金融自由化対策資金の運用及び簡易保険郵便年金福祉事業団の業務の特例等に関する法律
法令番号: 法律第六十二号
公布年月日: 平成元年6月28日
法令の形式: 法律
金融自由化対策資金の運用及び簡易保険郵便年金福祉事業団の業務の特例等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成元年六月二十八日
内閣総理大臣 宇野宗佑
法律第六十二号
金融自由化対策資金の運用及び簡易保険郵便年金福祉事業団の業務の特例等に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、郵便貯金特別会計の金融自由化対策資金(以下「金融自由化対策資金」という。)の運用及び簡易保険郵便年金福祉事業団(以下「事業団」という。)の業務の特例等を定めることにより、金融自由化に適切に対応した郵便貯金事業の健全な経営の確保に資することを目的とする。
(金融自由化対策資金の運用の特例)
第二条 郵政大臣は、郵便貯金法(昭和二十二年法律第百四十四号)第六十八条の三第一項に規定するものに運用するほか、前条の目的を達成するため、金融自由化対策資金から事業団に資金を寄託することができる。
(事業団の業務の特例)
第三条 事業団は、簡易保険郵便年金福祉事業団法(昭和三十七年法律第六十四号)第十九条に規定する業務のほか、第一条の目的を達成するため、前条の規定により金融自由化対策資金から寄託された資金の運用を行うことをその業務とする。
(資金の運用)
第四条 前条に規定する資金の運用は、次の方法により安全かつ効率的に行わなければならない。
一 国債、地方債その他確実と認められる有価証券の取得
二 郵政大臣が適当と認めて指定する預金又は貯金
三 信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭信託で運用方法を特定しないもの
(区分経理)
第五条 事業団は、第三条に規定する業務に係る経理については、その他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならない。
(利益及び損失の処理並びに納付金)
第六条 事業団は、前条に規定する特別の勘定において、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額のうち政令で定める基準により計算した額を準備金として積み立てなければならない。
2 事業団は、前条に規定する特別の勘定において、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による準備金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
3 事業団は、前条に規定する特別の勘定において、第一項の規定による残余の額から同項の規定により準備金として積み立てた額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を翌事業年度の五月三十一日までに郵便貯金特別会計の金融自由化対策特別勘定に納付しなければならない。
4 前項の規定による納付金は、同項に規定する日の属する会計年度の前年度の郵便貯金特別会計の金融自由化対策特別勘定の歳入とする。
5 第三項の規定による納付金の納付の手続については、政令で定める。
(寄託金の受入れ)
第七条 事業団は、郵政大臣の認可を受けて、金融自由化対策資金から第三条の業務に必要な寄託金の受入れをすることができる。
(準用)
第八条 第四条の規定は、第五条に規定する特別の勘定に係る業務上の余裕金について準用する。
(簡易保険郵便年金福祉事業団法の適用)
第九条 この法律の規定により事業団の業務が行われる場合には、この法律の規定によるほか、簡易保険郵便年金福祉事業団法を適用する。この場合において、同法第三十条中「この法律」とあるのは「この法律又は金融自由化対策資金の運用及び簡易保険郵便年金福祉事業団の業務の特例等に関する法律(平成元年法律第六十二号。以下「資金運用等特例法」という。)」と、同法第三十一条第二項及び第三十二条第一項中「この法律」とあるのは「この法律又は資金運用等特例法」と、同法第三十五条第一号中「又は第二十八条」とあるのは「若しくは第二十八条又は資金運用等特例法第七条」と、同条第四号中「又は第二十七条第一項第一号若しくは第二号」とあるのは「若しくは第二十七条第一項第一号若しくは第二号又は資金運用等特例法第四条第二号」と、同法第三十八条第一号中「この法律」とあるのは「この法律又は資金運用等特例法」と、同条第三号中「第十九条」とあるのは「第十九条又は資金運用等特例法第三条」と、同条第四号中「第二十七条」とあるのは「第二十七条又は資金運用等特例法第八条」とする。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第二条 事業団の平成三事業年度までの各事業年度においては、第六条第一項中「その残余の額のうち政令で定める基準により計算した額を」とあるのは「その残余の額を」とし、同条第三項の規定は、適用しない。
(郵便貯金特別会計法の一部改正)
第三条 郵便貯金特別会計法(昭和二十六年法律第百三号)の一部を次のように改正する。
第五条第二項中「金融自由化対策資金からの受入金」の下に「、金融自由化対策資金の運用及び簡易保険郵便年金福祉事業団の業務の特例等に関する法律(平成元年法律第六十二号。第五条の三第三項において「資金運用等特例法」という。)第六条第三項の規定に基づく簡易保険郵便年金福祉事業団からの納付金」を加える。
第五条の三第三項中「郵便貯金法第十章」の下に「及び資金運用等特例法第二条の規定」を加える。
大蔵大臣 村山達雄
郵政大臣 村岡兼造
内閣総理大臣 宇野宗佑