民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律
法令番号: 法律第三十四号
公布年月日: 平成25年6月12日
法令の形式: 法律
民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成二十五年六月十二日
内閣総理大臣 安倍晋三
法律第三十四号
民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律
民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成十一年法律第百十七号)の一部を次のように改正する。
目次中「第十条の二」を「第十五条」に、「第十条の三―第十条の十七」を「第十六条―第三十条」に、
第五章
選定事業に対する特別の措置(第十一条―第二十条)
第六章
民間資金等活用事業推進会議等(第二十条の二―第二十二条)
第七章
雑則(第二十三条)
第五章
株式会社民間資金等活用事業推進機構による特定選定事業等の支援等
第一節
総則(第三十一条―第三十六条)
第二節
設立(第三十七条―第四十二条)
第三節
管理
第一款
取締役等(第四十三条・第四十四条)
第二款
民間資金等活用事業支援委員会(第四十五条―第五十条)
第三款
定款の変更(第五十一条)
第四節
業務
第一款
業務の範囲(第五十二条)
第二款
支援基準(第五十三条)
第三款
業務の実施(第五十四条―第五十六条)
第五節
情報の提供等(第五十七条)
第六節
財務及び会計(第五十八条―第六十一条)
第七節
監督(第六十二条―第六十五条)
第八節
解散等(第六十六条・第六十七条)
第六章
選定事業に対する特別の措置(第六十八条―第八十条)
第七章
民間資金等活用事業推進会議等(第八十一条―第八十四条)
第八章
雑則(第八十五条)
第九章
罰則(第八十六条―第九十二条)
に改める。
第二条第四項中「第六条」を「第七条」に改め、同条第五項中「第七条第一項」を「第八条第一項」に改め、同条第六項中「第十条の三」を「第十六条」に、「第十条の十六第四項」を「第二十九条第四項」に改める。
第三条第一項中「第十八条」を「第七十七条」に、「ゆだねる」を「委ねる」に改める。
第五条第一項中「第六条」を「第七条」に、「第七条第一項」を「第八条第一項」に改める。
第二十三条を第八十五条とする。
第七章を第八章とする。
第六章中第二十二条を第八十四条とする。
第二十一条の前の見出しを削り、同条を第八十三条とし、同条の前に見出しとして「(民間資金等活用事業推進委員会)」を付する。
第二十条の三第四項中「前各項」を「前三項」に改め、同条を第八十二条とする。
第二十条の二の前の見出しを削り、同条を第八十一条とし、同条の前に見出しとして「(民間資金等活用事業推進会議)」を付する。
第六章を第七章とする。
第二十条第二項中「(平成十七年法律第八十六号)」を削り、「第二十条第一項」を「(平成十一年法律第百十七号)第八十条第一項」に改め、第五章中同条を第八十条とする。
第十九条を第七十九条とし、第十八条の二を第七十八条とし、第十八条を第七十七条とし、第十七条を第七十六条とする。
第十六条第一項中「第十一条の二」を「第六十九条」に改め、同条を第七十五条とする。
第十五条を第七十四条とし、第十二条から第十四条までを五十九条ずつ繰り下げる。
第十一条の三第二項中「第十条の十六第一項」を「第二十九条第一項」に改め、同条第九項中「第十一条の三第一項」を「第七十条第一項」に、「第十一条の三第五項」を「第七十条第五項」に改め、同条を第七十条とする。
第十一条の二の前の見出しを削り、同条第三項中「第十条の十六第一項」を「第二十九条第一項」に改め、同条第十一項中「(明治二十九年法律第八十九号)」を削り、同条を第六十九条とし、同条の前に見出しとして「(行政財産の貸付け)」を付する。
第十一条を第六十八条とする。
第五章を第六章とし、第四章の次に次の一章を加える。
第五章 株式会社民間資金等活用事業推進機構による特定選定事業等の支援等
第一節 総則
(機構の目的)
第三十一条 株式会社民間資金等活用事業推進機構は、国及び地方公共団体の厳しい財政状況を踏まえつつ、我が国経済の成長の促進に寄与する観点から、公共施設等の整備等における民間の資金、経営能力及び技術的能力の活用が一層重要となっていることに鑑み、特定選定事業(選定事業であって、利用料金を徴収する公共施設等の整備等を行い、利用料金を自らの収入として収受するものをいう。以下同じ。)又は特定選定事業を支援する事業(以下「特定選定事業等」と総称する。)を実施する者に対し、金融機関が行う金融及び民間の投資を補完するための資金の供給を行うことにより、特定選定事業に係る資金を調達することができる資本市場の整備を促進するとともに、特定選定事業等の実施に必要な知識及び情報の提供その他特定選定事業等の普及に資する支援を行い、もって我が国において特定事業を推進することを目的とする株式会社とする。
(数)
第三十二条 株式会社民間資金等活用事業推進機構(以下「機構」という。)は、一を限り、設立されるものとする。
(株式の政府保有)
第三十三条 政府は、常時、機構が発行している株式(株主総会において決議することができる事項の全部について議決権を行使することができないものと定められた種類の株式を除く。以下この条において同じ。)の総数の二分の一以上に当たる数の株式を保有していなければならない。
(株式、社債及び借入金の認可等)
第三十四条 機構は、会社法(平成十七年法律第八十六号)第百九十九条第一項に規定する募集株式(第九十一条第一号において「募集株式」という。)、同法第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権(同号において「募集新株予約権」という。)若しくは同法第六百七十六条に規定する募集社債(以下「募集社債」という。)を引き受ける者の募集をし、株式交換に際して株式、社債若しくは新株予約権を発行し、又は資金を借り入れようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
2 機構は、新株予約権の行使により株式を発行したときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
(政府の出資)
第三十五条 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に出資することができる。
(商号)
第三十六条 機構は、その商号中に株式会社民間資金等活用事業推進機構という文字を用いなければならない。
2 機構でない者は、その名称中に民間資金等活用事業推進機構という文字を用いてはならない。
第二節 設立
(定款の記載又は記録事項)
第三十七条 機構の定款には、会社法第二十七条各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一 機構の設立に際して発行する株式(以下「設立時発行株式」という。)の数(機構を種類株式発行会社として設立しようとする場合にあっては、その種類及び種類ごとの数)
二 設立時発行株式の払込金額(設立時発行株式一株と引換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。)
三 政府が割当てを受ける設立時発行株式の数(機構を種類株式発行会社として設立しようとする場合にあっては、その種類及び種類ごとの数)
四 会社法第百七条第一項第一号に掲げる事項
五 取締役会及び監査役を置く旨
六 第五十二条第一項各号に掲げる業務の完了により解散する旨
2 機構の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録してはならない。
一 会社法第二条第十二号に規定する委員会を置く旨
二 会社法第百三十九条第一項ただし書に規定する別段の定め
(設立の認可等)
第三十八条 機構の発起人は、定款を作成し、かつ、発起人が割当てを受ける設立時発行株式を引き受けた後、速やかに、定款及び事業計画書を内閣総理大臣に提出して、設立の認可を申請しなければならない。
第三十九条 内閣総理大臣は、前条の規定による認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 設立の手続及び定款の内容が法令の規定に適合するものであること。
二 定款に虚偽の記載若しくは記録又は虚偽の署名若しくは記名押印(会社法第二十六条第二項の規定による署名又は記名押印に代わる措置を含む。)がないこと。
三 業務の運営が健全に行われ、我が国における特定選定事業の推進に寄与することが確実であると認められること。
2 内閣総理大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項各号に掲げる基準に適合していると認めるときは、設立の認可をしなければならない。
(設立時取締役及び設立時監査役の選任及び解任)
第四十条 会社法第三十八条第一項に規定する設立時取締役及び同条第二項第二号に規定する設立時監査役の選任及び解任は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(会社法の規定の読替え)
第四十一条 会社法第三十条第二項、第三十四条第一項、第五十九条第一項第一号及び第九百六十三条第一項の規定の適用については、同法第三十条第二項中「前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前」とあるのは「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成十一年法律第百十七号。以下「民間資金法」という。)第三十九条第二項の認可の後株式会社民間資金等活用事業推進機構の成立前は、定款」と、同法第三十四条第一項中「設立時発行株式の引受け」とあるのは「民間資金法第三十九条第二項の認可の」と、同号中「定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名」とあるのは「民間資金法第三十九条第二項の認可の年月日」と、同法第九百六十三条第一項中「第三十四条第一項」とあるのは「第三十四条第一項(民間資金法第四十一条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」とする。
(会社法の規定の適用除外)
第四十二条 会社法第三十条第一項及び第三十三条の規定は、機構の設立については、適用しない。
第三節 管理
第一款 取締役等
(取締役及び監査役の選任等の認可)
第四十三条 機構の取締役及び監査役の選任及び解任の決議は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(取締役等の秘密保持義務)
第四十四条 機構の取締役、会計参与、監査役若しくは職員又はこれらの職にあった者は、その職務上知ることができた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
第二款 民間資金等活用事業支援委員会
(設置)
第四十五条 機構に、民間資金等活用事業支援委員会(以下「支援委員会」という。)を置く。
(権限)
第四十六条 支援委員会は、次に掲げる決定を行う。
一 第五十四条第一項の規定による特定選定事業等支援の対象となる事業者及び当該特定選定事業等支援の内容の決定
二 第五十六条第一項の株式等又は債権の譲渡その他の処分の決定
三 前二号に掲げるもののほか、会社法第三百六十二条第四項第一号及び第二号に掲げる事項のうち取締役会の決議により委任を受けた事項の決定
2 支援委員会は、前項第一号及び第二号に掲げる事項の決定について、取締役会から委任を受けたものとみなす。
(組織)
第四十七条 支援委員会は、取締役である委員三人以上七人以内で組織する。
2 委員の中には、代表取締役及び社外取締役が、それぞれ一人以上含まれなければならない。
3 委員は、取締役会の決議により定める。
4 委員の選定及び解職の決議は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
5 委員は、それぞれ独立してその職務を執行する。
6 支援委員会に委員長を置き、委員の互選によってこれを定める。
7 委員長は、支援委員会の会務を総理する。
8 支援委員会は、あらかじめ、委員のうちから、委員長に事故がある場合に委員長の職務を代理する者を定めておかなければならない。
(運営)
第四十八条 支援委員会は、委員長(委員長に事故があるときは、前条第八項に規定する委員長の職務を代理する者。以下この条において同じ。)が招集する。
2 支援委員会は、委員長が出席し、かつ、現に在任する委員の総数の三分の二以上の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
3 支援委員会の議事は、出席した委員の過半数をもって決する。可否同数のときは、委員長が決する。
4 前項の規定による決議について特別の利害関係を有する委員は、議決に加わることができない。
5 前項の規定により議決に加わることができない委員の数は、第二項に規定する現に在任する委員の数に算入しない。
6 監査役は、支援委員会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。
7 支援委員会の委員であって支援委員会によって選定された者は、第三項の規定による決議後、遅滞なく、当該決議の内容を取締役会に報告しなければならない。
8 支援委員会の議事については、内閣府令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した委員及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
9 前項の議事録が電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。次条第二項第二号において同じ。)をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、内閣府令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
10 前各項及び次条に定めるもののほか、議事の手続その他支援委員会の運営に関し必要な事項は、支援委員会が定める。
(議事録)
第四十九条 機構は、支援委員会の日から十年間、前条第八項の議事録をその本店に備え置かなければならない。
2 株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。
一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
3 債権者は、委員の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。
4 裁判所は、前二項の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、機構に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、前二項の許可をすることができない。
5 会社法第八百六十八条第一項、第八百六十九条、第八百七十条第二項(第一号に係る部分に限る。)、第八百七十条の二、第八百七十一条本文、第八百七十二条(第五号に係る部分に限る。)、第八百七十二条の二、第八百七十三条本文、第八百七十五条及び第八百七十六条の規定は、第二項及び第三項の許可について準用する。
6 取締役は、第一項の議事録について第二項各号に掲げる請求をすることができる。
(登記)
第五十条 機構は、委員を選定したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、委員の氏名を登記しなければならない。委員の氏名に変更を生じたときも、同様とする。
2 前項の規定による委員の選定の登記の申請書には、委員の選定及びその選定された委員が就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。
3 委員の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。
4 機構は、委員に選定された取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨を登記しなければならない。
第三款 定款の変更
第五十一条 機構の定款の変更の決議は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第四節 業務
第一款 業務の範囲
第五十二条 機構は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。
一 対象事業者(第五十四条第一項の規定により支援の対象となった事業者(民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百六十七条第一項に規定する組合契約によって成立する組合、商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百三十五条に規定する匿名組合契約によって成立する匿名組合、投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成十年法律第九十号)第二条第二項に規定する投資事業有限責任組合若しくは有限責任事業組合契約に関する法律(平成十七年法律第四十号)第二条に規定する有限責任事業組合又は外国の法令に基づいて設立された団体であってこれらの組合に類似するものを含む。次条第一項及び第五十四条第一項において同じ。)をいう。以下同じ。)に対する出資
二 対象事業者に対する基金(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第百三十一条に規定する基金をいう。)の拠出
三 対象事業者に対する資金の貸付け
四 対象事業者が発行する有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券及び同条第二項の規定により有価証券とみなされるものをいう。第八号において同じ。)の取得
五 対象事業者に対する金銭債権及び対象事業者が保有する金銭債権の取得
六 実施方針を定め、若しくは定めようとする公共施設等の管理者等又は特定事業を実施し、若しくは実施しようとする民間事業者に対する専門家の派遣
七 実施方針を定め、若しくは定めようとする公共施設等の管理者等又は特定事業を実施し、若しくは実施しようとする民間事業者に対する助言
八 保有する株式、新株予約権、持分又は有価証券(第五十六条において「株式等」という。)の譲渡その他の処分
九 債権の管理及び譲渡その他の処分
十 前各号に掲げる業務に関連して必要な交渉及び調査
十一 前各号に掲げる業務に附帯する業務
十二 前各号に掲げるもののほか、機構の目的を達成するために必要な業務
2 機構は、前項第十二号に掲げる業務を営もうとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
第二款 支援基準
第五十三条 内閣総理大臣は、機構が特定選定事業等の支援(前条第一項第一号から第五号までに掲げる業務によりされるものに限る。以下「特定選定事業等支援」という。)の対象となる事業者及び当該特定選定事業等支援の内容を決定するに当たって従うべき基準(以下この条及び次条第一項において「支援基準」という。)を定めるものとする。
2 内閣総理大臣は、前項の規定により支援基準を定めようとするときは、あらかじめ、特定選定事業等支援の対象となる特定選定事業等に係る公共施設等を所管する大臣の意見を聴かなければならない。
3 内閣総理大臣は、第一項の規定により支援基準を定めたときは、これを公表するものとする。
第三款 業務の実施
(支援決定)
第五十四条 機構は、特定選定事業等支援を行おうとするときは、支援基準に従って、その対象となる事業者及び当該特定選定事業等支援の内容を決定しなければならない。
2 機構は、特定選定事業等支援をするかどうかを決定しようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣にその旨を通知し、相当の期間を定めて、意見を述べる機会を与えなければならない。
3 内閣総理大臣は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、その内容を当該特定選定事業等支援の対象となる特定選定事業等に係る公共施設等を所管する大臣に通知するものとする。
4 前項の規定による通知を受けた大臣は、当該特定選定事業等の収益性その他の当該公共施設等の運営の見込みを考慮して必要があると認めるときは、第二項の期間内に、機構に対して意見を述べることができる。
(支援決定の撤回)
第五十五条 機構は、次に掲げる場合には、速やかに、前条第一項の規定による決定(次項において「支援決定」という。)を撤回しなければならない。
一 対象事業者が特定選定事業等を実施しないとき。
二 対象事業者が破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定、特別清算開始の命令又は外国倒産処理手続の承認の決定を受けたとき。
2 機構は、前項の規定により支援決定を撤回したときは、直ちに、対象事業者に対し、その旨を通知しなければならない。
(株式等の譲渡その他の処分等)
第五十六条 機構は、その保有する対象事業者に係る株式等又は債権の譲渡その他の処分の決定を行おうとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣にその旨を通知し、相当の期間を定めて、意見を述べる機会を与えなければならない。
2 機構は、特定選定事業の実施状況、特定選定事業に係る資金の調達状況その他の特定選定事業を取り巻く状況を考慮しつつ、平成四十年三月三十一日までに、保有する全ての株式等及び債権の譲渡その他の処分を行うよう努めなければならない。
第五節 情報の提供等
第五十七条 機構は、特定選定事業の円滑な実施が促進されるよう、内閣総理大臣に対し、特定選定事業の推進に資する情報の提供を行うものとする。
2 内閣総理大臣及び特定選定事業等支援の対象となる特定選定事業等に係る公共施設等を所管する大臣は、前項の規定により提供された情報も踏まえつつ、機構の行う事業の円滑な実施が促進され、特定選定事業が推進されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。
第六節 財務及び会計
(予算の認可)
第五十八条 機構は、毎事業年度の開始前に、当該事業年度の予算を内閣総理大臣に提出して、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の予算には、当該事業年度の事業計画及び資金計画に関する書類を添付しなければならない。
(剰余金の配当等の決議)
第五十九条 機構の剰余金の配当その他の剰余金の処分の決議は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(財務諸表)
第六十条 機構は、毎事業年度終了後三月以内に、当該事業年度の貸借対照表、損益計算書及び事業報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
(政府保証)
第六十一条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、機構の第三十四条第一項の社債又は借入れに係る債務について、保証契約をすることができる。
第七節 監督
(監督)
第六十二条 機構は、内閣総理大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。
2 内閣総理大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、機構に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第六十三条 内閣総理大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、機構からその業務に関し報告をさせ、又はその職員に、機構の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(財務大臣との協議)
第六十四条 内閣総理大臣は、第三十四条第一項(募集社債を引き受ける者の募集をし、株式交換に際して社債を発行し、又は資金を借り入れようとするときに限る。)、第三十九条第二項、第五十一条、第五十二条第二項、第五十八条第一項、第五十九条又は第六十七条の認可をしようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
(業務の実績に関する評価)
第六十五条 内閣総理大臣は、機構の事業年度ごとの業務の実績について、評価を行わなければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の評価を行ったときは、遅滞なく、機構に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。
第八節 解散等
(解散)
第六十六条 機構は、第五十二条第一項各号に掲げる業務の完了により解散する。
(合併等の決議)
第六十七条 機構の合併、分割、事業の譲渡又は譲受け及び解散の決議は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第四章中第十条の十七を第三十条とする。
第十条の十六第一項第一号ロ中「第七条の二各号」を「第九条各号」に改め、同号ハ中「第十条の八第一項」を「第二十一条第一項」に改め、同条を第二十九条とする。
第十条の十五を第二十八条とする。
第十条の十四第一項中「第十条の十六第一項」を「第二十九条第一項」に改め、同条を第二十七条とする。
第十条の十三第三項第一号中「第七条の二各号」を「第九条各号」に改め、同条を第二十六条とする。
第十条の十二を第二十五条とし、第十条の十一を第二十四条とし、第十条の十を第二十三条とし、第十条の九を第二十二条とし、第十条の八を第二十一条とし、第十条の七を第二十条とする。
第十条の六第一項中「第十条の四」を「第十七条」に、「第七条第一項」を「第八条第一項」に改め、同条第二項第二号中「第十条の四第二号」を「第十七条第二号」に改め、同条を第十九条とする。
第十条の五を第十八条とする。
第十条の四第四号中「第十条の七」を「第二十条」に改め、同条第五号中「第十条の九第一項」を「第二十二条第一項」に改め、同条を第十七条とする。
第十条の三を第十六条とする。
第三章中第十条の二を第十五条とする。
第十条第一項中「第十条の三」を「第十六条」に、「第十条の九第一項」を「第二十二条第一項」に改め、同条を第十四条とする。
第九条の二を第十三条とし、第九条を第十二条とする。
第八条第一項中「第六条」を「第七条」に、「第七条第一項」を「第八条第一項」に改め、同条第二項中「第七条第一項」を「第八条第一項」に改め、同条を第十一条とする。
第七条の三第一項中「第七条第一項」を「第八条第一項」に改め、同条を第十条とする。
第七条の二第三号中「第十条の十六第一項(第一号」を「第二十九条第一項(同項第一号」に改め、同条第四号及び第五号ホ中「第十条の十六第一項」を「第二十九条第一項」に改め、同条を第九条とする。
第七条第二項中「第十条の三」を「第十六条」に改め、同条を第八条とする。
第六条を第七条とし、第五条の二を第六条とする。
本則に次の一章を加える。
第九章 罰則
第八十六条 機構の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は職員が、その職務に関して、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役に処する。これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、五年以下の懲役に処する。
2 前項の場合において、犯人が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第八十七条 前条第一項の賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
第八十八条 第八十六条第一項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。
2 前条第一項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。
第八十九条 機構の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役若しくは職員又はこれらの職にあった者が、第四十四条の規定に違反してその職務上知ることのできた秘密を漏らし、又は盗用したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第九十条 第六十三条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした機構の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は職員は、五十万円以下の罰金に処する。
第九十一条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の取締役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員又は監査役は、百万円以下の過料に処する。
一 第三十四条第一項の規定に違反して、募集株式、募集新株予約権若しくは募集社債を引き受ける者の募集をし、株式交換に際して株式、社債若しくは新株予約権を発行し、又は資金を借り入れたとき。
二 第三十四条第二項の規定に違反して、株式を発行した旨の届出を行わなかったとき。
三 第五十条第一項又は第四項の規定に違反して、登記することを怠ったとき。
四 第五十二条第二項の規定に違反して、業務を行ったとき。
五 第五十四条第二項又は第五十六条第一項の規定に違反して、内閣総理大臣に通知をしなかったとき。
六 第五十八条第一項の規定に違反して、予算の認可を受けなかったとき。
七 第六十条の規定に違反して、貸借対照表、損益計算書若しくは事業報告書を提出せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたこれらのものを提出したとき。
八 第六十二条第二項の規定による命令に違反したとき。
第九十二条 第三十六条第二項の規定に違反して、その名称中に民間資金等活用事業推進機構という文字を用いた者は、十万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行の際現にその名称中に民間資金等活用事業推進機構という文字を使用している者については、この法律による改正後の民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(以下「新法」という。)第三十六条第二項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
第三条 株式会社民間資金等活用事業推進機構の成立の日の属する事業年度の株式会社民間資金等活用事業推進機構の予算については、新法第五十八条第一項中「毎事業年度の開始前に」とあるのは、「その成立後遅滞なく」とする。
(検討)
第四条 政府は、新法第五章の規定による株式会社民間資金等活用事業推進機構の支援を通じて新法第二条第二項に規定する特定事業を推進するに当たっては、災害の未然の防止及び災害が発生した場合における被害の拡大の防止を図るため公共施設等の整備等(同項に規定する公共施設等の整備等をいう。)の必要性が増大している一方で、国及び地方公共団体の厳しい財政状況に鑑み、財政資金の効率的使用を図る必要があることから、速やかに、道路その他の公共施設等(同条第一項に規定する公共施設等をいう。)の運営等(同条第六項に規定する運営等をいう。)について民間資金等の活用の一層の推進を図るための方策について検討を行うものとする。
(租税特別措置法の一部改正)
第五条 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。
第八十二条第二号中「第十条の十四第一項」を「第二十七条第一項」に改める。
第八十四条の六に次の一項を加える。
6 株式会社民間資金等活用事業推進機構の登記に係る登録免許税については、登録免許税法別表第一第二十四号(一)カ中「若しくは特別取締役」とあるのは、「、特別取締役若しくは民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成十一年法律第百十七号)第五十条第一項(登記)の委員」とする。
(沖縄振興開発金融公庫法等の一部改正)
第六条 次に掲げる法律の規定中「第十三条」を「第七十二条」に改める。
一 沖縄振興開発金融公庫法(昭和四十七年法律第三十一号)附則第五条の七第一項
二 株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)附則第二十七条第二項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧日本政策投資銀行法(平成十一年法律第七十三号)附則第十六条第五項
(特別会計に関する法律の一部改正)
第七条 特別会計に関する法律(平成十九年法律第二十三号)の一部を次のように改正する。
第百九十八条第七項第五号及び第十五号、第二百一条第一項第一号ト及び第二号ニ、第二項第一号ト並びに第三項第一号ホ及び第二号ニ、第二百三条第三項並びに附則第五十条第二項中「第十三条第一項」を「第七十二条第一項」に改める。
(関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律の一部改正)
第八条 関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律(平成二十三年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第二十九条第一項中「第六条」を「第七条」に改める。
第三十条第一項第二号中「第六条」を「第七条」に改め、同項第三号中「第七条第一項」を「第八条第一項」に改め、同項第四号中「第十条の六第一項」を「第十九条第一項」に改め、同項第五号中「第十条の十三第二項」を「第二十六条第二項」に改め、同項第六号中「第十条の十五」を「第二十八条」に改め、同項第七号中「第十条の十六第一項」を「第二十九条第一項」に改め、同条第四項中「第十条の七」を「第二十条」に改め、同条第五項中「第十条の九第一項」を「第二十二条第一項」に改め、同条第七項中「第十条の十第一項」を「第二十三条第一項」に、「第十条の十第二項」を「第二十三条第二項」に改め、同条第八項及び第九項第一号中「第十条の十五」を「第二十八条」に改め、同項第二号中「第十条の十六第一項」を「第二十九条第一項」に改める。
内閣総理大臣 安倍晋三
財務大臣 麻生太郎
国土交通大臣 太田昭宏