(交通結節機能高度化構想)
第十二条 都道府県は、その区域内の交通結節機能の高度化(駅施設における相当数の旅客の乗降及び乗継ぎがあることその他の国土交通省令で定める要件に該当する駅施設及び駅周辺施設(以下「交通結節施設」という。)における相当数の人の移動について、複数の交通手段の間を結節する機能を高度化することをいう。以下同じ。)を図るため、駅施設の整備を駅周辺施設の整備と一体的に行うことが特に必要であると認めるときは、国土交通省令で定めるところにより、交通結節機能の高度化に関する構想(以下「交通結節機能高度化構想」という。)を作成して、国土交通大臣に協議し、その同意を求めることができる。
2 交通結節機能高度化構想には、次に掲げる事項の概要を記載しなければならない。
二 駅施設の整備及び駅周辺施設の整備(以下「交通結節施設の整備」という。)を行うと見込まれる区域
九 交通結節機能の高度化と一体となってその効果を十分に発揮させるための事業があるときは、その内容
十 前各号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項
3 国土交通大臣は、交通結節機能高度化構想が基本方針に適合するものであると認めるときは、その同意をするものとする。
4 前項の規定により交通結節機能高度化構想の同意を得た都道府県(以下「同意都道府県」という。)は、当該同意を得た交通結節機能高度化構想を変更しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣の同意を得なければならない。
(協議会)
第十三条 同意都道府県は、前条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定により同意を得た交通結節機能高度化構想(次条第一項において「同意交通結節機能高度化構想」という。)に係る交通結節機能の高度化を図るため、駅施設の整備を駅周辺施設の整備と一体的に行うために必要な協議を行うための協議会(以下単に「協議会」という。)を組織することができる。
2 協議会は、次に掲げる者をもって構成する。
四 同意都道府県その他の交通結節施設がその区域内に存する地方公共団体(当該地方公共団体以外の者が当該交通結節施設の整備のために必要な都市施設(都市計画法第四条第五項に規定する都市施設をいう。以下同じ。)に関する都市計画に係る都市計画決定権者であるときは、当該都市計画決定権者を含む。)
3 第一項の規定により協議会を組織する同意都道府県は、同項に規定する協議を行う旨を前項各号に掲げる者に通知するものとする。
4 前項の規定による通知を受けた者は、正当な理由がある場合を除き、当該通知に係る協議に応じなければならない。
5 第一項の規定により協議会を組織する同意都道府県は、必要があると認めるときは、第二項各号に掲げる者のほか、協議会に、次に掲げる者を構成員として加えることができる。
一 道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)による一般乗合旅客自動車運送事業者若しくは一般乗用旅客自動車運送事業者又はこれらの者が組織する団体
二 交通環境の改善に資する事業を行う特定非営利活動促進法第二条第二項に規定する特定非営利活動法人若しくは民法第三十四条に規定する法人又はこれらの法人に準ずる団体
三 前二号に掲げる者のほか、交通結節施設の利用に関し利害関係を有する者
6 同意都道府県は、第一項の規定により協議会を組織しようとするときは、次項に規定する期限までの間、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公表するものとする。
7 前項の規定により協議会を組織することが公表された場合において、第二項第一号から第三号までに掲げる者又は第五項第一号から第三号までに掲げる者であって協議会の構成員として加えるとされていないものは、同意都道府県の指定する期限までに、当該同意都道府県に対して、自己を協議会の構成員として加えるよう申し出ることができる。
8 前各項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
(交通結節機能高度化計画)
第十四条 協議会において、同意交通結節機能高度化構想に基づいて、国土交通省令で定めるところにより、当該同意交通結節機能高度化構想に係る交通結節機能の高度化を図るための計画(以下「交通結節機能高度化計画」という。)を作成したときは、その作成に係る合意をした構成員は、国土交通省令で定めるところにより、共同で、国土交通大臣の認定を申請することができる。
2 交通結節機能高度化計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
三 駅施設利用円滑化事業による駅施設の整備その他の交通結節施設の整備の内容
十 交通結節機能の高度化と一体となってその効果を十分に発揮させるための事業があるときは、その内容
十一 前各号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項
3 協議会における協議により、駅施設の整備及び営業について駅施設利用円滑化事業により行うこととされた場合にあっては、交通結節機能高度化計画に、その旨を明らかにするとともに当該整備に係る駅施設の使用料の額を記載するものとする。
4 第二項第三号に掲げる事項には、都市施設に関する都市計画に関する事項であって交通結節施設の整備のために必要なものがあるときは、当該事項を記載するものとする。
5 前項の規定により交通結節機能高度化計画に都市施設に関する都市計画に関する事項を記載するときは、併せて、当該都市施設に関する都市計画の案を都道府県都市計画審議会(都市計画決定権者である市町村に市町村都市計画審議会が置かれているときは、当該市町村都市計画審議会。以下同じ。)に付議する期限を記載するものとする。この場合においては、当該期限は、都道府県都市計画審議会への付議に要する期間を勘案して、相当なものとなるよう定めるものとする。
6 第四項の規定により交通結節機能高度化計画に都市施設に関する都市計画に関する事項を記載するときは、併せて、都市施設に関する都市計画事業(都市計画法第四条第十五項に規定する都市計画事業をいう。以下同じ。)の施行予定者(第二項第六号又は第七号に掲げる者であるものに限る。)及び施行予定者である期間として都市計画に定めるべき事項を記載することができる。
7 交通結節機能高度化計画には、交通結節施設の整備の内容ごとに、第二項第四号から第八号までに掲げる事項を記載するとともに、当該記載された交通結節施設の配置及び規模を示す図面を添付するものとする。
8 交通結節機能高度化計画は、都市計画法第六条の二に規定する都市計画区域の整備、開発及び保全の方針並びに同法第十八条の二に規定する市町村の都市計画に関する基本的な方針との調和が保たれ、かつ、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第四項に規定する基本構想に即したものでなければならない。
9 交通結節機能高度化計画は、当該交通結節機能高度化計画に第二項第六号から第八号までに掲げる者として記載される者及び前条第二項第四号に掲げる者の全員の合意により作成するものとする。
10 国土交通大臣は、交通結節機能高度化計画の作成が円滑に行われるように、協議会の構成員の求めに応じて、必要な助言又は勧告をすることができる。
11 国土交通大臣は、第一項の規定による認定の申請があった場合において、その交通結節機能高度化計画が基本方針に適合するものであるほか、確実かつ効果的に実施されると見込まれるものであると認めるときは、その認定をするものとする。
12 第一項に規定する構成員は、前項の規定により認定を受けた交通結節機能高度化計画(以下「認定交通結節機能高度化計画」という。)を変更しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、共同で、国土交通大臣の認定を受けなければならない。
13 第三項から第十一項までの規定は、前項の場合について準用する。
(交通結節機能高度化計画の作成に当たっての協議に係る裁定等)
第十五条 国土交通大臣は、第十三条第二項第一号又は第三号に掲げる協議会の構成員の間において、駅施設利用円滑化事業に関し、構成員のいずれかが前条第一項の規定による交通結節機能高度化計画の作成に係る協議を求めたにもかかわらず他の構成員が当該協議に応じず、又は当該協議が調わなかった場合であって、当該協議を求めた構成員から申立てがあり、かつ、当該協議を必要と認めるときは、当該他の構成員に対して、その協議の開始又は再開を命ずることができる。
2 前項の規定による命令があった場合において、同項に規定する協議が調わないときは、同項の協議の当事者は、国土交通大臣の裁定を申請することができる。
3 国土交通大臣は、前項の規定による裁定の申請を受理したときは、その旨を第一項の協議の他の当事者に通知するとともに、期限を指定して意見書を提出する機会を与えなければならない。
4 国土交通大臣は、第二項の裁定をしたときは、遅滞なく、その旨を第一項の協議の当事者に通知するものとする。
5 第二項の裁定があったときは、第一項の協議の当事者の間においては、前条第九項の合意が成立したものとみなす。
6 前各項の規定は、認定交通結節機能高度化計画において駅施設利用円滑化事業を実施することとされた者(以下「認定駅施設利用円滑化事業者」という。)が行う前条第十二項の規定による認定交通結節機能高度化計画の変更に係る協議について準用する。
(認定交通結節機能高度化計画に従った駅施設の整備若しくは営業又は駅周辺施設の整備)
第十六条 認定交通結節機能高度化計画(第十四条第十二項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下同じ。)において駅施設の整備若しくは営業又は駅周辺施設の整備を行うこととされた者は、当該認定交通結節機能高度化計画に従い、当該駅施設の整備若しくは営業又は駅周辺施設の整備を行わなければならない。
(駅施設利用円滑化事業の実施に係る命令等)
第十七条 国土交通大臣は、認定駅施設利用円滑化事業者が正当な理由がなく認定交通結節機能高度化計画に従って駅施設利用円滑化事業を実施していないと認めるときは、当該認定駅施設利用円滑化事業者に対して、当該認定交通結節機能高度化計画に従って当該駅施設利用円滑化事業を実施すべきことを勧告することができる。
2 国土交通大臣は、前項の規定による勧告を受けた認定駅施設利用円滑化事業者がその勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。
3 国土交通大臣は、第一項の規定による勧告を受けた認定駅施設利用円滑化事業者が、前項の規定によりその勧告に従わなかった旨を公表された後において、なお、正当な理由がなくその勧告に係る駅施設利用円滑化事業を実施していないときは、当該認定駅施設利用円滑化事業者に対して、その勧告に係る駅施設利用円滑化事業を実施すべきことを命ずることができる。
(鉄道事業法の特例)
第十八条 認定駅施設利用円滑化事業者は、鉄道事業法第七条第一項の規定その他の国土交通省令で定める同法の規定に基づく申請又は届出に係る事項が認定交通結節機能高度化計画に記載された駅施設利用円滑化事業に係るものであるときは、当該規定(これに基づく命令の規定を含む。)にかかわらず、当該申請又は届出に係る記載事項又は添付書類の一部を省略する手続その他の国土交通省令で定める簡略化された手続によることができる。
(都市計画法の特例)
第十九条 第十四条第四項の規定により認定交通結節機能高度化計画に都市施設に関する都市計画に関する事項が記載されているときは、都市計画決定権者は、当該認定交通結節機能高度化計画に従って当該都市施設に関する都市計画の案を作成して、同条第五項に規定する期限までに、都道府県都市計画審議会に付議するものとする。ただし、災害その他やむを得ない理由があると認められるときは、この限りでない。
第二十条 第十四条第六項の規定により認定交通結節機能高度化計画に都市施設に関する都市計画事業の施行予定者及び施行予定者である期間が記載されているときは、前条の規定により付議して定める都市計画には、都市計画法第十一条第二項又は第三項に定める事項のほか、当該認定交通結節機能高度化計画に従って当該施行予定者及び施行予定者である期間を定めるものとする。
第二十一条 前条の規定により施行予定者として定められた者は、施行予定者である期間の満了の日までに、都市計画法第五十九条第一項から第四項までの規定による認可又は承認の申請をしなければならない。ただし、当該日までに都市計画事業の施行として行う行為に準ずる行為として国土交通省令で定めるものに着手しているときは、この限りでない。
(交通結節機能高度化構想の提案)
第二十二条 鉄道事業者等、駅周辺施設の整備を行おうとする者、市町村(特別区を含む。)又は交通結節施設の利用に関し利害関係を有する者は、都道府県に対して、交通結節機能高度化構想を作成することを提案することができる。この場合においては、基本方針に即して、当該提案に係る交通結節機能高度化構想の素案を作成して、これを提示しなければならない。
2 前項の規定による提案を受けた都道府県は、当該提案に基づき第十二条第一項の規定による協議をするか否かについて、遅滞なく、公表しなければならない。この場合において、同項の規定による協議をしないこととするときは、その理由を明らかにしなければならない。