朕外國駐在陸軍武官給與令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十年六月十九日
陸軍大臣 子爵 高島鞆之助
勅令第二百十六號
外國駐在陸軍武官給與令
第一條 外國駐在ヲ命セラレタル陸軍武官ノ諸給與ハ陸軍給與令ニ於テ定ムル所ノ現役俸、職務俸及宅料ヲ給スルノ外本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 本邦出發ニ際シテハ出發手當、歸朝ニ際シテハ歸朝手當、本邦ト駐在國間往復ノ爲ニハ旅次手當外國駐在中ハ駐在手當ヲ給ス
第三條 外國駐在中乘馬ヲ要スル者ニハ馬匹ヲ貸與シ馬飼料ヲ給ス但シ借馬ヲ以テ應用スルトキハ其ノ實費ヲ給ス
第四條 任務上必用ノ事項調査ノ爲メ或ハ駐在國軍隊等ノ演習ニ際シ駐在地ヲ離ルル七英里以上ノ地ニ派遣シ若ハ移轉セシムルトキハ駐在手當ノ外派遣手當及汽車料、船舶料、車馬料ノ實費ヲ給ス
第五條 出發手當、歸朝手當、旅次手當、駐在手當、派遣手當及馬飼料ノ金額ハ別表ニ依ル
第六條 本令施行ニ關スル細則ハ陸軍大臣之ヲ定ム
附 則
第七條 本令ハ明治三十年十月一日ヨリ施行ス
明治二十九年勅令第六十八號外國駐在視察陸軍武官給與令ハ本令施行ノ日ヨリ廢止ス
(別表)
外國駐在陸軍武官給與表
出發手當
金百二十圓
馬飼料
月額
金三十二圓
歸朝手當
金百二十圓
派遣手當
日額
甲額
佐官
金八圓
駐在手當
月額
金百三十圓以上金二百八十圓以下
尉官
金六圓
乙額
佐尉官
金二圓
旅次手當
區分
片道船車料
片道海陸諸費
東京獨國伯林間
金八百四十四圓
金百五十圓
金九百九十四圓
東京白國ブラッセル間
金八百七十六圓
金百五十圓
金千二十六圓
東京佛國巴里間
金八百六十六圓
金百五十圓
金千十六圓
東京伊國羅馬間
金八百十二圓
金百五十圓
金九百六十二圓
東京墺國維納間
金八百十四圓
金百五十圓
金九百六十四圓
東京露國聖彼得堡間
金九百六圓
金百五十圓
金千五十六圓
東京英國倫敦間
金八百四十圓
金百五十圓
金九百九十圓
東京和蘭國海牙間
金八百八十八圓
金百五十圓
金千三十八圓
備考
派遣手當ハ軍隊等ノ演習ニ際シ派遣ノトキハ乙額其ノ他單獨旅行及駐在員取締旅行ノトキハ甲額トス
朕外国駐在陸軍武官給与令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十年六月十九日
陸軍大臣 子爵 高島鞆之助
勅令第二百十六号
外国駐在陸軍武官給与令
第一条 外国駐在ヲ命セラレタル陸軍武官ノ諸給与ハ陸軍給与令ニ於テ定ムル所ノ現役俸、職務俸及宅料ヲ給スルノ外本令ノ定ムル所ニ依ル
第二条 本邦出発ニ際シテハ出発手当、帰朝ニ際シテハ帰朝手当、本邦ト駐在国間往復ノ為ニハ旅次手当外国駐在中ハ駐在手当ヲ給ス
第三条 外国駐在中乗馬ヲ要スル者ニハ馬匹ヲ貸与シ馬飼料ヲ給ス但シ借馬ヲ以テ応用スルトキハ其ノ実費ヲ給ス
第四条 任務上必用ノ事項調査ノ為メ或ハ駐在国軍隊等ノ演習ニ際シ駐在地ヲ離ルル七英里以上ノ地ニ派遣シ若ハ移転セシムルトキハ駐在手当ノ外派遣手当及汽車料、船舶料、車馬料ノ実費ヲ給ス
第五条 出発手当、帰朝手当、旅次手当、駐在手当、派遣手当及馬飼料ノ金額ハ別表ニ依ル
第六条 本令施行ニ関スル細則ハ陸軍大臣之ヲ定ム
附 則
第七条 本令ハ明治三十年十月一日ヨリ施行ス
明治二十九年勅令第六十八号外国駐在視察陸軍武官給与令ハ本令施行ノ日ヨリ廃止ス
(別表)
外国駐在陸軍武官給与表
出発手当
金百二十円
馬飼料
月額
金三十二円
帰朝手当
金百二十円
派遣手当
日額
甲額
佐官
金八円
駐在手当
月額
金百三十円以上金二百八十円以下
尉官
金六円
乙額
佐尉官
金二円
旅次手当
区分
片道船車料
片道海陸諸費
東京独国伯林間
金八百四十四円
金百五十円
金九百九十四円
東京白国ブラッセル間
金八百七十六円
金百五十円
金千二十六円
東京仏国巴里間
金八百六十六円
金百五十円
金千十六円
東京伊国羅馬間
金八百十二円
金百五十円
金九百六十二円
東京墺国維納間
金八百十四円
金百五十円
金九百六十四円
東京露国聖彼得堡間
金九百六円
金百五十円
金千五十六円
東京英国倫敦間
金八百四十円
金百五十円
金九百九十円
東京和蘭国海牙間
金八百八十八円
金百五十円
金千三十八円
備考
派遣手当ハ軍隊等ノ演習ニ際シ派遣ノトキハ乙額其ノ他単独旅行及駐在員取締旅行ノトキハ甲額トス