第二条 児童福祉法の一部を次のように改正する。
目次中「第十条」を「第九条」に、「児童福祉司(第十一条―第十一条の三)」を「実施機関(第十条―第十二条の六)」に、「児童委員(第十二条―第十四条)」を「児童福祉司(第十三条―第十五条)」に、「児童相談所、福祉事務所及び保健所(第十五条―第十八条の三)」を「児童委員(第十六条―第十八条の三)」に、「第二十一条の九」を「第二十一条の九の二」に改める。
第一章第四節中第十四条を第十八条の三とし、第十三条の二を第十八条の二とし、第十三条を第十八条とする。
第十二条の二第一項第四号中「社会福祉法に規定する福祉に関する事務所(以下「福祉事務所」という。)」を「福祉事務所」に改める。
第十二条の二を第十七条とし、第十二条を第十六条とする。
第十一条の二第一項中「前条第二項」を「前条第三項」に改め、同条を第十四条とする。
第十一条第一項中「都道府県は、児童相談所に」を「児童福祉司は」に、「技術吏員であつて」を「技術吏員とし、」に、「ものの中から任用した児童の福祉に関する事務をつかさどるもの(以下「児童福祉司」という。)を置かなければならない」を「者のうちから、任用しなければならない」に改め、同項第二号中「(昭和二十二年法律第二十六号)」及び「(大正七年勅令第三百八十八号)」を削り、「卒業した者」の下に「であつて、厚生労働省令で定める施設において一年以上児童その他の者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行う業務に従事したもの」を加え、同条に第一項として次の一項を加える。
都道府県は、その設置する児童相談所に、児童福祉司を置かなければならない。
第十条を次のように改める。
第十条 市町村は、この法律の施行に関し、次に掲げる業務を行わなければならない。
一 児童及び妊産婦の福祉に関し、必要な実情の把握に努めること。
二 児童及び妊産婦の福祉に関し、必要な情報の提供を行うこと。
三 児童及び妊産婦の福祉に関し、家庭その他からの相談に応じ、必要な調査及び指導を行うこと並びにこれらに付随する業務を行うこと。
市町村長は、前項第三号に掲げる業務のうち専門的な知識及び技術を必要とするものについては、児童相談所の技術的援助及び助言を求めなければならない。
市町村長は、第一項第三号に掲げる業務を行うに当たつて、医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を必要とする場合には、児童相談所の判定を求めなければならない。
市町村は、この法律による事務を適切に行うために必要な体制の整備に努めるとともに、当該事務に従事する職員の人材の確保及び資質の向上のために必要な措置を講じなければならない。
第十条の次に次の七条を加える。
第十一条 都道府県は、この法律の施行に関し、次に掲げる業務を行わなければならない。
一 前条第一項各号に掲げる市町村の業務の実施に関し、市町村相互間の連絡調整、市町村に対する情報の提供その他必要な援助を行うこと及びこれらに付随する業務を行うこと。
二 児童及び妊産婦の福祉に関し、主として次に掲げる業務を行うこと。
イ 各市町村の区域を超えた広域的な見地から、実情の把握に努めること。
ロ 児童に関する家庭その他からの相談のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものに応ずること。
ハ 児童及びその家庭につき、必要な調査並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を行うこと。
ニ 児童及びその保護者につき、ハの調査又は判定に基づいて必要な指導を行うこと。
都道府県知事は、市町村の前条第一項各号に掲げる業務の適切な実施を確保するため必要があると認めるときは、市町村に対し、必要な助言を行うことができる。
都道府県知事は、第一項又は前項の規定による都道府県の事務の全部又は一部を、その管理に属する行政庁に委任することができる。
第十二条 都道府県は、児童相談所を設置しなければならない。
児童相談所は、児童の福祉に関し、主として前条第一項第一号に掲げる業務及び同項第二号ロからホまでに掲げる業務を行うものとする。
児童相談所は、必要に応じ、巡回して、前項に規定する業務(前条第一項第二号ホに掲げる業務を除く。)を行うことができる。
児童相談所長は、その管轄区域内の社会福祉法に規定する福祉に関する事務所(以下「福祉事務所」という。)の長(以下「福祉事務所長」という。)に必要な調査を委嘱することができる。
第十二条の二 児童相談所には、所長及び所員を置く。
所長は、都道府県知事の監督を受け、所務を掌理する。
所員は、所長の監督を受け、前条に規定する業務をつかさどる。
児童相談所には、第一項に規定するもののほか、必要な職員を置くことができる。
第十二条の三 児童相談所の所長及び所員は、事務吏員又は技術吏員とする。
所長は、次の各号のいずれかに該当する者でなければならない。
一 医師であつて、精神保健に関して学識経験を有する者
二 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学又は旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)に基づく大学において、心理学を専修する学科又はこれに相当する課程を修めて卒業した者
四 児童の福祉に関する事務をつかさどる職員(以下「児童福祉司」という。)として二年以上勤務した者又は児童福祉司たる資格を得た後二年以上所員として勤務した者
五 前各号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者であつて、厚生労働省令で定めるもの
所長は、厚生労働大臣が定める基準に適合する研修を受けなければならない。
判定をつかさどる所員の中には、第二項第一号に該当する者又はこれに準ずる資格を有する者及び同項第二号に該当する者又はこれに準ずる資格を有する者が、それぞれ一人以上含まれなければならない。
相談及び調査をつかさどる所員は、児童福祉司たる資格を有する者でなければならない。
第十二条の四 児童相談所には、必要に応じ、児童を一時保護する施設を設けなければならない。
第十二条の五 この法律で定めるもののほか、児童相談所の管轄区域その他児童相談所に関し必要な事項は、命令でこれを定める。
第十二条の六 保健所は、この法律の施行に関し、主として次の業務を行うものとする。
一 児童の保健について、正しい衛生知識の普及を図ること。
二 児童の健康相談に応じ、又は健康診査を行い、必要に応じ、保健指導を行うこと。
三 身体に障害のある児童及び疾病により長期にわたり療養を必要とする児童の療育について、指導を行うこと。
四 児童福祉施設に対し、栄養の改善その他衛生に関し、必要な助言を与えること。
児童相談所長は、相談に応じた児童、その保護者又は妊産婦について、保健所に対し、保健指導その他の必要な協力を求めることができる。
第二章第一節に次の一条を加える。
第二十一条の九の二 都道府県は、厚生労働大臣が定める慢性疾患にかかつていることにより長期にわたり療養を必要とする児童又は児童以外の満二十歳に満たない者(政令で定めるものに限る。)であつて、当該疾患の状態が当該疾患ごとに厚生労働大臣が定める程度であるものの健全な育成を図るため、当該疾患の治療方法に関する研究その他必要な研究に資する医療の給付その他の政令で定める事業を行うことができる。
第二十一条の二十九第一項中「養育」の下に「の状況、当該児童」を加える。
第二十二条第三項及び第二十三条第四項中「第二十五条の二第三号」を「第二十五条の七第二項第三号、第二十五条の八第三号」に改める。
第二十四条第四項中「第二十五条の二第三号」を「第二十五条の八第三号」に改める。
第二十五条中「福祉事務所」を「市町村、都道府県の設置する福祉事務所」に改める。
第二十五条の二中「福祉事務所長は、前条」を「都道府県の設置する福祉事務所の長は、第二十五条」に改め、「通告又は」の下に「前条第二項第二号若しくは」を加え、同条第二号中「知的障害者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)第九条第四項に規定する」及び「(第二十七条第一項第二号において「知的障害者福祉司」という。)」を削り、同条を第二十五条の八とし、同条の前に次の六条を加える。
第二十五条の二 地方公共団体は、単独で又は共同して、要保護児童の適切な保護を図るため、関係機関、関係団体及び児童の福祉に関連する職務に従事する者その他の関係者(以下「関係機関等」という。)により構成される要保護児童対策地域協議会(以下「協議会」という。)を置くことができる。
協議会は、要保護児童及びその保護者(以下「要保護児童等」という。)に関する情報その他要保護児童の適切な保護を図るために必要な情報の交換を行うとともに、要保護児童等に対する支援の内容に関する協議を行うものとする。
地方公共団体の長は、協議会を設置したときは、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
協議会を設置した地方公共団体の長は、協議会を構成する関係機関等のうちから、一に限り要保護児童対策調整機関を指定する。
要保護児童対策調整機関は、協議会に関する事務を総括するとともに、要保護児童等に対する支援が適切に実施されるよう、要保護児童等に対する支援の実施状況を的確に把握し、必要に応じて、児童相談所その他の関係機関等との連絡調整を行うものとする。
第二十五条の三 協議会は、前条第二項に規定する情報の交換及び協議を行うため必要があると認めるときは、関係機関等に対し、資料又は情報の提供、意見の開陳その他必要な協力を求めることができる。
第二十五条の四 前二条に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
第二十五条の五 次の各号に掲げる協議会を構成する関係機関等の区分に従い、当該各号に定める者は、正当な理由がなく、協議会の職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
一 国又は地方公共団体の機関 当該機関の職員又は職員であつた者
二 法人 当該法人の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者
三 前二号に掲げる者以外の者 協議会を構成する者又はその職にあつた者
第二十五条の六 市町村、都道府県の設置する福祉事務所又は児童相談所は、第二十五条の規定による通告を受けた場合において必要があると認めるときは、速やかに、当該児童の状況の把握を行うものとする。
第二十五条の七 市町村(次項に規定する町村を除く。)は、要保護児童等に対する支援の実施状況を的確に把握するものとし、第二十五条の規定による通告を受けた児童及び相談に応じた児童又はその保護者(以下「通告児童等」という。)について、必要があると認めたときは、次の各号のいずれかの措置を採らなければならない。
一 第二十七条の措置を要すると認める者並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を要すると認める者は、これを児童相談所に送致すること。
二 通告児童等を当該市町村の設置する福祉事務所の知的障害者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)第九条第四項に規定する知的障害者福祉司(以下「知的障害者福祉司」という。)又は社会福祉主事に指導させること。
福祉事務所を設置していない町村は、要保護児童等に対する支援の実施状況を的確に把握するものとし、通告児童等又は妊産婦について、必要があると認めたときは、次の各号のいずれかの措置を採らなければならない。
一 第二十七条の措置を要すると認める者並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を要すると認める者は、これを児童相談所に送致すること。
二 次条第二号の措置が適当であると認める者は、これを当該町村の属する都道府県の設置する福祉事務所に送致すること。
三 助産の実施又は母子保護の実施が適当であると認める者は、これをそれぞれその実施に係る都道府県知事に報告すること。
第二十六条第一項中「通告を受けた児童」の下に「、第二十五条の七第一項第一号若しくは第二項第一号」を加え、同項第三号中「前条第二号」を「第二十五条の七第一項第二号又は前条第二号」に改める。
第二十八条第二項中「前項の承認」を「第一項及び前項の承認(以下「措置に関する承認」という。)」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。
前項第一号及び第二号ただし書の規定による措置の期間は、当該措置を開始した日から二年を超えてはならない。ただし、当該措置に係る保護者に対する指導措置(第二十七条第一項第二号の措置をいう。以下この条において同じ。)の効果等に照らし、当該措置を継続しなければ保護者がその児童を虐待し、著しくその監護を怠り、その他著しく当該児童の福祉を害するおそれがあると認めるときは、都道府県は、家庭裁判所の承認を得て、当該期間を更新することができる。
第二十八条に次の三項を加える。
都道府県は、第二項の規定による更新に係る承認の申立てをした場合において、やむを得ない事情があるときは、当該措置の期間が満了した後も、当該申立てに対する審判が確定するまでの間、引き続き当該措置を採ることができる。ただし、当該申立てを却下する審判があつた場合は、当該審判の結果を考慮してもなお当該措置を採る必要があると認めるときに限る。
家庭裁判所は、措置に関する承認の申立てがあつた場合は、都道府県に対し、期限を定めて、当該申立てに係る保護者に対する指導措置に関し報告及び意見を求め、又は当該申立てに係る児童及びその保護者に関する必要な資料の提出を求めることができる。
家庭裁判所は、措置に関する承認の審判をする場合において、当該措置の終了後の家庭その他の環境の調整を行うため当該保護者に対し指導措置を採ることが相当であると認めるときは、当該保護者に対し、指導措置を採るべき旨を都道府県に勧告することができる。
第三十条第三項中「児童相談所、福祉事務所」を「市町村、都道府県の設置する福祉事務所、児童相談所」に改める。
第三十三条の四第一号及び第三十三条の五中「第二十五条の二第二号」を「第二十五条の七第一項第二号、第二十五条の八第二号」に改める。
第三十三条の六中「児童の」を「児童又は児童以外の満二十歳に満たない者(次条及び第三十三条の八において「児童等」という。)の」に改める。
第三十三条の七中「児童に」を「児童等に」に改める。
第三十三条の八中「児童の」を「児童等の」に改める。
第五十条第五号の次に次の一号を加える。
五の二 第二十一条の九の二の事業の実施に要する費用
第五十三条中「第三号まで」の下に「、第五号の二」を加える。
第五十三条の二中「国庫は」の下に「、第五十条第五号の二の費用」を加える。
第五十六条第四項中「給付」の下に「又は第二十一条の九の二に規定する医療の給付」を、「指定育成医療機関」の下に「又は同条に規定する医療の給付を行う医療機関(第七項において「指定育成医療機関等」という。)」を加え、同条第六項中「指定育成医療機関」を「指定育成医療機関等」に改め、同条第七項中「第四項又は第五項」を「第五項又は第六項」に改め、同条第八項中「第四項若しくは第五項」を「第五項若しくは第六項」に改め、同条第九項及び第十項中「第七項」を「第八項」に改め、同条第三項の次に次の一項を加える。
前項に規定する額の収納の事務については、収入の確保及び本人又はその扶養義務者の便益の増進に寄与すると認める場合に限り、政令で定めるところにより、私人に委託することができる。
第五十九条の四第一項中「中核市」という。)」の下に「並びに児童相談所を設置する市として政令で定める市(以下「児童相談所設置市」という。)」を加え、「政令の」を「政令で」に、「又は中核市」を「若しくは中核市又は児童相談所設置市」に改め、同条に次の二項を加える。
都道府県知事は、児童相談所設置市の長に対し、当該児童相談所の円滑な運営が確保されるように必要な勧告、助言又は援助をすることができる。
この法律に定めるもののほか、児童相談所設置市に関し必要な事項は、政令で定める。
第六十一条の三中「又は第二十一条の三十」を「、第二十一条の三十又は第二十五条の五」に改める。