(第一号措置に係る株式交換等の認可)
第百八条の二 第百五条第四項の決定に従い機構が株式等の引受け等を行つた金融機関又は銀行持株会社等(この項の認可を受けた場合における次項第一号に規定する会社を含む。)であつて、機構が現に保有する取得株式等である株式の発行者であるもの(以下この条及び次条において「発行金融機関等」という。)は、株式交換(当該発行金融機関等が完全子会社となるものに限る。)又は株式移転(以下この条において「株式交換等」という。)を行おうとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
2 内閣総理大臣は、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、前項の認可をするものとする。
一 株式交換等により当該発行金融機関等の完全親会社となる会社が銀行持株会社等(新たに設立されるものを含む。)であること。
二 株式交換等により機構が割当てを受ける取得株式等となる株式の種類が当該株式交換等の前において機構が保有する取得株式等である株式の種類と同一のものと認められ、かつ、当該株式交換等の後において機構が保有する取得株式等である株式に係る議決権が前号に規定する会社の総株主の議決権に占める割合が、当該株式交換等の前において機構が保有する取得株式等である株式に係る議決権が当該発行金融機関等の総株主の議決権に占める割合と比べて著しく低下する場合でないこと。
三 株式交換等により当該取得株式等である株式の処分をすることが困難になると認められる場合でないこと。
3 発行金融機関等が第一項の認可を受けて株式交換等を行つたときは、当該発行金融機関等又はその子会社であつて、第百五条第四項の決定に従い機構が株式等の引受け等を行つた金融機関又は同項の決定に従い機構が株式の引受けを行つた銀行持株会社等の対象子会社(次条第四項に規定する承継子会社を含む。)であるものは、その実施している経営健全化計画(第百五条第三項の規定、この項の規定又は次条第四項において準用する同条第三項の規定により提出したものをいう。)に代えて、当該経営健全化計画に記載された方策(当該経営健全化計画を連名で提出した銀行持株会社等の経営体制に係る部分を除く。)のほか、当該株式交換等により当該発行金融機関等の完全親会社となつた会社における責任ある経営体制の確立のための方策その他の政令で定める方策を記載した経営健全化計画を、当該株式交換等により当該発行金融機関等の完全親会社となつた会社と連名で、内閣総理大臣に提出しなければならない。
4 前条の規定は、内閣総理大臣が前項の規定により提出を受けた経営健全化計画について準用する。この場合において、同条第二項中「金融機関(第百五条第三項の規定により」とあるのは、「経営健全化計画を第百八条の二第三項の規定により提出した金融機関(当該」と読み替えるものとする。
(第一号措置に係る組織再編成の認可)
第百八条の三 第百五条第四項の決定に従い機構が株式等の引受け等を行つた金融機関(この項の認可を受けた場合における次項第一号に規定する承継金融機関を含む。)であつて機構が現に保有する取得株式等又は取得貸付債権に係る発行者又は債務者であるもの(以下この条において「対象金融機関」という。)は、合併、会社の分割、会社の分割による営業の承継又は営業譲渡等(以下この条において「組織再編成」という。)を行おうとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣(当該対象金融機関が労働金庫又は労働金庫連合会である場合にあつては、内閣総理大臣及び厚生労働大臣。次項及び第百五十条第一項において同じ。)の認可を受けなければならない。
2 内閣総理大臣は、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、前項の認可をするものとする。
一 組織再編成の後において機構が保有する取得株式等又は取得貸付債権に係る発行者又は債務者となる法人が当該対象金融機関であること又は当該対象金融機関が実施している経営健全化計画(第百五条第三項又は次項の規定により提出したものをいう。)に係る営業(以下この項において「経営健全化関連業務」という。)の全部を承継する他の金融機関(新たに設立されるものを含む。以下この条において「承継金融機関」という。)であること。
二 組織再編成により当該対象金融機関(承継金融機関を含む。)の経営の健全化が阻害されないこと。
三 経営健全化関連業務の承継が行われるときは、当該承継が円滑かつ適切に行われる見込みが確実であること。
四 組織再編成により当該取得株式等又は取得貸付債権につき、その処分をし、又は利益をもつてする消却、償還若しくは返済を受けることが困難になると認められる場合でないこと。
3 対象金融機関が第一項の認可を受けて組織再編成を行つた場合において、当該組織再編成に係る承継金融機関があるときは、当該承継金融機関は、経営の合理化のための方策、責任ある経営体制の確立のための方策その他の政令で定める方策を定めた経営健全化計画を内閣総理大臣(当該承継金融機関が労働金庫又は労働金庫連合会である場合にあつては、内閣総理大臣及び厚生労働大臣。第八項において同じ。)に提出しなければならない。
4 前三項の規定は、第百五条第四項の決定に従い機構が株式の引受けを行つた銀行持株会社等の対象子会社又は同項の決定に従い機構が株式等の引受け等を行つた金融機関(承継金融機関を含む。)であつて当該金融機関が行う株式交換若しくは株式移転により対象金融機関でなくなつたもの(承継子会社(この項において準用する第二項第一号に規定する他の金融機関をいう。以下この条において同じ。)を含む。以下この条において「対象子会社等」という。)のうち、経営健全化計画(第百五条第三項の規定、前条第三項(第八項において準用する場合を含む。)の規定、この項において準用する前項の規定又は第七項の規定により提出したものをいう。)を実施しているものについて準用する。この場合において、第一項中「合併、会社の分割」とあるのは「機構が当該経営健全化計画に係る第百五条第四項の決定に従い株式等の引受け等を行つた金融機関又は銀行持株会社等に係る取得株式等又は取得貸付債権の全部につきその処分をし、又は利益をもつてする消却、償還若しくは返済を受けるまでの間、合併、会社の分割」と、第二項中「組織再編成の後において機構が保有する取得株式等又は取得貸付債権に係る発行者又は債務者となる法人が当該対象金融機関であること又は当該対象金融機関が実施している経営健全化計画(第百五条第三項又は次項の規定により提出したものをいう。)に係る営業」とあるのは「当該経営健全化計画を当該対象子会社等と連名で提出した銀行持株会社等が、当該対象子会社等又は組織再編成の後において当該経営健全化計画に係る営業」と、「以下この条において「承継金融機関」という。)であること」とあるのは「)を子会社とする銀行持株会社等であること」と、「承継金融機関を含む」とあるのは「承継子会社を含む」と、前項中「承継金融機関」とあるのは「承継子会社」と、「経営の合理化のための方策」とあるのは「第二項第一号に規定する銀行持株会社等と連名で、経営の合理化のための方策」と読み替えるものとする。
5 対象金融機関以外の発行金融機関等(この項の認可を受けた場合における次項第一号に規定する他の銀行持株会社等又は第八項において準用する前条第一項の認可を受けた場合における第八項において準用する同条第二項第一号に規定する会社であつて、機構が現に保有する取得株式等である株式の発行者であるもの(以下この条において「組織再編成後発行銀行持株会社等」という。)を含む。次項において同じ。)は、組織再編成を行おうとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
6 内閣総理大臣は、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、前項の認可をするものとする。
一 組織再編成の後において機構が保有する取得株式等である株式の発行者となる会社が当該発行金融機関等であること又は当該発行金融機関等に係る対象子会社等を子会社とする他の銀行持株会社等(新たに設立されるものを含む。)であること。
二 組織再編成により当該発行金融機関等(前号に規定する他の銀行持株会社等を含む。)による当該発行金融機関等に係る対象子会社等の経営管理が阻害されないこと。
三 組織再編成により当該取得株式等である株式の処分をすることが困難になると認められる場合でないこと。
7 対象金融機関以外の発行金融機関等又は組織再編成後発行銀行持株会社等が第五項の認可を受けて組織再編成を行つた場合において、前項第一号に規定する他の銀行持株会社等があるときは、当該発行金融機関等又は組織再編成後発行銀行持株会社等に係る対象子会社等は、その実施している経営健全化計画(第四項に規定する経営健全化計画をいう。)に代えて、当該経営健全化計画に記載された方策(当該経営健全化計画を連名で提出した銀行持株会社等の経営体制に係る部分を除く。)のほか、当該他の銀行持株会社等における責任ある経営体制の確立のための方策その他の政令で定める方策を記載した経営健全化計画を、当該他の銀行持株会社等と連名で、内閣総理大臣に提出しなければならない。
8 第百八条第一項の規定は内閣総理大臣が第三項(第四項において準用する場合を含む。)又は前項の規定により提出を受けた経営健全化計画について、同条第二項の規定はこれらの経営健全化計画を提出した金融機関(これらの経営健全化計画を連名で提出した銀行持株会社等を含む。)について、前条の規定は承継金融機関であつて機構が現に保有する取得株式等である株式の発行者であるもの又は組織再編成後発行銀行持株会社等について、それぞれ準用する。この場合において、同条第三項中「第百五条第四項の決定に従い機構が株式等の引受け等を行つた金融機関又は同項の決定に従い機構が株式の引受けを行つた銀行持株会社等の対象子会社(次条第四項に規定する承継子会社を含む。)」とあるのは「対象子会社等」と、「第百五条第三項の規定、この項の規定又は次条第四項において準用する同条第三項の規定により提出したもの」とあるのは「第百八条の三第三項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定、同条第七項の規定又は同条第八項において準用する第百八条の二第三項の規定により提出したもの」と読み替えるものとする。