電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第68号
公布年月日: 昭和55年5月29日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

石油依存度の高い日本のエネルギー安定供給確保のため、電源の多様化と石油代替エネルギーの開発・利用促進が急務となっている。これを踏まえ、政府は電源多様化対策及び石油代替エネルギー対策に関する財政措置を拡充強化することとした。そのため、電源開発促進対策特別会計を電源立地勘定と電源多様化勘定に区分し、また石炭及び石油対策特別会計を石炭勘定と石油及び石油代替エネルギー勘定に区分する等の改正を行うこととした。

参照した発言:
第91回国会 衆議院 大蔵委員会 第24号

審議経過

第91回国会

衆議院
(昭和55年4月18日)
(昭和55年4月23日)
(昭和55年4月24日)
参議院
(昭和55年4月24日)
衆議院
(昭和55年4月25日)
参議院
(昭和55年5月6日)
(昭和55年5月8日)
衆議院
(昭和55年5月9日)
参議院
(昭和55年5月9日)
電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十五年五月二十九日
内閣総理大臣 大平正芳
法律第六十八号
電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律
(電源開発促進対策特別会計法の一部改正)
第一条 電源開発促進対策特別会計法(昭和四十九年法律第八十号)の一部を次のように改正する。
第一条第一項中「電源開発促進対策」を「電源立地対策及び電源多様化対策」に改め、同条第二項中「電源開発促進対策」を「電源立地対策」に改め、「円滑化に資するための財政上の措置」の下に「(当該財政上の措置に該当するものであつて技術の開発を主たる目的とするものを除く。)」を加え、同条に次の一項を加える。
3 第一項の「電源多様化対策」とは、エネルギーで石油に代替するものとして政令で定めるものの発電のための利用(以下「電源の多様化」という。)を促進するための財政上の措置(前項の財政上の措置に該当するものを除く。)であつて、次に掲げるものをいう。
一 新エネルギー総合開発機構に対する出資(地熱資源の開発に必要な資金に係る債務の保証その他の電源の多様化を促進するための業務で政令で定めるものに係る出資に限る。)
二 動力炉・核燃料開発事業団に対する出資(高速増殖炉の開発、核燃料物質の再処理技術の開発、ウラン濃縮技術の開発その他の業務で政令で定めるものに係る出資に限る。)
三 石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律(昭和五十五年法律第七十一号)第三十九条第一項第一号イ及び第三号の規定に基づき行う事業に係る補助(交付金、委託費その他の給付金の交付を含む。以下この項において同じ。)
四 電源の多様化のために必要な発電施設又はこれと密接な関連を有する施設の設置又は改造に係る予算の範囲内において行う補助で政令で定めるもの
五 電源の多様化のために必要な発電施設又はこれと密接な関連を有する施設の設置又は改造を促進するための技術の開発に係る予算の範囲内において行う補助で政令で定めるもの
六 前各号に掲げる措置に附帯し、又は密接に関連する財政上の措置で政令で定めるもの(第三条の二において「電源多様化対策に係る附帯事務等に関する措置」という。)
第二条第二項中「については、」の下に「電源立地勘定又は電源多様化勘定及び」を加え、同条の次に次の一条を加える。
(勘定区分)
第二条の二 この会計は、電源立地勘定及び電源多様化勘定に区分する。
第三条の見出しを「(電源立地勘定の歳入及び歳出)」に改め、同条中「この会計においては、」を「電源立地勘定においては、第三条の三の規定により電源立地対策に要する費用の財源に充てられる」に改め、同条の次に次の二条を加える。
(電源多様化勘定の歳入及び歳出)
第三条の二 電源多様化勘定においては、次条の規定により電源多様化対策に要する費用の財源に充てられる電源開発促進税の収入及び附属雑収入をもつてその歳入とし、第一条第三項第一号及び第二号の出資金、同項第三号から第五号までの補助金(交付金、委託費その他の給付金を含む。)、電源多様化対策に係る附帯事務等に関する措置に要する費用、第十一条第一項の規定による一時借入金の利子、事務取扱費並びに附属諸費をもつてその歳出とする。
(電源開発促進税の収入の帰属)
第三条の三 電源開発促進税の収入は、電源立地対策及び電源多様化対策に要する費用の財源に充てるため、毎会計年度、これらの対策に必要な費用を勘案して、予算で定めるところにより、電源立地勘定及び電源多様化勘定の歳入に組み入れるものとする。
第四条(見出しを含む。)中「歳入歳出予定計算書」の下に「及び国庫債務負担行為要求書」を加える。
第五条中「歳入歳出予算は」の下に「、電源立地勘定及び電源多様化勘定に区分し、各勘定において」を加える。
第六条第二項を次のように改める。
2 前項の予算には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 歳入歳出予定計算書
二 国庫債務負担行為要求書
三 国庫債務負担行為で翌年度以降にわたるものについての前年度末までの支出額及び支出額の見込み、当該年度以降の支出予定額並びに数会計年度にわたる事業に伴うものについてはその全体の計画及びその進行状況等に関する調書
第七条中「この会計」を「各勘定」に改め、「これを」の下に「当該各勘定の」を加える。
第十条中「この会計」を「各勘定」に改める。
第十一条第一項中「この会計において」を「各勘定において」に、「この会計の負担」を「当該各勘定の負担」に改め、同条第三項中「ただし」の下に「、電源立地勘定において」を加える。
第十四条第一項中「この会計」を「各勘定」に改める。
(石炭及び石油対策特別会計法の一部改正)
第二条 石炭及び石油対策特別会計法(昭和四十二年法律第十二号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計法
第一条第一項中「及び石油対策」を「並びに石油及び石油代替エネルギー対策」に改め、同条第三項各号列記以外の部分を次のように改める。
この法律において「石油及び石油代替エネルギー対策」とは、石油依存度の高い我が国のエネルギー需給事情の下においては、石油及び可燃性天燃ガスの安定的かつ低廉な供給の確保を図ること並びに石油依存度の低下を図ることが緊要であることにかんがみ、石油及び可燃性天燃ガス資源の開発の促進並びに石油の備蓄の増強のための施策並びに石油の生産及び流通の合理化並びにエネルギーで石油に代替するものとして政令で定めるもの(以下「石油代替エネルギー」という。)の開発及び利用の促進(発電のための開発及び利用の促進を除く。)のために通商産業大臣が行う施策に関する財政上の措置であつて、次に掲げるものをいう。
第一条第三項第六号中「石油対策」を「石油及び石油代替エネルギー対策」に改め、同号を同項第十一号とし、同項第五号の次に次の五号を加える。
六 新エネルギー総合開発機構に対する出資(海外における石炭の探鉱に必要な資金の貸付けその他の石油代替エネルギーの開発及び利用の促進に関する業務で政令で定めるものに係る出資に限る。)
七 石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律(昭和五十五年法律第七十一号)第三十九条第一項第一号ロ、第六号及び第七号の規定に基づき行う事業に係る補助
八 石油代替エネルギーを利用する設備の設置を促進するための事業及び石油代替エネルギーの流通の合理化を図るための調査に係る予算の範囲内において行う補助で政令で定めるもの
九 石油代替エネルギーを製造し、若しくは発生させ、又は利用するための技術の開発でその円滑な実施が困難なもののために行う事業に係る予算の範囲内において行う補助で政令で定めるもの
十 石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律附則第二条の規定に基づく日本開発銀行に対する貸付け
第二条第二項中「石油勘定」を「石油及び石油代替エネルギー勘定」に、「行なう」を「行う」に改める。
第二条の二中「及び石油勘定」を「並びに石油及び石油代替エネルギー勘定」に改める。
第三条の二の見出しを「(石油及び石油代替エネルギー勘定の歳入及び歳出)」に改め、同条第一項中「石油勘定」を「石油及び石油代替エネルギー勘定」に、「その歳入」を「、その歳入」に改め、同項第一号中「石油対策」を「石油及び石油代替エネルギー対策」に改め、同項第五号中「石油対策」を「石油及び石油代替エネルギー対策」に改め、同号を同項第六号とし、同項第四号を同項第五号とし、同項第三号を同項第四号とし、同項第二号の次に次の一号を加える。
三 第一条第三項第十号の貸付金の償還金
第三条の二第二項中「石油勘定」を「石油及び石油代替エネルギー勘定」に、「その歳出」を「、その歳出」に改め、同項第一号中「第一条第三項第一号」の下に「及び第六号」を加え、同項第二号中「第五号まで」の下に「及び第七号から第九号まで」を加え、同項第五号中「石油対策」を「石油及び石油代替エネルギー対策」に改め、同号を同項第六号とし、同項第四号を同項第五号とし、同項第三号中「石油対策」を「石油及び石油代替エネルギー対策」に改め、同号を同項第四号とし、同項第二号の次に次の一号を加える。
三 第一条第三項第十号の貸付金
第四条中「及び石油対策」を「並びに石油及び石油代替エネルギー対策」に、「及び石油勘定」を「並びに石油及び石油代替エネルギー勘定」に改める。
第四条の二中「石油対策」を「石油及び石油代替エネルギー対策」に、「石油勘定」を「石油及び石油代替エネルギー勘定」に改める。
第六条中「及び石油勘定」を「並びに石油及び石油代替エネルギー勘定」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第一条中電源開発促進対策特別会計法第一条第一項の改正規定(電源多様化対策に係る部分に限る。)、同法第一条に一項を加える改正規定(第一号及び第三号に係る部分を除く。)、同法第二条第二項の改正規定(電源多様化勘定に係る部分に限る。)及び同法第三条の次に二条を加える改正規定(第三条の二中第一条第三項第一号の出資金及び第三号の補助金に係る部分を除く。)並びに次条の規定(同条第六項中電源多様化勘定に係る部分に限る。) 昭和五十五年六月一日
二 第一条中電源開発促進対策特別会計法第一条に一項を加える改正規定(第一号及び第三号に係る部分に限る。)及び同法第三条の次に二条を加える改正規定(第三条の二中第一条第三項第一号の出資金及び第三号の補助金に係る部分に限る。)並びに第二条中石炭及び石油対策特別会計法第一条第三項第五号の次に五号を加える改正規定(第六号及び第七号に係る部分に限る。)及び同法第三条の二第二項の改正規定(同項第一号に係る部分及び同項第二号中第七号に係る部分に限る。) 昭和五十五年十月一日
(電源開発促進対策特別会計法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 第一条の規定による改正後の電源開発促進対策特別会計法(以下この条において「新電源特別会計法」という。)の規定は、昭和五十五年度の予算から適用し、昭和五十四年度の収入及び支出並びに同年度以前の年度の決算に関しては、なお従前の例による。この場合において、第一条の規定による改正前の電源開発促進対策特別会計法(以下この条において「旧電源特別会計法」という。)に基づく電源開発促進対策特別会計(以下この条において「旧電源特別会計」という。)の昭和五十五年度の歳入に繰り入れるべき金額があるときは、新電源特別会計法に基づく電源開発促進対策特別会計(以下この条において「新電源特別会計」という。)の電源立地勘定の歳入に繰り入れるものとする。
2 この法律の施行前に収納した電源開発促進税の収入で旧電源特別会計の昭和五十五年度の歳入に組み入れられたものは、新電源特別会計の電源立地勘定の歳入に組み入れられたものとみなす。
3 前項に定めるもののほか、この法律の施行前に収納した旧電源特別会計の昭和五十五年度の歳入に属する収入は、新電源特別会計の電源立地勘定の歳入とみなす。
4 旧電源特別会計の昭和五十四年度の歳出予算の経費の金額のうち、旧電源特別会計法第十四条第一項の規定により繰り越されたもの及び当該繰り越された経費に係る予算に基づいてこの法律の施行前に旧電源特別会計においてした債務の負担又は支出は、新電源特別会計の電源立地勘定に繰り越されたもの及び同勘定においてした債務の負担又は支出とみなす。
5 この法律の施行の日から昭和五十五年七月三十一日までに収納した電源開発促進税の収入のうち、電源開発促進税法の一部を改正する法律(昭和五十五年法律第七十三号)附則第二項の規定により従前の例によることとされる電源開発促進税の収入は、新電源特別会計法第三条の三の規定にかかわらず、新電源特別会計の電源立地勘定の歳入に組み入れるものとする。
6 この法律の施行の際旧電源特別会計に所属する権利義務は新電源特別会計の電源立地勘定に、前条第一号に掲げる改正規定の施行の際一般会計に所属する権利義務で新電源特別会計法第一条第三項に規定する電源の多様化の促進のための措置に係るものは新電源特別会計の電源多様化勘定に、政令で定めるところにより、それぞれ帰属するものとする。
(石炭及び石油対策特別会計法の一部改正に伴う経過措置)
第三条 第二条の規定による改正後の石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計法(以下この条において「新石炭等特別会計法」という。)の規定は、昭和五十五年度の予算から適用し、昭和五十四年度の収入及び支出並びに同年度以前の年度の決算に関しては、なお従前の例による。この場合において、第二条の規定による改正前の石炭及び石油対策特別会計法(以下この条において「旧石炭等特別会計法」という。)に基づく石炭及び石油対策特別会計(以下この条において「旧石炭等特別会計」という。)の石炭勘定又は石油勘定の昭和五十五年度の歳入に繰り入れるべき金額があるときは、新石炭等特別会計法に基づく石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計(以下この条において「新石炭等特別会計」という。)の石炭勘定又は石油及び石油代替エネルギー勘定の歳入にそれぞれ繰り入れるものとする。
2 この法律の施行前に収納した旧石炭等特別会計の石炭勘定又は石油勘定の昭和五十五年度の歳入に属する収入(旧石炭等特別会計法第四条に規定する関税収入を除く。)は、それぞれ新石炭等特別会計の石炭勘定又は石油及び石油代替エネルギー勘定の歳入とみなす。
3 旧石炭等特別会計の昭和五十四年度の歳出予算の経費の金額のうち、旧石炭等特別会計法第十五条第一項の規定により旧石炭等特別会計の石炭勘定又は石油勘定に繰り越されたもの及び当該繰り越された経費に係る予算に基づいてこの法律の施行前に旧石炭等特別会計の石炭勘定又は石油勘定においてした債務の負担又は支出は、それぞれ新石炭等特別会計の石炭勘定又は石油及び石油代替エネルギー勘定に繰り越されたもの及び新石炭等特別会計の石炭勘定又は石油及び石油代替エネルギー勘定においてした債務の負担又は支出とみなす。
4 この法律の施行の際旧石炭等特別会計の石炭勘定及び石油勘定に所属する権利義務並びに一般会計に所属する権利義務で新石炭等特別会計法第一条第三項に規定する石油代替エネルギーの開発及び利用の促進のための措置に係るものは、政令で定めるところにより、新石炭等特別会計の石炭勘定又は石油及び石油代替エネルギー勘定に帰属するものとする。
(退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計等からする一般会計への繰入及び納付に関する法律の一部改正)
第四条 退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計等からする一般会計への繰入及び納付に関する法律(昭和二十五年法律第六十二号)の一部を次のように改正する。
第一条中「石炭及び石油対策特別会計」を「石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計」に改める。
(国税収納金整理資金に関する法律の一部改正)
第五条 国税収納金整理資金に関する法律(昭和二十九年法律第三十六号)の一部を次のように改正する。
第六条第二項中「石炭及び石油対策特別会計」を「石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計」に改める。
(通商産業省設置法の一部改正)
第六条 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。
第三十六条の六第五号中「石炭及び石油対策特別会計」を「石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計」に改める。
(労働省設置法の一部改正)
第七条 労働省設置法(昭和二十四年法律第百六十二号)の一部を次のように改正する。
第十条第一項第四号の三中「石炭及び石油対策特別会計」を「石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計」に、「行なう」を「行う」に改める。
内閣総理大臣 大平正芳
大蔵大臣 竹下登
通商産業大臣 佐々木義武
労働大臣 藤波孝生