代利札ノ交付ヲ爲サス
滅失又ハ紛失ノ屆出アリタル記名國債證券又ハ其ノ利札ハ代證券又ハ代利札ノ交付ニ因リ其ノ效力ヲ失フ
第六條 無記名國債證券又ハ其ノ利札ヲ滅失又ハ紛失シタル者ハ其ノ證券又ハ利札ノ持參人カ償還又ハ仕拂ヲ受ケタル場合ニハ其ノ金額及其ノ仕拂ノ日以後ノ利子ヲ辨償スヘキ旨ヲ約シテ擔保ヲ提供シ其ノ元金ノ償還又ハ利子ノ仕拂ヲ請求スルコトヲ得但シ取扱銀行ノ確實ト認メタル保證人ヲ立テ擔保ノ提供ニ代フルコトヲ得
擔保ヲ提供シタル者カ債務ノ履行ヲ爲ササルトキハ擔保ヲ以テ之ニ充テ過剩額アルトキハ之ヲ還付ス
第七條 無記名國債證券ニ對シ元金ヲ償還スル場合ニ於テ其ノ證券ニ附屬スル利札中欠缺セルモノアルトキハ之ニ相當スル金額ヲ元金ノ內ヨリ控除ス但シ旣ニ利子仕拂期ノ開始シタル利札ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
前項利札ノ所持人ハ何時ト雖其ノ利札ヲ提出シテ控除金額ノ仕拂ヲ請求スルコトヲ得
第八條 民法施行法第五十七條ノ規定ハ國債證券及其ノ利札ニ之ヲ適用セス
第九條 國債ノ消滅時效ハ元金ニ在リテハ十箇年、利子ニ在リテハ五箇年ヲ以テ完成ス