日本専売公社法等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第二十一号
公布年月日: 昭和55年4月1日
法令の形式: 法律
日本専売公社法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十五年四月一日
内閣総理大臣 大平正芳
法律第二十一号
日本専売公社法等の一部を改正する法律
(日本専売公社法の一部改正)
第一条 日本専売公社法(昭和二十三年法律第二百五十五号)の一部を次のように改正する。
目次中「第四十三条の二十四」を「第四十三条の二十五」に改める。
第一条中「たばこ耕作組合法(昭和三十三年法律第百三十五号)」の下に「、製造たばこ定価法(昭和四十年法律第百二十二号)」を加え、「基き」を「基づき」に、「当る」を「当たる」に改める。
第四条の二第三項中「第四十三条の十三第三項の規定による積立金」を「第四十三条の十三の二第一項の規定による利益積立金及び同条第三項の規定による資本積立金」に改める。
第九条第二項中「第四十五条第二項」の下に「並びに製造たばこ定価法第二条第四項」を加え、「の外、」を「のほか、専売事業及び」に改める。
第二十七条第一項中「左の」を「次の」に改め、同項第七号中「の外」を「のほか」に改め、「たばこ耕作組合法」の下に「、製造たばこ定価法」を加える。
第四十三条の十三を次のように改める。
(専売納付金の算定の方法及び納付)
第四十三条の十三 公社は、たばこ専売法第二十九条第一項に規定する小売人(以下「小売人」という。)に売り渡した製造たばこ及び国内消費用として直接消費者に売り渡した製造たばこにつき、毎事業年度、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した金額(以下「専売納付金」という。)を翌年度五月三十一日までに国庫に納付しなければならない。
一 製造たばこ定価法第一条第一項の表に定める当該製造たばこの種類及び等級(等級については紙巻たばこに限るものとし、同条第二項に規定する紙巻たばこ及び輸入紙巻たばこの等級は、同条第一項の表に定める一級品とみなすものとする。)の別に応じ、たばこ専売法第三十四条第一項の規定に基づき定められた製造たばこの小売定価に当該製造たばこの数量(包装単位ごとの数量をいう。)を乗じて得た額に、別表に定める率を乗じて得た額の合計額に相当する金額
二 公社が地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第七十四条の規定に基づき納付した道府県たばこ消費税の額及び同法第四百六十四条の規定に基づき納付した市町村たばこ消費税の額の合計額に相当する金額
2 製造たばこの小売定価が改定された場合において小売人が製造たばこを現に所有するときは、当該改定の日の属する事業年度の専売納付金の算定については、当該製造たばこは当該改定の日に当該改定後の小売定価により公社から売り渡されたものとみなして、前項の規定を適用する。
3 前二項に定めるもののほか、専売納付金の算定に関し必要な事項は、政令で定める。
4 大蔵大臣は、第一項の規定による専売納付金の一部を、政令の定めるところにより、当該事業年度中において概算で納付させることができる。
第四十三条の十三の次に次の一条を加える。
(利益及び損失の処理等)
第四十三条の十三の二 公社は、毎事業年度の損益計算において利益を生じたときは、これを利益積立金として積み立てなければならない。ただし、繰越欠損金があるときは、その利益を繰越欠損金の補てんに充て、なお残余があるときは、その残余の額を利益積立金として積み立てなければならない。
2 公社は、毎事業年度の損益計算において損失を生じたときは、これを繰越欠損金として整理しなければならない。ただし、利益積立金があるときは、これを減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額を繰越欠損金として整理しなければならない。
3 資本取引により生じた額は、第四条の二第二項の規定による資本金の増加の場合を除き、その都度資本積立金として整理しなければならない。
附則第四項中「第四十三条の二十二」を「第四十三条の二十三」に改める。
附則の次に次の別表を加える。
別表(第四十三条の十三関係)
種類
等級
紙巻たばこ
一級品
千分の五百六十五
二級品
千分の五百五十五
三級品
千分の四百四十五
刻みたばこ
千分の三百十
パイプたばこ
千分の五百
葉巻たばこ
千分の五百五十五
(たばこ専売法の一部改正)
第二条 たばこ専売法(昭和二十四年法律第百十一号)の一部を次のように改正する。
目次中「第六十一条」を「第六十一条の二」に改める。
第二十七条に次の一項を加える。
2 公社の製造する製造たばこの種類、等級及び品質については、別に法律で定めるところによる。
第三十四条第一項中「公社は」の下に「、別に法律で定める製造たばこの最高価格の範囲内において」を加え、「小売定価を」を「品目ごとの小売定価を」に改め、「この小売定価中には、」の下に「当該製造たばこに係る日本専売公社法第四十三条の十三第一項に規定する専売納付金の額の算定の基礎となる額並びに」を加え、「、それぞれ」を「それぞれ」に改める。
第七十一条中「左の」を「次の」に改め、同条第四号中「第二十七条」を「第二十七条第一項」に改める。
(製造たばこ定価法の一部改正)
第三条 製造たばこ定価法(昭和四十年法律第百二十二号)の一部を次のように改正する。
第一条第一項の表紙巻たばこの項中「八五円」を「一〇〇円」に、「六〇円」を「七五円」に、「四〇円」を「五〇円」に改め、同表パイプたばこの項中「一二〇円」を「一三二円」に、「六〇円」を「七二円」に改め、同表葉巻たばこの項中「三六〇円」を「四〇〇円」に、「一〇〇円」を「一一〇円」に改め、同条第二項中「百五十円」を「百八十円」に改める。
第二条を次のように改める。
(最高価格の特例)
第二条 大蔵大臣は、前条の規定にかかわらず、公社の一の事業年度のたばこ事業の損益計算において、損失が生じた場合又は損失が生ずることが確実であると認められる場合として政令で定める場合であつて、同条第一項に規定する種類ごと、等級別の製造たばこ(同条第二項に規定する紙巻たばこに該当するものを含む。以下次項までにおいて同じ。)の最高価格(以下「基準最高価格」という。)を上回る最高価格の範囲内で製造たばこの品目ごとの小売定価が決定されるのでなければ、公社のたばこ事業の健全にして能率的な経営を維持することができないと認めるときに限り、製造たばこの全部又は一部について、基準最高価格の額に物価等変動率を乗じて得られる額の範囲内において、基準最高価格に代わる製造たばこの種類ごと、等級別の暫定的な最高価格(以下「暫定最高価格」という。)を定めることができるものとする。
2 大蔵大臣は、暫定最高価格を定めた場合において、なおこれを上回る最高価格の範囲内で製造たばこの品目ごとの小売定価が決定されるのでなければ、公社のたばこ事業の健全にして能率的な経営を維持することができないと認めるときに限り、製造たばこの全部又は一部について、基準最高価格の額に物価等変動率を乗じて得られる額の範囲内において、当該暫定最高価格を改定することができるものとする。
3 前二項に規定する物価等変動率とは、基準最高価格が定められた日の属する事業年度以後の経過年数並びに政令で定める卸売物価指数、消費者物価指数及び賃金指数に基づき政令で定める算式により算定される率をいう。
4 大蔵大臣は、暫定最高価格を定めようとするとき又は暫定最高価格を改定しようとするときは、あらかじめ、日本専売公社法(昭和二十三年法律第二百五十五号)第九条第一項に規定する専売事業審議会の議を経るものとし、当該暫定最高価格を定めたとき又は当該暫定最高価格を改定したときは、これを公告するものとする。
5 大蔵大臣は、暫定最高価格を改定した場合において、第二項に規定する事情と同様の事情が認められるときは、同項の規定により改定された暫定最高価格を改定することができるものとする。
6 第二項から第四項までの規定は、前項の場合に準用する。この場合において、第二項中「暫定最高価格を定めた場合」とあるのは「暫定最高価格を改定した場合」と、「当該暫定最高価格」とあるのは「当該改定された暫定最高価格」と、第四項中「暫定最高価格を定めようとするとき又は暫定最高価格を改定しようとするとき」とあるのは「改定された暫定最高価格を改定しようとするとき」と、「当該暫定最高価格を定めたとき又は当該暫定最高価格を改定したとき」とあるのは「当該改定された暫定最高価格を改定したとき」と読み替えるものとする。
7 第一項又は第二項(前項において準用する場合を含む。)の規定による暫定最高価格は、それぞれ基準最高価格に一・三を乗じて得られる額を超えることはできない。
第三条中「あわせて」を「併せて」に改め、同条を第四条とし、第二条の次に次の一条を加える。
(製造たばこの品目ごとの小売定価の決定)
第三条 製造たばこの品目ごとの小売定価の決定に当たつては、公社が日本専売公社法第四十三条の十三第一項に規定する専売納付金並びに地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第七十四条に規定する道府県たばこ消費税及び同法第四百六十四条に規定する市町村たばこ消費税の納付を行うとともに、たばこ事業の健全にして能率的な経営を維持することができるように、基準最高価格又は暫定最高価格(前条第二項(同条第六項において準用する場合を含む。)の規定による暫定最高価格を含む。)の範囲内において、原価並びに品質、規格及び消費の動向等を勘案して行うものとする。
附則に次の一項を加える。
4 日本専売公社法等の一部を改正する法律(昭和五十五年法律第二十一号)の施行の日において、同法第三条の規定による改正後の製造たばこ定価法第三条に定める小売定価の決定の要件に適合しない製造たばこで直ちに当該要件を満たすことが困難であると認められる特別の事情のあるものについては、大蔵大臣の承認を得たものに限り、当分の間、同条の規定(小売定価の決定の要件に係る部分に限る。)は、適用しない。
(関税定率法の一部改正)
第四条 関税定率法(明治四十三年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第十四条中「左の各号に」を「次に」に改め、同条第五号中「、日本専売公社又はこれらの」を「又はその」に改める。
別表第二四・〇一号中「三五五%」を「無税」に改める。
別表第二四・〇二号を次のように改める。
二四・〇二
製造たばこ並びにたばこのエキス及びエッセンス
一 製造たばこ
 (一) たばこ専売法(昭和二十四年法律第百十一号)第三条(専売権の実施)の規定に基づく専売権の実施の用に供されるもの
  A 紙巻たばこ
九〇%
  B 葉巻たばこ
六〇%
  C パイプたばこ
一一〇%
  D その他のもの
二〇%
 (二) その他のもの
  A 紙巻たばこ
二五〇%
  B 葉巻たばこ
二〇〇%
  C パイプたばこ
二五〇%
  D その他のもの
六〇%
二 たばこのエキス及びエッセンス
二〇%
別表第四八・〇一号中
A 製造たばこ用の巻紙用紙
二〇%
A 製造たばこ用の巻紙用紙
無税
に改める。
別表第四八・一〇号中「二〇%」を「無税」に改める。
附 則
(施行期日等)
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 第一条の規定による改正後の日本専売公社法第四条の二、第四十三条の十三(別表を含む。)及び第四十三条の十三の二の規定は、昭和五十四年度以後の事業年度の専売納付金の納付及び決算について適用し、昭和五十三年度以前の決算については、なお従前の例による。
(製塩施設法の一部改正)
3 製塩施設法(昭和二十七年法律第二百二十八号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項中「第三項」を「第二項」に改める。
第三条第六項を削る。
第六条第二項中「及び第六項」を削り、「とあるのは」を「とあるのは、」に改める。
(大蔵省設置法の一部改正)
4 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第七条中「左の」を「次の」に改め、同条第十七号中「の価格」の下に「及び製造たばこ定価法(昭和四十年法律第百二十二号)の規定による暫定最高価格」を加える。
第七十条第一項の表専売事業審議会の項中「行い、その他」を「行うとともに、製造たばこ定価法の規定による暫定最高価格の決定並びに専売事業及び」に改める。
大蔵大臣 竹下登
内閣総理大臣 大平正芳