母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第119号
公布年月日: 平成14年11月29日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

近年の離婚の急増など母子家庭等をめぐる諸情勢の変化に対応し、母子家庭等の自立促進と児童の健全な成長を確保するため、総合的な対策を推進する必要がある。このため、母子家庭等に対する子育て支援の充実、就労支援の強化、扶養義務の履行の確保、児童扶養手当制度の見直し等の措置を講ずる。具体的には、保育所入所における特別配慮、子育て短期支援事業の法制化、就職支援の実施、扶養義務履行の確保に向けた取組、母子寡婦福祉貸付制度の拡充、児童扶養手当の給付見直し、基本方針及び自立促進計画の策定等を行うものである。

参照した発言:
第154回国会 衆議院 本会議 第35号

審議経過

第154回国会

衆議院
(平成14年5月17日)

第155回国会

衆議院
(平成14年11月1日)
(平成14年11月6日)
(平成14年11月7日)
(平成14年11月8日)
(平成14年11月12日)
参議院
(平成14年11月13日)
(平成14年11月14日)
(平成14年11月19日)
(平成14年11月21日)
(平成14年11月22日)
母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十四年十一月二十九日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第百十九号
母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律
(母子及び寡婦福祉法の一部改正)
第一条 母子及び寡婦福祉法(昭和三十九年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。
目次を次のように改める。
目次
第一章
総則(第一条―第十条)
第二章
基本方針等(第十一条・第十二条)
第三章
母子家庭等に対する福祉の措置(第十三条―第三十一条)
第四章
寡婦に対する福祉の措置(第三十二条―第三十五条)
第五章
福祉資金貸付金に関する特別会計等(第三十六条・第三十七条)
第六章
母子福祉施設(第三十八条―第四十一条)
第七章
費用(第四十二条―第四十五条)
第八章
雑則(第四十六条・第四十七条)
附則
第一条中「母子家庭」を「母子家庭等」に改める。
第二条第一項中「母子家庭」を「母子家庭等」に、「おかれている」を「置かれている」に、「すこやかに」を「健やかに」に、「母の」を「母等の」に改め、同条第二項中「母子家庭の母」を「母子家庭等の母等」に改める。
第三条中「母子家庭」を「母子家庭等」に改める。
第四条中「すすんで」を「進んで」に改め、「家庭生活」の下に「及び職業生活」を加える。
第二十四条を第四十七条とし、第二十三条を第四十六条とし、第四章を第八章とする。
第三章中第二十二条の二を第四十一条とし、第二十二条を第四十条とする。
第二十一条第二項中「行なう」を「行う」に改め、同条を第三十九条とし、第二十条を第三十八条とする。
第三章を第六章とし、同章の次に次の一章を加える。
第七章 費用
(市町村の支弁)
第四十二条 次に掲げる費用は、市町村の支弁とする。
一 第十七条の規定により市長村が行う母子家庭等日常生活支援事業の実施に要する費用
二 第三十一条の規定により市町村が行う母子家庭自立支援給付金の支給に要する費用
三 第三十三条第一項の規定により市町村が行う寡婦日常生活支援事業の実施に要する費用
(都道府県の支弁)
第四十三条 次に掲げる費用は、都道府県の支弁とする。
一 第十七条の規定により都道府県が行う母子家庭等日常生活支援事業の実施に要する費用
二 第三十条第二項の規定により都道府県が行う母子家庭就業支援事業の実施に要する費用
三 第三十一条の規定により都道府県が行う母子家庭自立支援給付金の支給に要する費用
四 第三十三条第一項の規定により都道府県が行う寡婦日常生活支援事業の実施に要する費用
五 第三十五条第二項の規定により都道府県が行う寡婦就業支援事業の実施に要する費用
(都道府県の補助)
第四十四条 都道府県は、政令で定めるところにより、第四十二条の規定により市町村が支弁した費用のうち、同条第一号及び第三号の費用については、その四分の一以内を補助することができる。
(国の補助)
第四十五条 国は、政令で定めるところにより、第四十二条の規定により市町村が支弁した費用のうち、同条第一号及び第三号の費用についてはその二分の一以内を、同条第二号の費用についてはその四分の三以内を補助することができる。
2 国は、政令で定めるところにより、第四十三条の規定により都道府県が支弁した費用のうち、同条第一号、第二号、第四号及び第五号の費用についてはその二分の一以内を、同条第三号の費用についてはその四分の三以内を補助することができる。
第二章の三中第十九条の六を第三十七条とし、第十九条の五を第三十六条とする。
第二章の三を第五章とする。
第十九条の四第一項中「第十六条、第十七条及び第十九条」を「第二十五条、第二十六条及び第二十九条」に、「第十六条第一項」を「第二十五条第一項」に、「第十七条中」を「第二十六条中」に改め、同条第二項中「第十六条第一項」を「第二十五条第一項」に改め、第二章の二中同条を第三十四条とし、同条の次に次の一条を加える。
(寡婦就業支援事業等)
第三十五条 国は、前条において準用する第二十九条第二項の規定に基づき公共職業安定所が講ずる措置のほか、次に掲げる業務を行うものとする。
一 寡婦の雇用の促進に関する調査及び研究を行うこと。
二 寡婦の雇用の促進に関する業務に従事する者その他の関係者に対する研修を行うこと。
三 都道府県が行う次項に規定する業務(以下「寡婦就業支援事業」という。)について、都道府県に対し、情報の提供その他の援助を行うこと。
2 都道府県は、就職を希望する寡婦の雇用の促進を図るため、母子福祉団体と緊密な連携を図りつつ、次に掲げる業務を総合的かつ一体的に行うことができる。
一 寡婦に対し、就職に関する相談に応じること。
二 寡婦に対し、職業能力の向上のために必要な措置を講ずること。
三 寡婦及び事業主に対し、雇用情報の提供その他寡婦の就職に関し必要な支援を行うこと。
第十九条の三の見出しを「(寡婦日常生活支援事業)」に改め、同条第一項中「居宅における」を「居宅その他厚生労働省令で定める場所において、」に改め、同条第二項中「第十四条の二及び第十四条の三」を「第十八条及び第十九条」に改め、同条第三項中「母子家庭居宅介護等事業」を「母子家庭等日常生活支援事業」に、「寡婦居宅介護等事業」を「寡婦日常生活支援事業」に改め、同条第四項を次のように改める。
4 第二十一条から第二十四条までの規定は、寡婦日常生活支援事業を行う者について準用する。この場合において、第二十二条第二項中「前項」とあり、及び同条第三項中「第一項」とあるのは「第三十三条第四項において準用する第二十二条第一項」と、第二十三条中「第十七条」とあるのは「第三十三条第一項」と、「配偶者のない者で現に児童を扶養しているもの」とあるのは「寡婦」と、第二十四条中「第十七条」とあるのは「第三十三条第一項」と読み替えるものとする。
第十九条の三を第三十三条とする。
第十九条の二第一項中「第十条第一項」を「第十三条第一項」に、「児童」及び「児童(二十歳以上である者を含む。)」とあるのは「二十歳以上である子その他これに準ずる者」と、「配偶者のない女子」とあるのは「寡婦」を「児童の」とあるのは「二十歳以上である子その他これに準ずる者の」と、「配偶者のない女子で現に児童を扶養しているもの」とあり、及び「配偶者のない女子」とあるのは「寡婦」と、「児童(二十歳以上である者を含む。)」とあるのは「二十歳以上である子その他これに準ずる者」に改め、同条第二項中「第十条第一項」を「第十三条第一項」に改め、同条第三項中「第十一条」を「第十四条」に、「であつて、」を「であつて」に改め、「であるもの」の下に「並びに寡婦の自立の促進を図るための事業として政令で定めるものを行う母子福祉団体」を加え、「第十九条の二第一項」を「第三十二条第一項」に、「第十条第一項第一号」を「第十三条第一項第一号」に改め、同条第四項中「第十二条の」を「第十五条第一項の」に、「第十条第一項及び第三項の」を「第十三条第一項及び第三項の」に、「第十二条中「第十条」を「第十五条第一項中「第十三条」に、「第十九条の二第一項において準用する第十条第一項」を「第三十二条第一項において準用する第十三条第一項」に改め、同条第五項を次のように改める。
5 第十六条の規定は、第一項において準用する第十三条第一項及び第三項並びに第三項において準用する第十四条に規定する貸付金(以下「寡婦福祉資金貸付金」という。)について準用する。この場合において、第十六条中「前三条」とあるのは「第三十二条において準用する第十三条第一項及び第三項、第十四条並びに第十五条第一項」と、「第十三条及び第十四条の規定による貸付金(以下「母子福祉資金貸付金」という。)」とあるのは「寡婦福祉資金貸付金」と、「母子福祉資金貸付金の」とあるのは「寡婦福祉資金貸付金の」と読み替えるものとする。
第十九条の二を第三十二条とする。
第二章の二を第四章とする。
第十九条第一項中「図るため」の下に「、事業主その他国民一般の理解を高めるとともに」を、「あつせん」の下に「、公共的施設における雇入れの促進」を加え、同条第二項中「母子相談員」を「母子自立支援員」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 公共職業安定所は、母子家庭の母の雇用の促進を図るため、求人に関する情報の収集及び提供、母子家庭の母を雇用する事業主に対する援助その他必要な措置を講ずるように努めるものとする。
第二章中第十九条を第二十九条とし、同条の次に次の二条を加える。
第三十条 国は、前条第二項の規定に基づき公共職業安定所が講ずる措置のほか、次に掲げる業務を行うものとする。
一 母子家庭の母及び児童の雇用の促進に関する調査及び研究を行うこと。
二 母子家庭の母及び児童の雇用の促進に関する業務に従事する者その他の関係者に対する研修を行うこと。
三 都道府県が行う次項に規定する業務(以下「母子家庭就業支援事業」という。)について、都道府県に対し、情報の提供その他の援助を行うこと。
2 都道府県は、就職を希望する母子家庭の母及び児童の雇用の促進を図るため、母子福祉団体と緊密な連携を図りつつ、次に掲げる業務を総合的かつ一体的に行うことができる。
一 母子家庭の母及び児童に対し、就職に関する相談に応じること。
二 母子家庭の母及び児童に対し、職業能力の向上のために必要な措置を講ずること。
三 母子家庭の母及び児童並びに事業主に対し、雇用情報の提供その他母子家庭の母及び児童の就職に関し必要な支援を行うこと。
(母子家庭自立支援給付金)
第三十一条 都道府県等は、配偶者のない女子で現に児童を扶養しているものの雇用の安定及び就職の促進を図るため、政令で定めるところにより、配偶者のない女子で現に児童を扶養しているもの又は事業主に対し、次に掲げる給付金(以下「母子家庭自立支援給付金」という。)を支給することができる。
一 配偶者のない女子で現に児童を扶養しているものの求職活動の促進とその職業生活の安定とを図るための給付金
二 配偶者のない女子で現に児童を扶養しているものの知識及び技能の習得を容易にするための給付金
三 前二号に掲げる給付金以外の給付金であつて、政令で定めるもの
第十八条中「行なう」を「行う」に改め、同条を第二十七条とし、同条の次に次の一条を加える。
(保育所への入所に関する特別の配慮)
第二十八条 市町村は、児童福祉法第二十四条第三項の規定により保育所に入所する児童を選考する場合には、母子家庭等の福祉が増進されるように特別の配慮をしなければならない。
第十七条を第二十六条とし、第十六条第一項中「行なう」を「行う」に改め、同条第二項中「みずから」を「自ら」に改め、同条第三項中「行ない」を「行い」に改め、同条を第二十五条とする。
第十五条の五中「母子家庭居宅介護等事業」を「母子家庭等日常生活支援事業」に、「第十四条」を「第十七条」に改め、同条を第二十四条とする。
第十五条の四中「母子家庭居宅介護等事業」を「母子家庭等日常生活支援事業」に、「第十四条」を「第十七条」に、「女子」を「者」に改め、同条を第二十三条とする。
第十五条の三第一項中「母子家庭の」を「母子家庭等の」に、「母子家庭居宅介護等事業」を「母子家庭等日常生活支援事業」に改め、同条を第二十二条とする。
第十五条の二中「母子家庭居宅介護等事業」を「母子家庭等日常生活支援事業」に改め、同条を第二十一条とする。
第十五条中「母子家庭居宅介護等事業(第十四条」を「母子家庭等日常生活支援事業(第十七条」に改め、同条を第二十条とする。
第十四条の三中「第十四条」を「第十七条」に改め、同条を第十九条とする。
第十四条の二を第十八条とする。
第十四条の見出しを「(居宅等における日常生活支援)」に改め、同条中「市町村」の下に「(特別区を含む。以下同じ。)」を加え、「がその者」を「又は配偶者と死別した男子で現に婚姻をしていないもの及びこれに準ずる者として政令で定めるものであつて民法第八百七十七条の規定により現に児童を扶養しているもの(以下「配偶者のない者で現に児童を扶養しているもの」と総称する。)がそれらの者」に、「その者に」を「それらの者に」に、「その者の居宅における」を「それらの者の居宅その他厚生労働省令で定める場所において、」に改め、同条を第十七条とする。
第十三条中「第十条及び第十一条」を「第十三条及び第十四条」に改め、同条を第十六条とする。
第十二条中「第十条」を「第十三条」に改め、同条に次の一項を加える。
2 都道府県は、第十三条第一項第四号に掲げる資金のうち政令で定めるものの貸付けを受けた者が、所得の状況その他政令で定める事由により当該貸付金を償還することができなくなつたと認められるときは、条例で定めるところにより、当該貸付金の償還未済額の一部の償還を免除することができる。
第十二条を第十五条とする。
第十一条中「行なう」を「行う」に、「であつて、」を「であつて」に改め、「であるもの」の下に「又はその者の自立の促進を図るための事業として政令で定めるものを行う母子福祉団体」を加え、「当該事業」を「これらの事業」に改め、同条を第十四条とする。
第十条第一項中「に対し、その」を「又はその扶養している児童に対し、配偶者のない女子の」に改め、同条第二項中「行なう」を「行う」に改め、同条第三項中「定めるものを」の下に「配偶者のない女子で現に児童を扶養しているものに」を加え、「資金の貸付けを受けている」を削り、「行なう」を「行う」に改め、同条を第十三条とし、同条の前に次の二条及び章名を加える。
(基本方針)
第十一条 厚生労働大臣は、母子家庭及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。
2 基本方針に定める事項は、次のとおりとする。
一 母子家庭及び寡婦の家庭生活及び職業生活の動向に関する事項
二 母子家庭及び寡婦の生活の安定と向上のため講じようとする施策の基本となるべき事項
三 都道府県、市(特別区を含む。)及び福祉事務所を設置する町村(以下「都道府県等」という。)が、次条第一項の規定に基づき策定する母子家庭及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する計画(以下「母子家庭及び寡婦自立促進計画」という。)の指針となるべき基本的な事項
四 前三号に掲げるもののほか、母子家庭及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する重要事項
3 厚生労働大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するものとする。
4 厚生労働大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
(母子家庭及び寡婦自立促進計画)
第十二条 都道府県等は、基本方針に即し、次に掲げる事項を定める母子家庭及び寡婦自立促進計画を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ、母子福祉団体その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、その内容を公表するものとする。
一 当該都道府県等の区域における母子家庭及び寡婦の家庭生活及び職業生活の動向に関する事項
二 当該都道府県等の区域において母子家庭及び寡婦の生活の安定と向上のため講じようとする施策の基本となるべき事項
三 福祉サービスの提供、職業能力の向上の支援その他母子家庭及び寡婦の生活の安定と向上のために講ずべき具体的な措置に関する事項
四 前三号に掲げるもののほか、母子家庭及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する重要事項
第三章 母子家庭等に対する福祉の措置
第九条中「母子相談員の行なう」を「母子自立支援員の行う」に改め、第一章中同条を第十条とする。
第二章の章名を次のように改める。
第二章 基本方針等
第八条中「(社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に定める福祉に関する事務所をいう。以下同じ。)」を削り、同条を第九条とする。
第七条の見出しを「(母子自立支援員)」に改め、同条第一項中「都道府県知事」の下に「、市長(特別区の区長を含む。)及び福祉事務所(社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に定める福祉に関する事務所をいう。以下同じ。)を管理する町村長(以下「都道府県知事等」という。)」を加え、「母子相談員」を「母子自立支援員」に改め、同条第二項を次のように改める。
2 母子自立支援員は、この法律の施行に関し、主として次の業務を行うものとする。
一 配偶者のない女子で現に児童を扶養しているもの及び寡婦に対し、相談に応じ、その自立に必要な情報提供及び指導を行うこと。
二 配偶者のない女子で現に児童を扶養しているもの及び寡婦に対し、職業能力の向上及び求職活動に関する支援を行うこと。
第七条第三項中「母子相談員」を「母子自立支援員」に改め、同条を第八条とする。
第六条中「市町村長」の下に「(特別区の区長を含む。以下同じ。)」を加え、同条を第七条とする。
第五条中第四項を第六項とし、第三項の次に次の二項を加える。
4 この法律において「母子家庭等」とは、母子家庭及び父子家庭をいう。
5 この法律において「母等」とは、母子家庭の母及び父子家庭の父をいう。
第五条を第六条とし、第四条の次に次の一条を加える。
(扶養義務の履行)
第五条 母子家庭等の児童の親は、当該児童が心身ともに健やかに育成されるよう、当該児童の養育に必要な費用の負担その他当該児童についての扶養義務を履行するように努めなければならない。
2 母子家庭等の児童の親は、当該児童が心身ともに健やかに育成されるよう、当該児童を監護しない親の当該児童についての扶養義務の履行を確保するように努めなければならない。
3 国及び地方公共団体は、母子家庭等の児童が心身ともに健やかに育成されるよう、当該児童を監護しない親の当該児童についての扶養義務の履行を確保するために広報その他適切な措置を講ずるように努めなければならない。
附則第三条中「第十条」を「第十三条」に改める。
附則第四条中「第十条又は第十一条」を「第十三条又は第十四条」に改める。
附則第六条第一項中「第十九条の二」を「第三十二条」に、「第十条第一項各号」を「第十三条第一項各号」に改め、同条第二項中「第十九条の二第一項」を「第三十二条第一項」に、「第十条第一項」を「第十三条第一項」に改める。
附則第七条第一項中「第十九条の二第三項」を「母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律(平成十四年法律第百十九号)第一条の規定による改正前の第十九条の二第三項」に改め、同条第二項中「第十九条の二第一項」を「第三十二条第一項」に、「第十条第一項」を「第十三条第一項」に、「第十九条の二第三項」を「第三十二条第三項」に、「第十一条」を「第十四条」に改める。
(児童扶養手当法の一部改正)
第二条 児童扶養手当法(昭和三十六年法律第二百三十八号)の一部を次のように改正する。
第二条中第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。
2 児童扶養手当の支給を受けた母は、自ら進んでその自立を図り、家庭の生活の安定と向上に努めなければならない。
第六条第二項を削り、同条第三項中「第一項」を「前項」に、「前二項」を「同項」に改め、同項を同条第二項とする。
第七条第一項中「翌月」の下に「(第十三条の二第一項において「支給開始月」という。)」を加える。
第九条中「この条」を「この項」に改め、同条に次の一項を加える。
2 受給資格者(母に限る。以下この項において同じ。)の監護する児童が父から当該児童の養育に必要な費用の支払を受けたときは、政令で定めるところにより、受給資格者が当該費用の支払を受けたものとみなして、前項の所得の額を計算するものとする。
第九条の二中「前条」を「前条第一項」に改める。
第十二条第二項第一号及び第二号中「第九条」を「第九条第一項」に改める。
第十三条の次に次の一条を加える。
第十三条の二 受給資格者(母に限る。以下この条において同じ。)に対する手当は、支給開始月の初日から起算して五年又は手当の支給要件に該当するに至つた日の属する月の初日から起算して七年を経過したとき(第六条第一項の規定による認定の請求をした日において三歳未満の児童を監護する受給資格者にあつては、当該児童が三歳に達した日の属する月の翌月の初日から起算して五年を経過したとき)は、政令で定めるところにより、その一部を支給しない。ただし、当該支給しない額は、その経過した日の属する月の翌月に当該受給資格者に支払うべき手当の額の二分の一に相当する額を超えることができない。
2 受給資格者が、前項に規定する期間を経過した後において、身体上の障害がある場合その他の政令で定める事由に該当する場合には、当該受給資格者については、厚生労働省令で定めるところにより、その該当している期間は、同項の規定を適用しない。
第十四条に次の二号を加える。
四 受給資格者(母に限る。)が、正当な理由がなくて、求職活動その他厚生労働省令で定める自立を図るための活動をしなかつたとき。
五 受給資格者が、第六条第一項の規定による認定の請求又は第二十八条第一項の規定による届出に関し、虚偽の申請又は届出をしたとき。
第二十八条の次に次の一条を加える。
(相談及び情報提供等)
第二十八条の二 都道府県知事等は、第六条第一項の規定による認定の請求又は前条第一項の規定による届出をした者に対し、相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うものとする。
第二十九条第一項中「書類」の下に「(当該児童の父が支払つた当該児童の養育に必要な費用に関するものを含む。)」を加える。
(児童福祉法の一部改正)
第三条 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)の一部を次のように改正する。
第六条の二に次の一項を加える。
この法律で、子育て短期支援事業とは、保護者の疾病その他の理由により家庭において養育を受けることが一時的に困難となつた児童について、厚生労働省令で定めるところにより、児童養護施設その他の厚生労働省令で定める施設に入所させ、その者につき必要な保護を行う事業をいう。
第三十四条の七の次に次の一条を加える。
第三十四条の八 市町村は、厚生労働省令で定めるところにより、子育て短期支援事業を行うことができる。
第五十一条中第六号を第七号とし、第五号を第六号とし、第四号の次に次の一号を加える。
五 子育て短期支援事業の実施に要する費用
第五十二条中「前条第五号」を「前条第六号」に改める。
第五十三条中「及び第六号」を「、第五号及び第七号」に改める。
第五十三条の二中「に対しては」を「並びに第五十一条第五号の費用に対しては」に改める。
第五十四条中「第五十一条第五号」を「第五十一条第六号」に改める。
第五十五条の二中「に対しては」を「並びに第五十一条第五号の費用に対しては」に改める。
(社会福祉法の一部改正)
第四条 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項第二号中「又は放課後児童健全育成事業」を「、放課後児童健全育成事業又は子育て短期支援事業」に改め、同項第三号を次のように改める。
三 母子及び寡婦福祉法(昭和三十九年法律第百二十九号)に規定する母子家庭等日常生活支援事業又は寡婦日常生活支援事業及び同法に規定する母子福祉施設を経営する事業
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十五年四月一日から施行する。
(母子及び寡婦福祉法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に第一条の規定による改正前の母子及び寡婦福祉法(以下この条において「旧法」という。)第七条第一項の規定により委嘱されている母子相談員は、第一条の規定による改正後の母子及び寡婦福祉法(以下この条において「新法」という。)第八条第一項の規定により母子自立支援員として委嘱されたものとみなす。
2 この法律の施行の際現に新法第二十条に規定する母子家庭等日常生活支援事業を行い、又は休止している国及び都道府県以外の者であって、旧法第十五条に規定する母子家庭居宅介護等事業に係る同条又は第十五条の二の規定による届出をしているものは、新法第二十条又は第二十一条の規定による届出をしたものとみなす。
3 この法律の施行の際現に新法第三十三条第三項に規定する寡婦日常生活支援事業を行い、又は休止している国及び都道府県以外の者であって、旧法第十九条の三第三項に規定する寡婦居宅介護等事業に係る同項又は第四項において準用する旧法第十五条の二の規定による届出をしているものは、新法第三十三条第三項又は第四項において準用する新法第二十一条の規定による届出をしたものとみなす。
4 この法律の施行前にされた旧法第十五条の四(旧法第十九条の三第四項において準用する場合を含む。)の規定による母子家庭居宅介護等事業又は寡婦居宅介護等事業の制限又は停止の命令は、新法第二十三条(新法第三十三条第四項において準用する場合を含む。)の規定による母子家庭等日常生活支援事業又は寡婦日常生活支援事業の制限又は停止を命ずる処分とみなす。
(児童扶養手当法の一部改正に伴う経過措置)
第三条 この法律の施行の際現に第二条の規定による改正前の児童扶養手当法(次条において「旧法」という。)第六条第二項に該当する者については、同項の規定は、なお効力を有する。
第四条 この法律の施行の際現に旧法第六条の規定による認定を受けている者又は旧法の規定による手当の支給要件に該当する者であって、この法律の施行前に同条第一項の規定による認定の請求をしこの法律の施行の日以後に第二条の規定による改正後の児童扶養手当法(以下この項及び次項において「新法」という。)第六条の規定による認定を受けたものに対する児童扶養手当の支給に関し新法第十三条の二の規定を適用する場合においては、同条中「支給開始月の初日から起算して五年又は手当の支給要件に該当するに至つた日の属する月の初日から起算して七年を経過したとき(第六条第一項の規定による認定の請求をした日において三歳未満の児童を監護する受給資格者にあつては、当該児童が三歳に達した日の属する月の翌月の初日から起算して五年を経過したとき)」とあるのは、「平成十五年四月一日から起算して五年を経過したとき(同日において三歳未満の児童を監護する受給資格者にあつては、当該児童が三歳に達した日の属する月の翌月の初日から起算して五年を経過したとき)」とする。
2 この法律の施行の際現に旧法の規定による手当の支給要件に該当する者であってこの法律の施行の日以後に新法第六条第一項の規定による認定の請求をしたものに対する児童扶養手当の支給に関し、新法第十三条の二の規定を適用する場合においては、同条中「手当の支給要件に該当するに至つた日の属する月の初日」とあるのは、「平成十五年四月一日」とする。
(政令への委任)
第五条 前三条に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第六条 政府は、この法律の施行の状況を勘案し、母子家庭等の児童の福祉の増進を図る観点から、母子家庭等の児童の親の当該児童についての扶養義務の履行を確保するための施策の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の一部改正)
第七条 激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(昭和三十七年法律第百五十号)の一部を次のように改正する。
第二十条第一項及び第三項中「第十九条の六第一項」を「第三十七条第一項」に改め、同条第四項中「第十九条の六第二項」を「第三十七条第二項」に改め、同条第五項中「第十九条の五第二項並びに第十九条の六第二項」を「第三十六条第二項並びに第三十七条第二項」に、「第十九条の五第二項中」を「第三十六条第二項中」に、「第十九条の六第二項第一号」を「第三十七条第二項第一号」に改める。
内閣総理大臣 小泉純一郎
厚生労働大臣 坂口力