証券取引法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第90号
公布年月日: 昭和40年5月28日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

証券業は国民経済上重要で、証券投資の大衆化により公共性が高まっていることから、証券取引審議会での検討を経て、証券会社の社会的地位向上と投資者保護を目的とした法改正を行うものである。主な改正点は、証券業を登録制から免許制に変更し、財産的基礎、収支見込み、人的構成、経済的・地域的妥当性を審査基準とすること、業務を4種類に区分して免許を与えること、監督規定の整備、および証券外務員の登録制導入である。外務員については大蔵大臣の監督下に置き、有価証券取引に関する包括的な権限を付与することで、投資者保護と証券業の信用向上を図る。

参照した発言:
第48回国会 衆議院 本会議 第17号

審議経過

第48回国会

衆議院
(昭和40年3月12日)
(昭和40年3月17日)
参議院
(昭和40年3月24日)
衆議院
(昭和40年4月14日)
(昭和40年4月16日)
(昭和40年4月21日)
参議院
(昭和40年4月22日)
衆議院
(昭和40年4月27日)
参議院
(昭和40年4月27日)
衆議院
(昭和40年4月30日)
参議院
(昭和40年5月7日)
(昭和40年5月11日)
(昭和40年5月13日)
(昭和40年5月17日)
(昭和40年5月18日)
(昭和40年5月24日)
(昭和40年6月1日)
証券取引法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十年五月二十八日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第九十号
証券取引法の一部を改正する法律
証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。
目次中「証券業者」を「証券会社」に改める。
第二条第九項中「証券業者」を「証券会社」に、「この法律により証券業を営むことができることとなつた」を「第二十八条の規定により大蔵大臣の免許を受けた」に改める。
第十五条第二項及び第三項中「証券業者」を「証券会社」に改める。
「第三章 証券業者」を「第三章 証券会社」に改める。
第二十八条から第四十条までを次のように改める。
第二十八条 証券業は、大蔵大臣の免許を受けた株式会社でなければ、これを営むことができない。
前項の免許は、次に掲げる四種類とする。
一 有価証券の売買を行なう業務の免許
二 有価証券の売買の媒介、取次ぎ及び代理並びに有価証券市場における売買取引の委託の媒介、取次ぎ及び代理を行なう業務の免許
三 有価証券の引受け及び売出しを行なう業務の免許
四 有価証券の募集及び売出しの取扱いを行なう業務の免許
第二十九条 大蔵大臣は、前条第一項の免許に条件を附することができる。
前項の条件は、公益又は投資者保護のため必要な最少限度のものでなければならない。
第三十条 第二十八条第一項の免許を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した免許申請書を大蔵大臣に提出しなければならない。
一 商号
二 資本の額
三 取締役及び監査役の氏名
四 受けようとする免許の種類
五 本店その他の営業所の名称及び所在地
前項の免許申請書には、定款、会社登記簿の謄本、業務の方法を記載した書類その他大蔵省令で定める書類を添附しなければならない。
第三十一条 大蔵大臣は、証券業の免許をしようとするときは、次の各号に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 免許申請者がその営もうとする業務を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、その者の当該業務の収支の見込みが良好なものであること。
二 免許申請者が、その人的構成に照らして、その営もうとする業務を公正かつ的確に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有するものであること。
三 免許申請に係る証券業が、その営まれる地域における有価証券の取引の状況、証券会社及びその営業所の数その他その地域における経済の状況に照らして、必要かつ適当なものであること。
第三十二条 大蔵大臣は、免許申請者が次の各号の一に該当する場合においては、第二十八条第一項の免許をしてはならない。
一 資本の額が、免許の種類、業務の態様及び営業所の所在地に応じ、公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める金額以上の株式会社でないとき。
二 この法律の規定により罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わつた後又は執行を受けることがないこととなつた日から五年を経過するまでの会社であるとき。
三 第三十五条第一項の規定により、その受けているすべての種類の免許を取り消され又は申請に係る免許と同一種類の免許を取り消され、その取消しの日から五年を経過するまでの会社であるとき。
四 取締役(相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、会社に対し取締役と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この条及び第三十五条第二項において同じ。)又は監査役のうちに次のいずれかに該当する者のある会社であるとき。
イ 破産者で復権を得ないもの
ロ 禁錮以上の刑又はこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わつた後又は執行を受けることがないこととなつた日から五年を経過するまでの者
ハ 証券会社が第三十五条第一項の規定によりその受けているすべての種類の免許を取り消された場合において、その取消しの日以前三十日以内にその会社の取締役であつた者でその取消しの日から五年を経過するまでのもの
ニ 第三十五条第二項の規定により解任を命ぜられた取締役又は監査役でその処分を受けた日から五年を経過するまでのもの
第三十三条 証券会社は、次の場合においては、大蔵大臣の認可を受けなければならない。
一 商号を変更しようとするとき。
二 資本の額を変更しようとするとき。
三 業務の方法を変更しようとするとき。
四 支店その他の営業所を設置しようとするとき。
五 本店その他の営業所の位置を変更しようとするとき。
六 支店以外の営業所を支店に変更しようとするとき。
第三十四条 次に掲げる事項は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
一 証券会社の合併又は営業の全部若しくは一部の譲渡若しくは譲受け
二 証券業の廃止(二種類以上の免許を受けている場合における一部の種類の免許に係る業務の廃止を含む。)又は証券会社の解散の決議
第三十五条 大蔵大臣は、証券会社が次の各号の一に該当する場合においては、当該証券会社の免許を取り消し、又は六箇月以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第三十二条第一号又は第二号に該当することとなつたとき。
二 法令若しくは法令に基づいてする行政官庁の処分又は免許に附した条件に違反したとき。
三 業務又は財産の状況に照らし支払不能におちいるおそれがある場合において、投資者の損害の拡大を防止するためやむを得ないと認められるとき。
大蔵大臣は、証券会社の取締役又は監査役が第三十二条第四号イからニまでのいずれかに該当することとなつたとき、又は前項第二号に該当する行為をしたときは、当該証券会社に対して、当該取締役又は監査役の解任を命ずることができる。
第三十六条 大蔵大臣は、第二十八条第一項の免許をすることが適当でないと認めるとき、又は前条の規定に基づく処分をしようとするときは、免許申請者又は処分を受けることとなる証券会社に通知して、当該職員をして、当該免許申請者又は証券会社につき審問を行なわせなければならない。
大蔵大臣は、第二十八条第一項の免許若しくは第三十三条若しくは第三十四条の認可をし若しくはしないこととしたとき、第二十九条第一項の規定により条件を附することとしたとき、又は前条の規定に基づいて処分をすることとしたときは、書面をもつて、その旨を免許申請者又は証券会社に通知しなければならない。この場合においては、当該免許又は認可をすることとしたときを除き、その理由を附記しなければならない。
第三十七条 証券会社は、次に掲げる場合に該当することとなつたときは、遅滞なく、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。
一 第三十条第一項第三号に掲げる事項に変更があつたとき。
二 第三十二条第二号又は第四号の規定に該当することとなつたとき。
三 第四十三条ただし書の承認に係る業務を廃止したとき。
四 営業を休止し、又は再開したとき。
五 支店その他の営業所を廃止し、又は支店を支店以外の営業所に変更したとき。
第三十八条 証券会社が解散し又はすべての証券業を廃止した場合においては、当該証券会社であつた者は、当該証券会社が行なつた有価証券の売買その他の取引を結了しなければならない。この場合において、当該証券会社であつた者は、その売買その他の取引の結了の目的の範囲内において、なおこれを証券会社とみなす。
前項の規定は、証券会社が二種類以上の免許を受けている場合において、その一部の種類の免許に係る業務を廃止したときに、これを準用する。
第三十九条及び第四十条 削除
第四十一条を削り、第四十一条の二中「証券業者」を「証券会社」に改め、同条を第四十一条とする。
第四十二条及び第四十三条を次のように改める。
第四十二条 証券会社の常務に従事する取締役は、大蔵大臣の承認を受けた場合を除くほか、他の会社の常務に従事し、又は事業を営んではならない。
第四十三条 証券会社は、証券業以外の業務を営むことができない。ただし、有価証券に関する業務で、当該証券会社が証券業を営む上において公益又は投資者保護のため支障を生ずることがないと認められるものについて、大蔵大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
第四十四条を削り、第四十三条の二中「証券業者」を「証券会社」に攻め、同条を第四十四条とする。
第四十五条から第四十九条までの規定中「証券業者」を「証券会社」に改める。
第五十条を次のように改める。
第五十条 証券会社又はその役員若しくは使用人は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 有価証券の売買その他の取引に関連し、株式その他価格の変動する有価証券について、価格が騰貴し又は下落することの断定的判断を提供して勧誘する行為
二 有価証券の売買その他の取引につき、顧客に対して当該有価証券について生じた損失の全部又は一部を負担することを約して勧誘する行為
三 前二号に掲げるもののほか、有価証券の売買その他の取引に関する行為で投資者の保護に欠け、若しくは取引の公正を害し、又は証券業の信用を失墜させるものとして大蔵省令で定める行為
第五十一条から第五十三条までの規定中「証券業者」を「証券会社」に改める。
第五十四条を次のように改める。
第五十四条 大蔵大臣は、証券会社の業務又は財産の状況が次の各号の一に該当する場合において、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、業務の方法の変更、三箇月以内の期間を定めてする業務の全部又は一部の停止、財産の供託その他監督上必要な事項を命ずることができる。
一 負債の合計金額の純財産額に対する比率が大蔵省令で定める率をこえた場合又はこえるおそれがある場合
二 金銭若しくは有価証券の借入れ、受託若しくは貸付け又は有価証券その他の資産の保有の状況が大蔵省令で定める健全性の準則に反した場合又は反するおそれがある場合
三 前二号に掲げる場合のほか、公益又は投資者保護のため業務又は財産の状況につき是正を加えることが必要な場合として大蔵省令で定める場合
前項第一号に規定する負債の合計金額及び純財産額は、政令で定めるところにより計算しなければならない。
第三十六条の規定は、第一項の規定による処分をする場合に、これを準用する。
第五十五条中「証券業者」を「証券会社」に改める。
第五十五条の二を削り、第五十六条及び第五十七条を次のように改める。
第五十六条 証券会社は、有価証券の売買による利益の額が有価証券の売買による損失の額をこえるときは、大蔵省令で定めるところにより計算した金額を売買損失準備金として積み立てなければならない。
前項の準備金は、有価証券の売買による損失の額が有価証券の売買による利益の額をこえる場合においてその差額の補てんに充てるときのほか、使用してはならない。ただし、大蔵大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
第五十七条 証券会社は、資本の額に達するまでは、毎決算期において金銭による利益の配当額の五分の一以上を利益準備金として積み立てなければならない。
第五十七条の次に次の一条を加える。
第五十七条の二 証券会社は、有価証券の売買その他の取引の数量に応じ、証券取引責任準備金を積み立てなければならない。
前項の準備金は、有価証券の売買その他の取引に関して生じた事故による損失の補てんに充てる場合のほか、使用してはならない。ただし、大蔵大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
第一項の規定による準備金の積立てに関し必要な事項は、大蔵省令で定める。
第五十九条及び第六十条を次のように改める。
第五十九条及び第六十条 削除
第六十一条中「証券業者」を「証券会社」に改める。
第六十二条から第六十四条までを次のように改める。
第六十二条 証券会社は、勧誘員、販売員、外交員その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、その役員又は使用人のうち、その営業所以外の場所でその証券会社のために第二条第八項各号の一に該当する行為、第四十三条ただし書の承認に係る業務に属する行為又は有価証券の売買若しくは有価証券市場における売買取引の委託の勧誘を行なう者(以下「外務員」という。)の氏名、生年月日その他大蔵省令で定める事項につき、大蔵省に備える外務員登録原簿(以下「登録原簿」という。)に登録を受けなければならない。
証券会社は、前項の規定により当該証券会社が登録を受けた者以外の者に外務員の職務を行なわせてはならない。
第一項の規定により登録を受けようとする証券会社は、次に掲げる事項を記載した登録申請書を大蔵大臣に提出し、かつ、政令で定めるところにより登録手数料を納めなければならない。
一 登録申請者の商号及びその代表者の氏名
二 登録の申請に係る外務員についての次に掲げる事項
イ 氏名、生年月日及び住所
ロ 所属する営業所の名称
ハ 役員又は使用人の別
ニ 外務員の職務を行なつたことの有無並びに外務員の職務を行なつたことのある者については、その所属していた証券会社及び営業所の商号及び名称並びにその行なつた期間
前項の登録申請書には、登録を受けようとする外務員に係る履歴書、戸籍抄本その他大蔵省令で定める書類を添附しなければならない。
大蔵大臣は、第三項の規定による登録の申請があつた場合においては、次条第一項の規定に該当する場合を除くほか、直ちに第一項に定める事項を登録原簿に登録しなければならない。
大蔵大臣は、前項の規定による登録をした場合においては、遅滞なく、書面をもつて、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
第六十三条 大蔵大臣は、登録の申請に係る外務員が次の各号の一に該当するとき、又は登録申請書若しくはその添附書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
一 第三十二条第四号イからニまでに掲げる者
二 第六十四条の三第一項の規定により外務員の登録を取り消され、その取消しの日から五年を経過するまでの者
三 登録申請者以外の証券会社に所属する外務員として登録されている者
第三十六条の規定は、前項の規定により登録を拒否する場合に、これを準用する。
第六十四条 外務員は、その所属する証券会社に代わつて、その有価証券の売買その他の取引に関し、一切の裁判外の行為を行なう権限を有するものとみなす。
前項の規定は、相手方が悪意であつた場合においては、適用しない。
第六十四条の次に次の四条を加える。
第六十四条の二 証券会社は、第六十二条第一項の規定により登録を受けている外務員について、次の各号の一に該当する事実が生じたときは、遅滞なく、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。
一 第六十二条第三項第二号イからハまでに掲げる事項に変更があつたとき。
二 第三十二条第四号イ又はロの規定に該当することとなつたとき。
三 退職その他の理由により外務員の職務を行なわないこととなつたとき。
第六十四条の三 大蔵大臣は、登録を受けている外務員が次の各号の一に該当する場合においては、その登録を取り消し、又は六箇月以内の期間を定めてその職務の停止を命ずることができる。
一 第三十二条第四号イからニまでのいずれかに該当することとなつたとき、又は登録の当時第六十三条第一項各号の一に該当していたことが発見されたとき。
二 法令に違反したとき、その他外務員の職務に関して著しく不適当な行為をしたと認められるとき。
第三十六条の規定は、前項の規定による処分をする場合に、これを準用する。
第六十四条の四 大蔵大臣は、次に掲げる場合においては、登録原簿につき、外務員に関する登録を抹消する。
一 前条の規定により外務員の登録を取り消したとき。
二 外務員の所属する証券会社が解散し又はすべての証券業を廃止したとき。
三 退職その他の理由により外務員の職務を行なわないこととなつた事実が確認されたとき。
第六十四条の五 第二十八条から前条までの規定を実施するための手続その他その執行について必要な事項は、大蔵省令で定める。
第六十七条第一項中「証券業者」を「証券会社」に改める。
第六十九条第一項第二号中「第三十一条第一項第九号イ乃至ホの一」を「第三十二条第四号イからニまでのいずれか」に改め、同条第二項を次のように改める。
前項の規定により登録を拒否した場合においては、遅滞なく、理由を記載した書面をもつて、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
第七十一条第三号及び第八十一条中「証券業者」を「証券会社」に改める。
第八十三条第一項第三号中「証券業者」を「証券会社」に改め、同条第二項第二号中「第三十九条、第四十条第三項、第五十七条第一項又は第五十九条の規定により登録」を「第三十五条第一項の規定によりその受けているすべての種類の免許」に改め、同項第三号中「第三十一条第一項第九号イ乃至ホの一」を「第三十二条第四号イからニまでのいずれか」に改める。
第九十条中「証券業者」を「証券会社」に改める。
第九十一条を次のように改める。
第九十一条 削除
第百条第四項及び第百二条第一項中「第三十一条第一項第九号イ乃至ホの一」を「第三十二条第四号イからニまでのいずれか」に改める。
第百二十八条第一項中「本店若しくは支店その他の営業所又は代理店」を「本店及び支店その他の営業所」に改め、同条第二項中「又は代理店」を削る。
第百五十六条の四第二項第三号中「第三十九条、第四十条第三項、第五十七条第一項若しくは第五十九条の規定により登録」を「第三十五条第一項の規定によりその受けているすべての種類の免許」に改め、同項第四号イ中「第三十一条第一項第九号イからホ」を「第三十二条第四号イからニ」に改める。
第百五十六条の九、第百五十七条、第百六十三条、第百八十四条第一項及び第百九十一条の二中「証券業者」を「証券会社」に改める。
第百九十七条第一号の次に次の一号を加える。
一の二 第二十八条第一項の規定による免許を受けないで証券業を営んだ者(同条第二項に掲げる種類別に受けた免許に係る業務以外の証券業を営んだ者を含む。)
第百九十八条第三号及び第四号を削る。
第百九十九条中「その行為をした」の下に「証券会社、」を加え、同条中第一号を第一号の六とし、同号の前に次の五号を加える。
一 第二十九条第一項の規定により附した条件に違反したとき
一の二 第三十三条の規定に違反したとき。
一の三 第三十五条第一項の規定による業務の停止の処分に違反したとき
一の四 第四十三条ただし書の規定による承認を受けないで証券業以外の業務を営んだとき
一の五 第六十二条第二項の規定に違反して外務員の職務を行なわせたとき
第二百条第三号中「第二十八条」を「第三十条、第六十二条」に改め、同条第三号の二を削り、同条第三号の三中「第四十三条の二」を「第四十四条」に改め、同号を同条第三号の二とし、同条第七号中「証券業者」を「証券会社」に改める。
第二百五条第一号中「第三十条第四項(第三十三条第二項において準用する場合を含む。)、第四十一条の二第二項」を「第四十一条第二項」に改め、同条第四号を次のように改める。
四 削除
第二百五条第五号中「、第五十四条第一項」を削り、同条第六号を次のように改める。
六 第四十二条の規定に違反した者
第二百五条第八号中「又は第五十五条の二」を削り、同条第九号から第十二号までを次のように改める。
九 第六十四条の二の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
十から十二まで 削除
第二百八条中「証券業者若しくは代理店主(これらの者が会社であるときは、役員若しくは支配人)」を「証券会社」に改め、同条第二号中「第三十条第三項、第五十六条第一項乃至第三項、第六十二条、」を削り、同条第三号を次のように改める。
三 第五十四条第一項の規定による命令に違反したとき
第二百八条第三号の次に次の一号を加える。
三の二 第五十六条、第五十七条又は第五十七条の二の規定に違反して、準備金を積み立てず、又はこれを使用したとき
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内で政令で定める日から施行する。
2 この法律の施行の際現に改正前の証券取引法(以下「旧法」という。)の規定により証券業者の登録を受けている者で、引き続き証券業を営んでいるもの(改正後の証券取引法(以下「新法」という。)第二十八条第一項に規定する免許を受けた者を除く。以下「証券業者」という。)については、昭和四十三年三月三十一日までは、旧法(第五十五条の二及び第五十六条並びにこれらの規定に係る罰則を除く。)の規定は、なおその効力を有する。
3 証券業者並びにその役員及び使用人については、新法第四十二条、第五十条、第五十四条、第五十六条から第五十七条の二まで及び第六十二条から第六十四条の四までの規定(これらの規定に係る罰則を含む。)は、これらの者をそれぞれ証券会社並びにその役員及び使用人とみなして、適用する。
4 この法律の施行の際現に証券業者の常務に従事する取締役で他の会社の常務に従事し又は事業を営んでいるものが、この法律の施行の日から一月以内に大蔵大臣にその旨の届出をした場合においては、当該取締役は、引き続き当該届出のあつた他の会社の常務に従事し又は事業を営んでいるときに限り、前項の規定により適用されることとなる新法第四十二条の規定にかかわらず、昭和四十一年三月三十一日までは、同条の承認を受けたものとみなす。
5 証券業者が旧法第五十六条第一項の規定による有価証券外務員の届出をしていた場合において、当該届出に係る使用人が、この法律の施行後引き続きその証券業者のために新法第六十二条第一項に定める外務員の職務を行なうときは、当該証券業者については、第三項の規定により適用されることとなる同条第一項の規定にかかわらず、昭和四十一年三月三十一日までは、当該使用人について、なお従前の例による。
6 証券業者が昭和四十三年四月一日以後引き続き証券業を営もうとするときは、昭和四十二年九月一日から同月三十日までに新法第三十条の規定による免許申請の手続をするものとする。
7 証券業者が昭和四十三年三月三十一日以前において廃業、登録の取消しその他の理由により証券業の全部又は一部を営まないこととなつた場合において、同日までに、当該営まないこととなつた証券業に係る有価証券の売買その他の取引を結了していないときは、旧法第六十四条第一項その他の規定は、同日後もなおその効力を有する。
8 旧法第三十九条、第四十条第三項、第五十七条第一項若しくは第五十九条の規定により登録(支店その他の営業所若しくは代理店の登録を除く。)を取り消され若しくは解任を命ぜられ、又は旧法の規定により罰金以上の刑に処せられた者は、その処分を受けた日において、新法第三十五条第一項若しくは第二項の規定により証券会社の受けているすべての種類の免許を取り消され若しくは解任を命ぜられ又は新法の規定により罰金以上の刑に処せられたものとみなす。
9 この法律の施行前(証券業者については、第二項の規定により旧法がなお効力を有する期間の経過前)にした行為及び第五項の規定により従前の例によることとされる証券業者の行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
10 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第四条第五十号及び第五十一号を次のように改める。
五十 証券会社及び証券投資信託の委託会社を免許し、これらを監督すること。
五十一 証券業協会を登録し、これを監督すること。
第十条の二第三号を次のように改める。
三 証券会社を免許し、これを監督すること。
第十条の二第三号の次に次の一号を加える。
三の二 証券業協会及び証券業協会連合会を登録し、これらを監督すること。
11 前項の規定による改正後の大蔵省設置法第四条第五十号又は第十条の二第三号に規定する大蔵省の権限又は証券局の事務には、昭和四十三年三月三十一日までは、証券業者を登録し、これを監督することを含むものとする。
12 証券投資信託法(昭和二十六年法律第百九十八号)の一部を次のように改正する。
第七条第二項第三号中「証券取引法第三十九条、第四十条第三項、第五十七条第一項若しくは第五十九条の規定により登録」を「証券取引法第三十五条第一項の規定によりその受けているすべての種類の免許」に改め、同項第四号ハ中「証券業者が同法第三十九条、第四十条第三項、第五十七条第一項若しくは第五十九条の規定により登録」を「証券会社が同法第三十五条第一項の規定によりその受けているすべての種類の免許」に改め、同号ニ中「第五十九条」を「第三十五条第二項」に改める。
第三十四条第一号中「第十条第一項」を「第九条第一項」に改める。
13 有価証券取引税法(昭和二十八年法律第百二号)の一部を次のように改正する。
「証券業者」を「証券会社」に改める。
第十九条中「登録」を「受けているすべての種類の免許」に改める。
14 次に掲げる法律の規定中「証券業者」を「証券会社」に改める。
一 国民貯蓄債券法(昭和二十七年法律第百六十四号)第六条第二項
二 中小企業退職金共済法(昭和三十四年法律第百六十号)第五十三条第二項第二号及び第三項
三 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二条第二号
15 昭和四十三年三月三十一日までは、前二項の規定による改正後の法律の規定の適用については、証券業者は、証券会社とみなす。
法務大臣 高橋等
大蔵大臣 田中角栄
労働大臣 石田博英
内閣総理大臣 佐藤栄作